斬新さと 旧さを併せ持つ 優しき味噌ラーメン : 東京味噌らーめん 鶉

　ご覧あれ この見事なチャーシュー。そして辛味油に彩られた 香り立つようなスープとのコントラスト。

　ここはJR中央線武蔵境の北口商店街 スキップ通りを抜けた交差点。

　信号待ちでハイナン焼きショーロンポーさんが見えたら真っ直ぐ、右に行ったら家系のつばさ家さんだっつ〜の！
　独歩通りに沿って歩いて こめひろさんの並びっス。くつろ樹さんは向かいの歩道。東京味噌ラーメン 鶉(うずら) さん！　

　以前 初訪問時、食べられなかった、特製辛味噌ラーメン￥1000 ポチって着席。
　雨の平日でも満席になることがある程で人気の程が伺える。

　中華鍋で野菜を振って味噌を加えて作る札幌スタイル。
　
　目の前に来た丼、おお〜、コレは美しい！盛り付けが綺麗！！

　紅色のチャーシューに赤い香味油、色とりどりの野菜に、味噌のスープとのコントラスト！

　さてさて、この盛り付け崩したくないけど、スープを混ぜて 一口啜る。

　・・・うーん、優しい味・・・うん！？待てよもう一口・・・な！何てことだ！進化してるぞ！このスープ！！

　優しく染み渡るスープに磨きがかかり、明らかにコクが深みが増している！
　そして 今日の辛味噌はかけられた辛味油が辛さだけでなく 多層的に味の深みを出すことに働いてる！

　開店当初感じた、迷いがあり自信なさげな 線の細さは影を潜め 優しさの中にキリッと締まって それでいて深みが増した味噌に仕上がってる！

　味噌の酸味を感じた途端、野菜の甘みが広がって スープがコクを加えて さらに辛味が味を深める。
　味の底の底にまだ層が幾つものある感じ。味が織りなす大地由来の味のハーモニー。

　麺は 自家製麺を 茹でる寸前に手もみして縮れを出す。くじらさんに共通の手法だけどこの組み合わせは斬新だ！
　でも この縮れが多層的なスープを絡め取るようにすくい上げる。

　口の中で麺が踊り 野菜の旨味 味噌の甘み 大地の旨味を撒き散らす。
　辛みが追いかけてきて辛さの中にコクがある！コクがあるのにキレがある。
　麺自体が 美味い、食べるのが楽しくなる麺っス！

　低温調理で仕上げられた赤身肉中心の桜色のチャーシューは 盛り付け寸前にカットされ、開店当初に比べ クオリティアップしてるのはビジュアルでも明らかっス。

　一口頬張ると、柔らかさ、ジューシーさが格段にアップ。
　噛めば柔らかく肉の味がよくわかり、もはやチャーシューというよりローストポーク！
　このチャーシューを超えるチャーシューは 蘭鋳さんしか存在しないんじゃないか？

　このチャーシューを口にすればいままで頂いてきたチャーシューでさえパサつき気味に思える仕上がり。

　味噌という 古いけど ほぼ完成された主張の強い調味料を使って、太い手揉み縮れ麺を使うという斬新さで 味噌に引きずられることなく、食べて楽しく喉越しも嬉しい 優しく重層的な一杯に仕上げてるっス。

　甘い味噌で濃厚さを強調しない。やたらな辛味成分のパンチに頼らない。
　斬新なる 旧き佳き優しい、大地の味がする 味噌ラーメン・・・。

　この一杯から サカイの、いや東京ラーメンの未来が垣間見える そんな気がするっス！

　ちょっとトリビア・・・

　麺屋七彩、狼煙で修業を積んだ近藤龍臣店主が 奥様の理恵さんと共に2015年1月19日に開店させたお店。
　麺は自家製麺で東小金井のくじら食堂もかくやの縮れ手もみ麺を使用。
　スープには 東京の老舗が作る「江戸味噌 むさし野」の 赤 白 に加えて秋田のたまり醤油などを独自に調合した味噌を使う。
　ちなみに くじら食堂の下村店主とは 七彩時代の修業仲間。

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　マイレビュアーよーぜふ (K) さんからのタレコミ・・・もとい貴重な情報により、開店当日13：40頃・・・並んでるし・・・。

　後ろに並ぼうとすると従業員の綺麗なお姉さん(実は奥様 理恵さん)が｢今日の分終わりました・・・」！！！マジっスか！ マイレビ さんもこの日行って振られたらしい。
　お店によるとしばらくの間 〜1/24日くらいまで 日/70食位で終了らしいっす、翌日の13：20頃入れました！

　入って右手の食券機で う〜ん・・・わかんないから全部入り 特製味噌らーめん ￥980 ポチって着席。
　三人体制で廻す店内 綺麗なのな。いや新店ってこと以外でも 清潔で手入れ行き届いてる感じするのがいいっスね〜。

