まさかのアイスティー : キノシタ

コロナのステイホーム中に（なんだか懐かしいフレーズね）
「行きたいなー、ご飯食べたいなーキノシタで」を
連発していたのだが、やっと行って来ました。
数年の間に予約システムも変わってしまい、マイレビさんに
教えて貰って数週間前に電話で予約。
途中熱中症と強烈な夏風邪の間も
「治らないとキノシタに行けなくなる」と体調回復に努め
なんとかこの歓びの日を迎えた次第です。

それにしてもこのくそ暑い時期に駅から歩くレストランは
やはり些かの後悔を感じつつの訪問になります。
ここまで毎年暑くなると、ランチはその辺の考慮も
必要になってくるのかも。愉しみに制限かかるのは辛い。
若干早めに着いてしまい、店前でウロウロ。
街路樹があって助かりました。やっぱり大事よ、街路樹。
少し早めにお店に入れていただけたのも有り難かった。
席数が以前より減っていたのはやはりコロナのせい
でしょうか。6卓ほどになってました。
それとも前回訪問時はご婦人達の集まりみたいなのを
やっていたから特別仕様だったのかしらね。

散々迷って平日ランチの安いプリフィクスに。
久しぶりだったのでワンランク上のコースと迷い、
結局そちらは冬場に持ち越しに。夏だから軽くて充分です。

◯泡　1,600円
◯グラス赤　1,000円
◯ランチコース　2,500円
　・オードブル盛り
　　　帆立スモーク
　　　生ハムとメロン
　　　クスクスにイカ墨ソース
　　　タコにジェノベーゼソース
　　　ボローニャソーセージにバルサミコソース
　　　ツナソースのサラダ
　・豚ロースのカツレツ
　・グレープフルーツのカンパリジュレ寄せに
　　パイナップルのソルベ
　・エスプレッソ

暑さに負けてまず泡から（←おい、寒くても飲むだろう）。
パンは２種。
バゲットとポンデケージョ的なチーズのもの（美味）。
オードブルは他に自家製パテドカンパーニュと玉葱冷製スープ
（だったと思う）があり、パテと迷いましたが家でコダマの
パテを食べて間もなかったのでオードブル盛りに。
かつてあまり当たったことのないクスクスが登場。
ポソポソしたのしか出て来たことがなく、私的いまひとつ
美味しさが分からない食材のひとつですが、今回のものは
非常に良かった。
ピリ辛的なトマトソースでしっとりと仕上げてあり、
刻んだピーマン（青唐かな？）が香りと食感をプラス。
イカ墨ソースもくどさと匂いが無いのでこれは好きでした。
ジェノベーゼソースの蛸もつるりと美味しく。
ニンニク効いたジェノベーゼソースが相性良く。
ボローニャソーセージのほどける柔らかさも良かった。

メインの豚ロースのカツレツは
上のグリーンリーフで隠れてしまっていますが、向こう側に
夏野菜のカポナータ的なものが添えられてます。
（写真ぼけぼけ過ぎてアップ出来ない）
グリーンリーフがルッコラを含み比較的苦味のあるもので
これがとても良かった。
豚ロースが衣を纏うことで素晴らしく美味しい油の香りが
より豚肉を美味しく、そして衣も剥がれたりすることが
ないのでザクっとした歯触りもしっかりあって、これは
かなり美味しくいただきました。
油の香りが美味しいってすごいですわね。
これぞカツレツなんでしょう。
ソースはおそらく…シェリービネガーかな？（自信無し）
バルサミコのような甘さは無く、酸味主体です。

デセールはグレープフルーツのカンパリジュレを。
500円課金で「フォンダンショコラにピスタチオアイス」が
あり、本気で迷いましたが流石に暑くて冷たいものに。
どちらも苦味のあるグレープフルーツ＋カンパリに
甘いパイナップルソルベと蜂蜜。さっぱりしていて夏向き。
ちなみにムスメが食べたさつまいもプリンは
カラメルが苦くてこれもまた美味しいものでした。

で、この後にエスプレッソ。ふつうにエスプレッソです。
ムスメがお願いしたアイスティー。
家で使うようなグラスに、縞々のストローがゴンっと刺さって
提供されます。予想外のスタイルに笑ってしまった。
脚ついたり細長かったりしない、家のグラスみたいなやつ。
おまけにガムシロが「トップバリュー」。
そこの駅前にマイバスあったよね、そこかと。
あんまり見ないですよね、レストランでトップバリュー。
中身は大差無いんだろうけど、これは笑いました。
まさかのトップバリュー。

