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地元でちょっと素敵なとんかつ屋
こちらは我が家から3分ほどの所に在るとんかつ屋で、昔から存在は知っていたが近所過ぎて寄ることの無かった店。
MFさんの書き込みには、高齢の女将さんが一人で切り盛りしていることや、その温かみのある人柄が反映された仕事ぶりや、味への賛辞が述べられている。
コロナ騒ぎで営業時間を昼に限定して開けている情報が入り、地元支援の気持ちから良い機会なので寄ってみることにした。
なるべく「密」は避けようと、11時半の開店から間の無い時刻に入店。
店内は逆Ⅼ字型のカウンターに8席と小さなテーブル2卓に4席という、こじんまりとした造り。
事前情報通り、老婦人と言った感じの女将さんに明るく迎え入れられた。
手前のテーブルに置かれたアルコールで手指を消毒後、カウンター中ほどの席に座る。
壁の掲示には、とんかつを中心とした定食が10種類ほど並んでいる。
やはり初回なので定番が良かろうと「ロースかつ定食」1,480円を注文。
ちなみにそれより300円ほど高い定食との差は、肉の量の違いとのこと。
合わせてビールを頼むが、選択肢の無いスーパードライなのは仕方がない。
しかしつまみに「板わさ」の小皿が付くのは気が利いている。
ビールのグラスをゆっくりと傾けているうちに、10分ほどで一式が登場。
サクサクと6つにカットされたロースはなかなかの大きさで、厚みも1.5㎝ほどは有る。
揚げ色は濃い目で、パン粉の粗さも中庸のため衣もそれほど厚くない。
ロースかつは脂身が美味いという説もあるが、断面を見ると縁の脂身は丁寧に取り除かれており、しっかりした火通りながら噛めばほど良い歯応えで、ジューシーな旨味が広がる。
私のとんかつの嗜好は、最近はやりの低温でじわじわ揚げて白っぽく仕上げるタイプは苦手で、さりとてクリスピーなパン粉が尖って、口の中を怪我するようなのも困る。
豚肉なのに中をレアに仕上げるなど言語道断であり、また柔らかさを追求するあまり'箸で切れる'というのも肉を食らう醍醐味に欠ける。
こちらは色付き・火通り・油切れ・食感のいずれも私好みで、肉自体も吟味されていることが分かる。
とんかつにはデミグラス風のソースが掛かっているが、これがなかなか美味しい。
それほど味が濃くないので肉の味が引き立ち、これと皿の縁に添えられた練り辛子で食べ進める。
卓上にはとんかつソースとウスターソースが置かれているが、使うことは無かった。
私は元々ウスター系の味は好まないので、こちらのようなスタイルは喜ばしい。
付け合わせは定番のキャベツの繊切りだが、今が旬の新キャベツが使われている。
柔らかいためその食感と甘みを生かすように、少し太めに手切りされており、水に晒し過ぎていない点も良い。
スパゲッティのケチャップ和えも付いているが、濃い目の味付けに個性が感じられる。
ご飯の炊き具合もさすがで、実に美味しい。
味噌汁の具は豆腐・エノキ茸と青葱だが、味噌の香りが生きており上々の出来。
さらに特筆したいのが、自家製の香の物である。
胡瓜・大根・人参の糠漬けが小皿で出されるが、開業当初からのぬか床を使い続けているそうで、しみじみとした味わいが好ましい。
思わず'これは素晴らしいですね'と声に出すと、女将さんはもう一皿サービスしてくれた。
まことに充実したランチが楽しめた。
全て美味しくボリュームも十分で、値段以上のお値打ち感が認められる。
料理そのものの出来も見事だが、随所に丁寧さと思いやりの心が感じられ、トータルの満足度はかなり高い。
高齢の女将さんが一人で仕込みから調理・盛り付けまでの全てを賄うことを考えれば、完成度の高さには頭が下がる思いである。
テイクアウトの注文も入っているが、いずれもご近所の常連さんからの模様。
長年のファンが多いのも頷ける。
調理の様子が見られた生姜焼きも、実に美味しそうだった。
作業の合間に女将さんからは、色々とお話が伺えた。
この地に開店してからもうすぐ50年になるそうで、女将さんも齢80に近いとのこと。
開店当初はご夫妻でやられていたが、ご主人は50歳を前にして亡くなり、それ以降30年以上にわたり女将さん一人で切り盛りしてきたそうだ。
店構えは開店当初のままだが、手入れが行き届いた店内からは、老朽化などはほとんど感じ取れない。
油煙で煤けるイメージの強いとんかつ屋にしては清潔感が保たれているのは、親孝行の息子さんがこまめに清掃を手伝ってくれるからだという。
随所に季節の花が生けられている、アットホームな雰囲気も好印象。
