期間限定「特製味噌らぁめん」。「山と樹」初めての味噌ラーメンは従来の味噌の常識を覆す傑作。ラードもモヤシも使わず、コーヒーの粒でコクと深みを与え、焼きポテトや春菊など具材もユニーク。 : らぁめん 山と樹

らぁめん 山と樹

(らぁめんやまとき)
ラーメンTOKYO百名店2023選出店

食べログ ラーメン TOKYO 百名店 2023 選出店

予算:
定休日
月曜日

この口コミは、hidey803164さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

4.3

¥1,000~¥1,9991人
  • 料理・味4.3
  • サービス4.5
  • 雰囲気4.3
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク4.0

4.4

¥1,000~¥1,9991人
  • 料理・味4.4
  • サービス4.2
  • 雰囲気4.2
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク4.0
2019/12訪問16回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス4.2
  • 雰囲気4.2
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク4.0
¥1,000~¥1,9991人

期間限定「特製味噌らぁめん」。「山と樹」初めての味噌ラーメンは従来の味噌の常識を覆す傑作。ラードもモヤシも使わず、コーヒーの粒でコクと深みを与え、焼きポテトや春菊など具材もユニーク。

12月31日(火)

今日は大晦日。
今年のラーメン食べ納めは、環状七号沿いの高円寺南にある「らぁめん 山と樹」(杉並区高円寺南)。

同店が開店以来初めての味噌ラーメンを12月4日から提供開始したことを知り、是非食べてみたいと思っていました。
ただし、実家からバスで10分ほどで行ける気軽さから、盛岡に戻る当日(1月5日)の昼の部に訪れようと前もって決定。

ところが、Facebookで発表された年末年始のスケジュールは、12月31日まで営業。
1月は7日から営業開始というもの。
そこで、予定を変更。
今日(31日)訪れることに。

実は一昨日と昨日(29・30日)に2日間のみの限定「鴨チャーシュー味噌らぁめん」が提供されました。
ただし、混み合うことが予想されたため、敢えて敬遠。
冨山店主に聞くと、昨日(30日)は13時に売り切れたという。

昨日、「麺庵 ちとせ」に向け実家を出たのが12時40分でしたから、「山と樹」の「鴨チャーシュー」を食べに行っても、行列にぶつかり、食べられなかったでしょう。
昨日は「ちとせ」に行って正解でした。

ところで、「山と樹」の開店時間は午前11時。
今日(31日)は昼の部のみで、大晦日。
昼の部閉店時間の15時前に売り切れること確実。
しかも、冨山店主のワンオペなので、混雑時の12時以降になると、かなりの時間並ぶことも間違いない。

そこで私には珍しく開店時間に間に合うように出発。
だが、やはり到着は11時15分となり、店に行くと行列はなかったものの、カウンター8席は既に満席。
幸い、この時間は風もなく暖かったので(15時頃から急に強風が吹き始め、気温も急低下)、外で待つことに。
前回行った折(8月)にはなかった鉄のポールが置かれ、そこに赤いロープが張ってあります。
このロープの内側に沿って並ぶということ。

約15分ほどで、最初のお客が出てきましたので、入れ替わりに入店。
券売機で、「特製味噌らぁめん」と「キリン一番搾り小瓶」の食券を購入。

店は広い厨房に冨山店主がお一人。
厨房に沿って、手前に2席、奥に6席の計8席のカウンター席。
奥のちょうど真ん中のカウンター席が空いたので、そこに着席。
早速、冨山店主に「いつ盛岡にお帰りになるのですか」と聞かれます。
「1月5日に帰るので、その日の昼の部に味噌らぁめんを食べに来る予定が、1月7日から営業と知って慌てて今日来ました」などの他愛のない会話。

午前中からビールを飲むのも、大晦日だから。
のんびりとビールを飲んでいると、「特製味噌らぁめん」が到着。

○「特製味噌らぁめん」(1130円)+「キリン一番搾り小瓶」(350円)

ここで痛恨のミス。
昼前からビールを飲んですっかりいい気持ちになり、写真を撮るのを忘れ、スープを2口飲んでしまいました。
ここで気付き、急いで写真を撮影。
麺を食べてしまったら、取り返しのつかないことになっていました。

「特製味噌らぁめん」は、やや赤みがかった茶色の味噌スープ。
具に定番のモヤシはなし。
中央にロゼカラーの豚肩ロース肉チャーシュー(ローストポーク)2枚を薄くスライスしてくるっと巻いています。
白いソースがかかっているので聞いてみると、白ワイン、ニンニク、チャーシューの煮汁をブレンドしたソースという。

豚バラ肉チャーシュー2枚には、炙りが入っている模様。

ローストポークの横に黒い粒子。
先行レビューから、これがコーヒーの粒であることは学習済み。

平べったいメンマが4本。
網目状の焼き目の入った焼きポテトが2つ。
青物は珍しい春菊。
そして味玉と海苔が3枚というラインナップ。

まずはスープから。
「山と樹」の「らぁめん」「塩らぁめん」と共通の鶏ガラ、豚チャーシュー、豚ゲンコツ、煮干し、節類、昆布、香味野菜などからとった清湯スープがベース。
これに赤味噌と白味噌をブレンドした味噌ダレを合わせています。

味噌味は赤味噌がメインと思われる香り高いもの。
ラードなどは使っていないので、見た目よりはさらっとして、さっぱりとした味噌スープ。
ベースのスープがしっかりとしているので、これだけでも十分なコク。

ここでコーヒーの粒を味噌スープに溶いていきます。
コーヒーの粒は、それだけ食べるとコーヒーそのもの。
しかし、味噌スープに溶くと、コーヒーの味は消え、スーブのコクや深みがさらに増すという仕掛け。
スープ、味噌ダレともに無化調。

コクや深みがありながら、さっぱりとした味噌スープに合わせる麺は、国産小麦を使った自家製麺。
茹でる前に手で揉んで縮れをつけた太縮れ麺。

切り刃14番、加水率40%。
石臼挽きの全粒粉を練り込んだ麺。
手揉みらしく麺の厚みは不規則。
これに縮れが加わり、ピロピロ感満載の自家製麺が味噌スープを良く持ち上げます。
プリっとした食感に噛むとモチモチ感が加味。
味噌スープと麺だけでも十分な美味しさ。
麺量は150g。

柔らかいローストポークは、それだけでも十分な旨味ですが、白ワインにガーリック味を効かせたソースをかけると、酸味やガーリック風味が合わさり、一層美味に。

豚バラ肉チャーシューは柔らかくホロホロとした食感のうえ、炙ったことで香ばしさが増して、こちらももっと食べたいくらい。

平べったいメンマも柔らかく煮込んでいますが、味付けは薄め。

面白いのが、網目状の焼き目の付いた焼きポテト。
こちらは何とアンチョビとニンニクのマリネに漬けたうえで焼き上げています。

ジャガイモの美味しさはもちろんのこと、アンチョビの塩味とニンニクの風味がほのかに感じられる逸品。
焼きポテトを味噌ラーメンの具に使うこと自体斬新てすが、凝った味付けにも感心させられます。

たっぷり添えられた春菊のシャキシャキ食感と独特の苦味がこんなに味噌スープに合うとは、新発見。

味玉は「山と樹」らしく、噛むと黄身のジュースがスープに溢れ出る仕上がり。

味噌ラーメンの割に脂っこくなく、塩分濃度も適度なので、スープを最後の一滴まで完飲。

冨山店主のアイデア満載の「特製味噌らぁめん」。
1130円は高いと思われるかも知れませんが、工夫を凝らした具の数々をふまえると、値段以上の価値があります。

なお麺量(並盛)150gは、私には適量ですが、物足りないと思われる方には大盛よりも、「味噌らぁめん」専用の「チーズご飯」(200円)を注文。
「チーズご飯」に残った味噌スープをふりかけ、リゾット風に食べることをオススメします。
味噌と粉チーズとの相性は抜群です。

2019年のラーメン食べ納めにふさわしい一杯を提供してくれた冨山店主に感謝。

  • らぁめん 山と樹 - 「特製味噌らぁめん」(2019年12月31日)

    「特製味噌らぁめん」(2019年12月31日)

  • らぁめん 山と樹 - 「特製味噌らぁめん」(2019年12月31日)

    「特製味噌らぁめん」(2019年12月31日)

  • らぁめん 山と樹 - キリン一番搾り小瓶(2019年12月31日)

    キリン一番搾り小瓶(2019年12月31日)

  • らぁめん 山と樹 - 券売機(2019年12月31日)

    券売機(2019年12月31日)

  • らぁめん 山と樹 - 営業時間と定休日(2019年12月31日)

    営業時間と定休日(2019年12月31日)

  • らぁめん 山と樹 - 年末年始の営業とお休み(2019年12月31日)

    年末年始の営業とお休み(2019年12月31日)

  • らぁめん 山と樹 - 「らぁめん 山と樹」入口(2019年12月31日)

    「らぁめん 山と樹」入口(2019年12月31日)

  • らぁめん 山と樹 - 入口前のポールと赤いロープ(2019年12月31日)

    入口前のポールと赤いロープ(2019年12月31日)

  • {"count_target":".js-result-Review-111618410 .js-count","target":".js-like-button-Review-111618410","content_type":"Review","content_id":111618410,"voted_flag":null,"count":70,"user_status":"","blocked":false}
2019/08訪問15回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス4.2
  • 雰囲気4.2
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

期間限定「冷やし中華」。昨夏好評だった「冷やし中華」がバージョンアップして再登場。暑い夏に最適の一杯!

8月18日(日)

東京の実家で過ごすお盆休みも、あと1日を残すだけ。
そういえば帰省中、夏の定番「冷やし中華」をまだ食べていない!
そこで思い浮かんだのが、昨年も食べた「らぁめん山と樹」(杉並区高円寺南)の期間限定「冷やし中華」。

いつも「山と樹」には店が落ち着く夜の部に訪れるのですが、何せ異常な暑さ。
「冷やし中華」が昼の部で売り切れることを懸念。
昼の部に訪れてみました。

○期間限定「冷やし中華そば」(900円)

環七沿いの「山と樹」に着いたのは13時少し過ぎ。
幸い、「冷やし中華」は売り切れてなく、一安心。
カウンター8席の店内は満席。
並びは店内2人、外に2人。
店内待ちは基本2人程度。
お客が入れ替わり、店内待ちがなくなったことを確認して、入店。
食券を購入してから店内で待ちます。
クーラーの効いた店内は、猛烈な暑さの店外と比べると天国のような快適さ。
店内・店外と合計20分ほど待ったあとで、冨山店主にカウンター席に案内されます。

注文の7割が手のかかる「冷やし中華」のため、提供まである程度時間を要するのはやむを得ません。

しかし、昼の部も富山店主のワンオペとは本当に大変。
麺を揉み、縮れをつけたあと茹で始め、その間に大きな冷蔵庫からタレの入った専用の丼を取り出します。
丼とタレをキンキンに冷えた状態で提供するという冨山店主の心遣いに感心させられます。

そのあと、茹で上がった麺を、まず水道水で締め、さらに氷で締めます。
具を丁寧に盛り付け、最後に白ゴマとゴマ油をかけて完成。

着丼した「冷やし中華」。
昨年と同じ口の広い大皿のような浅い紺色の丼。
もう1種類、白地に紺の線の入った丼も用意されています。

丼の中央にタレを入れ、その上に麺、麺の上に具を盛り付け。

具は、4枚のロゼカラーの豚肩ロース肉のローストポーク、しめじの入った3枚のだし巻き卵、そしてピーラーで薄くスライスされたきゅうり。
この三者をまるで花びらのようにレイアウト。
三者の上にアーリーレッドと白ゴマがのり、ゴマ油が振りかけられています。

ローストポークのロゼカラーとだし巻き卵の黄色、きゅうりの薄緑のコントラストも美しく、食欲をそそります。
具が完全に麺を覆っていて、麺が見えないほど。

昨年との違いの1つは、その麺。
昨年は切り刃20番、加水率40%の中細の手揉み麺でしたが、今年は「らぁめん」「塩らぁめん」に使う切り刃14番、加水率40%の中太の手揉み麺に変更されています。

もちろん昨年も今年も国産小麦を使い、石臼挽きの全粒粉を練り込んだ自家製麺。
麺量は、昨年の180gから200gに増量。

タレは、「らぁめん」(醤油味)の醤油ダレがベース。
弓削多醤油の有機しょうゆなど3種類の醤油をブレンド。
隠し味に、牡蠣煮干しを使っています。
この醤油ダレに煮干しや節類、昆布、酢、砂糖を加えた「冷やし中華」のタレ。

かなり凝ったタレですが、甘酸っぱいオーソドックスな「冷やし中華」のタレ。
しかし、醤油の旨味をしっかりと感じますし、その底に魚介の旨味が隠し味的に仕込まれています。

このダレにゴマ油と白ゴマの風味がうまくブレンドされ、「冷やし」のタレといえども、ここまでできるというレベルに達しています。
しかも、キンキンに冷えているのですから、堪りません。

麺は昨年より麺幅が広くなった見た目ピロピロとした麺。
ただし、ピロピロ感よりもプリっとした食感が持ち味。
しかも、氷水で締めているだけに、麺のコシが増して、噛み応えのある麺になっています。

