突っ走りすぎの自分に気付く・・・なぁんてこともあるかもよ : ホスタリア エル・カンピドイオ

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5.0

¥6,000~¥7,9991人
  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-
2014/11訪問1回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-
¥6,000~¥7,9991人

突っ走りすぎの自分に気付く・・・なぁんてこともあるかもよ

もう、50年近くも前になるのか・・・
1964年10月に東京オリンピックが開かれた翌年、19歳で渡伊。
職業上の理由も必要とせず、単なる観光旅行としての出国が、ようやく自由に行えるようになったのも1964年のこと。
外貨の持ち出しは年1回、500ドルまでに規制されていた。

そんな時代に、「ただ、外国へ行ってみたい」と言う理由で飛び出したのだから、ある意味、恵まれた環境にあった人なのかもしれない。

長期滞在の為に、知り合いの力を借りて身を置くことになったのが、エナルク(Ente Nazionale Lavoratori del Commercio)という国立ホテル・レストラン学校。
料理技術習得を目的とした出国者数が年間で3,000人を有に超えたのは記憶に新しいが(今や5,000人とも聞く)、この時代の日本人としては、もちろん初めてのことだろう。

ローマの海岸クルサルの瀟洒なエナルク・ホテル。 
一流芸能人達がクリスマス・パーティを開くような場所で、そのホテル自体が学校兼実習場だったという。
現在は国立から格下げされ、ラツィオ州立の職業訓練学校の一部となっている。
ローマ郊外に移転しているとは言え、立派な校舎を持っているが、昔懐かしいローマのホテルはと言えば、お化け屋敷のような廃墟と化しているらしい。

日本のイタリア料理を切り開き、時の流れに迎合せず、頑固に生き抜いた吉川シェフの料理をいただく機会が、これまでに一度もなかった。

興味がなかった訳ではないが、自分とは出発点が違うというのがあったんだと思う。
それでも、御著書は幾つも持っているし、ずぶの素人が、イタリア料理の基本を学ぶ上で素晴らしいものの一つだったと、今でも変わらず思っていることに違いはない。

今回、ふとしたきっかけが、彼の店へと向かわせてくれた。

【アマトリチャーナ】★★★★★+☆
ソースそのものの味わいは、非常に優しい。
そう言った意味では「インパクトが弱い」と始めのうち思うかもしれないが、サルサと一緒に厚切りのグアンチャーレ(パンチェッタだったか?)を口にふくめば、「このぐらいの加減で丁度いいんだ」と思い直す。
酸味を絶妙に残し、色にも奇麗な透明感がある。
飽きずに、いくらでも食べられる。

【カルボナーラ】★★★★★
卵の濃厚さを主張するタイプではない、サラッとしたもの。
だからこそ、整然とちりばめられた粗挽き黒こしょうの風味も引き立ち、凛とした美しさを感じる 。
やはり、厚く切ったグアンチャーレの塩梅がいい。

50年もの間、試行錯誤を繰り返し作り続けた終着点なのだから、そのスタイルを古典的という一言だけで表したくない。

敢えて言うなら(あくまでも主観として)、
ここのサルサのベースは、意外なほど繊細で優しい、ということ。
邪魔にならない程度の少量のたまねぎを、じっくり、ゆっくり火を通し、最大限に甘みと風味を引き出す。
トマトのフレッシュかつ爽やかな酸味を残す絶妙な火通しは、その旨味を引き出し、食欲を湧かせる。
故に色よく、後に使用する料理に合わせ、様々な具材と合わさり邪魔をせず、それぞれに個性的なバランスを発揮する。

簡単なようで、難しい。

ソースに限った話ではないが・・・
料理人なら、時として(力不足の場合は別としても)オリジナリティや創作性を強く求めるのとはうらはらに、
やり過ぎてしまったり、何かを足すことで、逆に味がぼやけてしまうことってあると思う。

是非はともかく、彼は、余計なものを排除し研ぎ澄ました。
いや、むしろ・・・今とは違う「何もなかった」時代のことを考えれば、自ずと日本の料理人として、取り組むべき道筋が示されていたのかもしれない。
何も足さない。
つまり、極力もとの形(ローマの伝統とでも呼ぶか)に沿うことを大切にしてきた、我慢強い人なんだと思う。

ともあれ、
美味しく、満足出来るプリモ・ピアットだった。

お気に入りの「アマトリチャーナ」は、ここの一番シンプルにトマト・ソースを味わう類のパスタなのだろうが・・・
この満足感を、他の食べ物に誤解を恐れず例えるとするなら、
「日伊併せて、これまでに出会った “とびきり腕のいいピッツァイオーロ” が作るマルゲリータと良い線だよ」って言ったら伝わるだろうか。

トマト・ソースの基本となる材料は、どこも然程変わらないだろうに、どうしてこうも作り手によって違ってくるのか。
材料の質や種類の問題だけではない、手捌きや火の通し具合、タイミングと言ったような感覚的なところにこそ、実は重要な違いがあるように思えた。

ところで、使用するワインも、やはりラツィオのものだろうか・・・聞けば良かった。

奥様とシェフも最後の方に出てこられ、とても楽しくイタリアのお話を伺った。
また近々、勉強させてもらいに行こう。

  • ホスタリア エル・カンピドイオ -
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店舗情報(詳細)

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店舗基本情報

店名
ホスタリア エル・カンピドイオ
受賞・選出歴
2019年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2019 Bronze 受賞店

2018年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2018 Bronze 受賞店

ジャンル イタリアン
予約・
お問い合わせ

03-3420-7432

予約可否

完全予約制

住所

東京都世田谷区桜丘1-17-11

交通手段

小田急線経堂駅から徒歩15分
小田急線千歳船橋から徒歩15分

千歳船橋駅から748m

営業時間
    • 18:00 - 22:00
  • 金・土・日・祝日・祝前日・祝後日

    • 18:00 - 22:00

      L.O. 料理21:00

  • 火・水・木

    • 定休日
  • ■ 営業時間
    入店は20:00まで

    ■ 定休日
    不定休あり。 
予算

¥6,000~¥7,999

予算(口コミ集計)
¥10,000~¥14,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(JCB、AMEX、Diners)

電子マネー不可

QRコード決済不可

席・設備

席数

6席

(テーブル6席)

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

近隣にコインパーキングあり

メニュー

ドリンク

ワインあり、ワインにこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

一軒家レストラン

オープン日

2009年3月27日

備考

ご予約のお電話は,出来れば(金)~(月)の営業日にお願いいたします。

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初投稿者

おおはらおおはら(860)

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