さぞやご苦労も多かったと思うが、そんなことを微塵も感じさせないようにさらっと語られる女将さんからは、仕事に対するひたむきさと芯の強さが見て取れる。
真摯な姿勢と熟練の技が、とんかつをはじめ一連の味に顕れている。
折からの'Stay Home'の風潮が無ければ、訪れることは無かったと思われる店。
まさに'灯台元暗し'の思いである。
心温まる味と素敵な女将さんとの会話を楽しみに、これからも利用したい。
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蓼喰人
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店名 |
とんかつ カトレヤ
|
---|---|
ジャンル | とんかつ |
お問い合わせ |
03-3994-3138 |
予約可否 |
予約不可 |
住所 | |
交通手段 |
西武池袋線桜台駅徒歩5分 桜台駅から375m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算 |
¥1,000~¥1,999 ¥1,000~¥1,999 |
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
席数 |
11席 (カウンター7席、テーブル4席) |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 隠れ家レストラン |
オープン日 |
1971年 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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昼の用足しのついでに、この時期でも頑張っている地元の店を応援したい気持ちから、どこかに立ち寄ろうと思案。
まず最初に向かったのは、ハンバーグとビーフシチューが名物の「葡萄家」だが、何と店頭に閉店挨拶の紙片が貼られているではないか。
30年くらい前から何度か通った思い出深い店だが、年配のご夫妻二人で営まれていたため、このコロナ禍が引き金となってしまったようで実に残念。
気を取り直して、そのままの道を進み辿り着いたのがこちら。
こちらも高齢の女将さんが一人でやられており、ひょっとして休んでいるのではと思ったが、きちんと暖簾が掛かっていた。
開店から間が無く一番客だったが、女将さんが明るく迎え入れてくれた。
一席ごとにアクリル板の仕切りが設けられた、カウンターの一つに通された。
相変わらず古いながらもきちんと掃除が行き届き整頓された店内の随所には、季節の花が生けられている。
前回はロースを頼んだので、今回は「ヒレ一口かつ定食」(1,450円)を選択。
手元は良く見えなかったが肉をカットし衣を塗して油に投入すると、パチパチと言う心地よい音が聞こえてくる。
揚がるまでに、キャベツとケチャップ和えのスパゲッティをスタンバイ。
手渡された皿には一口よりも少し大きめのヒレかつが5個盛られ、特製のドミグラスソースと練り辛子が添えられている。
揚げ上がりは、サクッとしたスタンダードなスタイル。
噛めばすっと歯が通り、しっかり肉の旨味も感じられる。
掛かっているデミグラスが丁度良い加減で、これだけで十分に食べ進められる。
卓上にはウスターソースととんかつソースも置かれており、少量垂らしてみたが私には不要だった。
添えのキャベツは新キャベツのなので柔らかく甘みもあるが、綺麗に手切りされている点に感心。
今回の味噌汁は「豚汁」で、ロースの端肉のような部分が入っているが、味は出ているものの脂分はほとんど感じさせないあっさりとした出来。
具には豆腐・えのき・三つ葉も入るが、心温まる味わいが好ましい。
ご飯は硬からず柔らかからずの上手な炊き加減で、実に美味しい。
お新香は胡瓜・大根・人参の自家製の糠漬けで、まさに感涙もの味と食感。
丁寧な仕事が貫かれており、味の満足度はかなり高い。
ボリューム面でもたっぷりで、この内容ならば決して高くない。
お母さんのもてなしの心が随所に感じられ、実に豊かな気分にさせてくれた。
私の後から次々と後客が入り、ほどなく6席のカウンターは埋まった。
いずれもお馴染みさんのようで、女将さんと親しく言葉を交わしている。
この味と気さくな人柄に引き付けられる常連は、大勢いると思われる。
80歳の女将さんがこのご時世でも、一人で頑張っている姿には心打たれる。
「葡萄家」のように突如閉店するようなことは無いだろうが、お身体を大切に無理をせずに続けられることを願うばかりである。