それでいて、喉ごしも良く、麺を中太にして、麺の存在感を昨年よりはるかに感じるようになりました。
小麦の香りが感じられる同店の自家製麺を満喫するために、「冷やし中華」は絶好。

具の豚肩ロース肉ローストポークが燻製でなくなったのも、昨年との大きな違い。
薄くスライスされ、サシが赤身に適度に混じったローストポークは柔らかく、淡白な味付けながら、肉の旨味が詰まった絶妙な仕上がり。
これだけの出来なら、むしろ燻製にしないという冨山店主の判断は正解といえるでしょう。

だし巻き卵は「オムレツ」を意識して、牛乳と生クリームをブレンド。
卵と牛乳、生クリームの味が融合。
上品な甘味で、練り込まれたしめじの風味や食感も混じるこれも絶品。
3枚では少ないと感じてしまうほど。

ピーラーでぎりぎりの薄さまでスライスされたきゅうりこそ、冨山店主のセンスが光る具材。
一般的な千切りではなく、リンゴの皮のように削ぐことで、新鮮な食感が生まれ、タレとの一体感もさらに増進。

アーリーレッドの食感や苦味、白ゴマの香ばしさなども手伝い、オーソドックスな「冷やし中華」の構成や味を継承しながらも、そこに冨山店主の創意を最大限盛り込み、しかも昨年よりもバージョンアップ。
大皿のような丼を傾け、直接タレを飲むのは難しいのですが、何とか飲み干して終了。

大衆性と創作性を見事に両立させた「冷やし中華」の傑作。
今年も「山と樹」の期間限定「冷やし中華」を食べることが出来、満足して店を出ました。

  • らぁめん 山と樹 - 期間限定「冷やし中華」(2019年8月18日)

    期間限定「冷やし中華」(2019年8月18日)

  • らぁめん 山と樹 - 期間限定「冷やし中華」(2019年8月18日)

    期間限定「冷やし中華」(2019年8月18日)

  • らぁめん 山と樹 - 期間限定「冷やし中華」のボタンを拡大(2019年8月18日)

    期間限定「冷やし中華」のボタンを拡大(2019年8月18日)

  • らぁめん 山と樹 - 券売機(2019年8月18日)

    券売機(2019年8月18日)

  • らぁめん 山と樹 - 期間限定「冷やし中華」のPOP(2019年8月18日)

    期間限定「冷やし中華」のPOP(2019年8月18日)

  • らぁめん 山と樹 - 営業時間(2019年8月18日)

    営業時間(2019年8月18日)

  • {"count_target":".js-result-Review-105929121 .js-count","target":".js-like-button-Review-105929121","content_type":"Review","content_id":105929121,"voted_flag":null,"count":69,"user_status":"","blocked":false}
2019/05訪問14回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス4.5
  • 雰囲気4.3
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク4.0
¥1,000~¥1,9991人

「特製 鯛とあさりだしの塩らぁめん」。あさりダシの効いたスープに鯛の余韻が漂う動物系不使の塩ラーメン。甘味のある新玉ネギとコシの強い麺との組み合わせも魅力的!

5月5日(日・祝)

10連休終盤の5月5日夜。
訪れたのは、今年1月以来の「らぁめん山と樹」(杉並区高円寺南)。

今回の目的は、4月中旬から春の限定麺として提供されている「鯛とあさりだしの塩らぁめん」。

○「特製 鯛とあさりだしの塩らぁめん」(1130円)

18時30分頃、環状七号線沿いの同店を訪れると、先客3人。
広い厨房でワンオペの冨山店主が、いつものように笑顔で迎えてくれます。

5ヶ月ぶりになったことを詫びながら、奮発して特製の「鯛とあさりだしの塩らぁめん」を注文。
私のあとに来店した男女2人、そして先客など、「鯛とあさりだしの塩らぁめん」を注文する方が多いですね。

まもなく冨山店主がラーメンを運んでくれます。
そのとき、私が尋ねる前に先手を打って限定麺専用麺のスペックを教えてくれたのには感謝。

薄い琥珀色の澄んだ塩スープの上にキラキラと輝く仕上油は鶏油。

具はスライサーで切ったような(店にはスライサーはありませんが)ロゼカラーの豚肩ロース肉のローストポーク。
それに豚バラ肉のチャーシュー2枚。
小ぶりのメンマ、小口切りのネギ、味玉、そして海苔。

ここまでは想定内の具材。
さらにオーブンで丸ごと焼いた新玉ネギ4分の1、縦半分に切ったオクラ1つ、それに薄くスライスした赤カブ2枚。

「山と樹」のスープといえば、鶏ガラ、丸鶏、チャーシューに使う肩ロース肉、豚ゲンコツなどの動物系が中心。
それに煮干しや節類、香味野菜などを合わせています。

これに対し、「鯛とあさりだしの塩らぁめん」は、あさりエキスと鯛煮干しだけでダシをとる動物系不使用のダシ。

これに合わせる塩ダレは、通常の塩ダレよりも塩味を薄めにして、あさりの旨味を浮かび上がらせています。

天然素材のあさりエキスを使った塩ラーメンだけに、当然ながらあさりの旨味がガツンと来ます。
想像していたよりも濃いめのあさりダシ。

それに対し、鯛はアラではなく鯛煮干しを使っているので、最初はあまり目立ちません。
むしろ、スープを飲んだあとの余韻の中に、鯛らしい上品な風味を残すといった方が適切でしょう。

あさりだしと鯛煮干しのスープに合わせる麺は自家製麺。
切り刃20番、加水率40%の多加水角ストレート麺。
麺には、石臼挽きの全粒粉が練り込まれています。

麺で驚いたのは、加水率40%なら、モチモチとした食感の麺を想像します。

ところが提供された麺は、最初に加水率40%と教えられていなければ、低加水麺と勘違いすること必至の硬質感のあるコシの強い麺。
噛み応えのある固めでコシのある麺が、あさりダシの旨味の強い塩スープに良くマッチ。
石臼挽きの全粒粉が効いて、小麦の香り豊かな麺。
麺量は150g。

具のローストポークは、柔らかくて、口の中でとろけそうな食感。
赤身の旨味とサシの甘味が口の中で一体になります。

バラ肉チャーシューーは、ホロホロと崩れそうな柔らかさ。
味付けも濃いめで、旨味十分。

小ぶりのメンマは発酵臭を活かし、メンマ本来の旨味を出しています。

味玉は、同店らしい黄身がスープに溢れ出してしまいそうなトロトロの仕上がり。

オクラの粘りや赤カブの爽快感も落とせないのですが、何といってもユニークなのが、新玉ネギ4分の一。
生ではなくオーブンで丸ごと焼いてから4分の1にカット。

その結果、生の玉ネギ特有の苦味がなくなり、甘くとろっとした風味が前面に出てきます。

私も、ここまで大胆に玉ネギを使い、そのジューシーな甘味を不可欠の要素として位置付けているラーメンに遭遇するのは初めて。

最初は驚きましたが、玉ネギの甘味と食感が魚介系の塩ラーメンと実に相性が良いことを教えられました。

動物系主体のスープをつくってきた同店が動物系不使用にチャレンジ。
あさりの旨味たっぷりのスープを炊き、それに鯛煮干しの上品な旨味を追加。

貝ダシラーメン好きにも、鯛ダシ好きにも満足できる無化調の上品な塩ラーメンに仕上げた一杯。

新玉ネギの自然な甘さとコシ十分の自家製麺の食感も特筆できます。

冨山店主によると、「鯛とあさりだしの塩らぁめん」は、そろそろ終了とのこと。
食べ逃さないようご注意ください。

  • らぁめん 山と樹 - 「特製 鯛とあさりだしの塩らぁめん」(2019年5月5日)

    「特製 鯛とあさりだしの塩らぁめん」(2019年5月5日)

  • らぁめん 山と樹 - 「特製 鯛とあさりだしの塩らぁめん」(2019年5月5日)

    「特製 鯛とあさりだしの塩らぁめん」(2019年5月5日)

  • らぁめん 山と樹 - 券売機(2019年5月5日)

    券売機(2019年5月5日)

  • らぁめん 山と樹 - 「特製 鯛とあさりだしの塩らぁめん」のボタンを拡大(2019年5月5日)

    「特製 鯛とあさりだしの塩らぁめん」のボタンを拡大(2019年5月5日)

  • {"count_target":".js-result-Review-101283618 .js-count","target":".js-like-button-Review-101283618","content_type":"Review","content_id":101283618,"voted_flag":null,"count":69,"user_status":"","blocked":false}
2019/01訪問13回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.4
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

動物系と煮干しのバランス感抜群の「煮干しらぁめん」(塩)

1月5日(土)

昨年12月30日に期間限定の「特製煮干しらぁめん」(醤油)を食べた「らぁめん 山と樹」(高円寺)。

1月5日は、同店の新年営業開始。
そこで、夜営業開始(17時)から約1時間半経過した18時30分に訪問。
未食の「煮干しらぁめん」(塩)を実食。

店につくと、店内は満席。
特製のボタンにはすべて「×」が点灯。
そこで、ノーマルの「煮干しらぁめん」の食券を購入。
いったん外に出て並び始めます。
すぐに後続が並ぶ人気。

約15分待ったところで、先客が1人退店。
入れ替わりに入店し、冨山店主と新年の挨拶。
食券を渡し、塩を指定。

私のあとに入店したお客さんが、やはり「煮干しらぁめん」を注文。
冨山店主に「醤油と塩のどちらがオススメですか」と尋ねています。
冨山店主の答えはキッパリ。
「醤油がオススメです」

「醤油」と「塩」では、煮干しダシの効き具合にどのような違いがあるのか?それを検証するのが目的です。

○期間限定「煮干しらぁめん」(塩)(830円)

それほど待たずに「煮干しらぁめん」(塩)が到着。
そういえば、今日は女性スタッフが不在。
冨山店主のワンオペです。

「煮干しらぁめん」(塩)は、黄金色のスープの表面を鶏油がコーティング。
自家製の中細麺が麺線綺麗に盛り付けられ、麺表面の斑点(全粒粉)も良く見えます。

中央に薄くスライスしたピンクの豚肩ロース肉のレアチャーシューが2枚それぞれ折り畳んで積み重ねられています。
ほかに、細めのメンマが5本、輪切りのネギと三つ葉が添えられます。

まずはスープを飲んでみます。
すると、醤油ではたしかなビター感をともない割とはっきり出ていた煮干し感があまり感じられません。

スープは醤油味と同じで、鶏ガラ、豚ゲン骨などの動物系に玉ネギや生姜などの香味野菜を加えた動物系ダシに煮干しダシをブレンド。
両者の割合は動物系1対煮干し3。

当然煮干しの風味が前面に出ると思ったら、むしろ動物系の風味と昆布ダシ風味の塩ダレの方が目立ちます。
ちなみに、塩ダレは2種の塩に昆布ダシをブレンド。

煮干し風味は、ほんのりふわっと感じられる程度。

塩味はそれほど強くなく、むしろまろやか。

これまでの経験から、醤油ダレよりも塩ダレの方が煮干し風味がストレートに感じられると思っていましたが、この逆転現象は何に由来しているのだろうか?

あくまでも私見ですが、醤油ダレの場合、動物系の風味を醤油がブロックし、その分、煮干し味が出てくるのではないか?
逆に塩ダレでは、動物系ダシがブロックされることなく、そのまま出てくるので、煮干ダシと相殺。
結果、煮干しの出具合が弱くなるのではないか?

もっとも、これは勝手な推測てすので、読み流してください。

あくまでも「煮干しらぁめん」と銘打っている以上、煮干し味が良く出た醤油を勧めるのは当たり前かも。

それでは「煮干しらぁめん」の塩に見るべきものがないのかといえは、決してそうではありません。

動物系と煮干しがブレンド。
煮干し感は弱いものの、すっきりとししつつ深みのあるスープにまろやかな塩ダレが合わさり、さらに絶妙な自家製麺の中細麺が入る「塩ラーメン」として抜群の完成度。

同店の多加水ピロピロ麺を使った動物系ダシメインの塩らぁめんとはひと味違った塩らぁめん。

麺は「煮干し」醤油と同じ。
高級ブランド小麦粉「春よ恋 生一本」を使った自家製麺。
切り刃20番の断面角の中加水ストレート麺。
石臼挽きの全粒粉が練り込まれた小麦の風味の強い麺。

固めに茹で上げられ、ポキポキとした食感ですが、食べると小麦が一杯詰まった食感。
小麦の香りと合わせ、実に風味豊かな麺。
塩ダレでは、醤油ダレ以上に麺そのものの旨味を堪能できます。
麺量は150g。

豚肩ロース肉のレアチャーシューは、しっとりとした食感で、柔らかく、肉の旨味を十分感じることができます。

細切りのメンマは発酵臭をうまく生かした比較的しっかりとした味付け。

三つ葉の香りで、「煮干しらぁめん」(塩)がさっぱりとしたフィナーレを迎えます。

「山と樹」の期間限定「煮干しらぁめん」。
煮干し風味を期待する方には、冨山店主と同様、「醤油」をオススメ。
動物系と煮干しがバランスしたさっぱりした塩味が好きな方に「塩」を勧めます。

結局どちらもオススメ。

  • らぁめん 山と樹 - 期間限定「煮干しらぁめん」(塩)(2019年1月5日)

    期間限定「煮干しらぁめん」(塩)(2019年1月5日)

  • らぁめん 山と樹 - 期間限定「煮干しらぁめん」(塩)(2019年1月5日)

    期間限定「煮干しらぁめん」(塩)(2019年1月5日)

  • らぁめん 山と樹 - 券売機(2019年1月5日)

    券売機(2019年1月5日)

  • らぁめん 山と樹 - 製麺機(2019年1月5日)

    製麺機(2019年1月5日)

  • {"count_target":".js-result-Review-95740496 .js-count","target":".js-like-button-Review-95740496","content_type":"Review","content_id":95740496,"voted_flag":null,"count":73,"user_status":"","blocked":false}
2018/12訪問12回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.5
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク4.0
¥1,000~¥1,9991人

ニボ度高まった期間限定「煮干しらぁめん」!

