財布に優しい高品質ラーメン。塩の旨味と優しさも身体に沁みます。 : かしわぎ

今月から再開した週末の麺活ですが、今日はいつものように妻と2人ではなく単独で。用事があった妻を日本橋で車から降ろしたあと、東中野にひとりで向かいました。
今日は連食の予定。普段はしませんが今日はひとりなので妻に拒否されません(笑)。
一件目は、いつもの大盛オーダーは控え、替玉も我慢して店を後にし、やってきたのはこちらです。

到着は日曜日13時10分。午前中の雨も止んで人が出てきたようで、店先には先客が4人。店内にも4人の先客が座って待っていました。まあ、これくらいならラッキーといえるでしょう。

5分ほど外で待ったあとに女性スタッフから入店と食券購入を促されました。入口入って右の券売機で食券を購入します。今回は「塩ラーメン」680円と「味玉」100円、そして「お昼のご飯」120円にしました。この「お昼のご飯」ですが、券売機に貼られた段ボール紙手書き説明によると、「紅玉子のＴＫＧ」とのこと。補足で「深谷の田中農場直送」とも書かれています。
東京23区内でラーメン一杯が680円という値段設定は大したものですが、ＴＫＧ一杯120円での提供も立派です。

食券を購入したら女性スタッフさんにそれを渡し、店内順番待ちの椅子に座りました。この時点で順番待ち5番目。すぐあとに中年男性が続き、店内の順番待ちは6名となりました。

順番待ちしながら店の中をいつものように眺めます。こちらは多分日本蕎麦屋の居ぬきでしょう。木製引き戸の入口、窓際の障子、
店のなかのテーブルや椅子のタイプなど日本蕎麦屋でよく見るもの。店内にラーメン調理の厨房がありますが、店の奥にはたくさんの湯を使う日本蕎麦屋を思わせる厨房があるのが見えます。
店内小さめな厨房のなかにはご店主がおひとり。頭にニット帽をかぶりに口にマスクのご店主が一人で調理されています。一見すると広いみせなのですが、よくよく見ればカウンター5席、4人テーブル×１の小さな店。お一人でやってるからこそ低価格で提供できているのでしょうね。

回転は悪くなかったのですが、4人テーブルを2人で使用するお父さんと坊ちゃんが。。お父さんは既に食べ終えているのですが、中学生と思われる坊ちゃんがなんとマイペースなことか。あとから食べ始めたカップルもすでに食べ終えて席を立っています。店のかたも少々苛立っているようにも見えなくありません。ちょくちょく坊ちゃんの食べ進み具合を見ています。厨房のなかのご店主は「こりゃ小休止だな」と落ち着いた様子に見えましたが(笑)

坊ちゃんが食べ終えたことで直前の大学生男子2人組がテーブル席へ。続いて先ほどから既に空いていたカウンター席一番奥に私が通されました。
そして、坊ちゃんが立ち上がる瞬間に、タイミングを見計らっていた厨房の御主人が麺をてぼに投入。

その2分後に赤みを帯びた黄身がぷっくりのＴＫＧが。その1分後に塩ラーメンが着丼でした。
底が丸みを帯びた白いシンプルな丼のなかのスープは透明感を残しつつも旨味を感じさせる濁りを少々持った塩らしいベージュ色。その下には麺線が乱れた中細麺が見えます。麺をオオウように低温調理の豚肩ロースのチャーシューが大中2枚。その中央には緑の小口切りネギの山。左には細切りメンマ。そして追加トッピングの味玉がごろりと横たわっています。
海苔はなくシンプルです。味玉を追加しなかったら少々寂しい画だったかも。それでも、低温調理の豚肩ロースチャーシューは大きくて立派。もう一枚中くらいのものもあってピンク色が目に鮮やかです。

麺からいただきました。麺は京都の麺屋棣鄂製のコシの強い中細ストレートだと聞いています。低価格での提供には自家製麺がその秘密のひとつかなと思っていましたが、そうではないよう。口に入れると麺屋棣鄂製の麺らしいヌメリ感を感じました。茹で加減のせいかコシは少し弱め。スープの絡ませ具合が銀座のビブグルマン獲得店の麺を思い出させます。

麺に絡むスープは塩の尖がりがなくて円やか。豚の清湯スープに角の無い塩。美味いです。これがイマドキ東京で一杯680円でいただけるなんて。お店の姿勢に頭が下がります。感動ものです。
チャーシューは変に個性的な味付けはありませんでしたが、ちょっと薄すぎて肉を食べている感覚がもてませんでした。これは仕方ないのかな。優しい塩味のラーメンのバランスは壊していなく、これはこれでいいのでしょう。

ＴＫＧはご飯に玉子がかけられた形で提供されます。個人的には玉子は別皿でよくかき混ぜてからご飯にかけるのですが。こちらの食べ方だと苦手な白身のどろりが口のなかで感じやすく。でも心配は無用でした。黄身の濃厚さのおかげでしょうか。おかわりしたくなるＴＫＧでした。美味い！

連食だったことを忘れさせる満足感。塩ラーメンもＴＫＧもＣＰ高すぎです。東中野の住人が羨ましい。

満足、満足。本日はご馳走さまでした。