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変わらないレベルを維持する「安藤」に安堵
「浜田山」にはもう一軒「光林」という評判の蕎麦屋があるが、そちらが誕生する以前から長年にわたり、この辺りでは人気を得ていたのがこちらの店。
開店当初、当時としては斬新であったコンクリート打ちっ放しの外観や、暖炉や古民具などが配された内装にも、違和感は少なくなった。
最近のレビューでは芳しからぬ評価が多いが、確認の意味で4年ぶりに寄ってみた。
ここの名物は独特の「鴨煮」。
今でこそ「合鴨」の養殖や輸入が盛んになり比較的安価で手に入るが、30年ほど前の東京では蕎麦屋では鴨を使った種物自体が珍しかった。一般の街場の蕎麦屋では、「鴨南蛮」という名前でも鶏肉を使っているケースが多く、実際に鴨肉を使用する店でも、値の張る「抱き身」よりも味は良いが肉質の固い安価な「腿肉」を使う処が多く、老舗では今でもその名残が見られる。
この近くでも「本むら庵」では、腿肉を薄くスライスして十分に味を煮出す伝統の方式を、未だに続けている。
こちらでは考え方を変えて、鴨の腿肉を大きいまま「豚の角煮」風に時間をかけて煮込む手法を考案した。丁寧に下処理され甘辛い醤油味が染み込んだ腿肉は、箸で切れるほどに柔らかく、これを「鴨南蛮」や「鴨せいろ」にも使うが、酒の肴にもなかなか良い。
「抱き身」を使うことが一般化した現在では、‘時代遅れ’と受け取る向きもあるが、私にとっては懐かしい味である。
酒は升酒(東北泉)のみ、肴も件の「鴨煮」以外珍しいものは無いが、これで十分。
通し営業なので、昼下がりにゆっくり「蕎麦屋酒」が楽しめるのも有りがたい。
今回は平日の2時前に寄ってみた。
次の予定があったので、「鴨南蛮」と酒はビールを注文。
多めの根深葱とともに、結構大きな塊の「鴨煮」が乗っており、食べ応えは十分。
蕎麦は昔から変わらない中太の堅打ちであるため、温蕎麦でもしっかりした食感が保たれている。
「つゆ」は結構濃厚だが、江戸前の定法通り「かけ」物にも「蕎麦湯」の湯桶が添えて出される。当然「蕎麦湯」も昨今の流行りの‘どろどろ’ではないため、按配良く味が広がり、最後の一滴まで飲み干せる。
接客については、確かに昔から店を仕切っている高齢な「マダム」は、いろいろと客の世話を焼きたがる傾向はあるようだが、今まで悪い印象を持ったことは一度もない。
今回も時間をずらして訪れたものの、真ん中の大テーブルに団体の予約が入っていたため、はじのテーブルに相席になってしまったことを、帰り際までしきりに詫びていた。
「光林」がいわゆる‘こだわりの手打ち蕎麦屋’の典型であるのに対し、こちらはやや古いタイプの店。
新進の蕎麦屋のスタイルに慣れ親しんでいる方には、不満があるかも知れないが、いまなお存在感は薄れてはいないように思う。
結論として、悪し様に言われる評判は杞憂に過ぎず、味にもサービスにも安定したレベルを維持していることに安堵した次第である。
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蓼喰人
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店名 |
掲載保留
安藤(あんどう)
|
---|---|
ジャンル | そば |
住所 | |
交通手段 |
京王井の頭線浜田山駅下車3分 浜田山駅から157m |
営業時間 | |
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
¥1,000~¥1,999
|
個室 |
有 (8人可) |
---|---|
空間・設備 | 落ち着いた空間、座敷あり |
ドリンク | 日本酒あり |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 一軒家レストラン |
オープン日 |
1984年9月27日 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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上北沢の「旗幟」を出たのは12時半を回った時刻。
心地良い酔いと清々しい天候に任せて、少し歩きたい気分となった。
とりあえず北の方向に進路を取る。
甲州街道を越えて神田川に沿った辺りには幾つかの公園が点在しており、木漏れ日の中を散策し時折ベンチで休みながら進むと、やがて井の頭線の浜田山近くにたどり着いた。
時刻は14時少し前で、折角ここまで来たのならば、もう一軒蕎麦屋に寄りたい気持ちが頭をもたげて来た。
この地にも随分ご無沙汰している2軒の蕎麦屋が在るが、選んだのは中休みなしで開けていることを覚えていたこちら。(ちなみにもう一軒は「光林」)
蕎麦屋の'はしご'は若い頃は結構やったものだが、最近はとんと無かったことである。
コンクリート打ちっぱなしの外観は、開店当初から変わっていない。
引き戸に手を掛けると、この時間帯でも2つの大テーブルのほとんどの席が埋まっている。
奥の方の一角が空いており、先客の3名の方と相席になったが、何れも「蕎麦屋酒」を楽しんでいらっしゃる。
私も樽酒をもらう。
昔からこちらは樽で仕入れた「東北泉」を、桝酒のスタイルで出している。
肴には軽いものをと「板わさ」を選択。
運ばれた角皿にはスライスされた5枚の蒲鉾に、驚くほどたっぷりの「おろし山葵」が添えられている。
「鈴廣」の蒲鉾の味もさることながら、丁寧に摺り下ろされた本山葵の質に感心する。
隣に居合わせたご夫妻は古くからの常連さんで、色々な話を伺う事が出来た。
今では姿を見せることは無くなったが、長年お店を仕切って来たマダム(ご主人のご母堂)は、齢90を過ぎてお元気とのこと。
桝酒をちびちびやりながら、6年以上も間が空いたとは思えぬほどこの場の空気に馴染んで、寛いだ時間を過ごすことが出来た。
昼間でしかも2軒目であり、酒はこれ以上は控えようと蕎麦にする。
注文は端から決めていた「鴨なんばん」。
暫しの後に運ばれた丼を見て、思わず笑みがこぼれる。
濃い目のかけつゆに浸った蕎麦の上には、大振りの肉塊が鎮座し、これをたっぷりの短冊切りの葱が囲み、三つ葉が一枝飾られている変わらぬ景色である。
鴨肉は箸で持ち上げればホロホロと崩れる柔らかさで、味が良く染みている。
熱いつゆの中でも、蕎麦はある程度の食感は保っている。
鴨の煮汁が加わることで、つゆは深みを増している。
蕎麦を啜った後に、温そばにも添えられる湯桶から、虚飾の無いさらりとした蕎麦湯を注ぎ、全てを飲み干し満足感に浸る。
こちらの店が合鴨の腿肉を塊のままじっくりと煮含めた、他に類を見ないスタイルの「鴨なんばん」を考案した経緯は、前回のレビューをご覧いただきたい。
開店当初から変わらぬ味とスタイルが堅持されていることを、うれしく思う。
多くの地元民に支えられて30年以上、安定的な仕事振りで最早老舗と言って良い蕎麦屋。
今回のようなサロン的な和める雰囲気も魅力的。
これからも時々寄ってみたい気持ちを強く抱いた。