北浦：久々に訪れたらおじちゃんもおばちゃんも元気だった : いしはら食堂

緊急事態宣言発令前、
朝早い空いてる時間帯に訪れる。

隣のコインパーキングが広くなってた。

曇りガラスの引き戸を開けると、
カウンター手前でおにいさんが朝ひとり宴会。

野菜炒め定食！
と云ってカウンターの真ん中に座る。

おじちゃんが湯飲みに温かいお茶を入れて出してくれる。

定食セット（ご飯・味噌汁・お新香）は240円、
それに好きなおかずを頼むシステム。
野菜炒めは220円なので460円という計算。

TBSラジオから森本毅郎と遠藤泰子の声が聞こえる。
遠藤泰子は故永六輔のラジオ以来だから人によっては50年以上の付き合いか。

間もなく、
出し口に皿が並べられ、
自分で受け取ってカウンターに並べる。

野菜炒めも味噌汁もお新香も
塩分控えめの味付けはありがたい。

ワカメと豆腐と揚げの味噌汁、
中華味野菜炒めを温かいご飯にのっけてかきこむ。

2011年にここにはよく通った。
朝吞み、予約しての夜オフ会、
楽しい日々。

店内は完全禁煙になり、
メニューの値段も上がったけれど、
おじちゃん、おばちゃんはまだまだ元気。

おばちゃんに460円払ってご馳走様。

[カレー編]
日曜の午前中。
やっぱりお客さん達は
ビールとつまみで楽しそうに
休日の朝を過ごしている。

カレーライス340円と生卵50円。
昔懐かしい黄色いカレー。
定番のニンジン、ジャガイモ、豚バラ、玉ネギ。

予想通り、少し甘めの美味しいカレー。
生卵を投入→
ウスターソースを回し入れ→
かき混ぜる→
大阪自由軒風カレーの出来上がり

一味で味を少し整えるとさらに味が締まる。
しかし安い！！！

[親子丼編]
この間の宴会のお礼を言いに日曜の朝訪れる。
今朝はテレビがついていて関口宏のサンデーモーニング。

この間いた北海道経済を語る常連さんはまた北海道経済を語っていた。
きっとこの人は毎朝いしはら食堂に来ているのだ。

おじさんが二人、それぞれビールを頼んでからおかずを注文。
やはり日曜の朝、
朝ビールを飲みながらハムエッグをつまむ至福のひと時を過ごしたい人が
他にもいるのだ。

まだ、ここのご飯を食べてないので、
目玉焼き100円、チキンカツ250円、定食セット200円を注文。
定食セットにはご飯とワカメと豆腐の味噌汁、お新香がつく。

目玉焼きは鉄板の半熟。
小さいころ、
目玉焼きをご飯にのせて
ウスターソースをかけて食べるのが好きだった。
変形TKGである。
黄身がとろりと旨い。

更にこれにチキンカツをのせると変形親子丼の完成！

バイクライダーのお兄さんが二人、
手をかじかませて引き戸をあけて入ってくる。
レバニラと生卵と定食セット大盛り！、
もとい！生卵やめてハムエッグ！
正しい注文である(笑)

ご馳走様！

[宴会編]
なんと普通の食堂であるここ「いしはら食堂」で4人の宴会をした。
20時閉店なので18時40分の予約。

B型人さんが電話で予約を入れたら、
大将が電話の向こうで「えっ？！予約？！」と飛び上がったそうである。
はっきり言っておくがビールと日本酒は置いてはあるが、
ここは居酒屋、呑み屋ではない。純粋な食堂である。

結局快く我々の予約を受けてくれ、
先に三鷹についた三人は加賀屋でゼロ次会。
遅れたB型人さんはまっすぐ「いしはら食堂」に向かい結果先乗り。

JR三鷹駅から歩くと結構ある。
南口を南下し左角地下に「ラーメンみたか」がある最初の三鷹駅前の交差点を
左にずんずん進む。
ファミリーマートが右手に見えてきたら
その向かいである。

入ると前来た時よりずいぶん広い印象。
右手が壁だと思っていたのがアコーディオンカーテンで、
その向こうにカウンター席とテーブル席があり、
大将がそこを開放して広く使わせてくれた。

ビールと日本酒で乾杯しようとしたら、
大将が一升瓶を持ってきて、
「一杯ずつ、俺のおごりだ！」
ありがたいことである。

頼んだのは、
もちろん奇跡のハムエッグ150円に始まり、
レバニラ200円、ウインナー炒め180円、
鶏から揚げ350円、サンマ丸焼き250円、
サバ味噌170円、たまご焼き120円、
ポテサラ90円。

魚職人、B型人さんの見事な手さばきで
サンマの骨がきれいに取れた。
お見事！

ここは食堂、長居することなく閉店時間を守る。
4人で〆て3,880円（＠970円）、驚きのコスパである。

御馳走様！

[朝ビール編]
ここはＢ型人さんに教わったお店である。
Ｂ型人さんは最初から朝酒をするつもりで、
わざわざ松戸から車で来るから帰りの運転手が必要ということで
ジブリを餌に奥様とお嬢さんを誘いだしたというほどの名店らしい。

下記がそのレビュー。
https://tabelog.com/tokyo/A1320/A132002/13016012/dtlrvwlst/B115704176/