12月30日(日)

明日はいよいよ大晦日という12月30日夜、環七通り沿いの「らぁめん 山と樹」(高円寺)に、4ヶ月ぶりに訪れました。

実家最寄りのバス停(野方駅北口)から高円寺駅北口行きバスで約10分の「座・高円寺」バス停で下車。
環七に戻り、中央線のガードを潜って、環七沿いに歩くこと5分弱で、左に「山と樹」。

18時30分の到着。
Facebookで、30日が2018年最後の営業。
しかも、現在期間限定麺「煮干しらぁめん」を提供中ということを知っていました。

前回8月の訪問以来、東京に来ることができず、期間限定の「サンマだしの中華そば」を食べることができず。
それだけに、何としても「煮干しらぁめん」が食べたかった!

○期間限定麺「特製煮干しらぁめん」(1080円)

店に入ると、すぐに券売機。
幸い、「煮干しらぁめん」(830円)はまだ提供中。
ここは奮発して、チャーシュー増し、味玉付きの「特製」の食券を購入。

店は入口すぐ右が製麺室。
小広い店内の大半が厨房。
厨房に沿ってカウンター席がありますが、カウンターと厨房の間には何の障壁もない完全なオープンキッチン。

調理の様子をすべて見ることができますし、冨山店主やキュートな女性スタッフと気軽に言葉を交わすことができます。

相変わらず冨山店主の笑顔を見ると、ほっこりとした気分にさせられます。
先客は5人。

「特製煮干しらぁめん」の食券を渡すと、冨山店主いわく「これが最後の一杯です」
本当にラッキー!

次に「醤油か塩のどちらにします」と聞かれます。
ここで店主オススメを聞いてみると、「醤油」とのお答え。
ならば「醤油」を頼んでみましょう。

一番搾りの小瓶を飲みながら、冨山店主の丁寧な調理の様子を眺めていると、まもなく「特製煮干しらぁめん」が到着。

実は、2017年夏に期間限定で「煮干しらぁめん」を提供しました。
スープは丸鶏、鶏ガラ、豚げんこつなどの動物系に昆布や香味野菜を足した「動物系」が50%、「煮干し」が50%の割合でした。

正直言って煮干し風味は弱めで、「煮干しがガツンと来るタイプは苦手」という富山店主の言葉通りのスープ。

今回再度限定で「煮干しらぁめん」を提供するにあたり、昨年とどのよつに違っているのか興味津々。

スープは淡麗煮干しらしい琥珀色のさらっとしたビジュアル。
仕上油の鶏油がオイリー感を高めています。
同店定番の平打ちの手揉み麺ではなく、中細ストレート麺が麺線美しく盛り付けられています。

具は、薄くスライスされ、食べやすくカットされたピンクの豚肩ロース肉のレアチャーシューが丼の中央。
さらに、細長い豚バラ肉チャーシューが2枚。

小ぶりのメンマが多目に添えられ、輪切りの白ネギと三つ葉、海苔と味玉がトッピング。

無化調のスープをいただくと、煮干し感の弱かった昨年のバージョンとは対照的。
ビターな煮干し感をともなう煮干し風味がぐっと押し寄せます。
これは完全に煮干しラーメン。

冨山店主に聞くと、煮干しは長崎県産の片口イワシを使用。
それを水だしした煮干しスープと動物系スープとの割合を昨年の1対1から3対1に変えたという。
煮干しを大幅に増量したので、昨年とは比較にならないほど煮干し感のあるスープになったという。

注目したいのは、醤油ダレに使っている弓削田醤油の有機しょうゆ+牡蛎煮干しと煮干しスープがうまく融合されていること。

淡麗煮干しと濃厚なセメント煮干しとの中間に位置する同店独自の「煮干しらぁめん」のスープ。
淡麗煮干しでは物足りないが、かといってセメント系ではきついという方にぴったりてす。

麺は「春よ恋」を使い、石臼挽きの全粒粉を練り込んだ切り刃20番、加水率30%の断面角の中細ストレート麺。
初めは低加水特有のパツパツ感のある麺。
しかし口に含むと、モチモチ感を感じるハイブリッド麺。
全粒粉が効いて、小麦の香りの強い上出来の麺。
麺量は150g。

具のレアチャーシューは柔らかくてジューシー。
肉の旨味が十分閉じ込められています。
しかも、ブラックペッパーが効いていて、軽いスパイシー感。

豚バラ肉チャーシューは、ホロホロとした食感としっかりとした味付け。

メンマは具のなかでは地味めな存在ですが、薄め味付けとシャキシャキ感は箸休めにピッタリ。

味玉は、黄身がジュース状になり、噛むと黄身のジュースが口の中に溢れます。

輪切りの白ネギの苦味は薬味として絶好。
そして、三つ葉の香を余韻にスープを飲み干します。

昨年の「煮干しらぁめん」が醤油ラーメンの中にうっすらと煮干し感を感じたのに対し、今年の「煮干しらぁめん」は動物系を下支えにした
完全な煮干しラーメン。

しかも、しっかり煮干しの味わいが楽しめるものの、決して過剰でなく、醤油ダレとのマッチングもぴったり。

盛岡に戻る前に、是非とも「煮干しらぁめん」の塩を試してみたい。
そんな気持ちにさせるラーメンでした。

冨山店主や女性スタッフとのラーメン店に関する情報交換が弾み、ついつい一番搾り小瓶をさらに2本追加。
ほろ酔い気分で店を出たときは、すでに19時30分になっていました。

「山と樹」は12月31日から1月4日までお休み。
1月5日から通常営業(昼営業11時~15時、夜営業17時~21時。定休日は月曜と第2、第4木曜)です。

  • らぁめん 山と樹 - 「特製煮干しらぁめん(醤油)」(2018年12月30日)

    「特製煮干しらぁめん(醤油)」(2018年12月30日)

  • らぁめん 山と樹 - 「特製煮干しらぁめん(醤油)」(2018年12月30日)

    「特製煮干しらぁめん(醤油)」(2018年12月30日)

  • らぁめん 山と樹 - キリン「一番搾り小瓶」(2018年12月30日)

    キリン「一番搾り小瓶」(2018年12月30日)

  • らぁめん 山と樹 - 「特製煮干しらぁめん」のボタン(2018年12月30日)

    「特製煮干しらぁめん」のボタン(2018年12月30日)

  • {"count_target":".js-result-Review-95535366 .js-count","target":".js-like-button-Review-95535366","content_type":"Review","content_id":95535366,"voted_flag":null,"count":69,"user_status":"","blocked":false}
2018/08訪問11回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス4.2
  • 雰囲気4.5
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

期間限定の「冷やし中華」は、店主の創意溢れる一杯!

8月16日(木)

高円寺駅から少し離れた環七沿いにある「らぁめん 山と樹」。

無化調淡麗スープと自家製の手揉み麺という私の好みど真ん中のお店。
それ以上に、冨山店主の温かい人柄が反映され、実に良い雰囲気の店。

実家からバスで10分で行ける至近距離。
そんなこともあって、帰省時には必ず通っています。

今年の「山と樹」夏季限定麺は「冷やし中華」(900円)。
16日夜食べに行ってきました。

○期間限定「冷やし中華」(900円)

店到着は19時15分。
店に入ると、すぐに券売機。
上の大きなボタンの一番右側に「冷やし中華」。
都立家政の「食堂七彩」では、夜昼と2回続けて「冷やし中華」が売り切れ。
この暑さで注文が増えていますので、19時過ぎだと売り切れを心配。
提供されていてほっと一安心。

券売機の次はセルフでお冷をとり、カウンター席に着席。
いつも通り、冨山店主が笑顔で迎えてくれます。
「お盆休みはいつまでですか」
「明後日の土曜夜に帰るんです」
などいつものやりとり。

ちなみに先客は2人、後客は4人。
カウンター席と厨房の間に遮るものが何もないので、調理の様子がすべて見えます。
今夜は冨山店主のワンオペ。

「冷やし中華」は「らぁめん」や「つけめん」より細目の手揉み麺を使用。

別箱から麺を取り出し、手揉みして茹でたあと、湯切りをして水で締めます。
それで終わらず、氷でもう一度締めるという丁寧な作業。

具を添えたあと、「おまちどうさま」と「冷やし中華」を渡してくれます。

まず皿の大きさにびっくり。
ブルーのいかにも涼しげな浅い大皿。
中央が窪んでいて、そこに冷やしのスープが入る仕組み。
冨山店主が冷やしのために、新宿まで行って買ってきたという皿。

具は、中央に紫玉ネギと白ゴマ。
ゴマ油が振りかけられています。
それを中心に花びらのように具をきれいに配置。
まずロゼカラーの色も美しい薄くスライスされた豚肩ロース肉のレアチャーシュー。
次に冷やしでは珍しいだし巻き卵が3枚。
そして、ピーラーでぎりぎりの薄さで長く剥いたキュウリ。

ロゼカラーと黄色と緑の色合いも鮮やか。
食べるのが勿体ないくらい。

まず具を除けて、麺から食べ始めます。
切り刃20番、加水率40%、石臼挽き全粒粉入りの中細平打ち麺を手揉みして縮れをつけた麺。
水と氷で2回締めているので、やや固めでコシも十分。
冷えた噛み応えのある縮れ麺は、冷やし中華用にピッタリ。
麺量は180g。

冷やしスープは、「らぁめん」用の醤油ダレ(牡蠣煮干し入り)をベースに、煮干し、鰹節、サンマ節、昆布、酢、砂糖などをブレンド。
酢が良く効いていますが、煮干しを中心とする魚介の旨味がうっすらと漂い、スープに深みを与えます。

このスープに、最後にふりかけるゴマ油が良くマッチ。
酸っぱい醤油スープとゴマ油の組み合わせは、オーソドックスな冷やし中華の味。
しかし、ゴマ油にも隠し味としてニンニクと唐辛子を加えるなど、見えないところで工夫を凝らしています。

具は、まずレアチャーシューから。
薄くしっとりしたレアチャーシューを食べやすいサイズにカット。
食べると燻製されたチャーシューが実に良い香り。
まるでサラミを食べているような味付け。
薄味の多い食材の中で、燻製の濃厚な風味のレアチャーシューが個性を放っています。

だし巻き卵には、日替わりの具が入っています。
本日はしめじ。
牛乳と生クリームを加え、「オムレツをイメージした」と冨山店主が語るだし巻き卵。
3枚では少なすぎるほどの美味しさ。

さらに驚くほど薄く、リンゴの皮のように長く剥かれたキュウリが、見た目、食感ともユニーク過ぎます。

冨山店主の遊び心を感じますが、ただ千切りにするだけでないところにセンスの良さを感じます。

紫玉ネギは、シャキシャキとした食感で、冷やし中華の清涼感アップに貢献。

オーソドックスな冷やし中華の枠内で、麺やスープ、具に一工夫し、立派に創作冷やしラーメンとしても成立。

暑さが続けば、9月に入っても提供すると冨山店主が語る期間限定の「冷やし中華」。
ラーメン好きには必食の一杯です。

  • らぁめん 山と樹 - 期間限定「冷やし中華」(2018年8月16日)

    期間限定「冷やし中華」(2018年8月16日)

  • らぁめん 山と樹 - 期間限定「冷やし中華」(2018年8月16日)

    期間限定「冷やし中華」(2018年8月16日)

  • らぁめん 山と樹 - 薄く剥いたキュウリをアップ(2018年8月16日)

    薄く剥いたキュウリをアップ(2018年8月16日)

  • らぁめん 山と樹 - 券売機のボタン(2018年8月16日)

    券売機のボタン(2018年8月16日)

  • {"count_target":".js-result-Review-88843925 .js-count","target":".js-like-button-Review-88843925","content_type":"Review","content_id":88843925,"voted_flag":null,"count":69,"user_status":"","blocked":false}
2018/05訪問10回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス4.1
  • 雰囲気4.3
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク3.8
¥1,000~¥1,9991人

通常利用外口コミ

この口コミは試食会・プレオープン・レセプション利用など、通常とは異なるサービス利用による口コミです。

鰹ダシの上品な旨味と梅ペーストがドッキングしたさっぱり味の塩つけ麺!

