驚きの味変が堪能できる塩つけ麺も絶品（#らーめんMAIKAGURA） : らーめんMAIKAGURA

らーめんMAIKAGURA@千歳船橋
・塩つけ麺　1100円
・日替わりお肉ごはん　400円

最近一番お気に入りのお店で、直近1ヶ月以内で3回の訪問。これまで鶏白湯の2種類(白トリュフオイルとCrema)と醤油ラーメンは食べたことがあるので、今回は塩をチョイス。ラーメンは醤油、塩、鶏白湯とあるがつけ麺は塩のみ。

麺が浸っているのは鶏節の出汁。昆布水ではなく鶏出汁というのが斬新。麺だけそのまま食べても十分美味しい。つけ汁は鶏清湯スープがベースだけど鶏油(チーユ)がたっぷりでコクも十分。麺の出汁のおかげで食べ進めても味が薄まらない。

提供時に店主より「つけ麺はスープ割りではないですが、途中で味を変えられますのでおっしゃってください」と案内。麺を3分の1ぐらい残したタイミングで味変をお願いしたところ、塩つけ汁に鶏油(チーユ)を加えて攪拌器で泡状に仕上げて「鶏白湯Crema」のスープに様変わり。

これはびっくりした。つけ麺の味変には色々なお店ごとのアイディアがあるけど、「鶏清湯」からと「鶏白湯」への味変という発想には度肝を抜かれた。「鶏と水だけ」という定番のコンセプトながら、巧みなギミックで他のお店にはない驚きを与えてくれるセンスに脱帽だ。

「鶏白湯Crema」も初めて食べたときは鶏白湯として炊いたスープを泡状にしているのかと思っていたけど、作り方はつけ麺の味変と同じで塩スープと鶏油を攪拌器で乳化させることによってきめ細かな泡状の白湯風スープに仕上げているそうだ。あまりに手間がかかるので、「塩つけ麺」がよく出る夏の間は「鶏白湯Crema」は販売停止するらしい。

前回食べた「日替わりお肉ごはん」のご飯の炊き加減がかなり柔らかめだったのは、狙ったものなのかブレなのか確かめるため、今回もチョイス。今日は粒感のあるちょうどよい炊き加減。

らーめんMAIKAGURA@千歳船橋
・贅沢鴨ロースの醤油らーめん 1180円
・日替わりお肉ごはん 400円

3度目の訪問でやっと醤油をチョイス。国産鶏の鶏ガラや丸鶏を使った"鶏と水"だけの鶏清湯スープに、名古屋コーチンのぼんじり(尻)のコクのある鶏油(チーユ)を合わせた奥行きのある味わい。

前回、前々回食べた鶏白湯は都内屈指の一杯だと思うけど、醤油も負けないぐらい絶品だ。北海道産小麦をブレンドした自家製麺は柔らかめにしっかり茹でて小麦の甘みを引き出している。

鴨ロースは厚切り4枚入りで食べ応え十分。絶妙な火入れのピンク色の赤身は噛むほどに肉の旨味が口に広がる。脂身の甘さと焼き目の香ばしさ、赤身はレバーやハツのようなジビエ独特の野趣あふれる香りもあって格別。

日替わりお肉ごはんはチャーシューの端肉炙り。濃いめの味付けでご飯は進む。お米は青森県田舎館村産の特Aランクの"青天の霹靂"を使用。炊き加減がかなり柔らかめで粒感のない感じは好みじゃなかったけど、麺と同じく柔らかめに仕上げることでお米自体の甘さを引き出しているのかも。

らーめんMAIKAGURA@千歳船橋
・鶏白湯Crema 1100円

小田急線 千歳船橋から西へ徒歩7分の千葉通り沿いに2018年2月にオープンした「らーめんMAIKAGURA」。

店主は神奈川県海老名市にあった淡麗系ラーメンの先駆者である「中村屋」（2022年2月に閉店しアメリカ・ニューヨークへ移転）で7年間腕を磨いたそうで、先日の中村屋の営業最終日にはお店をお休みにして、師匠のところへ挨拶に行かれたそうだ。

その後の2月末には4周年限定として修行先の中村家をオマージュした塩らーめんを2日間限定で提供していたことも、師弟の強い絆を感じさせるエピソード。

この日は平日の開店直前の11時30分前にお店に着いて、9人待ちの行列。店内7席なので二巡目となり30分ほど待って店内着席。

並んでいる間に店員さんから食券を買うように促される。前回「白トリュフオイル香る鶏白湯麺」を食べたので、今回は醤油にしようと思っていたが、前回食べた鶏白湯(トリパイタン)の魅力に抗えずに「鶏白湯Crema」をチョイス。