税金ついて２人で10,000円程度は破格値。
たしかに高い食材は無いけれども、この値段なら当然です。
利益出てるのかな、これ。大丈夫なのかしら。
まぁおそらくレストランの稼ぎは酒にありというし、
その意味でもアルコールお願いするようにしてますが、
ここはそれも良心的なお値段。1,200円とかだもの。
有難いことです。
木下さんが無愛想でも料理が美味しけりゃ構いません。
次は冬かな。ややお高めの食材で食べたいので、その頃に
ちょい高いやつで再訪しようっと。

それは先週のこと。電車の中で「なんかマトモなものが食べたいなぁ」と思い、たまたま小田急線沿線に用事のある日だったので、あれこれ考えを巡らせていたら、まるで何かが降りてきたようにキノシタを思い出した。
そうだ、ずっと行こうと思ってたんだわ、キノシタ。
その昔、ランチ予約が半年待ちとかだったはず。まさか当日予約は無理だろうなぁと思いながら新宿駅のホームから電話してみたところ、やはり甘くはなかった。そりゃそうよねー。
ってことで、家に帰ってからお店のHPで翌週に予約を入れた。平日の13時からだったせいか、すんなり予約が取れた。どうなってるの？名声はいまや過去のもの？、と不安になりながらも、これでこれから1週間は楽しみが出来て、頑張れます、わたし。

当日、ちょっと早めに入店。満席でございます。
人気がなくなったわけじゃないのね、とホッとする。デザートとカフェ付の2500円のランチで（コースは予約時に選択済）、前菜からサラダ、メインから山形豚のロースト、デザートからフルーツのカンパリゼリー寄せをチョイスした。ちなみに前菜は他に豚のパテと、鶏と米とリンゴ（これは記憶に自信なし）のスープがあり、メインは本日の魚にマッシュルーム系のソースというものがあったように記憶する。デザートは他にフォンダンショコラのバニラアイス添えorサツマイモのキャラメルなんとかのバニラアイス添えだった。

前菜
イカとカツオ、と表記されていたが、アレコレてんこ盛りの楽しい一皿。ヤリイカかしら、普通にリンク状のものだけでなく、ホタルイカのボイルが入っており、要はワタごと頂くことになるので、これが効いております。カツオは生ではなくて火の入ったミンチのもの。生ハムやら、肉のパテ（たぶん豚）やらゆで卵やら、（たぶん）ボワローの青い部分のボイルしたものやら、海のもの山のもの満載です。１種類のドレッシングではなく、それぞれに合ったものがチョイチョイとかかっている感じといったらよいのか、食べる箇所によって味に変化があり、どの野菜を合わせていただくのがによっても、これまた変化するので楽しくいただいた。家では絶対出来ない類いのもの。

メイン
ナイフをいれた最初は、正直言って「思いのほか弾力があるけど、まさかカタい？」と疑ったが、これはわたしの間違い。
脂っぽさは全くなく、シットリしたもので、噛めば噛むほど肉の香りが強くなる感があった。この噛む作業のための弾力とみました。表面はカリッと、中はしっとり。ヘタなローストビーフより数段美味。どれだけの時間をかけてローストしたらこうなるのだろう。ソースは、生姜の香りが効いているので、全体の味の印象は豚の生姜焼きのマスタード添え！ああ、豚と生姜って王道なのね、と納得。一緒に添えられた野菜やジャガイモの量も、わたし的にはほぼベスト。

デザート
ゼリー寄せったらなんとなく夏っぽい感じだが、たしかグレープフルーツの旬は今頃だったはず。ソルベの上にちょっとハチミツを垂らしてあるあたり、良いと思いました。うまく言えませんが、好みであったことは間違いない。

カフェはエスプレッソで。

総評としては、特に目新しい感じは受けたものはなかったけれども、全ての具合がちょうどいい感じのお料理だった。過度にいろいろやらず、どこか落とし所を知ってる感じ。当然のことながら、冷たいものは冷えたお皿に、温かいものは温められたお皿にのって供される。グラスシャンパンはグラスが良いのか、注ぎ方がいいのか、泡のキメと持続が素晴らしい。キチンとパン屑も取ってくださる。普通のことなんだけれども、このCPの良さとか、スタッフさんの人数の少なさから考えると案外それが難しかったりするんだと思う。経験上、出来ていない店も多い、そりゃあ、もうちょっとお料理の説明が欲しかったりするが、どう考えても人員的に困難。この金額でこれだけのものを出し続けていただくためには、そのくらいどうってことはない。聞きたいことがあるなら、こちらから聞けばいいだけのことだ。キッチンの清潔感といい、みていて気持ちよくお食事出来ることも大切な要素だった。あ、それとシュー生地ようなチーズのパン、すごく美味しかったです。さて、次はいつにしようかな。