5月6日(日)

海の日の3連休は徹夜で仕事を仕上げたものの、日曜夜から体調が急激に悪化。
無理のできない歳になったものですね。

結局3連休はラーメンなしという味気ないものに。

そこで、5月のゴールデンウィークに伺いながら、事情があってレビューアップを控えていた「らぁめん山と樹」(高円寺)の新作をアップ。
提供開始の6月中旬までアップを控えていましたが、いつの間にか忘れていました。

といっても、2ヶ月以上前で記憶もあいまい。
アバウトなレビューでご容赦を。

○限定「かつお香る梅の塩つけ麺」(レギュラーは930円、特製は1180円)

楽しいゴールデンウィークの東京のラーメン店めぐりも明日が最終日。
5月6日(日)夜、昨晩に続き2日連続で「山と樹」に。

最近は夜でも込み合っていることが多く、今晩も店内はほぼ満席(19時)。

昨日は「特製塩らぁめん」(1030円)だったので、今回は「特製塩つけ麺」(1130円)の食券を女性スタッフに渡します。

すると、冨山店主いわく「近く提供予定の限定つけ麺の試作ができましたので、食べてみませんか」
もちろんOK。

限定は「かつおの香る梅の塩つけ麺」。
醤油バージョンはなく、塩つけ麺と塩らぁめんのみ。

麺は通常のつけ麺の切り刃12番、加水率40%の太麺の平打ち手揉み麺から、切り刃20番、加水率40%の中細平打ち手揉み麺に変化。

国産小麦100%使用。
石臼挽きの全粒粉を入れています。
麺は太縮れ麺以上にコシが強く、固めの茹で上げが鰹ダシにマッチ。

麺の上にはピンクも鮮やかな豚肩ロース肉のレアチャーシューが2枚。
梅肉ペースト、スナップえんどう2本、茗荷、大葉、斜め切り白ネギなどがトッピング。
和風感と爽快感が漂います。

和風トッピングとは一線を隠す洋風トッピングがチャーシューの上に。
それがオリーブとアンチョビのソース。

麺量は並盛200gをお願いしました。

つけ汁は薄めの醤油ダレのような透明感のある茶色。
輪切りのネギがスープに浮かび、つけ汁の中には細切りのメンマが潜んでいます。

つけ汁は鶏ガラや丸鶏、豚ゲンコツに豚肩ロース肉の煮豚などから引いた動物系スープに3種の昆布、鰹ダシをブレンド。
それに2種の塩を合わせた塩ダレを加えた無化調スープ。

つけ汁を飲んでみると、さっぱりとした動物系のスープに昆布の旨味、そして鰹の旨味が重なります。
鰹はそれほど濃くなく、ふわっと漂うといった方が適切。

上品でさっぱりとした鰹+動物系+昆布のスープ。
冨山店主は、塩ダレだからこそ上品な鰹の香りが生きるので、醤油ダレバージョンはつくらないといいます。

やや固めの縮れのある中細手揉み麺が、あっさりとした鰹ダシの塩スープに実に良く合います。

梅のペーストを麺のせると、爽やかな酸味が加わります。
大葉や茗荷がプラスされ、和風感が増幅。
緑鮮やかなスナップえんどうの独特な食感がユニーク。
厚めの豚肩ロース肉のレアチャーシューはジューシーで肉の旨味がたっぷり。

レアチャーシューの上にのるオリーブとアンチョビのソースをつけ汁に溶くと、淡い洋風の風味がつけ汁に加わります。

麺を食べたあとは、鰹ダシの割りスープをつけ汁に投入。
つけ汁を飲み干します。

私が試食したあと、まず5月23日から「かつお香る梅の塩らぁめん」が提供開始。
「かつお香る梅の塩つけ麺」の提供は6月16日から。

現在でも、限定麺として提供されている模様。
8月のお盆帰省時には、是非「同塩つけ麺」と「同塩らぁめん」を食べたいものです。

  • らぁめん 山と樹 - 「かつお香る梅の塩つけ麺」(試作品)(2018年5月6日)

    「かつお香る梅の塩つけ麺」(試作品)(2018年5月6日)

  • らぁめん 山と樹 - 「かつお香る梅の塩つけ麺」(試作品)(2018年5月6日)

    「かつお香る梅の塩つけ麺」(試作品)(2018年5月6日)

  • らぁめん 山と樹 - 麺&具(2018年5月6日)

    麺&具(2018年5月6日)

  • らぁめん 山と樹 - つけ汁(2018年5月6日)

    つけ汁(2018年5月6日)

  • {"count_target":".js-result-Review-87421543 .js-count","target":".js-like-button-Review-87421543","content_type":"Review","content_id":87421543,"voted_flag":null,"count":63,"user_status":"","blocked":false}
2018/05訪問9回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス4.1
  • 雰囲気4.3
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク3.8
¥1,000~¥1,9991人

昆布の旨味が強くなった新生・塩らぁめん!

5月5日(土)

ゴールデンウィークの東京滞在も終わりに近い5月5日夜、高円寺の「らぁめん山と樹」に正月以来の4ヶ月ぶりの訪問。

環七沿いの店に近づくと、夜19時過ぎですが、行列ができています。
カウンター9席の店内を覗くと、お客さんの多くがラーメンの到着を待っています。

どうやら一気にお客さんが入店した模様。
これは時間がかかるなと覚悟を決めて並び始めると、後から次々にお客さんが接続。
一時は10人もの大行列。

さすがに店内の可愛く愛想の良い女性スタッフが外に出てきて、事情を説明。
先に食券を購入し、元の列にもどるよう求められます。

このとき、彼女が4ヶ月ぶりだったのに、私を覚えていてくれ、感激。
こんな雰囲気の良い店で美味しいラーメンを食べることができるなら、数十分でも待ちますよ。

約20分ほど待っていると、店内から食事を終えた先客が出てきます。
正月は「特製らぁめん」と「特製つけめん」を食べたので、本日は「特製塩らぁめん」の番。

カウンターの一番奥の席に座ると、冨山店主が笑顔で迎えてくれます。
真摯にラーメンをつくり続ける冨山店主とかいがいしくサポートする女性スタッフの絶妙なコンビ。
店内にはアットホームな雰囲気が漂います。
なんか自宅に戻ってきたような気分。

○「特製塩らぁめん」(1030円)

冨山店主自ら運んでくれた「特製塩らぁめん」。
相変わらず、美しい黄金色の塩スープ。
中央には緑鮮やかな三つ葉が綺麗に盛り付けられています。
チャーシューは2種。
豚バラ肉チャーシュー2枚。
ダシに使った大判の豚肩ロース肉の煮豚。
おまけに、豚肩ロース肉煮豚の切れ端を加えてくれたので、丼は肉が一杯。
それ以外は、小ぶりのメンマが数本、海苔が3枚、輪ネギと味玉。

透き通るような塩スープをいただくと、生姜がふんわりと漂います。
スープ素材の香味野菜に加える生姜を増量。
最初に生姜の香りを感じさせるところが、冨山店主のこだわり。
当然ですが、あっさりとしたタレの「塩らぁめん」の方が生姜を良く感じることができます。

鶏ガラや丸鶏、チャーシューに使う豚肩ロース肉、豚げんこつなどの動物系をメインに、煮干しや節、昆布、香味野菜などを合わせたスープは、醤油味の「らぁめん」と共通。
スープに加える塩ダレは、2種の塩に昆布ダシをブレンド。

塩スープは、見た目と同様にクリアであっさりとした味。
これだけ動物系の食材を使いながら、こんなにクリアなスープに仕上げるのは本当に驚き。

醤油味の「らぁめん」では、動物系ダシの旨味が割に感じられるのに対し、塩のこのさっぱり感はどうだろう!
しかし、クリアでさっぱりした味のあとに、昆布の旨味を以前よりも明らかに強く感じます。

生姜風味から始まり、動物系メインですがさっぱりとしたスープ。
そのあとに塩ダレに仕込んだ昆布の旨味が押し寄せる味の組み立て。
スープに昆布が使われ、これと塩ダレの昆布が相乗する旨味は、以前も同じはず。
それがこの強い旨味。
タレの昆布を増量したのでしょうか?

そこで冨山店主に確認。
すると、昆布を利尻昆布と日高昆布のブレンドから羅臼昆布と根昆布のブレンドに変えたという。
その結果、昆布の旨味が明らかに増強されたと言います。

リニューアルした塩スープの美味しさに感動したのも束の間。
今度は自家製手もみ麺の美味しさに
またしても感動。

国産小麦を使い、石臼挽きの全粒粉を練り込んだ切り刃14番、加水率40%の多加水平打ち麺を手もみして、縮れをつけています。

手もみ麺というと、ソフトなピロピロ麺を想像しますが、こちらはもっとプリプリして、噛むとしっかりとしたコシを感じる存在感のある麺。
小麦の香りも良く感じられ、しかも喉ごしも良好。

穏やかなスープと存在感のある手もみ麺が良くマッチして、冨山店主のめざす「シンプルだが懐かしい味わい」の一杯をつくりあげています。

ダシをとったあとにもかかわらず、旨味が十分感じられる上、箸でつかむとホロホロと崩れる柔らかい肩ロース肉の煮豚。
もっと強い旨味を放ちつつ、口に含むととろけてしまいそうなバラ肉チャーシュー。

薄い味付けですが、自然な旨味がたしかに実感できるメンマ。
そして、噛むと口の中に黄身のジュースが溢れる絶品の味玉。

三つ葉の良い香りが、「塩らぁめん」をきりっと締めています。

昆布を全面的に入れ替え、あっさりした味ながら、昆布の旨味が強まった「山と樹」のニュー「塩らぁめん」。
さりげなく食材を調整。
バージョンアップし続ける「山と樹」のラーメンから今後も目が離せません。

  • らぁめん 山と樹 - 「特製塩らぁめん」(2018年5月5日)

    「特製塩らぁめん」(2018年5月5日)

  • らぁめん 山と樹 - 「特製塩らぁめん」(2018年5月5日)

    「特製塩らぁめん」(2018年5月5日)

  • らぁめん 山と樹 - 券売機(2018年5月5日)

    券売機(2018年5月5日)

  • {"count_target":".js-result-Review-84273506 .js-count","target":".js-like-button-Review-84273506","content_type":"Review","content_id":84273506,"voted_flag":null,"count":62,"user_status":"","blocked":false}
2018/01訪問8回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.2
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

TRYラーメン大賞新人賞2部門受賞おめでとう(その2)

1月7日(日)

2017-2018のTRYラーメン大賞新人賞で、「しょう油部門」第4位、「つけ麺部門」第3位に輝いた「らぁめん 山と樹」(高円寺)。
昨夜の「特製らぁめん」に続き、醤油味の「特製つけ麺」の食券を購入。

そういえば、帰省するたびに足しげく通う「山と樹」ですが、これまですべて夜営業。
昼営業に訪れるのは何と初めて。
日曜の13時過ぎという時間帯もあるのでしょうが、閑散としていた夜営業とは対照的に店内は満席。
外には行列も出来ていました。

以前、冨山店主が「夜も昼並みにお客が来てくれれば良いのに」と語っていたことを思い出しました。

○「特製つけめん」(1,100円)

今日も可愛い女性スタッフが、かいがいしく働いています。
忙しくラーメンをつくる店主の仕事を受けて、配膳するのは彼女の仕事。
二人の息の合った連携プレーでどんどんラーメンやつけめんが提供されます。

つけめんの麺は、ラーメンの麺よりも一回り太い切り刃12番(加水率は40%)。
店入口の右手にある製麺機で毎日打つ自家製の平打ち麺には石臼挽きの全粒粉が混合。
茹でる前に十分手で揉んだ縮れ麺。

小さな丼に入ったつけ汁は、ラーメンの醤油スープを濃縮。
スープ濃縮によって生まれた油分と鶏油がブレンドされたオイリーなビジュアル。
色はかなり濃い琥珀色。
単に濃縮させただけでなく、酢や砂糖、七味唐辛子を加えています。
それでいて、見た目から想像するほどくどくなく、むしろつけ汁としてはさっぱりとした仕上がり。

特製らしくホロホロの豚肩ロース肉のチャーシューと濃厚な旨味の豚バラ肉チャーシュー2枚、そしてメンマやネギが加わります。

麺が盛られた丼には、味玉と海苔が何と5枚。
麺量は並盛りで230g。

幅5ミリ近い手揉み麺は、水で締めているだけに、らぁめんの麺以上にコシがあり、プリプリした食感。
小麦の香りはらぁめんよりもこちらの方が、より強く感じられます。

幅広で縮れた麺が、らぁめんにくらべ、濃い目でオイリーなつけ汁と良く絡みます。
麺をあっという間に食べ終えたあと、スープ割りをお願いします。
らぁめんのスープを足したスープ割りを飲むと、生姜の香りがじんわりと漂い、後味のさっぱり感は抜群。

らぁめんとは違う魅力のあるつけめん。

今回は2回の訪問でしたので、再度基礎に戻って、らぁめん、つけめんともに醤油味としましたが、塩タレに昆布の旨味を加えた塩らぁめんや塩つけめんも魅力的。
限定の「煮干しらぁめん(醤油・塩)」や「煮干しつけめん(醤油・塩)」では、淡麗煮干しスープに切り刃20番、加水率30%の低加水自家製麺を合わせるなど変幻自在。

女性スタッフの参加を得て、店の雰囲気もさらにアップ。
美味しい上に癒されるという意味では、第二の「ちとせ」になりうるかも?

