最早トンカツとは似て非なる別次元の料理。 : とんかつ成蔵

2021年10月16日（土）

本日は友人の強いリクエストでこちらの店を訪問です。

と言うか、先日の訪問を自慢した事で完全に墓穴を掘った形です（苦笑）

店外の掲示板を見てみると、本日は「TOKYO X」のみを提供している様です。

2人共「とんかつ定食（2品）」を注文し、私は「シャ豚ブリアンかつ」と「特ロースかつ」、友人は「シャ豚ブリアンかつ」と「ミルフィーユかつ」を選択しました。

尚、トンカツ以外の内容は前回と同様ですので、今回のレビューでは詳細についての記載を割愛致します。

先ずは「特ロースかつ」を食べてみると、柔らかでいて瑞々しい歯応えを感じると共に、雑味を伴わない赤身の純粋な旨味だけが舌に素直に伝わります。

一方、端部の脂身を食べてみると、口の中で俄かに溶け出すと共に、豚脂特有の油っぽさを与える事なく純粋なコクや甘味だけが舌に存分に伝わります。

尚、衣は前回と同様に油分の存在感が至って希薄な仕上がりで、サクサクとした食感と共に粗めに挽いたパン粉自身の風味を見事なまでに保っています。

因みに、前回は油で揚げている事にすら疑念を抱いたものの、聞き耳を立てると極めて微弱ではあるものの油で揚げている音を確認する事が出来ました。

次に「シャ豚ブリアン」を食べてみると、前回の「梅山豚」よりも若干柔らかな仕上がりで、且つ肉質の旨味が僅かながら緻密に存在している印象です。

尚、友人の勧めで塩すら使わずに食べてみましたが、肉質自身の旨味がここまで豊富であれば最早塩味を与えて底上げする必要すら無い様に感じました。

前回も感じた事ですが、素晴らしいトンカツと言うよりも、寧ろ既存のトンカツとは似て非なる別次元の料理であると言う印象の方が圧倒的に優ります。

強いて不満を挙げるならば、やはり「特ロースかつ」の脂身からは極僅かながらしつこさを感じました。

私個人的には「シャ豚ブリアンかつ」と「ミルフィーユかつ」の組み合わせがベストである様な気がします。

一方、肉質自体の旨味に関しては、他の品種よりも寧ろレギュラーで提供している「TOKYO X」の方が緻密に存在している様に感じます。

改めて訪れる機会があれば、次回は「TOKYO X」の「シャ豚ブリアンかつ」と「ミルフィーユかつ」を組み合わせて是非試してみたいと思います。

ご馳走さまでした。

2021年8月29日（日）

本日はニボ美と一緒に前々から気になっていたこちらの店を初訪問。

定刻の6分前に到着すると、店の前では既に2名の先客が入店待ちの状況です。

店外で待つ間に注文を尋ねられ、若干悩んだ末に今回は以下の内容で注文しました。

●私:「定食（3品）」
・梅山豚シャ豚ブリアン
・梅山豚バラ
・TOKYO Xミルフィーユかつ

●ニボ美:「定食（2品）」
・望来豚シャ豚ブリアン
・TOKYO Xチーズミルフィーユかつ

定刻を過ぎる事8分ほどで店内に案内され、テーブル席に着いて待つ事4分ほどで先ず3種の前菜が順次到着しました。

【前菜】
・プルドポーク
・千枚漬け
・豆とヒジキの煮付け

プルドポークは豚肉がトロトロに仕上がっていて、尚且つ肉質の旨味や脂身のコクが極めて緻密に凝縮されています。

一方、他の2品も美味しかったですが、私が味わう限りでは筆舌に値するほどの目立った特長は見当たりませんでした。

その後サラダに次いで白飯と豚汁が到着し、サラダを完食すると共に私の「梅山豚バラ」とニボ美の「望来豚シャ豚ブリアン」が到着です。

塩を付けて食べてみると、衣は見事なほどサクサクに仕上がっていて、溶けた脂身が上品な甘味を与えつつも一瞬で口の中から消え去ります。

衣には粗めのパン粉を使っていて、パン自体の風味を極めて鮮明に保っているものの、衣からは何故か油で揚げた痕跡が一切感じられません。

油で揚げる音が一切聞こえて来ず、揚げ物屋特有の匂いもしない事から、実は油で揚げていないと言う有り得ない妄想が一瞬頭を過ぎります。

そして、1品目を食べ終えてから数分ほどで、私の「梅山豚シャ豚ブリアン」とニボ美の「TOKYO Xチーズミルフィーユかつ」が到着しました。

断面を見ると肉質の中心が若干赤味を保っていて、極めて柔らかな歯応えを感じると共に上質な赤身の緻密な味わいが舌に存分に伝わります。

次に私の「TOKYO Xミルフィーユかつ」が到着すると共に、店側からは別添えの「スイートチリソース」を付けて食べる事を勧められました。

先ずは塩を付けて食べてみると、薄く重ねた肉の層が口の中でホロリと解けると共に、肉の層に封じ込められていた肉汁が一気に口内に放たれます。

一方、店が勧める「スイートチリソース」を試したものの、私個人的にははソースの甘味や辛味が明らかに肉汁の旨味を損ねている様に感じました。

また、合間に時折豚汁を飲んでみると、味噌の風味と共に生姜の香味が効いていて、トンカツの些か重厚な後味をリセットする役割を担っています。

そして、最後にデザートの「揚げた衣のフレンチトースト」を戴いて難なく完食を迎えました。

食べ終えた感想ですが、今まで抱いて来たトンカツに対する概念を覆す極めて素晴らしい味わいでした。

そして、ニボ美は部活帰りの中学生の如くトンカツを頬張りつつ白飯をモリモリ掻き込んでいました（笑）

因みに、今でも「実は油を使っていないのでは？」と言う有り得ない可能性を若干疑っています。

改めて訪れる機会があれば、次はカウンター席を予約して調理の様子を是非覗いてみたいと思います。

ご馳走さまでした。