これだけ濃厚な煮干をこれだけ上品な味わいに仕上げられる力量が素晴らしい！ : らぁめん小池

土曜の夜、八幡山の｢支那そば 孤高｣で絶品の煮
干そばを頂いた後、八幡山駅からは各駅で一つ目
の駅、上北沢駅で途中下車し、向かった先は……
もちろん、｢らぁめん小池｣さんです！

3年連続でミシュランのビブグルマンに掲載され
今年2月には本郷に2号店となる｢中華そばにし乃｣
をオープンさせた水原店主の煮干も、ここまで来
たら食べずに帰る訳にはいきません。

半分勢いで向かってみれば、開店時間ジャストの
18時に到着！、｢孤高｣ からここまで10分足らず
で来れてしまいました。勢いとは恐ろしい！(笑)

場所は国道20号線(甲州街道)沿いにあり、駅から
は徒歩3分ほど……初訪から2年も経っていますが
この道のりはよく覚えています。

店内に入ると、先客は1名のみでしたが、ぞろぞ
ろと後客さんが入店され、あっという間に満席
になってしまいました。

店内券売機でメニューを確認すれば、あっさりの
｢煮干そば｣¥780、こってりの｢濃厚煮干ラーメン｣
¥800、｢台湾まぜそば｣¥800は不動のラインナッ
プで、前回は｢中華そば｣があったけれど、｢山椒
香るラーメン｣¥780にメニューが変わっていて、
他にはこってりの｢ニボ台湾ラーメン｣¥780と、
｢油そば｣¥750が加わったようですね。

前回が｢濃厚煮干ラーメン｣だったので、今回は
あっさりにしようとも考えたが、淡麗煮干は食
べてきたばかりで、もしも味わいが被ると、ど
っちがどっちだっけ？状態になってしまうので
ここは濃厚煮干そばでいきます！(笑)

ちなみに券売機は五千円札、一万円札が使えま
す。ご安心下さい！w

食券をスタッフさんにお渡し、厨房内に目をや
ると、3名の男性スタッフがおられますが、
その中のお一人が水原店主だと思うのだけれど、
記憶が定かではありません。どっちがどっち状
態です。(笑) 女将さんは2号店におられるのか
不在でしたが、前回に比べると明らかに男臭い
雰囲気になって少々残念！(苦笑)

ただ、｢支那そば 孤高｣に比べるとフレンドリー
な空気が漂っていて、心も落ち着きます。

逆Ｌ字型カウンター席の手前端席に座り、セル
フのお水を飲みながら卓上を見渡せば、箸はエ
コ仕様のプラ製で、調味料は一味と酢が置かれ
ていますが、この光景は前回と変わらず……

すると、そう待たずして｢濃厚煮干ラーメン｣の
ご登場！

外観は2年前とそう変わっていないと思うけど、
ラーメン鉢の中央には、薄くスライスした真空
低温調理の豚肩ロースのレアチャーシューが何
枚も束ねられ盛り上がった独特な盛り付けで、
脇には肉団子があり、野菜は刻み玉ねぎ、スラ
イスした紫玉ねぎに青ネギといった構成です。
スープは画像と違ってもっと煮干の灰濁した色
合いで、見るからにドロ系！

まずは、そのスープを頂いてみると、おーきた
きた、グッ！とくる青口煮干の風味と出汁感で
まずは自然と頬が緩む……

ただ、そこに白口煮干も合わさったような上品
さも感じられて、同じ濃厚煮干でも、大門の｢中
華そば いづる｣のようなガンガンと攻め立てて
くるような押し一辺倒のニボ感とはまた違った
潮の満ち引きのような抑揚のあるニボ感がたま
らない。

飲み進めていくと、鶏白湯がトローッとして、
舌触りはうっとりするほど滑らかで、鶏の旨味
が凝縮したような美味しいスープだから、濃厚
な煮干をオブラートに包みつつも、決して煮干
の出汁感を奪うことはなく、見事なまでにバラ
ンスが取れた、濃厚でありながら上品にさえ感
じる鶏白湯煮干です！

