フランス菓子と日本文化が融合するデザートレストラン : çayca

東京・代々木上原にあるデザートレストラン「çayca（サイカ）」

こちらは、「レストラン クレッセント」でシェフパティシエを務めた栗原薫氏と、「ベージュ アラン・デュカス東京」でパティシエとしての経験を持つ茶道家・白井智子氏（表千家教授）が手掛けるお店。

茶道とアシェットデセールを組み合わせたコース仕立てを通じて、日本の伝統文化とフランス菓子の双方を味わえる、他にはないコンセプトのデザートレストランです。

休日は10時・13時・16時の三部制で営業。今回は13時の回に予約して伺いました。
アクセスは代々木上原駅東口から徒歩5分ほど。ビルの外階段を上がった3階に位置します。

店内はL字型のカウンターを中心に、クラシカルなフレンチレストランを思わせる雰囲気。
さらに茶室が設けられており、実際に点前を拝見できる趣向が凝らされています。

コースはデザートを中心とした「Menu saison（ムニュ セゾン）」と、トレトゥールを含めた「Menu composition（ムニュ コンポジション）」の2種類。
今回は「Menu saison（12,500円）」を予約しました。

最初にノリタケのティーカップで白湯が供され、コースの幕開けとなります。

■Menu saison（ムニュ セゾン）（12,500円）

●黒糖と柑橘のマカロン
　一品目は夏らしい柑橘を使ったマカロン。
　しっとりとした生地に爽やかな酸味が広がり、後から黒糖の深みある甘みが感じられます。

続いて、点前を拝見しながら抹茶を一服。
涼やかなメダカがあしらわれた透明な器で供され、口が広めに作られているのは熱いお茶が冷めやすいよう工夫されているとのこと。
お茶会のような体験は貴重で、茶道について学ぶ良い機会となりました。

●パフェ（貴陽、ホワイトチョコとサワークリーム、薔薇）
　貴陽とホワイトチョコ、サワークリームに薔薇を合わせたパフェ。
　黒糖のグラッセ、バジルソースに加え、トップには薔薇のアイス、白ワインのグラニテ、ライチの泡が重なります。
　フレッシュな貴陽の味わいが際立ち、ホワイトチョコとサワークリームのアイスが続く流れ。
　白ワインのグラニテと薔薇のアイスが華やかな余韻を残します。
　黒糖グラッセのザクッとした食感も良いアクセント。
　爽やかでひんやりとした口当たりは、夏の時期にぴったりでした。

●燦々マンゴー、ヌガーグラッセ、フリュイエキゾチック
　バニラのサブレの上にヌガーグラッセを重ね、ピスタチオやパイナップルを添えた一皿。
　さらにココナッツのメレンゲ、マリネしたマンゴー、パッションフルーツとマンゴーのソースを合わせ、トップにはカダイフがあしらわれています。
　ピスタチオ入りヌガーとザクッとしたサブレの相性が良く、パイナップルやココナッツの風味を楽しんだ後、マンゴーとパッションフルーツのソースが全体をまとめます。

●ソルベ
　口直しにはメロンのソルベ。
　メロンの甘みと香りが凝縮されており、清涼感のある一品でした。

●あかつき、ココナッツ、ベルベンヌ
　ココナッツのブランマンジェの上に、桃のコンポートと白ワインのジュレのシートを重ね、その上から桃のソースとベルベンヌのアイスクリームを添え、桃の果汁で作ったチュイルを合わせています。

　食感を残した桃のコンポートは繊細な香りと柔らかい口当たりが魅力。
　続くココナッツのブランマンジェは濃厚な味わいで、ベルベンヌの華やかなアイスクリームが後味を彩ります。

●小菓子
　小菓子は3種類。アーモンドムースにフランボワーズとピスタチオを合わせた一品、タルトポワール、そしてチュイル。
　中でもタルトポワールが印象的でした。
　焼きは控えめで軽やか、トップのポワールが香ばしく美味しい仕上がりです。

　さらに、最後には焼きたてのマドレーヌも提供されます。
　外は香ばしく、中はふんわり柔らかく、ほのかに香る蜂蜜の風味がアクセントとなり美味しい。

締めは、マリアージュフレールのカサブランカ。
ミントと柑橘が香る、さっぱりとした味わいでコースを爽やかに締めくくります。

■まとめ
全体を通して、旬の素材を活かした繊細なデザートの数々と、茶道の趣向を組み合わせた独自の演出が印象的でした。
デザートは目の前で作り上げてくれるので、味覚だけでなく、香りや見た目、所作まで含めて五感で楽しむことができました。

ごちそうさまでした。
投稿時：★3.08