吉祥寺にあってはやや高級志向に使い勝手の良い中華料理店。 : 吉祥寺聘珍樓

家族のお祝いごとで久しぶりに利用。総体的なイメージとしては「皆様が言われるほど悪くないじゃん！」というような印象。

というのも今回は新館（といいながら16年の歴史を誇っている）の個室に案内されたのだった（ランチの場合、サービス料はなし。個室使用料もなし）。平日といえども、異常に賑やかな店舗の個室はなかなか有難い。

今回お願いしたのは「富貴之?」（少量好菜）のお一人様10,500円のコースだ。
コース内容は
1.聘珍樓特選前菜の盛り合わせ
2.フカヒレの姿煮込み、蟹肉あんかけ
3.車海老と鮑の黒豆味噌炒め
4.本格釜焼き北京ダック
5.北海道産大帆立貝のクリーム煮込み
6.地鶏と牛挽肉入りチャーハン
7.本日のおすすめデザート二種
という構成。

1の前菜盛り合わせは7種からの構成。叉焼やくらげ等の組み合わせだったが、いずれも上品な味付けでなかなかおいしかった。芥子と豆板醤が登場するが、此方の叉焼には豆板醤が絶対のおすすめ。しかも、この新館、なかなかディテールに凝っていて飾り皿等はバラバラのウェッジウッドだったりするのだ（笑）。
続いては父が楽しみにしていた「フカヒレ」だ。コラーゲンたっぷりめでおいしいのだが何故か微妙に温く、さら塩辛い・・・。そして程なく3の車海老と鮑が登場する。車海老はひとつだけでちょっと寂しかったが鮑は柔らかくてたっぷりとしている。が、こちらも味のバリエーションが2と酷似している。

そして私が一番楽しみにしていたのが、4の北京ダックだった。クリスマスのチキンのようにこんがりと焼き上がった北京ダックがしずしずと運びこまれる。おねえさんが皮をハギハギしてくれる訳だが、「どうすればそんなに薄くカットできるの？」というほどに北京ダックは薄く皮をそがれていく。結局、巻いてもらった訳だが、肝心の北京ダックは「？」。
当日のお料理の中では最もポイントが低い評価となってしまった。というのも、自家製（たぶん）の皮が主張しすぎて、薄すぎる北京ダックの繊細なテイストを打ち消してしまうのが敗因のようだ。両親からは非難ごうごう（北京ダックを食べたいと強く主張したのは私だったので）。

5の帆立貝はいささか塩気が強すぎながらも、ほこほことしておいしいホタテだった。でも、やっぱり何だか冷めているのは何故なのだろう？総じてボリューム的には「足りないかも！」と思ったのは余計な心配に終わったようだ。ラストのチャーハンに至ってはやっとの思いで食べきることになった。このチャーハンがパラパラかつ繊細な味付けでまたおいしかったりするのだ。そりゃー素材を考えれば当たり前なのだけれど・・・。

デザートはいちごのムースと中華系のお団子だった。食べているとアニバーサリー仕様だとかでポラロイドによる記念写真を撮ってくれる。そして桃なんとかというお饅頭までお土産でもたせてくれた。吉祥寺界隈にあってこのようなサービスは結構ポイントが高い（笑）。

全体的にはたぶん普請のせいなのだろう。個室でも周囲のさざめきはどうしても耳に入ってくる。が、無料で個室を利用している身なのであまり贅沢はいえない。唯一辛いところはエレベーターがないところだろう。最近、めっきり足が弱くなった父などは結構、無理して階段を上ったのだそうだ。お店としてこの辺りは何とかならないのであろうか。

また、吉祥寺ということもあるのだろう。客層も今ひとつなようだ（まー自分たちもその一角を成している訳だが・笑）。たまのちょいリッチ感覚を楽しみたい御仁におすすめ。
駐車場は向いのデニーズが入っているパーキングが2Hまで無料とのこと。

紹興酒をたっぷりと楽しんだ父は絶賛の嵐だったが、料理の味付けが濃すぎたというのは母親のコメント。もう少し塩けが少なければ、頻繁に通っても良いお店なのにねぇーなどと総括していた。

近いうちに父には内緒でランチにトライする予定で盛り上がっていたりする（笑）。


【2001.4.29のレビュー】
吉祥寺では古株の中華料理店です。R店やM店が登場する前から横浜中華街の味を提供していました。広東料理独特の味もサービスもそれなりに充実しているのですが、お値段は若干高めの設定。他に安くて美味しい店もたくさん登場したこともあってだいぶ足が遠のいていました。が、昨年からメニューの一新を図ったということで、真新しさも手伝って久しぶりに訪れてみました。相変わらずお値段は高めでしたが、あまり日本ではお目にかかったことのない斬新なメニューが揃っていて美味しくいただけました。デザートの杏仁豆腐もさっぱりとしてとても美味しかったです。