ここまで煮干が濃密でも決してくどさを感じさ
せず後味もいいスープに仕上がっていると、連
食していることはすっかり忘れて、グイグイと
いけてしまいますね～。(笑)

前回訪問時のレビューには偉そうに物足らない
！などと言ってしまったが、その後も煮干ラー
メンを色々と食べ歩いてくると、ここまで濃密
な煮干しでありながら、雑味も尖りもないピュ
アな味わいに仕上げられることへの驚きを隠せ
ません。水原店主の力量には頭が下がる思いが
します。

その濃密なスープに合わさる麺は、ポキポキと
した歯応えのある低加水中細ストレート麺……
風味もあって濃密なスープとの相性も抜群！
何度かお会いした麺のような気がして、後に調
べたら、村上朝日製麺製のようだ。通りで旨い
わけだ！と納得してしまう。(笑)

具のチャーシューはスライスされた豚肩ロース
のレアチャーシューだが、しっとりとして下味
は肉の旨味を引き出す程度なのに実に旨い！
これは薄くスライスされているからこそ感じら
れる肉の旨味だと思うけど、何枚もあった肉は
口溶けしていくようにあっという間にに無くな
ってしまった。

肉団子は熱々でふっくらとした味わいで、鶏肉
だけにあっさりとして軟骨も入ったような歯応
えの良さがあり、僅かに青菜が入っているが、
やはり鶏白湯にはこういう鶏の肉団子もいいね

刻み玉ねぎは粗く刻まれているが、フレッシュ
で歯応えに違和感もなく、この濃密な鶏白湯煮
干ラーメンにフィットしています。一方紫玉ね
ぎをスライスしているのは変わった提供の仕方
だが、ネギとともにアクセントとなって面白い
取り合わせだと感じました。

ほどなく完食すると、和え玉もコールしたい気
分だったが、財布とも相談した結果諦めること
にした。ちなみにお腹は和え玉をコールしてい
ました！(苦笑)

いや～美味しかった！、この日は連食で大当た
りを引いたせいか、お腹は満ちておらず、小食
でももう一軒行きたい気分だったことは敢えて
申し上げておきます。(笑)

《味の評価》
・スープ◎
・麺◎
・チャーシュー◎
・他の具◯

《全体の評価》
・外観◎
・ボリューム◯

以上

お正月明け、今年最初に食べに行こうと決め
ていたお店が正月休みで撃沈！

帰宅経路から外れて来たこともあり、同じ京
王線沿線でBMしていたお店に切り替えるこ
とにしました。そのお店が、らぁめん小池、
2016年度のミシュラン掲載店です。

場所は上北沢駅から徒歩３分ほどの甲州街道
沿いにあります。屋根看板も出ていますが、
駅から徒歩の場合、大きな桃燈が目安になり
ます。

ところで、らぁめん小池と言うと、私の世代
は、藤子不二雄のマンガに登場していたラー
メン大好き小池さんがすぐ頭に浮かぶのです
が、まぁ、さながら、店主の名字が小池で、
多少なりともマンガのキャラクターを意識さ
れてこの屋号にされたのではないかと勘繰り
たくなります。

ちなみに「らーめんの小池さん」という屋号
のラーメン店が別にあるので、「らーめん」
ではなく「らぁめん」とあえて「ー」を「ぁ」
にされたのかもしれませんが定かではありま
せん
。

余談はさておき、お店に到着すると運よく端
席が空いていました。店内はカウンター席の
みで１１席、先客は２０代とおぼしき若者ば
かり、厨房内の大将と女将もお若いので私だ
け浮いています（苦笑）

店内の券売機でまずメニューを確認すると、
あっさり系の煮干しラーメンと醤油ラーメン
、こってり系の濃厚ラーメンとメインはこの
３種類。他は、ニボ台湾そばと夜限定の台湾
まぜそば、お値段は台湾まぜそばの￥８００
以外は￥７８０と同一料金です。

