この暑さを乗り切るには、やはり鰻か : 小満津

小満津

(こまつ)
うなぎ百名店2019選出店

食べログ うなぎ 百名店 2019 選出店

予算:

夜の予算 ¥10,000~¥14,999

定休日
月曜

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蓼喰人

蓼喰人(1758)さんの口コミ[携帯電話番号認証済]60代前半・男性・東京都

1

  • 夜の点数:4.0

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.1
    • | 雰囲気3.7
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク3.5
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999
1回目

2018/07訪問

  • dinner:4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.1
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5
    使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999

この暑さを乗り切るには、やはり鰻か

 都内は連日の酷暑で、いささかバテ気味。
 この状況で食べたくなるのが鰻である。
 鰻の本来の旬が秋以降であることは'百も承知'だが、やはり暑さが本番を迎えるこの時期には、一度は食べておきたいもの。

 私は日頃から蕎麦屋をメインに書き込みしているが、鰻も大好きで人生最後の食事は鰻にしたいくらいである。
 ここのところ蕎麦屋は再訪が多く件数が捗っておらず、書き込み数800件目のキリ番には鰻屋の名店を持ってこようと思い、選んだのがこちらの店。

 こちらは現在では高円寺の青梅街道沿いに店を構えているが、「小満津」と言う屋号の鰻屋の歴史は古く、戦前から京橋に在った店には多くの政財界の重鎮や文化人が足繁く通った記録が残されており、今のご主人の祖父に当たる方は'焼きの名人'と謳われた伝説上の職人。
 しかし50年ほど前に暖簾は一旦途絶え、現在のご主人が復活させたのは1979年。

 当初はここから近い住宅街に入り込んだ所に在ったが、その後こちらへ移転。
 私がまだ二十歳代だったころ、ガイドブック片手に都内の鰻屋を巡り歩いたことが有ったが、こちらの移転前の店もその中の一軒。
 正直その折の味についての記憶はおぼろげだが、きちんとした仕事が施された鰻重を食したという印象は残っている。

 事前予約が望ましいとのことで、2.3日前に電話を入れる。
 それほど大きくない店舗のため、ゆっくりしようと夜の口開けの17時でお願いする。 
 定刻に店の前まで行くと'本日は予約のお客様のみ'の掲示がある。

 扉を押して入ると、中はお洒落な'和風ダイニング'と言った趣で、布張りの高級感のある椅子など調度も凝っており、BGMにはモダンジャズが静かに流されている。
 個室状に3つに分割されたスペースに置かれたテーブルに、14席がゆったりと配されている。
 私は一人だったが、左手奥の4人掛けの卓が用意されていた。

 再開当初まだ30代と思われたが、今ではベテラン職人の風格のあるご主人と、しっかりとした応対ぶりの女将さんの2人で営まれている。
 注文は色々と試したかったので、予め1万円の'定番コース'を頼んでおいたが、テーブル上には内容が記された紙片が置かれている。

 まずは生ビールで喉を潤す。
 次いで「お通し三点盛り」が、仕切りの付いた角皿で運ばれる。
 内容は「自家製高野豆腐の含め煮」「トマトのお浸し」「鰻兜の佃煮」で、際立ったものは無いがまずまずのスタート。

 次の料理の前に、コースとは別の「串メニュー」の説明が、出来上がったサンプルを提示しながら、ご主人自らなされた。
 鰻を捌く過程で出る内臓や鰭などを纏めて串焼きにしたもので、当然ながら数量限定の希少品。
 折角なのでこちらもいただくことにする。
 選んだのは「肝臓・腎臓・ひれ」で、通常「きも焼」として腸管などと一緒に串打ちされる肝臓や腎臓を、別々に纏めている丁寧な仕事で、それぞれの味や食感が楽しめた。

 ビールのグラスは直に空になり、酒を注文。
 '夏酒'と付された5種類の銘柄が用意されており、その中から美濃の「小左衛門」を'大'でお願いする。
 大でも2合弱で2,500円はかなり強気な値段だが、味の方は上々。

