限定の「そば粉入麺 つけそばか」……和・中折衷の創作麺が絶品！ : 素和可

本日は帰宅途中に高円寺駅で途中下車し、向か
った先はラーメン店の「素和可（ソワカ）」。

この屋号の「素和可」は、密教で呪文の最後に
つける語「蘇婆訶」に由来し、成就・吉祥を意
味するようだが、私には難しすぎて深い意味は
全くわかりません。(笑)

そこで、実際に私がこちらで食べた印象からこ
の屋号の意味を紐解いてみました。それは……

「素」 は、素材の素。無化調で一つ一つの素材
に拘っていることを意味し、「和」は、和風の
和。この日頂いた１品から昔ながらの素朴な醤
油や塩をベースに「和風」というイメージがぴ
ったり当てはまる。そして「可」は可能性の可。
この日頂いた１品は、そば粉を混ぜて和・中折
衷の創作性を感じられる麺であり、食べながら
色々と可能性を感じさせてくれて今後も楽しみ
な可能性を秘めたお店だと感じました。

ただこれは私の想像に過ぎません。あしからず！

その「素和可」の店主、山本祥仁さんは、かつ
て野方の「ラーメン竹」を運営されていた方で
その後、昨年１５年の歴史に幕を閉じた大宮そ
ごうの「ラー戦場」で出店された後、2012年6
月に高円寺で「素和可」をオープンさせた経緯
があります。

さて、場所はＪＲ中央線の高円寺駅南口より徒
歩４分程の閑静な通り沿いにあり、ウッディー
な造りの変わった店構え……

店内に入ると、１０席あるＬ字型のカウンター
席に先客は２名……そのお一人のお婆ちゃんが
丁度お店を出るところで、足元がおぼつかない
ご様子……券売機が入り口にあり、お婆ちゃんが
ゆっくりとお店を出るまで待ってから漸く券売
機とにらめっこ！(笑)

基本のラーメンメニューは、以下の通り……

・中華ソバ¥700
・塩中華ソバ¥700
・味玉中華ソバ¥800
・特製中華ソバ¥950
・ワンタンメン¥850
・つけそば¥720
・塩梅シソつけソバ¥750 ※春夏限定
・そば粉入麺つけそばか¥770 ※期間限定

初訪なので、中華ソバにしようかと思っていた
のですが、期間限定メニューにどうしても惹か
れて、考えたあげくに選んだのは｢そば粉入麺
つけそばか｣……「そばか」は屋号の「そわか」
をもじったことは一目瞭然ですが、蕎麦好きの
私には興味津々です。ただ、この日帰宅後の夕
食が何と想定外の蕎麦でして、二玉食べてしま
いましたがw、純粋な蕎麦とも比較できたこと
は幸か不幸か微妙なところ！(笑)

店内は広々として落ち着ける雰囲気があります。
荷物置きもありますが、通路が広いので座席の
狭い空間に押し込むような必要もない。大きな
バッグやカバンでも背後に置けるだけの余裕が
あります。また、待ち合い席も店内中央踊り場
の壁側に何席もあって、この広さからテーブル
席も作れそうなのだが無理に設けようとはされ
ていない。ワンオペということもあるとは思う
が、儲けに走ることもなく地道に店を続けよう
と言わんばかりの姿勢に、そのラーメンの味も
楽しみになってきました。

カウンター席に座りコップを探すと、何と銀色
のステンレス製コップ！、これは冷水の冷え冷
え感を持続するとともにお店側のメリットは、
落としても割れないことだと思うのだけれど、
コストを掛けてまで拘るな～、と山本店主さん
のストイックな性格を感じとりました。(笑)

さて、山本店主さんに食券をお渡しし、待つこ
と７分ほどで「そば粉入麺つけそばか」のご登
場！と思いきや、麺皿とつけ汁の器以外に、鶉
の卵、水菜、カボスが載った小皿を持って来ら
れ、「コレをココに！」と小皿に載ったものは
つけ汁に入れてお召し上がり下さい！と言わん
ばかりに言葉少なに指で示されるあたり、寡黙
な方のようにお見受け致しました。
まるで私のような寡黙な方なんだなぁ、と親近
感を持ちました。(笑)

さてさて、概観すると、麺はその色合いからし
てまるで蕎麦！、その上には豚チャーシュー２
枚、メンマ、刻み海苔といった具の構成で、つ
け汁は見た目から和風感漂う醤油ベースのスー
プに刻みネギとナルト、そして既にご紹介した
小皿にのった具と、お値段にしては具が多く、
一つ一つに拘りを感じさせます。

まずは、麺だけを頂いてみると、冷水でシメた
麺からは蕎麦の香りは差ほど立ってはこないけ
ど、中細ストレート麺はスルスルっと勢いよく
吸い上り、口の中に収まった瞬間、瑞々しく柔
らかさの中に弾力も感じられて実に旨い！

今までこういう食感の麺は食べたことが無いの
で、とても新鮮な味わいに感じられて、また、
この後自宅で食べた蕎麦と比べても滑らかで、
喉ごしもすこぶる良く、外観は粗びきのそば粉
入りで蕎麦仕立てにしつつ味わいは小麦の旨味
が引き立ち、替え玉があったら替え玉を直ぐに
でもコールしたくなるような美味しい絶品の麺
でした。残念ながら、替え玉も大盛も不可とい
うから、数に限りがあるのだろうけど…口惜しい

この麺、柔らかさからして、麺と麺がくっつい
てもおかしくないのだが、くっつきそうでくっ
つかないところは、座った位置からは見えなか
ったが、どうも釜茹でされているようで、多分
麺を泳がせてくっつかないようにし、麺一本一
本を均一に茹であげているからだと思えてなら
ない。自家製麺だから、蕎麦粉と小麦粉の配合
も自ら研究されていたのだと思うが、こんなに
旨い麺なら、通常の麺も美味しいに違いない！
そう思うと、再訪したい気持ちが芽生えてきて
食べている間にそんな気持ちになるのも珍しい

その麺をつけ汁に付けて頂いてみると、つけ汁
は芳醇な醤油の香りと濃厚ながら円みのある味
わいは、再仕込み醤油が使われているようにも
感じられる。そこに鶏と豚の清湯スープに魚介
出汁がブレンドされたような旨味も感じられて
鶏油が若干まったりするけれど、そこにカボス
の絞り汁を合わせるとさっぱりとした柑橘系の
酸味で飲みやすくなる。

更に鶉の卵を入れると、黄身で更にまろやかな
味になり、カボスで酸味を調節しながら頂くと
何とも言えないいい味わいがして、そこに水菜
で清涼感も加わり、後味もさっぱりとした感覚
になります。

具のチャーシューは、豚バラの焼豚ですが、こ
れが程よい柔らかさで厚みもあり、旨味も溢れ
んばかりで、これは気に入ってしまいました！

メンマも無化調ゆえ味わいは素朴ですがシャキ
ッとした食感が心地よく美味しく頂けました。

ほどなく完食！、いやー美味しかった！
他にお客さんも居なかったので、帰り際に「麺
美味しいですね～」と感想を述べたら、こちら
には目を向けず、ボソッと「ありがとうござい
ます」と軽くお辞儀されていたが、シャイなお
方なんだな～、と自分をダブらせてしまった(笑)

また、間を置いてお伺いしたいと思います！(^^ゞ

《味の評価》
・麺◎☆
・つけ汁○
・チャーシュー◎
・他の具○

《全体の評価》
・外観◎
・ボリューム○

以上