店主の個性が光る｢鯛とあさりだしの塩らぁめん｣ : らぁめん 山と樹

前回訪問したのはオープン間もない2017年1月
27日の夜で、醤油と塩を連食し席を立ったら
店主さんがわざわざ私の所に来て、｢二杯も食
べて頂きありがとうございます！｣とお礼の言
葉を頂き恐縮してしまったことを今でも記憶し
している。｢美味しかったのでまた来ます！｣と
軽々しく言ってしまったが、2年4ヶ月ぶりにそ
の約束を果たすことになるとは……(苦笑)

さて、｢らぁめん山と樹｣は最寄り駅が中央線の
高円寺駅。最短ルートは駅南口から中央線高架
線下の側道を中野方面に歩き、環七の横断歩道
を渡り、環七を南に300mほど歩いた先にある。
駅からはおよそ10分掛かる。

お店に到着した時刻は18時半頃で先客は2名、
後客も2名と空いていた。いや、初訪の時も後
客がなくオープン直後にこんな状況でやってい
けるのかと要らぬ心配までしてしまったが、
相変わらず混み合うような気配は感じられない

店内券売機でメニューを確認すると、オープン
当初から不動の｢らぁめん｣(醤油)、｢塩らぁめん｣
とあり、そこに｢つけ麺｣と今回私が選んだ｢鯛と
あさりだしの塩らぁめん｣がある。購入したのは
特製でお値段は¥1130。ちなみみノーマルは¥880
鯛出汁だけに若干価格は高めのようだ。

給水器でグラスに冷水を注ぎ、空いている席に
座ると、先客お二人は店内に置いてある雑誌を
読まれてくつろいでいるようにも見える。
厨房内はオープン当初と変わらず無精髭を生や
した店主さんお一人のオペで、ラーメンを作っ
ている様子はなく、まだ準備中の作業をされて
いるようにも見える。先客さんはいつ来られた
かはわからないが、それをわかっているかのよ
うにラーメンがいつできるのか？と気にする素
振りはない。数分が経過し、後客さんが1名来
られたあたりで漸くラーメンを作り始める所作
になった。店主がマイペースならお客さんまで
もマイペースのようで波長がピッタリ合ってい
る。待つことが嫌いな方なら我慢ができないか
もしれないが、いや～何だろうこの時間が止ま
ったようなスローな雰囲気……(笑)

暫し待ったところに、｢鯛とあさりだしの塩ら
ぁめん｣のご登場！

外観すると、特製とは言え変わった具の面々。
縦に二等分されたオクラ、赤カブ?の薄切り、
玉葱のトロ煮とおぼしき具が珍しい。チャー
シューは低温調理のスライスされた豚肩ロー
スと焼豚が各二枚、メンマ、海苔、刻みネギ
、味玉といった構成になっている。

スープは淡麗な塩で、顔を近づければ仄かに
鯛とあさりとおぼしき香り立ちがある。

早速スープを頂いてみると、鯛の風味満載で
出汁もしっかりと利いている。あさりは鯛出
汁と合うんでしょうね。いや、鯛出汁と一体
化したような味わいで、鯛からは出ない貝出
汁の旨味が実にバランスよく感じられて、そ
こに塩ダレのコクと塩味もいい塩梅で実に旨
い。飲み進めていくと、鯛のアラから出る臭
みはほとんど感じられず、また鶏のようなふ
っくらとした旨味も感じるのだけれど、動物
系の出汁感はないので、おそらくは昆布など
の乾物と野菜の旨味かもしれない。これは、
恵比寿の｢真鯛らぁめん まちかど｣のスープ
ともよく似た感覚だ。

そこに合わさる麺は、中細ストレート麺。
若干短めにカットされ食べやすいように配慮
されている。麺には若干ふすまのようなもの
も見えるが、麺の色が薄っらと緑ぽくも見え
るのだけれど、照明の影響なのか？何かしら
練り込んでいるのか？定かではない。ただ、
この麺の食感は今まで食べてきた麺とは若干
違うようにも感じられて、面白いと言うより
は、独特な旨味のある麺で歯切れもよく、大
変気に入りました。めちゃ旨です！(笑)