 料理2品目は「玉子料理」から「うまき」が登場。
 「茶碗蒸し」とどちらかとなっているが、時期的に今は「うまき」のようだ。
 かば焼きを芯に巻いた玉子焼きで、出汁多めで焼き目を付けないしっとりとした仕上がりだが、味付けはかなり甘め。
 料理の流れの中で敢えてこのくらいの味にしているとも取れるが、私にはちょっと甘すぎた。

 「白焼き」は半尾分の胴の方が、熱々の状態で供された。
 一旦炙ってから皿ごと再度蒸したものと思われ、箸を当てると崩れるような柔らかさ。
 たっぷりのおろしたての本山葵と、塩が小皿で添えられる。
 箸で掬い取るように皿に移し、山葵と塩を付けて口に運ぶが、濃厚な旨味が秀逸。
 鮨屋で握る際にトロと白身などでは山葵の量を違えるのと同じ理屈で、脂で辛味が中和されるため、山葵は多めに乗せるのがミソ。

 次に「うなぎの蒸し汁のスープ」が白磁の椀で出された。
 鰻を白焼きにしてから蒸す工程を加える、江戸前の流儀ならではの所産で、蒸し汁を工夫して出す点が面白い。
 塩分は控え目だが、おろし生姜がしっかりと効いている。

 「うざく」は大振りの蒲焼2切れと胡瓜に三杯酢が掛けられている、定番のスタイル。
 この鰻は'地焼き'を使用しているため、歯触りが良い。
 きわめて繊細に切られた薄切り胡瓜との対比、さらに甘目の三杯酢に伝統の技が感じられる。

 酒に出雲の「王禄」の'小'を追加。
 ゆったりとした気分で、暫しの時が流れる。

 酒が尽きかけた頃、タイミング良く「うな重」が運ばれた。
 コースの中ながら通常のうな重と同じものと思われ、蓋を開ければ結構な大きさの一尾分が表面を覆っている。
 焼き色はそれほど濃くなく、串を外す際に少し型崩れしたように見えるが、その分箸を当てるとすんなりと入る柔らかさ。
 まさに蕩けるような舌触りは、東京人にとって馴染み深く嬉しいスタイル。 

 たれはやや甘口だが、掛けられた量がほど良いためくどさは無い。
 ご飯の炊き加減も柔らかめで、最初はどうかなと思ったが、次第に鰻と馴染んで箸の動きは快調。

 それに対して「肝吸い」は控えめな加減で、うな重の合いの手にはもってこい。
 具は焼き目を付けた肝と茗荷の繊切りで、さりげなさが好ましい。

 小鉢に盛られた「お新香」は、大根・人参・胡瓜、それに珍しい蒟蒻のぬか漬け。
 コースの中の野菜不足を補う意味もあるほどに、量はたっぷり。
 全てぬか漬けなのでちょっと味や食感が単調で、出来たら定法の奈良漬けなど他のものが少し混ざれば有難い。

 特筆したいのは「粉山椒」の質。
 こちらですり潰して粉にしているそうで、綺麗な緑色と鮮烈な香りと辛味が素晴らしい。
 出来の良い鰻には山椒は不要という説もあるが、鰻重の半身に掛けてみたら、さらに味に深みが増した。

 最後にデザートの「わらび餅」が出された。
 起伏に富み、ボリューム感もある料理を思い返し、暫しの余韻に浸る。


 料理の出来には多少の一長一短は有ったが、全般的に丁寧な仕事ぶりが認められる。
 鰻単品のコースとしては流れに抑揚があり、よく考えられていると思う。
 一部の書き込みにはサービスが画一的といった批判も見られるが、食べごろを見計らって供されるペースも丁度良く、女将さんのゆかしい接客ぶりは好感。