  • らぁめん 山と樹 - 「特製つけめん」(2018年1月7日)

    「特製つけめん」(2018年1月7日)

  • らぁめん 山と樹 - 麺&具(2018年1月7日)

    麺&具(2018年1月7日)

  • らぁめん 山と樹 - オイリーなつけ汁(2018年1月7日)

    オイリーなつけ汁(2018年1月7日)

  • らぁめん 山と樹 - スープ割り(2018年1月7日)

    スープ割り(2018年1月7日)

  • {"count_target":".js-result-Review-78575329 .js-count","target":".js-like-button-Review-78575329","content_type":"Review","content_id":78575329,"voted_flag":null,"count":61,"user_status":"","blocked":false}
2018/01訪問7回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.2
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク3.8
~¥9991人

TRYラーメン大賞新人賞2部門受賞おめでとう(その1)

1月6日(土)

2017-2018のTRYラーメン大賞新人賞で、「しょう油部門」第4位、「つけ麺部門」第3位に輝いた「らぁめん 山と樹」(高円寺)。

前回訪れたのが8月のお盆。
それから4ヶ月以上のご無沙汰。

昨年末は新店を優先。
そのため、1月になってからの訪問となりました。

1月の営業開始は6日(土)。
昼の「麺庵 ちとせ」に続き、夜営業開始2時間後の19時頃訪れます。
今回は本日と翌日(7日)、TRY大賞を受賞した「特製らぁめん」(980円)と「特製つけめん」(1,100円)を食べる予定。

6日は店内に先客なし。
私が帰るのと入れ替わりのように後客が入店。
相変らず笑顔で「こんばんわ」と出迎えてくれる富山店主。
この温かい雰囲気は最高ですね。
遅くなりましたが、TRY大賞新人賞2部門受賞おめでとうとお祝いの言葉を。
すると、謙遜気味に「受賞は意外でした。私が一番驚いてます」

店内のレイアウトでまず変わったのが、正式のウォーターサーバーがついたこと。

そしてもっと重要なのは、富山店主の隣に可愛らしい女性スタッフがおられ、かいがいしく店を手伝っていたこと。
店主が麺を袋から出し、手で揉んだあと、茹で始め、タレとスープを注いだ丼に茹で上がった麺を盛り、彼女との共同作業で具をのせます。
配膳は彼女が担当。

本当に自然な役割分担。
お二人の姿を見ているだけで温かい気持ちになってきます。

冨山店主に帰省してから行ったラーメン店の名を聞かれ、「向日葵」と「健やか」と答えると、彼女が「健やかは向日葵から独立した店」と店主にささやいています。
相当なラーメン通とみました。

冨山店主は、まだ「麺や 七彩八丁堀店」「食堂七彩」にも行ったことがないという。
それだけ他店の動向には関せず、自分のラーメンを追求するタイプ。
そこに、他のラーメン店に詳しい彼女の力が加われば、鬼に金棒。

○「特製らぁめん」(980円)

何といっても同店の魅力は、店外からもみえる製麺機で毎日打つ自家製麺。
小麦は北海道産の「春よ恋」を使用。
「らぁめん」は切り刃14番、「つけ麺」は一回り太い切り刃12番と使い分けるこだわり。
加水率は40%。
両方とも石臼挽きの全粒分入りの平打ち麺。
茹でる前にしっかり手揉みをして、縮れをつけます。

やや濃い目ながら、澄んだ琥珀色の醤油スープの表面に鶏油が浮きます。
特製はチャーシューが3枚と味玉がトッピング。
大判の豚肩ロース肉チャーシューは、今全盛の低温調理とは一線を画した煮豚タイプ。
加えて、2枚の豚バラ肉チャーシューがのります。
小ぶりのメンマが数本。
中央には独特の斜め切りした青ネギ。
スープには輪切りのネギも浮かんでいます。
そして、海苔3枚がプラス。

丸鶏や鶏ガラに、チャーシューに転用する豚肩ロース肉、豚のゲンコツなどを加えた動物系メインのスープ。
もちろん動物系だけでなく、昆布や節類、煮干し、玉ネギなどの香味野菜も合わせています。
醤油ダレは、弓削田醤油の「有機しょうゆ」など3種類の醤油をブレンド。
隠し味として、牡蠣煮干しを加えています。

スープをいただくと、動物系の旨味と生醤油のいい香りが口一杯に広がります。
見逃せないのは、最初の一口目から生姜の香りがふわーっと漂ってくること。
冨山店主はスープに入れる香味野菜の1つとして、生姜をやや多めに加えています。
この動物系+醤油+生姜がブレンドされたあっさりしつつ、しっかりコクのある香り高い醤油スープが「山と樹」の魅力。

そして魅力を増幅するのが、先にも書いたように自家製の手揉み麺。
番手14番の平打ち麺を手揉み。
やや固めに茹で上げた麺は、幅3ミリ程度のプリプリとした麺。
麺量は並盛で150g。

「ピロピロ」という表現よりも、「プリプリ」という表現の方が適切でしょう。
コシが十分で、プリッとした食感の麺を噛むと、全粒粉からしみ出る小麦の良い香りが口の中で炸裂。

「麺や七彩八丁堀店」や「食堂七彩」の手揉み麺にくらべると、麺幅はやや狭く、締まったやや固めの麺です。

特製にのるのは、スープのダシに使った豚肩ロース肉の厚味のある煮豚。
箸で切れるようなホロホロとした柔らかさと淡白な味。
これに対し、2枚の柔らかい豚バラ肉チャーシューは脂身の旨味が混ざり、コクのある味。
特製の良さは、同じく柔らかいものの、薄味の肩ロース肉チャーシューとコクのあるバラ肉チャーシューの両方が楽しめること。

小ぶりのメンマも地味ながら味付けはしっかりされていて、コリコリとした食感が印象的。

そして極めつけが味玉。
噛むと黄身がジュースのように飛び出す味玉は、食感といい、味付けといい、数ある味玉の中でも屈指の出来の逸品。

決して個性の強いラーメンではありません。
しかし、自家製麺と無化調にこだわった穏やかで深みのある醤油スープとプリプリ食感の手揉み麺。
それに絶品のチャーシューや味玉の組み合わせは絶妙なバランス。
毎日食べても決して飽きない味。

最後に冨山店主から、正月休みに帰省した実家の「おみやげ」ということで、煎餅をいただきました。
可愛くて働き者の女性スタッフを得て、冨山店主の意欲もさらに向上したかのよう。
お二人の醸しだす温かい雰囲気と美味しいラーメン。
「ちとせ」同様、癒される店です。

  • らぁめん 山と樹 - 「特製らぁめん」(2018年1月6日)

    「特製らぁめん」(2018年1月6日)

  • らぁめん 山と樹 - 「特製らぁめん」(2018年1月6日)

    「特製らぁめん」(2018年1月6日)

  • らぁめん 山と樹 - 券売機(2018年1月6日)

    券売機(2018年1月6日)

  • {"count_target":".js-result-Review-78575053 .js-count","target":".js-like-button-Review-78575053","content_type":"Review","content_id":78575053,"voted_flag":null,"count":50,"user_status":"","blocked":false}
2017/08訪問6回目

4.1

  • 料理・味4.1
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.9
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク3.8
~¥9991人

「煮干水」をかけた麺と「スープ割り」が煮干し味を演出!

8月16日(水)

高円寺の駅から少し離れ、環七沿いに今年1月オープンした「らぁめん 山と樹」。
石臼挽きの全粒粉入りの自家製手揉み麺。
無化調動物系メインの淡麗系スープを使った醤油、塩ラーメンとつけ麺で、人気を博しています。

「らぁめん 山と樹」が8月31日までの期間限定。
しかも、夜限定で提供している「煮干しらぁめん」シリーズ。
「煮干しらぁめん」「塩煮干らぁめん」「煮干しつけめん(醤油)」「煮干しつけめん(塩)」の計4品。

実家帰省中の8月13日から16日まで、定休日をはさんで3日連続通ってコンプリートしました。

今回は、未報告の「煮干しつけめん(塩)」のレビュー。

○「煮干しつけめん(塩)」(900円)

水曜の19時30分頃に訪問。
今日の夜営業は混んでいて、お客さんがひっきりなし。
挙句の果てに、店内立ち待ちまで出る状況。
夜営業は冨山店長のワンオペですので、休む暇もない忙しさ。
じっくり話ができなかったのが残念でしたが、配膳のときに言葉を交わしました。

「煮干しつけめん」並盛(220g)の食券を購入。
これでは麺量が物足りない方は、100円プラスで大盛(360g)を選択できます。
食券を店長に渡すときに、口頭で「塩」を頼みます。

まもなく到着した「煮干しつけめん(塩)」の仕様は、「煮干しつけめん(醤油)」と同じ。
つけ汁は、かなり茶色がかっていて、一見すると薄口の醤油に間違える色合い。
つけ汁の表面は、鶏油とスープ濃縮の際に出た油分でオイリー。
輪切りのネギがたくさん浮かび、七味唐辛子の成分も散見。
スープの中にはメンマが隠れています。

麺は切り刃20番の中細ストレート麺。
加水率30%ぐらいの低加水麺。
見るからにパツンパツンとした麺の表面には、石臼挽き全粒粉由来の斑点がみられます。
薄くスライスした豚肩ロース肉のレアチャーシューをくるっと巻き、麺の上に乗せています。
その他、カイワレも。

麺は相変わらずのパキパキとした食感。
細いながら、噛み応え十分。
小麦の香りと旨味が十分味わえる麺で、ラーメン、つけ麺共用ですが、細つけ麺用の麺としても理想的。

面白いのは、前回も紹介した「煮干水」(冨山店長の言葉)を前日以上に振りかけていること。
煮干しダシを水で希釈した(おそらく)ものですが、もともと細麺の絡みを避けるための「ほぐし水」。
それを麺にかけることにより、麺にうっすらと煮干しの風味が浸み込んでいます。

つけ汁は、「醤油」という味の濃い調味料ではなく、あっさりとした塩ダレのため、醤油のつけ汁以上に酢の酸味と七味唐辛子の辛味が前面に出ます。
この酸味と辛味が塩ダレや動物系スープ、そして煮干しダシなどを圧倒。
醤油ダレよりもさっぱりしていますが、酸味や辛味の効き具合はそれ以上。

醤油ダレでも、煮干しのビターな旨味は控えめでした。
塩になると、正直つけ汁に煮干し風味を感じるのは、かなり困難。
ではダメなのかというと、そうではありません。

さっぱりした塩ダレ、そして良く効いた酢と七味唐辛子のために、醤油以上にパンチのあるつけ汁。
このつけ汁に「煮干水」のかかった麺をさっとつけると、醤油ダレではあまり感じなかった麺由来の煮干し風味がふわりと漂います。

つけ汁の煮干し味の弱さを、「煮干水」ふりかけの麺で補うという「手法」は結果論ではありますが、実に斬新。

レアチャーシュー等に関するコメントは前回のレビューに譲り、麺を食べ終えたあと、割りスープを頼みます。
割りスープは、煮干しダシメインで、鶏を少し加えたもの。
そのため、割りスープを入れると、つけ汁の煮干し感が一気に上昇。
最後は煮干し風味に浸りながら、食べ終えます。

繰り返しになりますが、つけ汁(スープ)の煮干し風味の弱さを、麺にふりかける「煮干水」とラストの割りスープのダブルで補う手法を、醤油よりも塩の方が、より明確に感じとることができます。

それ以上に、私の主観ではありますが、ラーメンでもつけ麺でも、塩よりも醤油の方が、控えめながら煮干しのビターな旨味が感じられるのが面白いところ。

以上、煮干し味の視点からレビューしましたが、煮干しにこだわらなくても、さっぱりとした和風味の細つけ麺として十分楽しむことができます。

とにかく、冷水でしめたコシのある中細麺の食感が絶品。
上記の「手法」はつけ麺ならではですので、「煮干しらぁめん」シリーズでは、つけ麺の方に一層の魅力を感じます。

私としては、「煮干しらぁめん」シリーズを9月以降も提供し続けて欲しいところ。

といっても、中太の平打ち麺と中細ストレート麺の2種を打ち、通常の動物系スープ以外に、それから煮干しを抜いたスープをつくり、別途煮干しだけのダシをとって合わせるという手間は大変なもの。

それでも、再度煮干しに挑戦。
リニューアルした煮干しラーメンやつけ麺を、将来提供して欲しいと期待しています。

  • らぁめん 山と樹 - 「煮干しつけめん(塩)」(2017年8月16日)

    「煮干しつけめん(塩)」(2017年8月16日)

  • らぁめん 山と樹 - 「煮干しつけめん(塩)」(2017年8月16日)

    「煮干しつけめん(塩)」(2017年8月16日)

  • らぁめん 山と樹 - 麺&具(2017年8月16日)

    麺&具(2017年8月16日)

  • らぁめん 山と樹 - つけ汁(煮干し・塩)(2017年8月16日)

    つけ汁(煮干し・塩)(2017年8月16日)

  • らぁめん 山と樹 - スープ割り(2017年8月16日)

    スープ割り(2017年8月16日)

  • {"count_target":".js-result-Review-72399816 .js-count","target":".js-like-button-Review-72399816","content_type":"Review","content_id":72399816,"voted_flag":null,"count":48,"user_status":"","blocked":false}
2017/08訪問5回目

4.1

  • 料理・味4.1
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.9
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク3.8
~¥9991人

細麺が抜群に美味しい清湯つけ麺!