具のチャーシューは豚2種。低温調理の豚肩
ロースはしっとりして下味の味付けも絶妙！
そして圧巻はホロホロの焼豚！、口溶けする
ほど柔らかく、肉の旨味で思わずニンマリす
るほどに旨い！

味玉は黄卵がトロッとして美味しく、メンマ
は胡麻の風味付けでシャキッとした食感がい
い。次に珍しげなトッピング……まずは、玉
のトロ煮。新玉葱を丸ごと煮込んで4等分し
たように見えるが、柔らかくも薄く味付けさ
れこれが鯛あさりだしの塩スープによく合い
ます。オクラは縦に二等分しているが、サク
ッとした歯応えにネバネバ感、新鮮な生野菜
の風味もあり美味しい。赤カブ？の薄切りは
これも歯応えがあっていい。

総じて具は店主さんの趣向を凝らした具材ば
かりで個性がある。

ほどなく完食すると、今回スープは繊細にし
て攻めるところは攻める鯛とあさりのスープ
に個性のある麺と具材、十分楽しませて頂き
ました。ごちそうさま！(^^ゞ

《味の評価》
・スープ★★★★★
・麺★★★★★
・チャーシュー★★★★★
・他の具★★★★☆

《全体の評価》
・外観★★★★☆
・ボリューム★★★★☆
・トータルバランス★★★★☆

以上

帰宅途中、１月２４日に高円寺でオープンしたば
かりの高円寺の新店゛らぁめん山と樹゛に訪問し
てきました。

場所は高円寺駅南口より中央線の高架線沿いを中
野方面へ５分程歩き、環七に出たら南へ向い歩道
橋を渡って少し南に歩いた環七沿いにあります。
この周辺は横断歩道が少ないので面倒でも歩道橋
を渡りましょう！(笑)

到着したのは18時30分頃で、先客は4名ほど。こ
の後、私が一人だけとなる場面もありましたが、
駅から遠く専用駐車場も無いので客入りが少ない
のかなぁ～。ちょっと心配にもなりますね。

店内には新店とあって花が飾られており、お店は
居抜きのようですが内装は真新しく、カウンター
席は８席ほどですが、雰囲気のいいお店です。

広い厨房には店主さんがお一人で切り盛りされて
ますが、優しげな風貌のお方で、情報によると、
八王子の楓さんご出身とのことで、期待も高まり
ますね。

さて、店内券売機のメニューを確認すると、基本
は、゛らぁめん゛と゛塩らぁめん゛の２種のみ。
こうなると、両方食べてみたい気持ちに駆られて
゛らぁめん゛￥７３０と゛あじ玉塩らぁめん゛￥
８３０を選択！

購入した食券を店主さんにお渡しし、あじ玉塩→
らぁめん、の順でお願いしました。

待つこと、４、５分で゛あじ玉塩らぁめん゛がカ
ウンター越しに店主さんから手渡されました。

概観すると、具は、豚チャーシュー、小ぶりのメ
ンマ、海苔、三つ葉、刻みネギ、柚子の皮、トッ
ピのあじ玉といった面々で、スープは透き通った
綺麗な色合いで、優しげな感じが伝わってくるよ
うです。

まずは、レンゲで一杯スープを頂くと、香味油か
岩塩かわかりませんがふわっと香り立ちがして、
味は、第一感、動物系の清湯スープのコクと岩塩
のカドの無いまるみのある塩の味わいがして、見
た目通り優しさに溢れてます。飲み進めると、魚
介の旨味も感じられますが、香りからは判別がつ
かないほど出汁の旨味だけ抽出して、クセを抑え
込んでいるようにすら感じますが、魚介は定番の
煮干、節系、昆布に貝類？といったところでしょ
うか。