Ｂ型人さんのレビューを読んですぐさま作戦を立てた。

まずは行き方：
日曜か祝日の朝、
公共機関で行く方法を探す。
小田急バス鷹54系統で法専寺前バス停下車、
東に徒歩5分、
自宅からは30分ほどで行けることがわかった。

続いて注文する品：
Ｂ型人さんが頼んだのは、
ポテサラ、生たらこ、ハムエッグ、鶏唐揚げ、生姜焼き、サバ塩焼、親子丼、ご飯セット。
今回はこれにはかぶらないようにしようと、候補をメモに書き出す。

第一次候補は
目玉焼き、玉子焼き、野菜炒め、レバニラ、
モツ炒め、ウインナー炒め、コロッケ、
メンチカツ、アジフライ、チキンカツ、
とんかつ、カキフライ、鮭フライ、
イカフライ、サバ味噌、ニシン焼き、
アジ開き、鮭甘塩焼、おしんこ、
ひじき、金平ごぼう、カレーライス

悩みに悩む。
ここから何度も何度も検討し直し、
選び出したのが
金平ごぼう70円、
目玉焼き100円、
メンチカツ2枚で150円、
鮭甘塩焼180円
黄金の4品である。
前日の夜中の12時にようやく決定である。

さて寝ようとした夜中の1時過ぎ、
Ｂ型人さんからメールがはいる。
「まめさん、スペシャリテの「ハムエッグ」は頼みなはれや！」

最後の最後で
目玉焼き100円を
ハムエッグ150円に差し替え。
菅野智之を最後の最後で一位指名することにした日ハム首脳陣のような気分である。

遠足の朝、早く目が覚めてしまう子供の様に
こっちも早く目が覚め、支度支度。
7時オープンだから6時半前に出ても意味がないと
自分に言い聞かせながら支度支度。

7時55分入店！
いらっしゃい！とおじちゃん、おばちゃんの大きな声。

常連さんの男性が二人、朝食をとっていた。
カウンターに座り、
ビール中瓶420円をまず頼む。

そして、メニューを見るふりをして自分を落ち着かせ、
おばちゃんがビール瓶とコップを持ってくるタイミングで
「金平ごぼう、ハムエッグ、メンチカツ、鮭甘塩焼お願いします！」
おばちゃんが「ご飯セットはいらないんやね。単品やね。」
と優しく聞いてくれる。

贅沢な朝ビールである！
何年振りであろう。

10年以上前、義父が存命の頃、年に一度は、家内の家族と一緒に旅行に出かける。

旅館の朝食の際、義父が、「まめ君、いっぱい飲んでいっぱい食べないかんよ。」
といつも私のためにビールを頼んでくれた。
他人にはこれでもかともてなす義父であった。

思い半ばにして世を去ったが、
その通夜、告別式にはその人望を慕い想像を越える数の人たちが弔問に訪れ、
3日間ほとんど寝ることもできず、
こちらが死ぬのではないかと思ったのは懐かしい思い出である。

そんなことを思いながら、朝のビールをぐびぐび。
金平ごぼうが出される。
これは冷たいので作り置きなのであろう、
思った通りの濃い味付け。

突然テレビがつき、ＮＨＫの朝の連ドラが始まる。
尾野真千子が頑張っていてなかなか面白い。
はい、ハムエッグ！
とおじさんが差し出してくれる。

パッと見、少し火が入りすぎ？と思ったが、
大丈夫。
黄身はちゃんと半熟で
割るととろりと黄身が流れ出した。
味付けは本当に控えめ。
ハムも塩気を抜いているのか、
私には丁度いい。
好みで醤油、ソース、塩をかければいい。

Ｂ型人さんがここのスペシャリテというだけの値打ちある一品。
タマゴ二個ハム二枚で150円。

続いて、熱々の揚げたてメンチカツが出される。
薄めの丸いメンチが二枚。
ハムエッグもそうだがつけあわせにキャベツとオレンジスライスがついてくる。

まず何もつけずにひと口。
肉汁じゅわっとまではいかないが、
美味しい。
これもあっさり目の味付け。

最後に鮭甘塩焼。
グリルで焼き立て。
塩気はほとんど抜いてあり、
鮭本来の味がしておいしい。

朝ドラが終わったらテレビが消され、
ＴＢＳラジオに切り替わる。
常連のおじさんがおばちゃんと北海道の経済について語り合っている。

話からすると、おばちゃんはどうやら北海道出身のようである。
その常連さんが、おじさんに、そういや今日は若社長は休み？

おじさんが、「うん、休み」
そうここは老夫婦と息子さんの三人で店を回しているのである。

ご馳走様！というと、
厨房からおじさんが元気な声で「970円です！」
ビールとおかず4品で970円、
驚きである。

会計するとき、
ここはＢ型人さんに教わったんだと言うと、
目を細めて、
「あぁあの円鏡さんに似た人ね。宜しくお伝えくださいね。」

朝7時オープンかと思ったら6時なんですね、
と言うと、
笑顔で、
「5時半に来る常連さんもいらっしゃるんですよ。」
（注：これは常連さんの特権だと思うので普通の人は営業時間を守ったほうがいい）

おばさんに癒されるお店である。
Ｂ型人さん、やっぱりここでオフ会ですね。