この中で私が選らんだのは、濃厚ラーメン。
鶏白湯＋煮干しスープです。購入した食券を
女将に手渡し、端席に座ってカウンターの上
を見ると替え玉券が置いてあり、この時レビ
ュアの方々も替え玉を注文されていた方が多
いことに気づかされましたが、私はデフォの
ままでいきます。

厨房内では大将と女将が分業でラーメンを作
られていて、あうんの呼吸とも言うべきタイ
ミングの良さで手早くラーメンは出来がって
いきます。待つこと３分程で着丼。

外観すると、まず中央に高く盛られたレアチ
ャーシューが目を引きます。この盛り付けは
先日、北上尾のよしかわさんの煮干しラーメ
ンを彷彿させます。盛り付け方は違いますが
理由は、スープに浸かるとレアなチャーシュ
ーに熱が通ってレア感が損なわれるので、そ
れを避けると同時に具の主役を引き立てる意
味もあるのでしょう。

そして、何と言っても灰色状に白濁したスー
プは実に綺麗な色合いで見ただけでうっとり
してしまいます。具は、他に鶏白湯には付き
物の鶏の肉団子、水菜、刻み玉ネギ、海苔と
言ったところ。

早速、スープから頂くと、うゎ～、煮干しの
旨みが詰まった実に滑らかな舌触りの鶏白湯
スープですよ、旨えな～、心底そう思います

鶏白湯の粘度は適度にとろみはあるものの濃
厚と言うほどとろみがかっている訳ではない
、そして煮干し出汁も色合いは伊藤さんの煮
干しそばのように見事に灰色が映えているけ
どもガツンとくる煮干し感ではなく、優しく
内側から涌き出てくるような、ただ、しっか
り煮干しの旨みは口の中に充満してくる、
言ってみれば、鶏白湯も煮干しも前面に主張
してくるようで主張してこない、お互いが程
よいバランス感覚で融合している、そんな絶
品スープですね。ですから、最後までくどさ
は無いし、飽きがくるようなこともなく美味
しく頂けます。もう、このスープは完成され
た逸品と言っても良いのではないでしょうか

そしてそのスープに合わせる麺は、パツパツ
の低加水の細麺にして、このスープにはこの
麺しかないと思わせるほど、スープと良く合
います。スープに合うと言うのは、スープの
持ち上げがいいとか、吸い付きがいいと言う
よりも、お互い主張し合う程の存在感があり
ながら口の中ではソプラノとテノールがハモ
るような心地よさがあり、絶妙としか言い様
がありません。

具のチャーシューは、真空低温調理のレアな
豚の肩ロースでしょうか？、見た目は生々し
いですが、食感は肉本来の旨みが凝縮した実
に美味しい一品です。

そして、鶏の肉団子は鶏の白湯にはやはりよ
く合いますね、この一品が加わるだけで満足
度が増してきます。

水菜は彩りに変化を与え、刻み玉ネギととも
に爽やかな瑞々しさが、この濃厚なラーメン
にあっては欠かせないものだと感じます。

ほどなく完飲完食しましたが、麺とスープが
ほぼ同時に無くなりました。私には、替え玉
は不要だったようです。

総評すると、この鶏白湯＋煮干しラーメンと
しては完成形と言っても良いのでは、と思う
ほどの優れものですが、私には、あまりにも
綺麗にまとまり過ぎて正直物足りなさ感があ
りました。贅沢な感想かもしれませんが、心
を打つような感動がなかったなぁ～、系統は
少々異なりますが、鶏白湯の煮干しであれば
、大阪本町の葛の方が感動しましたね～、
とは言え、2016年度のミシュラン掲載店に
相応しいラーメン店であることに違いはあり
ません。

《味の評価》
・スープ◎
・麺◎
・チャーシュー◎
・他の具○

《全体の評価》
・外観◎
・ボリューム△

以上