いずれにしても、和出汁のようなシンプルでバラ
ンスのとれた旨味とコクで味わうスープで美味し
いですね～。

ここに合わせる麺は、加水率高めの中太縮れ麺で
形状は平打ちのようで、見た目から麺はふすま粉
か全粒粉かですが、店主さんご出身の楓は全粒粉
でしたから全粒粉でしょうか。そして、この麺は
ゆでる前に店主さんが丹念に手揉みをされていの
で縮れていますが、こういう手間を掛けることで
一味も二味も違ってくるものです。

その麺を頂いてみると、うぁ、モチモチとした弾
力と、麺肌はうどんのような滑らかさで喉ごしの
良さがある一方で、噛むほどに麺の旨味が増すよ
うで美味しい麺ですね～。

一方で、麺の縮れでスープの吸い上げはいいので
すが、スープとのフィット感が今一と言うか、ス
ープが麺に負けている感じが否めないですね。

スープに合わせるのであればしなやかな細麺でし
ょうが、私好みで言えば、麺はこのまま活かして
スープを麺に合わせるように工夫して頂けると嬉
しいですが、これは私の勝手な妄想です。(笑)

さて、具のチャーシューは豚の肩ロース肉でしょ
うか、大ぶりですが柔らかく噛んだ瞬間に豚の旨
味が口の中でほとばしるようにジュワーっと広が
り美味しい一品ですね～。豚の肩ロースだと固い
食感があるのですが、肉を折り曲げるとよくわか
りますが、細かく刺しが入っているように見え、
これで噛み応えは柔らかく、噛んだ瞬間から旨味
が爆発するように感じられるのでしょうね。

メンマは小ぶりながら食感が良く美味しい一品で
した。三つ葉は塩には合っています。

トッピのあじ玉は割ると、固まりかけている半熟
状態で、頂いてみると、おー旨いなぁ。いや、味
付けは薄いながら、白身はプリンプリンで黄身は
濃厚で旨味が良く出てます、美味しい♪

ほどなくスープも完飲し、まずはあじ玉塩ごちそ
うさまでした。

店主さんに次をお願いすると、ほとんど待つこと
なく゛らぁめん゛がカウンター越しに手渡されま
した。

具は、三つ葉がネギに変わっただけで、スープは
醤油です。

早速、スープを頂くと、ん？…酸味を感じるけど
何ですかね～？、出汁のスープは塩の時と変わら
ないと思うので煮干や節ではなく、醤油でしょう
ね～。変わった香りもあり、今まで頂いたことの
無いような醤油味。ただ、飲み進めると、今度は
熟成醤油特有の甘みがきて、飲むほどに変化する
独特の味わい。これは、醤油が立つほどに主張し
てくるほどの濃厚さはありませんが、醤油本来の
旨味が強いのと、他の出汁があまり主張してこな
いので飲み終えてみると、このスープの主役は醤
油だと思わせてくれます。

麺は塩の時と同じ麺ですが、幾分醤油の方が麺と
フイットする感じはしますが、やはり軍配は麺に
あがる程に麺が突出しているように思えます。

具のネギは千葉県東金産のわけねぎのようで、ク
セがなく甘みもあって美味しいですね～。切り方
も刻みではなく斜め切りで工夫されています。

らぁめんもスープが多いのでお腹が少々きつくな
ってきましたが、最後まで美味しく頂けました。

立ち上がると、店主さんが側まで来て、「二杯も
食べて頂きありがとうございます」とご丁寧な挨
拶を受け、私も「美味しかったんでまた来ます」
とお答えしてお店を後にすると、後客さんがぽつ
ぽつと来ますが、こんな美味しいお店が空いてい
ること自体？ですが、立地でしょうね～。

店主さんのお人柄も良く、気に入ってしまったの
で、是非頑張って欲しいなぁ～、と素直にそう思
いました。

塩と醤油
《味の評価》
・スープ○
・麺◎
・チャーシュー◎
・他の具◎

《全体の評価》
・外観○
・ボリューム○

以上