8月15日(火)

「らぁめん 山と樹」(高円寺)が夏季・夜限定で提供中の「煮干しらぁめん」シリーズ4種。
コンプリート3弾目は、「煮干しつけめん(醤油)」(900円)。

強い雨の降る8月15日(火)19時過ぎに訪ねました。

先客1名、後客3名。

○「煮干しつけめん(醤油)」(900円)

煮干しシリーズ(と勝手に命名)の「らぁめん」「塩らぁめん」は既に制覇。
「煮干しつけめん」は、「らぁめん」と順番を変え、醤油から注文します。

つけ麺の場合、並盛は220g。
100円プラスの大盛は360g。
つけ麺としては、並盛では少なく、大盛りでは多過ぎという微妙な量。
私としては、並盛200g、中盛300g、大盛400gで、中盛注文が一番しっくり来るのですが。

今回は並盛の醤油をお願いしました。

つけ汁は、相変わらず口が広い底浅形状の丼で提供。
これも通常の「つけめん」と同様、鶏油と食材由来の油分が表面を覆うオイリーな外観。

琥珀色の濃いつけ汁には七味唐辛子が入っているのが、一目で分かります。
つけ汁の中に、小ぶりのメンマが隠れています。
輪切りのネギが、たっぷり浮いています。

麺はラーメン鉢に入って提供。
「煮干しらぁめん」に使っている切り刃20番の低加水麺。
中細ストレート麺の表面には、石臼挽きの全粒粉が入っているのが、はっきりと分かります。

麺の上に、これも「煮干しらぁめん」と同様、薄くスライスしたピンクのレアチャーシュをくるっと巻き、盛り付け。
カイワレもトッピング。

麺から食べ始めると、熱い「らぁめん」以上に中細の低加水麺の旨さが炸裂。
冷水でしめられた結果、麺のコシがさらに増強。
パキパキとした食感は、一層明瞭になり、コシの強さは、口に含んで麺を噛みきるという感覚に近いもの。

「らぁめん」以上に全粒粉の味と感触が味わえ、小麦の香りと旨味を楽しむことができます。

つけ汁は見た目どおり、まずオイリーさが飛び込み、次に酢の酸味と七味の辛さ、そのあとに生醤油の香りが連続的に感じられます。

これらの味のあとに、動物系の旨味が到来。
最後に煮干しのビターな旨味が控えめながら感知できます。

相変わらずつけ汁の煮干し感は弱いのですが、冨山店長は「煮干しらぁめん」以上に煮干しダシの割合を高めているといいます。

既に何回も紹介しましたが、同店の煮干しらぁめんのスープは、通常のらぁめんのスープをつくる際に、あえて煮干しを入れず、別に片口鰯などから抽出した煮干しダシをブレンド。
この際の動物系スープ(煮干し抜き)と煮干しスープの割合が50%対50%。
つけめんでは、動物系と煮干しのブレンドにあたり、煮干しの割合を50%以上に強化。

中細麺のパキパキとした食感は醤油味のつけ汁と良く合います。
中細麺とシャバ系の清湯スープとの絡み具合を気にする向きがあるかも知れません。

たしかに麺がつけ汁を持ち上げる「つけ麺の魅力」が落ちる点は否定できません。
しかし、それ以上に全粒粉を豊富に含んだ旨味高い麺の味を、素に近い状態で堪能できるのが魅力。
つけ汁は、もりそばのそばつゆ的な存在と思えば良いでしょう。

清湯つけ麺でも、中太の平打ち麺や手揉み麺を使うところが多いようです。

それなら「山と樹」でも、「らぁめん」や「つけめん」など煮干しシリーズ以外のメニューで使う手揉み麺を使うのが無難な選択です。
ところが、冨山店長は「煮干しには手揉み麺は合わない」という信念のもと、敢えて手揉み麺以外に中細麺を煮干し専用に打つという困難な道を選択。

この冨山店長の「こだわり」が、細つけ麺の新しい魅力を生み出しました。

たしかに、煮干しダシの割合を高めても、つけ汁からは微かに煮干しのビター感が漂う程度。
最初から煮干しの旨味が味わえるというわけではありません。

それでも煮干しダシは、動物系が突出するのをおさえ、つけ汁をさっぱりさせ、「和風感」を強めるという地味ですが、重要な役割を果たしています。

麺の上にくるっと巻いたレアチャーシュは、スープの熱による変色や味の劣化の心配はありません。
そのため、麺をチャーシューと一緒につけ汁につけたり、チャーシューだけをそのまま食べるなど、いろいろな楽しみ方ができます。

麺を食べ終えたあと、割りスープを頼みます。
すると、煮干しメインで動物系を少し加えた専用の割りスープで割ってくれます。
スープ割りを飲むと、これまで以上に煮干し風味が強くなっています。

つけ汁では底流にある微かな煮干し感。
それが、割りスープでぐーんと煮干し度が上がって、煮干しの後味で終焉を迎えるというのは、粋な計らい。

最後に2つ補足を。

中細麺の場合、食べるのが遅い人だと、どうしても途中で麺が絡んできます。
それを避けるため、コンビニ麺類の「ほぐし水」ならぬ煮干しダシを水で割ったものを、あらかじめ麺にかけているとのこと。
細かい心気遣いに脱帽。

また、生姜の効き具合について。
冨山店主は最初の一口で生姜の香りを感じるようこだわりをもってスープを仕込んでいます。
それが私の馬鹿舌では、なかなか感じられない。
そこで、タレを加えないプレーンな動物系スープを少し飲ませていただきました。

すると、生姜味がしっかりするではないか!

動物系スープは、丸鶏や鶏ガラをメインに豚のゲンコツ、昆布、節類、煮干し(煮干しらぁめんの場合、煮干しは入れず、別につくってブレンド)、そして玉ねぎなどの香味野菜などを合わせてつくります。

このとき、香味野菜の1つとして、生姜を入れますが、これを増量して、スープから生姜の香りが立ち上がるよう仕込んでいます。

個人的には、煮干しシリーズでは、「らぁめん」よりも、つけめんの方により個性を感じます。

次は、いよいよ最後の「煮干しつけめん(塩)」。楽しみです。

「煮干しつけめん(醤油)」の個性を評価。
総合評価を4.1に戻します。

  • らぁめん 山と樹 - 「煮干しつけめん(醤油)」(2017年8月15日)

    「煮干しつけめん(醤油)」(2017年8月15日)

  • らぁめん 山と樹 - 「煮干しつけめん(醤油)」(2017年8月15日)

    「煮干しつけめん(醤油)」(2017年8月15日)

  • らぁめん 山と樹 - 麺&具(2017年8月15日)

    麺&具(2017年8月15日)

  • らぁめん 山と樹 - つけ汁(2017年8月15日)

    つけ汁(2017年8月15日)

  • らぁめん 山と樹 - スープ割り(2017年8月15日)

    スープ割り(2017年8月15日)

  • {"count_target":".js-result-Review-72082507 .js-count","target":".js-like-button-Review-72082507","content_type":"Review","content_id":72082507,"voted_flag":null,"count":37,"user_status":"","blocked":false}
2017/08訪問4回目

4.0

  • 料理・味4.0
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.9
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

季節限定・夜限定の煮干しらぁめん

8月13日(日)

昼、入谷の「麺処 晴」で絶品の「冷やしそば(塩)」を堪能したあと、いったん実家に戻り、夜は高円寺の「らぁめん 山と樹」へ。
5月の連休以来ですから、3カ月ぶりの訪問です。

この間、同店はメニューを増強。
6月から季節限定・夜限定の「煮干しらぁめん」を提供開始。
さらに7月から「塩煮干しらぁめん」「煮干しつけめん」「塩煮干しつけめん」を追加。
すべて夜営業(17時~22時)のみで、8月31日までの夏季限定。

○「塩煮干しらぁめん」(780円)+味玉(100円)

環七の高円寺駅入口から中央線の高架下を抜け、代田橋方面に少し進んだ左側にある「山と樹」に18時過ぎに入店。

入ると、すぐ正面に券売機。
最上列の大きなボタンの一番右端は、5月の時点では空いていました。
そこが「煮干しらぁめん」のボタンに変身。
下の小さなボタンに「煮干しつけめん」(900円)を発見。

まずは「塩煮干しらぁめん」(780円)と「味玉」(100円)を食べることに。

「煮干しらぁめん」の食券を購入後、食券を渡す際に口頭で塩をお願いします。
「塩煮干しつけめん」も同様。
「煮干しつけめん」の食券を購入して、注文時に塩を申し出ます。

18時過ぎの店内は先客2名、後客5名と、3~4月、5月の訪問時に比べ賑わっています。
冨山店長によると、夜限定で煮干しを始めた理由は、昼に比べ極端に客の減る夜対策。
この狙いは見事に当たり、今は夜遅い時間帯も客が増加。
逆に忙しくなり過ぎ、嬉しい悲鳴をあげているとのこと。

さて、店に入ると、正面に製麺機。
カウンターだけの客席に対し広めの厨房では、冨山店長が1人でオペレーションをこなしています。

相変わらず人懐っこい笑顔で出迎えてくれる店長が、「いつ、こちらに戻ってきたんですか」と声をかけてくれます。

「お盆休み中に、煮干しメニュー4種を制覇するつもり」などと話すと、苦笑されました(笑)

提供された「塩煮干しらぁめん」。
茶色っぽいものの、澄んだスープに中細ストレート麺が綺麗に盛り付け。
薄くスライスした豚肩ロース肉のレアチャーシュをくるっと巻いて、中央にセット。
小ぶりのメンマ数本のほか、小口切りのネギ、カイワレがトッピング。
追加した味玉は、白身がタレで薄茶に染まり、美味しそう。

スープから飲み始めると、実にあっさりとした味。
煮干し風味は弱めで、まずは動物系の味を感知。
その後、煮干しの旨味が控えめながら、じんわりと広がってきます。
スープの表面には鶏油が浮き、あっさりしたスープにオイリーな厚みを加えています。
塩分濃度はちょうど良いレベル。

鶏メインの動物系と煮干しがうまく調合され、これに昆布を加えた塩ダレが重なります。
インパクトこそありませんが、食べるにつれ、じわじわと複合的な旨味が楽しめるスープと塩ダレ。

ただし、「煮干しらぁめん」と銘打つほど煮干し全開というわけではありませんので、煮干しの旨味を期待すると、肩透かしを食らうかも知れません。

そして麺。
同店の売りは、石臼で挽いた全粒粉を練り込んだ平打ち麺を丁寧に揉んだ手揉み麺。
加水率40%のムチムチモチモチした食感の自家製麺は、麺を食べる喜びを実感させてくれます。

ところが、煮干しでは自家製麺ながら、低加水の中細麺にチャレンジ。
手揉み麺と同様、国産小麦「春よ恋」を使用。
石臼挽きの全粒分入りの切り刃20番
の中細ストレート麺。
加水率は30%ぐらいでしょうか。

店長も手揉み麺と対照的なパツンパツンの食感をねらったと語っています。
その通りで、固め茹で上がりの麺はコシが強く、歯応えも十分。
これを冷水でしめたら、さらにコシが増し、全粒粉の香りを堪能できるのではないか?

そう思っていたら、煮干しつけ麺では、手揉み麺ではなく、この中細麺を使っているとの店長の言葉。
「煮干しに手揉め麺は合わないでしょう」という理由。
果たして、低加水麺を使ったつけ麺はどのような味なのか?
再訪に期待が膨らみます。

レアチャーシュは、まるで「麺魚」(錦糸町)のように、薄くスライスし、中央でくるっと巻いています。
しかし、スープの熱さのため、下の方から徐々に変色してきます。
見た目より脂が乗っていて、薄いスライスの割には食べ応えがあります。

欲を言えば、もう少しさっぱりと仕上げ、むしろ香りを効かせたら、さらに煮干しにマッチするのではないでしょうか。
手がかかりますが、ローストした上で燻製にしたらなどと考えてしまいます。
変色に伴う味の劣化対策として、盛り付け方にも、一層の工夫が必要かもしれません。

小ぶりのメンマはコリコリとした食感で、従来よりもやや濃いめの味付け。
しかも、メンマそのものの旨味もしっかり生かされています。

特筆したいのが味玉の美味しさ。
噛むと、黄身がジュースのように口の中に広がる瞬間は快感そのもの。

手始めに「塩煮干しらぁめん」を食べましたが、思っていたよりも煮干し感が薄く、むしろ従来の動物系メインのスープに細麺を組み合わせた印象。

そこで醤油ダレの「煮干しらぁめん」を連食。

○「煮干しらぁめん」(780円)

塩ダレが醤油ダレに変わり、琥珀色の濃いスープに変貌。
鶏油をふりかけ、オイリーな仕上げ。

スープを飲むと、第一印象はこちらの方が煮干しが効いている感じ。
醤油ダレが煮干しの旨味を引き出しているのでしょうか。

もちろん、トータルとしては醤油も塩も煮干しよりも動物系の方が効いています。
醤油の方がやや煮干しが強く出ている感はありますが、いずれにしても煮干しは控えめ。

そこで食後店主に確認すると、煮干しらーめんのスープは、動物50%、片口鰯の煮干しを50%の割合でブレンド。
動物系スープは、丸鶏と鶏ガラがメイン。
これに豚のゲンコツ、昆布、節類をブレンド。
醤油ダレは、弓削多醤油の「有機しょうゆ」に牡蠣煮干しを添加。
塩ダレは、数種の塩に昆布を合わせています。
塩、醤油とも、仕上げに隠し味として、生姜を効かせていますが、煮干しの場合、通常のラーメンに比べ、生姜の効きは弱いとのこと。

店長は「煮干しがガツンとくる」ラーメンはつくりたくなかったと語っています。
この思いが、煮干しの割合50%の調合ながら、煮干しの旨味が控えめの味につながっているのでしょう。

今回の最大の収穫は、自家製低加水麺の「発見」。
次回は、「煮干しつけめん」の醤油と塩を実食。
「山と樹」の煮干しらぁめんの味を、さらに掘り下げたいと思います。

最後になりますが、8月21日から24日まではお休みなので、ご注意ください。

  • らぁめん 山と樹 - 「塩煮干しらぁめん」(2017年8月13日)

    「塩煮干しらぁめん」(2017年8月13日)

  • らぁめん 山と樹 - 「塩煮干しらぁめん」(2017年8月13日)

    「塩煮干しらぁめん」(2017年8月13日)

  • らぁめん 山と樹 - 「煮干しらぁめん」(2017年8月13日)

    「煮干しらぁめん」(2017年8月13日)

  • らぁめん 山と樹 - 「煮干しらぁめん」(2017年8月13日)

    「煮干しらぁめん」(2017年8月13日)

  • らぁめん 山と樹 - 券売機(2017年8月13日)

    券売機(2017年8月13日)

  • {"count_target":".js-result-Review-71975814 .js-count","target":".js-like-button-Review-71975814","content_type":"Review","content_id":71975814,"voted_flag":null,"count":40,"user_status":"","blocked":false}
2017/05訪問3回目

4.1

  • 料理・味4.1
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.9
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「つけめん」も「塩つけめん」も出色の出来!