攪拌器を使って一杯ずつきめ細かな泡状に仕立て上げられた鶏白湯スープは、濃厚な鶏の旨味と軽い口当たりが同居した唯一無二の味わい。個人的には前回食べた白トリュフオイルの鶏白湯よりこちらのCremaの方が好きな味わいだ。

他のお店の鶏白湯スープだと"のっぺり"と間延びした味わいのところが多いが、こちらの鶏白湯スープは鶏の旨味がしっかり抽出されているのに、後味は驚くほどスッキリしている。個人的に鶏白湯系で都内最高の一杯だと思う。

「鶏白湯麺」と「白トリュフオイル香る鶏白湯麺」は元々白湯として炊いたスープを使うが、「鶏白湯Crema」は鶏出汁塩スープと鶏油(チーユ)を合わせて、攪拌器にかけることで乳化して白湯スープのようなテイストになるそうだ。

メニューとして醤油メインのお店で鶏白湯は数量限定となっているが、ラーメン業界最高権威の「TRY」（トーキョー・ラーメン・オブ・ザ・イヤー）の2021-2022年版では数ある鶏白湯系の名店を抑えて鶏白湯部門の第1位に輝いている。

スープは岩手県産の銘柄鶏ガラ、伊達鶏の丸鶏を使った「鶏と水」のみのスープ。スープを炊き上げている水にもこだわっていて、逆浸透膜装置を使用して不純物をほぼ除去した純水（RO水）を使うことで、素材の本来の香りを旨味を最大限に引き出している。

「はるゆたか」「スーパーはるゆたか」「春よ恋」「きたほなみ」など複数の北海道産小麦をブレンドした自家製麺は、しっかり柔らかめに茹でて小麦の甘みを引き出している。

細麺ながらむにゅっとした柔らかさと、すするときに麺が伸びるような弾力性が特徴。およそ1年前に食べた前回と比べ小麦の配合も変わっているようで、さらにしなやかさな食感に進化している。

らーめんMAIKAGURA@千歳船橋
・白トリュフオイル香る鶏白湯麺 1100円

小田急線・千歳船橋駅から徒歩7分、駅西側の千歳通り沿いに2018年2月にオープン。店主は海老名にある神奈川県屈指の名店「中村屋」で修行されたそう。

土曜日13時前に到着し9人待ち、30分ほど待って入店。店内はL字型カウンター9席。内装はコンクリート打ちっぱなし風の壁やライトブラウンの木目調のカウンターなどシックでモダンな雰囲気。

メニューは醤油、塩、鶏白湯の3種類のスープがベース。追加トッピングは醤油には鴨ロース、塩にはゆず、鶏白湯にはクレーマ(泡)や白トリュフオイルなどスープに合わせて追加具材も変えるこだわりぶり。「白トリュフオイル香る鶏白湯麺」(1100円)をチョイス。

綺麗な乳白色の鶏白湯スープは鶏の旨味がしっかり抽出されているが、後味は驚くほどスッキリ。よくある凡庸な鶏白湯スープの"のっぺり"と間延びした味わいとはまるっきり違うメリハリのある味わい。今まで食べた鶏白湯ラーメンとは一線を画したクオリティ。

鶏白湯スープの完成度が素晴らしすぎて、最初食べ始めたときは白トリュフオイルは蛇足かなと思ったけど、後半に半熟玉子を崩したときクセのあるトリュフの香りと卵の黄身が合わさって不思議とチーズみたいな風味に感じて、脳内でカルボナーラに自動変換。通常の「鶏白湯麺」は味玉がトッピングされるけど、あえて半熟玉子に変えてブラックペッパーが散らしてあるのもカルボナーラ感を狙ったギミックなのかな。

麺はオープン当時は三河屋製麺から仕入れていたが、2019年8月より自家製麺を導入。「春よ恋」「はるゆたか」「きたほなみ」の3種類の北海道産小麦をブレンドしている。ストレートの細麺で主張しすぎない弾力のあるコシ。低温調理のピンク色の豚肩ロースのチャーシューは注文ごとにスライサーで丁寧に切り出している。

ラーメン店にしてはカウンター席同士の間隔も広く居心地の良い空間。間隔を詰めたらもう2〜3席は増やせるスペースが十分あるが、あえてゆとりを持たせることで客回転よりも環境満足度の方を高める工夫をしている。行列店で席数を減らすのは機会損失と捉えられがちだけど、結果的にはこちらの方がリピート率が高くなるケースも多い。