菱田屋（駒場東大前）…超人気定食屋で夜に飲む : 菱田屋

先々週の平日、都内屈指の人気定食店「菱田屋」に念願の初訪問を果たしたが、
その際、夜に来て定食のおかずをつまみに飲んでみたい、との新たな念願ができた。
それを叶えるべく、土曜の今日、夕方にやってくる。

駒場東大前駅から数分歩いて店に着いたのが17時08分、開店22分前で待ち客はなし。
しかし、我々が店の前に立った直後に若い男性と若いカップルが後ろに続いた。
薄氷のポールポジションである。
シャッターが途中まで上げられていて店内の様子をうかがうことができるので、
多くの客は壁に掲示された黒板メニューを外から確認してから列の後ろにつく。

17時28分に開店し、入って右手の2人用テーブル席につく。
フロアを一人で賄う女性が順に席を指示し、開店と同時に満席となる。
入りきれなかった外待ち客にこの女性は「一時間くらいかかる」と言っている。
席の配置が整うまで5分ほどかかり、それからようやく順に注文を取りに来る。

ドリンクはキリンラガー中瓶600円を注文する。
店内の全客の注文を取り終わってから、17時40分過ぎにビールが出てきて乾杯だ。

さて、料理一品目は豆腐麺ときゅうりのサラダ400円だ。
中華風のサラダでやや味が濃く、ビールが進む。

続いては刺身３点盛1,350円が出て来る。
本まぐろ、帆立貝柱、寒ひらめの３点が盛られる。
「美味しいまぐろ入荷してます」の店内表示の通り、なかなか美味いまぐろだった。

料理三品目は豚バラ焼肉1,350円。
出てきた瞬間に思わず声が出たほどのボリュームだ。
鉄皿に炒めたキャベツ、もやし、ニンジンが敷かれ、その上に豚バラ肉がのっている。
恐らく肉だけで300gはあるのではないか。
タレは生姜が利いていて、甘味もあるのですりおろしリンゴなどが入っていそうだ。

他の客に出されたのを見て美味そうだったれんこん肉詰め揚げ950円を追加注文する。
正直、豚バラ焼肉でほぼお腹いっぱいになったので迷ったが、後悔したくないので、
「少なめに作って」とお願いした。
ここで店の女性から料理のラストオーダーを通告される。
現在の短い営業時間の中で並んでいるすべての客を収容するためだから仕方ない。

れんこん肉詰め揚げは、私は醤油で、妻はソースで食べた。
レンコンの甘みがよく、味つけはあっさりしていてコロモも軽やかな感じ。
意外にもぺろりと食べてしまった。
妻曰く「少なめじゃなくてもイケたかも・・・」

ラストに楽器正宗中取り750円という冷酒をもらって終了だ。
途中ビールを1本追加していて会計は5,500円。
注文したものの合計は6,000円になる。
恐らく、豚バラ焼肉は1,350円と黒板に表記されるが850円の誤りなのだろうと思う。

滞在時間は1時間10分、残念ながら今はこの店でのんびりと飲むことはできない。
巨大なカキフライ、餃子や油淋鶏、豚角煮など、食べてみたいものがまだまだある。
営業時間が長くなったらまた来たい。
尚、我々が店を出た際も、外待ち客の列は10人以上は間違いなくいた。

定食食堂の店としては都内屈指の評判店、人気店である「菱田屋」。
もちろん興味を抱かないわけがなく、何年も前から行ってみたいと思っていたが、
立地が不慣れな土地であることと行列必至の情報からなかなか足が向かなかった。
今日、この長年の念願を叶えるべく、意を決して行ってみる。

午前11時18分頃に店に着くと、店の前に女性が一人待っていて、その後ろに立つ。
ガラス越しに店内に掲示されたメニューが見えるのでそれを眺めていると、
私の後ろに若いカップル客が立ち、そして列は徐々に長くなっていった。
11時32分に女性店員が出てきて開店となり、カウンターの右端の席につく。
この時点で全26席の内7割ほどの席がうまる。

壁に掲示された黒板メニューに一番人気の豚肉の生姜焼きは書かれていないが、
それでも注文できるとの情報は得ている。
豚肉生姜焼き定食（この時点で値段不明）、味噌汁を豚汁に変更300円、
納豆150円、肉焼売250円×2個を注文する。

100年を超える歴史を持つ店であり、かつては特筆することのない定食屋だったが、
2002年頃に現主人（5代目）が4代目主人の娘婿として加わって店が一変した、
という話はよく知られている。
中華畑出身という主人は隣の建物で行っていた夜のスナック営業を止め、
一つの建物に改装し、メニューを一新してボリューム自慢の定食屋へと変身させた。

注文から8分ほどで生姜焼き定食と納豆が出て来る。
生姜焼きも豚汁も思わずのけぞるようなボリュームである。

生姜焼きはもち豚肩ロース250g使用だそうで、玉ねぎとともに炒められている。
薄切り肉ながらそれなりに厚みがあり、脂身が豊富な箇所もある。
しっかりと甘辛さはあるが酸味はほどほど、生姜の利きもバッチリだ。
タレに漬かった千切りキャベツがとても美味い。

豚汁は300円も惜しくないと思わさせる内容とボリュームだ。
内容は豚バラ薄切り肉、こんにゃく、ニンジン、しめじ、ごぼう、大根、山芋、そして青ネギなどなど。
全体がぬるかったのがちょっと残念だった。
ごはんはあらかじめ少なめで頼んであり、納豆は練ってから出されるのが嬉しい。

注文から20分ほどで肉焼売が出て来る。
形はいびつながらなかなかのボリュームだ。
箸で半分に割って断面を見ると、中身は豚肉のいろいろな部位が使われていて、
玉ねぎやネギなど、肉以外のものは入っていない。
みっちりとぎっしりと肉がつまっていて、豚肉の内臓も入っているようで、
食感が楽しくてとても美味かった。

会計は2,050円だったので、豚肉生姜焼き定食は1,100円ということになる。
11時58分の退店時、店内は満席ではなかったが3人ほどの外待ち客がいた。
一度夜に来て、おかずを並べて酒を飲んでみたいと思った。
並ぶのが嫌で行かなかった店を最近どんどんこなしている。
行列の情報を聞くと躊躇するが、長年の念願を叶えたときの満足感は心地よい。
いろいろな店を思い浮かべながらそう思っている。