5月4日(木)
5月6日(土)

前回、桜の季節に計3回お邪魔して、すっかり気に入ってしまった「らぁめん 山と樹」(高円寺)。

4月11日に、店のInstagramをフォローするお客のみ限定で、「つけめん」「塩つけめん」の提供開始。

そして、ついに5月2日から通常メニューで2種のつけめんの提供を始めました。
私も4日と6日の夕方に伺い、つけめん(醤油)、塩つけめんを食べてきました。

○つけめん(850円)

店の扉には、「つけ麺はじめました」の貼り紙。
店内に入ると、正面に券売機。
左の白いボタンが「らぁめん」と「塩らぁめん」。
右の緑のボタンが「つけめん」と「塩つけめん」。

ちょっと面白かったのは、一番上の店一推しのボタンが、左から「特製らぁめん」「特製塩らぁめん」「特製つけめん」と来て、「特製塩つけめん」は下の小さなボタンになっていること。
今のところ、最上段の大きなボタン一番右手は空いています。
店主に聞くと、いずれ限定麺を提供するときのために残しているということ。

相変わらず人の良さそうな店主の「こんばんわ」の言葉に出迎えられ、カウンターのみの店に入店。
5月4日夕方は、まず「つけめん」(醤油)を頼むことにします。

これがいい意味で期待を裏切ってくれました。
私としては、清湯つけ麺のつけ汁には酢を使わず、生醤油の良い香りと麺の小麦の香りをストレートにドッキングさせるべきという先入観をもっていました。

提供された山と樹の「つけめん」。
ラーメンの丼に石臼挽きの全粒粉入りの中太平打ち自家製麺手揉み麺が盛られています。
普通盛りは230g。
大盛は350g(➕100円)。

私は普通盛りの一番シンプルな「つけめん」を選択。
驚いたのは、まずつけ汁の器。
通常、つけ汁には底の深い小型の多用丼を使います。
それが器の口が広がった底の浅い皿のような器に、つけ汁が入っています。

店主は探してもいい器がなかったと言っていますが、通常の口の狭い多用丼では、大判のチャーシューが入らないのも、理由の1つでしょう。

麺はラーメンと一緒ですが、手揉みの時間をラーメンよりも少なくし、麺が切れないように努力していると語っていました。

スープとタレは、原則らぁめんと同じですが、つけ汁の見た目の印象はまるで違います。
比較的淡い琥珀色の透明感のある醤油スープと違い、濃い琥珀色でオイリー。
丼の全体を、薄くスライスされた肩ロース肉の柔らかい煮豚が蓋しています。
その上に笹切りした青ネギが盛られ、スープには輪切りのネギが入っています。
細めメンマのほか、一味唐辛子を振りかけているのが分かります。
麺の入ったラーメン鉢には、海苔が1枚添えられています。

まず麺をいただくと、敢えて粒を大きくした石臼挽きの全粒粉が効き、小麦のいい香り。
これは、つけめんならでは。

つけ汁をレンゲですくうと、酢と甘味が!
実は、既に述べたように、淡麗つけ麺のつけ汁は、麺や 七彩と同様、酢を使わずに、生醤油の香りを重視した味を想定。
それが酢と砂糖の甘味、そして一味の辛味がミックスされていたので、当初はやや戸惑いました。
でも、落ち着くと、あの「麺庵 ちとせ」の最初のつけ麺でも、やはりつけ汁に酢を入れていましたね。

鶏ガラや豚のゲンコツ、肩ロースチャーシューなどの動物系メインで、これに少量の昆布、煮干し、節系をブレンド。
スープには鶏油を加え、さらに生姜も入れています。

これに合わせる醤油ダレは、弓削田醤油の「有機しょうゆ」と牡蠣煮干しをブレンド。
これらのらぁめんのスープとタレをベースにつくったつけ汁。
記述のとおり、酢や砂糖、一味を振りかけています。

とくに鶏油を増量しているわけではなく、表面の油はスープやタレを濃縮させた結果とのこと。
しかし、つけ汁はらぁめんの醤油スープにくらべ、見た目同様、濃くオイリーな味わい。
中太の手もみ麺と実に良く合います。
手揉み麺の風味を堪能するとともに、それとうまくマッチしたつけ汁を麺がよく持ち上げます。
さすがに淡麗系で、サラッとしたつけ汁。
食べやすさも抜群。
ある意味、醤油のつけ汁は、やや薄めのらぁめんの醤油スープよりも、個性の強い手揉み麺により合っているかも知れません。

それに箸でとろうとすると、ホロホロと崩れる柔らかい大判の肩ロース肉の煮豚。
らぁめんでは、厚めのスライスですが、つけめんは薄めのスライス。
細めのメンマはつけ汁を邪魔しない程度のあっさりした味付け。

麺を食べ終えたあと、店主が鶏メインのスープで割ってくれます。
スープ割りすると、まず生姜の香りがほのかに漂うのが印象的。

それにしても、無化調でこれだけ食べ応えのあるつけめんをつくる店主の力量はさすが。
個性的な手揉み麺にらぁめんのスープが負けているとの感想をお持ちの方は、是非つけめんをお試しください。

○塩つけめん(850円)

5月6日(土)の夕方は、今度は「塩つけめん」にチャレンジ。
塩のつけ汁も塩らぁめんのスープとタレがベース。
醤油のつけめんの場合、つけ汁に酢と砂糖、一味を入れていますが、塩は酢と一味のみ。
鶏ガラとゲンコツ、肩ロース肉チャーシューからのダシに加え、昆布や煮干し、節類を少量添加。
鶏油や生姜をスープに加えている点も同様。
タレも同じく、3種の塩に2種の昆布をブレンド。
それに酢と一味。

塩のつけ汁も結構オイリー。
豚肩ロース肉の大判薄切りがのっているのも、つけめんと一緒。
つけめんでは、笹切りの青ネギですが、その代わりに多めの三つ葉、
あとは輪切りのネギと細めメンマ。
赤唐辛子がつけ汁に浮いています。

ややブラウンがかったつけ汁は、たしかに塩味。
しかし、塩つけ麺のつけ汁に酢を入れるというのは極めて稀。
つけ汁も通常の塩つけ麺よりも濃度があり(あくまでも清湯ですが)、酢が入っているので、独特の味わい。
4月のInstagramフォローの限定提供の塩つけめんでは、柚子皮が入っていたようです。
5月6日に食べた段階では、入っていませんでした(要確認)。

塩が効きながらも薄味で、酢を使わない塩つけ麺のつけ汁が多い中、山と樹の比較的濃厚でオイリー。
しかも酢をうまく塩ダレとミックスさせ、一味がピリリと来る塩つけめんのつけ汁は唯一無比。

つけめん(醤油)、塩つけめんどちらも大オススメ。
個人的には、塩つけめんを再度食べたいですね。
あとは券売機最上段右端に何が来るのか?
期待しています。

  • らぁめん 山と樹 - 塩つけめん(2017年5月6日)

    塩つけめん(2017年5月6日)

  • らぁめん 山と樹 - 塩つけめんのつけ汁(2017年5月6日)

    塩つけめんのつけ汁(2017年5月6日)

  • らぁめん 山と樹 - つけめん(2017年5月4日)

    つけめん(2017年5月4日)

  • らぁめん 山と樹 - つけめんのつけ汁(2017年5月4日)

    つけめんのつけ汁(2017年5月4日)

  • らぁめん 山と樹 - スープ割り(塩つけめん)(2017年5月6日)

    スープ割り(塩つけめん)(2017年5月6日)

  • らぁめん 山と樹 - スープ割り(つけめん)(2017年5月4日)

    スープ割り(つけめん)(2017年5月4日)

  • らぁめん 山と樹 - 券売機(上の右端ボタンが空欄)(2017年5月6日)

    券売機(上の右端ボタンが空欄)(2017年5月6日)

  • らぁめん 山と樹 - 「つけ麺はじめました」の貼り紙(2017年5月4日)

    「つけ麺はじめました」の貼り紙(2017年5月4日)

  • {"count_target":".js-result-Review-67760605 .js-count","target":".js-like-button-Review-67760605","content_type":"Review","content_id":67760605,"voted_flag":null,"count":31,"user_status":"","blocked":false}
2017/04訪問2回目

4.1

  • 料理・味4.1
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.9
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

4月11日から「つけめん」提供開始!

4月5日(水)

1週間の東京滞在の最終日。
午後、神田川と哲学堂公園で一人花見をした後、夕方盛岡に出発。

その途中、今回の東京最後の一杯を、高円寺の「らぁめん 山と樹」で。
思えば、1週間の滞在中3回も訪問。
今回で一番心に残る店になりました。

夜営業が始まったばかりの店では、髭面ながら優しい笑顔が印象的な若い店主が一人。
早速「特製らぁめん」(980円)を頼んだ後、食後も含め店主と雑談。

そういえば、最近スープやタレ、麺、チャーシューなどのうんちくを記したPOPを卓上に置く店が目立ちます。
しかし、「山と樹」には、一切POPなし。
「なぜ置かないの」と聞くと、「あまり好きじゃないんです」というお答え。

たしかに、説明書きがあれば、こちらは助かりますが、逆にPOPに引っ張られ、食べる前に先入観を抱く可能性も。
POPがないと、ラーメンを食べながら、食材を推理する楽しみがありますし、食材を店主に問うことから会話に発展することも。
少々不便ですが、POPなしにもメリットが。

今回もスープやタレについて、店主から説明を受けました(メモしてなかったので、一部忘れてしまいましたが)。
今後補足していだければ幸いです。

スープは、鶏ガラ、チャーシューに使う豚肩ロース肉、豚のゲン骨など動物系がメイン。
これに、昆布や煮干し、鯖節、鰹節の厚削りなど魚介系をブレンド。
魚介系は、動物系に比べ使用量は少量。

醤油ダレは、弓削多醤油の「有機しょうゆ」に干し牡蠣をブレンド。
塩ダレは、2種の塩に、日高昆布と羅臼昆布をブレンド。
道理で、塩らぁめんでは昆布の風味が醤油以上に感じられたのですね。

醤油、塩とも、隠し味として生姜を追加。

到着した「特製らぁめん」は2回目ですが、やや淡い琥珀色の美しいスープに手揉み麺が泳ぐさまは食欲を増進。
青ネギの笹切りの緑が鮮やか。
肉厚ながらホロホロとした豚肩ロースの煮豚、トロトロの豚バラ肉の煮豚のいずれも上出来。
薄味のメンマに、噛むと黄身のジュースが口のなかに飛び出す味玉。
そして、ラーメンの主役ともいうべき石臼挽きの全粒粉入りの自家製麺の手揉み麺。

ピロピロした手揉み麺の食感と、麺の美味しさを最大限に活かすスープとタレ。

短期間で醤油2回、塩を1回食べましたが、どちらもオススメ。

さて、つけめんについては、前回も書きました。
4月5日に再度確認したところ、醤油と塩を同時に提供するとのこと。
店主曰く「醤油つけめんがあるのに、塩つけめんがないのはおかしいでしょう」

なかなか美味しい塩つけめんに出会ったことがないだけに、期待大。
既にまかないでつくるなど試作を重ねており、連休以前に提供開始するとのこと。

そして、本日(4月9日)、定休日明けの4月11日(火)から、2種のつけめんを提供開始する旨が発表されました。
当初は、店のインスタグラムにフォローをした方だけ限定ですが、まもなく一般に提供されるでしょう。