 品数や個々の内容からすると、コースで1万円(税抜き)と言う価格は適正。
 串焼きを追加し、さらに酒の値が張ったため、勘定は1万7千円ほどとなったが満足度は高い。

 こちらは今年度のミシュランガイドのビブグルマンにも選ばれているようで、それも納得。
 これから本番を迎える夏に向けて、大いに滋養が補給されたと思える、充実したひと時を過ごせた。

  • 小満津 - 「うな重」

    「うな重」

  • 小満津 - 「お通し三点盛り」

    「お通し三点盛り」

  • 小満津 - 生ビール

    生ビール

  • 小満津 - 「うまき」

    「うまき」

  • 小満津 - しっとりとした仕上がり

    しっとりとした仕上がり

  • 小満津 - 選べる酒杯

    選べる酒杯

  • 小満津 - 「小左衛門」

    「小左衛門」

  • 小満津 - 右から「腎臓・ヒレ・肝臓」

    右から「腎臓・ヒレ・肝臓」

  • 小満津 - 「白焼き」

    「白焼き」

  • 小満津 - おろし山葵と塩で

    おろし山葵と塩で

  • 小満津 - 蕩けるような味わいと食感と

    蕩けるような味わいと食感と

  • 小満津 - 「うなぎの蒸し汁のスープ」

    「うなぎの蒸し汁のスープ」

  • 小満津 - 生姜が効いている

    生姜が効いている

  • 小満津 - 「王禄」

    「王禄」

  • 小満津 - チェイサーの水

    チェイサーの水

  • 小満津 - 「うざく」

    「うざく」

  • 小満津 - 地焼きの鰻と胡瓜を三杯酢で

    地焼きの鰻と胡瓜を三杯酢で

  • 小満津 - すんなりと箸が通る江戸前ならではの仕事

    すんなりと箸が通る江戸前ならではの仕事

  • 小満津 - 「肝吸い」

    「肝吸い」

  • 小満津 - 軽く焦げ目の付いた肝

    軽く焦げ目の付いた肝

  • 小満津 - 香り高い自家製山椒

    香り高い自家製山椒

  • 小満津 - 「お新香」

    「お新香」

  • 小満津 - デザートの「わらび餅」

    デザートの「わらび餅」

  • 小満津 - コースメニュー

    コースメニュー

  • 小満津 - 串焼き

    串焼き

  • 小満津 - 日本酒

    日本酒

  • 小満津 - 飲み物

    飲み物

  • 小満津 - 洒落た店内

    洒落た店内

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蓼喰人

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店舗基本情報

店名 小満津 (こまつ)
受賞・選出歴
うなぎ百名店2019選出店

食べログ うなぎ 百名店 2019 選出店

うなぎ百名店2018選出店

食べログ うなぎ 百名店 2018 選出店

ジャンル うなぎ
予約・
お問い合わせ

080-8734-1091

予約可否

予約可

前日までに要予約

住所

東京都杉並区和田3-62-3 1F

交通手段

地下鉄東高円寺駅徒歩5分

東高円寺駅から309m

営業時間・
定休日

営業時間

11:30~14:00 17:00~20:00(L.O)

日曜営業

定休日

月曜

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算
[夜]¥10,000~¥14,999
予算(口コミ集計)
[夜]¥10,000~¥14,999 [昼]¥10,000~¥14,999

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支払い方法

カード不可

サービス料・
チャージ

サービス料なし、アルコール注文時のみお通し540円

席・設備

席数

14席

(テーブル14席)

禁煙・喫煙 完全禁煙
空間・設備

落ち着いた空間

メニュー

コース

8000円~10000円のコース

ドリンク

日本酒あり、焼酎あり、ワインあり

特徴・関連情報

利用シーン

知人・友人と

こんな時によく使われます。

ホームページ

https://unagi-komatsu.com/

備考

【中野区本町6-45-2より移転】
カードは1万円以上のみ可(手数料5%別)

初投稿者

北落師門北落師門(685)

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