北海道小麦使用のパン。やや値段は高め : えんツコ堂 製パン

西荻窪は、隠れた名店が集積するベーカリーの聖地と言われているそうです。
確かに、食べログの駅周辺500m検索でベーカリーを調べてみると、実に20店がヒットします。
ターミナル席ならいざ知らず、ローカルな駅でこの数字は凄いと思います。
しかも、そのうち利用、レビューしているのは2店のみ(かむかむhygge(ヒュゲ)およびアンセン)。
これは言ってみれば宝の山とも言えそうですね。

この日訪れた当店は、前の週に伺ったアンセンと同じエリアにあって、アンセン利用の際にちょっと足を延ばして様子を確認しておりました。
当然、その時点でＢＭをしておいたわけです。

西荻窪駅からだとちょっと距離があって、北口側の駅前通りを西へ進むこと6～7分くらい。
駅前通りから右折してすぐ右手の建物の1階で営業しています。

店名の看板とかが一切ないので、ここにベーカリーがあるということは食べログが無ければなかなか分からなかったと思います。
少なくとも通りすがりでは、見逃してしまう可能性の高いお店ですね。

店名の「えんツコ」というのは、昔、主に東北地方で使われていたワラで編んだゆりかごのこと。
店主さんが、言葉の響きに惹かれて名付けたそうです。
こういうのを感性と言うのでしょうね。
典型的な左脳派の私などには考えつくことはまずない発想だろうと思います。

店内はとても小さくて、店頭の貼り紙には「店内は4名制限」の旨が記載されています。
入って正面に常温のショーケース、右手に4段の棚が配置されています。
お店は工房の方に男性、売場の方に女性のお二人で切盛りされていましたが、ご夫婦かもしれませんね。
この日は、ショーケースの中及び上部に16種類、棚の方には10種類のパンが並んでいました。
この日は12時前だったのですが、既に完売となっているパンも見られました。
先客の男性客が時間をかけて商品を選んでましたので、私もその後に続いてじっくりとパンを眺めます。

当店のパンのコンセプトは、「北海道産小麦を100％使用し、シンプルな製法にこだわった優しいパン」とのこと。
国産小麦応援団を自認する私には嬉しいところです。
価格はやや高めと言っていいでしょうか、例えばメロンパンが＠190円、ベーコンエピが＠260円、桜あんぱん＠220円、クリームパン＠220円といった塩梅です。
それでも、前日に伺った四谷の「ドラゴーネ」の価格の高さが半端無かったので、まだ控えめに感じます。やはりその日の気分って大事なんですね。

この日、購入したのは、以下の2点です。
・チーズフランス＠220円×１個
・西荻ハリー君＠240円×1個
合計460円

決して安くはありませんが、コスパの目安に置いている500円/2個を下回りました。

持ち帰って、翌日の朝食に供しました。

チーズフランスは、レンジで20秒チンした後、600Ｗのオーブンで4分間加熱していただきました。
小麦は北海道産小麦使用、酵母は、すっかり有名になっている白神こだま酵母を使用しています。
カリッと焼き上げられたフランスパンの中には、オランダ産ゴーダチーズがたっぷり包まれています。
フランスパン生地はさすが北海道産小麦らしいモッチリ感が十分に生かされています。
できれば、品種名、品種名が難しくてもブレンド粉の名称などを開示してもらえるともっといいとは思いますが、美味しいチーズフランスでした。

西荻ハリー君は、お一人様2個までと限定販売になっているので人気商品のようです。
やはり北海道産小麦と白神こだま酵母が使用されており、副原料は、きび砂糖、塩、バターです。
できれば塩、バターのこだわりも表示してもらいたいところでしたが。
もちもちの白パンの中には、ベルギー産のチョコチップがぎっしりと詰まっています。
目の部分はカレンツ（小粒の種なしレーズン)ですね。
もともとは丸いチョコパンだったのですが、クリスマス限定で子どもが喜ぶ形に作り変えたところ、あっという間に人気が出て、そのままお店の看板商品になったそうです。
ややもっさりしたパン生地の中に固いチョコレートが入っています。
私はキャラクタープレミアムのパンはあまり評価しないのですが、このパンもそんな印象を拭えません。
パンとしては、ごく普通レベルで、コスパも良くないです。

こだわりを前面に出すのはとてもいいことだと思いますが、当店の場合は現状やや踏み込み不足の感があります。
例えば、小麦の品種等の開示は難しい面もあるのかもしれませんが、現実にやっているお店も見られますので、不可能ではないと思います。
当店にも是非前向きに検討してもらいたいし、それが産地の北海道にもプラスになると思います。

コンセプトは共感できるところがありますので、是非発展してもらいたいお店です。