それにしても、次の帰省である5月の連休までつけめんを食べることができないとは!残念。

  • らぁめん 山と樹 - 特製らぁめん(2017年4月5日)

    特製らぁめん(2017年4月5日)

  • {"count_target":".js-result-Review-66410974 .js-count","target":".js-like-button-Review-66410974","content_type":"Review","content_id":66410974,"voted_flag":null,"count":26,"user_status":"","blocked":false}
2017/03訪問1回目

4.1

  • 料理・味4.1
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.9
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

久々に登場の淡麗手揉み麺の大物

2017年3月29日(水)
、30日(木)

3月29日、昼の「麺屋 はし本」(中野)に続き、高円寺の「らぁめん 山と樹」を訪ねました。

「らあめん 山と樹」のグランドオープンは今年1月24日。

八王子の無化調名店「楓」出身の若い店主が、醤油と塩の2種の淡麗系ラーメンを提供。

これだけなら特に気にとめませんが、何よりもひかれたのは、手揉み麺を自家製麺でつくっていること。
今、淡麗系のスープに合わせる麺は、中加水ないし低加水の中細ストレート麺が主流。

淡麗スープに、あえて多加水のモチモチした手もみ麺を合わせるというと、「麺や 七彩」「麺庵 ちとせ」が思い浮かびます。
両店とも、私が大好きな店。
これは、「ちとせ」以来久々の大型新人の登場!と胸が踊ったわけです。

しかも高円寺といえば、実家からバスで10分ほどの至近距離。
にもかかわらず、遠い盛岡でレビュアーの方々の絶賛の記事をただ読むだけ。
そんな欲求不満の状況が2カ月続いたあと、ようやく自らの舌で味わう機会が訪れました。

○特製らぁめん(980円)

実家(中野駅北口)から環状7号線経由で高円寺行きのバスに乗車。
5~6分で高円寺駅1つ手前の「杉並芸術劇場 座高円寺」前で下車。
少し戻り、高円寺ガードで環状7号線を渡ったあと、右(代田橋方面)に進むと、まもなく左手に白い暖簾に小さな字で「山と樹」
と書かれた店
に到着。
実家から、バスと徒歩で約15分。

店に入ると、正面に券売機。
「特製らぁめん」「特製塩らぁめん」(ともに980円)の2つが最上段の大きなボタン。
その下に、らぁめん
(730円)、あじ玉らぁめん(830円)、塩らぁめん(730円)、あじ玉塩らぁめん(830円)などの小さなボタンが並びます。

当初はあじ玉らぁめんの予定でしたが、店推奨の特製らぁめんに急きょ変更。

券売機の右手には真新しい製麺機。
製麺機の手前にカウンター2席。
そこから奥に入ると、意外に広い店内。
店の大半は厨房で、その端にカウンター8席。
合計カウンター10席ですが、店の規模にくらべると、席数は少な目。
製麺機や広い厨房など、ある意味作り手優先のレイアウト。
カウンターと厨房を隔てるものが何もない完全なオープンキッチン。

厨房には、ロン毛で髭面の個性的な風貌の店主が一人。
でもご安心ください。
髪は結んで帽子をかぶっています。

夜営業開始1時間後の18時ですが、先客1名のみ。後客も1名。
平日夜で仕方ないでしょうが、ラオタの高評価が客の入りにつながっていない感じ。

黙々とチャーシューづくりにいそしむ店主に食券を渡したのち5~6分ほどで、特製らぁめんが到着。
ちなみに、水はカウンター後方のウォーターサーバーからセルフで給水。

到着した特製らぁめんは、淡い琥珀色のスープに、手揉み麺が盛り付けられています。
中央に青ネギの笹切りがトッピングされているのが特徴的。
大判の豚肩ロース肉のチャーシューに加え、豚バラ肉チャーシューが2枚。
細切りのメンマがたっぷり。
海苔3枚と味玉がつきます。

スープの素材は、鶏ガラ、チャーシューに転用する豚肩ロース肉、豚ゲン骨、昆布、魚介節類に干し牡蠣など多種。

醤油ダレには、弓削多醤油の「有機しょうゆ」を使っています。

スープを飲むと、まず生姜の淡い香りが感じられます。
店主によると、生姜は隠し味として使っているとのこと。
ラーメンの最初の一口に微かな生姜味をさりげなく持ってくるところが、店主の卓越したセンス。

生姜の淡い味のあとに控えるのは、一瞬薄味とさえ感じてしまうあっさりとしたスープ。
多彩な食材が溶け込んだ重層的なスープは、いずれの素材も突出しないあっさり味。
たしかに、あっさりしているのですか、旨味がじわしわと到来。

弓削多の有機しょうゆを使った醤油ダレも、ナチュラルな味で、醤油のキレで勝負するのではなく、素材の自然な旨味を引き出す働きをしています。

あっさりしながらも、自然なコクが特徴の醤油スープに、手揉み麺を合わせます。
国産小麦「春よ恋」に、石臼挽きの粒の大きな全粒粉を練り込み、自家製麺した中太の平打ち麺。
これを茹でる直前に手で揉んで縮れをつけた手揉み麺。
麺の表面には、全粒粉のツブツブがはっきりと確認できます。
モチモチした手揉み麺がスープを良く吸い上げ、麺とスープが一体となった旨味を醸し出すところに、同店のラーメンの醍醐味があります。

「スープが麺に負けている」との指摘もありますが、麺とスープの一体感ないし麺を活かすスープのあり方こそ、店主の狙いと感じました。

豚肉のチャーシューが、「山と樹」のラーメンのもう1つのハイライト。
これを実感するためにも、2種のチャーシュー3枚がフルセットで乗る「特製」を注文すべきでしょう。

まず目が奪われるのが、厚手で大判の肩ロースチャーシュー。
ただし、いま流行りの低温調理ではなく、煮豚です。
スープをとる際に使った肩ロース肉を大判にカット。
適度に旨味や脂肪が抜けた煮豚は、あっさりとした味。
豚のナチュラルな旨味が実感できます。
加えて、スープをつくるために十分煮込んでいますので、ホロホロとして、箸で切ることが出来ます。

対照的に、小ぶりの豚バラチャーシューは、脂の乗った濃厚な味。
もちろん、これも味付けたというより、豚バラの自然な旨味を生かした調理。
しかも、バラ肉チャーシューは、トロけるような柔らかさ。
同じく柔らかいながらも、薄味の肩ロースチャーシューと濃厚なバラ肉チャーシューを交互に食べながら、至福の瞬間に浸ります。

チャーシューの完成度に比べると、メンマは試行錯誤中か?
この日(29日)は、麺や 七彩風の細目のコリコリとしたメンマ。
味付けは薄味。

味玉は黄身がジューシー。
うっかり箸で割ろうとすると、ジュース状の黄身がスープに溢れるので、とくに塩らぁめんでは要注意。
レンゲに乗せ、スープから離して食べた方が無難(笑)。

29日に「山と樹」の特製らぁめんを食べ、その洗練された完成度に感動。
我慢できず、翌30日の夜営業に2日連続で訪れ、今度は「特製塩らぁめん」を注文。

○特製塩らぁめん(980円)

3月30日は、前日よりも遅い18時30分頃に入店。
先客は1名、後客は3名。
これだけの良質なラーメンを提供しながら、平日夜営業が閑散としているのは残念なかぎり。

特製塩らぁめんは、醤油らぁめんの笹切りの青ネギが、三つ葉と柚子皮数片に変わります。

塩ダレは、キレのあるカンボジアの塩と、まろやかな矢堅目の塩をブレンドしています。

塩ダレに合わせるスープは、醤油らぁめんと同じ。
結果、少し濁りのある塩スープが出来上がります。
塩ダレは、尖ったところは全くなく、あくまでも優しくまろやかな風味。

醤油と同様に生姜の香りが少々。
塩らぁめんも、醤油らぁめんと同じく、あっさりした中にも、多様な素材から溶け出したナチュラルな旨味が凝縮しています。
強いていえば、醤油よりも昆布などの乾物系の旨味が強目かなという程度。

柚子片が乗っていますが、これも控え目。
塩ダレとスープがあっさりしているだけに、柚子味が過剰に出るおそれがありますが、そうならないのはさすが。

30日には、メンマは細切りから少し平べったいタイプに変化。
味付けも、やや濃いめ。

以上、特製醤油と特製塩を概観しましたが、味の方向性は同じでブレはありません。
あくまでも、あっさりしながらコクがあり、手揉み麺の食感を最大限に生かす味づくりをしています。

無化調淡麗系で、手揉みの自家製麺という点で、麺や 七彩や麺庵ちとせと比較されるのはやむを得ません。

しかし、スープやダレ、チャーシューなどを総合的に見ると、山と樹は、前2者と違った個性を既に確立しています。
無化調淡麗系の名店誕生と言ってよいでしょう。

3月30日は食後、お客が途切れたため、店主と話をする機会を得ました。

店主は気さくで、笑顔が優しい好青年です。
店主によれば、グランドオープン直後は昼夜とも客が押し寄せたものの、今では昼はコンスタントに客が来るが、夜の入りの悪さが課題とのこと。

新店にとって、オープンラッシュ後の落ち込みをいかに乗り切るかが、分かれ目となります。
山と樹ほどの実力店でも、この課題に今直面しているようです。

店主は、現状を打開すべくゴールデンウィークを目標に、つけ麺の提供をめざしていると語っていました。
中太の手揉み麺なら、絶対につけ麺に合うでしょう。
全粒粉入りの麺の真価も、つけ麺でこそ発揮できるでしょう。
次の帰省時に、山と樹の醤油つけ麺と塩つけ麺を食べることを、今から楽しみにしています。

私が店主と喋っていると、女性2人が入店。
私も話を切り上げ、店を出ました。

  • らぁめん 山と樹 - 特製塩らぁめん(2017年3月30日)

    特製塩らぁめん(2017年3月30日)

  • らぁめん 山と樹 - 特製らぁめん(2017年3月29日)

    特製らぁめん(2017年3月29日)

  • らぁめん 山と樹 - 製麺機(2017年3月30日)

    製麺機(2017年3月30日)

  • らぁめん 山と樹 - 券売機(2017年3月29日)

    券売機(2017年3月29日)

  • らぁめん 山と樹 - 店入口の白い暖簾(2017年3月29日)

    店入口の白い暖簾(2017年3月29日)

  • らぁめん 山と樹 - 「らぁめん 山と樹」外観(2017年3月29日)

    「らぁめん 山と樹」外観(2017年3月29日)

  • {"count_target":".js-result-Review-65959505 .js-count","target":".js-like-button-Review-65959505","content_type":"Review","content_id":65959505,"voted_flag":null,"count":22,"user_status":"","blocked":false}

口コミが参考になったらフォローしよう

hidey803164

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。問題のある口コミを連絡する

hidey803164さんの他のお店の口コミ

hidey803164さんの口コミ一覧(201件)を見る

この店舗の関係者の方へ

ユーザーから投稿された口コミに対して、お店側からお礼や情報追加などの返信を行ってみませんか?

「みんなで作るグルメサイト」という性質上、店舗情報の正確性は保証されませんので、必ず事前にご確認の上ご利用ください。 詳しくはこちら

店舗基本情報

店名
らぁめん 山と樹(らぁめんやまとき)
受賞・選出歴
ラーメン 百名店 2023 選出店

食べログ ラーメン TOKYO 百名店 2023 選出店

ラーメン 百名店 2022 選出店

食べログ ラーメン TOKYO 百名店 2022 選出店

ラーメン 百名店 2021 選出店

食べログ ラーメン TOKYO 百名店 2021 選出店

ラーメン 百名店 2020 選出店

食べログ ラーメン TOKYO 百名店 2020 選出店

ジャンル ラーメン
お問い合わせ

03-6383-1773

予約可否

予約不可

住所

東京都杉並区高円寺南5-21-7 高円寺マンション 107

交通手段

JR中央線【高円寺駅】徒歩7分
東京メトロ丸ノ内線【東高円寺駅】徒歩10分

高円寺駅から525m

営業時間
  • 火・水・木・金・土・日

    • 11:30 - 16:00
    • 定休日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算

~¥999

~¥999

予算(口コミ集計)
¥1,000~¥1,999 ¥1,000~¥1,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

電子マネー不可

QRコード決済不可

席・設備

席数

(カウンター8席)

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

近くのコインパーキング:高円寺南5-20-13に9台収容、ほか

空間・設備

カウンター席あり

特徴・関連情報

利用シーン

一人で入りやすい

こんな時によく使われます。

公式アカウント
オープン日

2017年1月24日

初投稿者

TOMASSOONTOMASSOON(2487)

最近の編集者

編集履歴を詳しく見る

ブログに店舗情報を貼る

食べログの会員になるとレストラン情報を編集する事ができます!この機会に是非ご登録ください!

従来の問い合わせフォームから問い合わせる レストラン情報編集のガイドライン

この店舗の関係者の方へ

食べログ店舗会員(無料)になると、自分のお店の情報を編集することができます。

店舗会員(無料)になって、お客様に直接メッセージを伝えてみませんか? 詳しくはこちら

周辺のお店ランキング

高円寺×ラーメンのランキング(点数の高いお店)です。

食べログ限定企画

店舗運営者の方へ