居心地の良い、全国最高評価のカレー店で「美味しい」カレーの基準をリ・セットする（トマト＠荻窪） : トマト

汁（出汁）かけごはんの文化は全国各地でみられ、西日本では猫まんまと揶揄されることもありますが、
だし茶漬けのほか、冷汁（宮崎）、鶏飯（奄美）といった郷土料理もあって、
無形文化遺産であるところの「和食」の一翼を担う、日本人の味覚に欠かせないメニューの一つなのだと思います。

基本的に事前に予定を決めて行動するとか苦手＆一人行動なので、
食べログ高評価店であっても、予約必須とか予約がなかなか取れないとこや、お一人様向けじゃないお高級なレストランみたいのにはあんまり興味がなく。

比較的リーズナブルな価格帯で、かつ、
並べば食べられるorテイクアウトできる高評価店を主に巡っています。
関西でいえば、とんかつマンジェ（テイクアウトは待たずに食べられる）など。

ラーメン含む麺類はあまり食べない自分がよく食べるのがカレー。
激辛好き・各国料理好きということもあって、出かけた先ではとりあえずカレー屋さんを物色します。

さて。

食べログカレー部門で長年１位に君臨し続けていたお店。
（２０１７・７現在カレー部門１位の座を新大塚のお店＜未訪＞に明け渡していますが）
予約制をとっておらず、並べば食べられるとのことで時間を作って行ってみました。

７月日曜日の朝。
荻窪駅に降り立ち、途中のコンビニで冷凍ペットボトルを購入、
駅から歩いて数分の場所、マンションの１階のお店があります。

１１時３０分開店のところ、
お店に到着した１０時３５分現在で６名(1-2-2-1)の並びで７番目。
先人からの情報によればこれは一巡目で入れそうだ。
（席数が少ない＆相席なし、かつ一食づつ提供されるので一巡目を逃すと待ちが長い）

昨日の音次郎の行列同様、日陰のない炎天下なので暑い暑い。
お店のすぐ向かいに自販機はありますが、冷凍ペットボトル買ってきて大正解でした。
そして開店時間まで後ろにもさらに行列(2-1-1-4-2-2-1-4)が続きました。

開店。
事前の情報どおり、一人客だからといってカウンターに案内されるわけではなく、入店順で客自身の裁量に任されます。
でも、皆さんグループ人数に適切な座席を選択されカウンターは自分含め１人客×３でおさまり、
１０名(1-2-2-1-1-2-1)で１巡目いっぱいとなりました。
座席はカウンター３席、テーブルが４－２－２－４の４卓。
最後のシングルのお客さんには４人がけテーブルが残りましたが、相席なしです。

１巡目全員が着席したところで、
「本日シチューがございません」の案内。
入店順にオーダーしていきます（タンカレー＆チーズのオーダーが多い印象）。

和牛ビーフジャワカレー＋季節の野菜入り(\2,300+480)をお願いしました。
「野菜けっこう沢山入りますけどよろしいですか？」
食べきれない方もいらっしゃるんでしょうね。もちろん大丈夫です。

どうやらこの日は開店と同時に（並んでいる方限りで）ランチ終了となってしまったらしく、
提供待ちの間も、「もう終わりですか？」と店内に声をかける方が１－２組。
そのたび、奥様が「終わりなんです、ごめんなさい」と。
（それでも引き下がらず、「あと何皿出せるんですか？」と粘ってた方がいらっしゃいました。
　あの奥様ですので、「少しお待ちくださいね、確認しますから」と終始丁寧に対応されてましたが。。。
　少し困った表情をされていましたねぇ。
　シェフと奥様二人だけでされてますので、奥様がその対応をしているあいだホールは完全停止です。）

入店順＝オーダー順に１食づつ提供。
１１時３５分に先頭の方に提供され、７番目の私は１１時５２分の提供となりました。

まずは薬味（福神漬けと玉ねぎのピクルス）が陶器の器で提供され、
続いてレーズンとチーズを散らしたライス。

そして、金属器に入ったカレー。
色鮮やかなブロッコリーが頂点を飾り、クコの実と赤黄パプリカが目にも鮮やかに、山盛りになってます。

まずはソースから。
これまで大阪を中心に食べてきた有名店のカレーはスパイスが前面に来るものでした。
トマトさんのカレーはそれらのスパイスカレーとは一線を画するもの。
まず、出汁の旨味が来ます。
そのあとを追うように、焙煎されたような薫りが鼻を抜けていきます。
辛味や薫りは決して極端ではなく、スパイスはきちんと脇役に回ってで旨味を引き立てている印象。
ときどき口コミに上がる「苦味」はほとんど感じません（この焙煎感を苦味と感じる人はいるかも）。

これは間違いなくライスと合う！
迷わず全量をライスにぶっかけて頂きました。
（メタリックな受け皿と器は一体化してます。金属なので熱いです注意）

そして、野菜のバラエティ感。
この小さいお皿に、確認できただけでも１０種類以上の野菜が投入されていました。
（ジャガイモ、人参、かぼちゃ、大根？、パプリカ（赤・黄）、ズッキーニ（黄）
　ミニトマト、ヤングコーン、舞茸、フクロタケ（マッシュルーム？）、
　ブロッコリー、おくら、ゴーヤ、クコの実）
一口食べる度に、違う食感・違う野菜が口の中に飛び込んできます。

そしてときどき、褐色のカレーソースを纏った、上質でやわらかい一口サイズの牛肉も。

インドカレーやタイカレー、スープカレー、大阪を中心としたスパイスカレーなど、カレーも多くのジャンルに分かれます。
欧風カレーとジャンル分けされているこちらのお店ですが、
旨味をベースとしてジャポニカ米と一緒に味わう、いわゆる「日本のカレー」の最高峰に君臨するカレーとお見受けしました。

正直言って、近所で評判の「旨いカレー」と桁違いにものすごく大きな差があるわけではありません。
（肉の旨味がぎゅっとつまった、焼肉屋さんのカレー＜閉店＞を彷彿とさせる）
日本で一般に食べられているカレーのレベルが、相当に高いともいえますが、
しかし、このカレーを超えるカレーにはこれまで出会っていないのも事実。

本当に旨いものは、飛び抜けて派手なものではなく、
地道に作り出されるものなのだなぁ、と再確認しました。

まだ正午少し過ぎですが、「ランチタイム終了」の札とまだ続く行列をみつつお店を後にしました。
大変美味しいカレーでした。今度はタンかシーフードで、辛味を増してみよう。