　目の前で自家製麺が手揉みされ・・・一、二人前ずつ中華鍋で野菜とスープを煽って供する。
　7、8分で着丼。

　中華鍋で煽られ 湯(タン)と共に火を入れられた野菜、玉ねぎ、もやし、にら、人参が美しく盛られ 赤味の残るチャーシューが乗ってる。　野菜の上には 白髪葱もかくやの 細切ネギと揚げねぎが載せられてる。綺麗なルックス、見とれそうっス。
　特製なのでさらにチャーシュー2枚と味玉が載せられてる。

　赤いレンゲで啜ったスープは・・・まろやか・・・。
　味噌は、豆や麦の癖はなく米味噌っスか。豚・鶏ベースの湯(タン)は僅かに魚介を加えたか 獣系の癖を感じさせない。

　中華鍋で湯(タン)と供に火入れされた 野菜の甘みを伴ってほっこり優しい味わい・・・。
　最後に回しかけられたレードル一杯の香味油は むしろクリーミーさを感じさせてる。　

　麺は中太多加水、段丸をしっかり手揉みで平打ち風に。
　喜多方風とも見える半透明の麺を手繰って、むわっと広がる湯気の中で ズ・ルルル〜〜〜チュルッン！

　ふっ・・・と ため息がでる、柔らかさ円やかさ。味噌は角を立てずくどくもなく あくまで中庸。
　超濃厚ドロリッチタイプではない。刺激物のパンチで勝負といった手も使わない・・・。

　誤解を恐れず言えば 皆んながイメージする 札幌味噌ラーメンそのまんま。
　でも札幌味噌と違うのは、ひき肉わ入れずにコクをだし、野菜の甘みを引き出して、ここに逸品のチャーシューが乗る。

　味玉は半熟、色の綺麗なこと・・・さらに味のいいこと・・・。
　魚介系の味か、しっかりした下味に 柔らかなしょうゆ味が微かに沁みてる。
　割れば半熟の黄身が とろり流れ、口に入れれば 味、黄身、白身が一体となって麺に絡む・・・。

　肩ロースか腕か、チャーシューが逸品・・・。ミディアムレアとも言えるチャーシュー、ハムっと齧れば 肉汁が染み出し 薄切りのローストポークさながら・・・。
　
　清湯で溶かれた味噌は、野菜の甘みを加えながら 柔らかく優しい。
　手揉み仕上げの麺は喉越し良く、野菜は細かくそれでも歯触りを十分残す具合にカットされ、全く高次元にまとまってる・・・。チャーシューの出来映えは一品料理並み、味玉も素晴らしい・・・。
　
　寒い日が続く中で ほっとさせてくれる一杯だったっス・・・。

　・・・。二日目・・・。 小雨のなか再訪。この日も数人の待ち。
　ところが問題発生。お目当の辛味噌ラーメンが売切れ、更にご飯類もアウト・・・。しばらくの間は無理のようっス。
　代わりに大盛りが無料。ならばと、味玉味噌ラーメン￥900・大盛り ぽちって着席。
　　
　今日はお二人で回してる。それでも5分ほどで着丼。
　ふわっと上がる 湯気の向こうから｢特製味噌(¥1000) お待たせしました〜｣ の声。
　俺のは味玉味噌のハズ。でも 見渡しても他に該当者無し？ あれ？それじゃあお店の損・・・。
　今は 忙しそうだから今度返しに来るとして、さていただきましょう。
　
　ん！一口目、前より味噌の味が僅かに立ってる。骨格が張ってきて むしろこっちのほうがいい。
　さらに食べ進める、うんうん野菜の味が前にも増して出てきてる、特に玉ねぎの甘みが増してる。
　ならばやっぱり味噌がもう少し主張していいと思うっス。

　反面 チャシューは、相変わらず素晴らしいが、少〜し醤油風味が足りないか？
　味玉はやはり素晴らしい！だが心なしか味が薄いか？初日より黄身の味がはっきり濃厚に感じる。

　お店は綺麗でオペレーションはスムーズ、接客もにこやか。開店して連日 昼で完売状態で これだけのクオリティ維持するのは大変ですわ。オーナーさんは真面目な人みたいっス！
　
　総じて完成度は高い、でも完成されすぎちゃってるところもあると思うのがおしいッス。
　ちょっとこじんまりとまとまり過ぎちゃってるのかなあ！

　まだ四日目、これからむしろ大変になって来んだろうけど、頑張って欲しいっス！
　オーナーさんはかなり色々なところで頑張って修行した 努力家みたいだから、味にも真摯でひたむきな感じがよく出てるっス。

　まだ 1種類のメニューしか戴いてないので評価は暫定ってことで。

　境にも新しい風が吹くのか！！！