なかなかスパイシーなキーマカレーでした。 : ヤーマ・カーマ

東急池上線は、都内の私鉄の中でも独自の地位を確立しています。
五反田から蒲田までの品川区〜大田区エリア、いわゆる商店街や中小企業の集積地を通過する路線だけにどこか哀愁みたいなものを感じます。
かなり古い話ではありますが、西島三重子のヒット曲「池上線」もその哀愁に輪をかける役割を果たしてくれましたね。

東急目黒線が、まだ目蒲線と呼ばれていた頃は、お互い3両編成で良きライバルだったのですが、目蒲線が東横線と結婚して目黒線となって巣立ってしまってからはすっかり孤立してしまったような感じです。

それでも飲食店巡りについて考えれば、池上線の通過エリアは都内でも比較的渋い個店が頑張っているエリアと言えるので食べログ的妙味は尽きないエリアということが出来るでしょう。

この日は、その池上線エリアを食べ歩くことにします。

雪が谷大塚駅は、池上線の車両基地のある駅です。
目黒線で言えば奥沢駅みたいな感じですね。
大昔は、雪が谷大塚(当時は雪ケ谷駅)からの支線(目黒蒲田電鉄新奥沢線)があって、新奥沢という駅まで通じていましたが、昭和10年に廃線になっています。

この日ランチにやって来たのは、その雪が谷大塚にある当店です。
インドカレーのお店ではあるのでそれっぽいとも言えますが、珍しい店名です。
ただ、これ単にオーナーさんが山川さんとおっしゃって、それをもじっただけみたいですね。
そのオーナーさんは広告業界のご出身のようなので、センスなのでしょうか？

お店は雪が谷大塚駅前を通る中原街道沿いにあります。
駅から徒歩2分くらいで、お隣りは博多とんこつの「まるきんラーメン」です。

11時半からの営業のお店なので、その時間を目掛けてお邪魔しました。
お店に着いたのは11時半少し前。
お隣りのまるきんラーメンの前には4名ほどの列が出来ています。
オープン待ちの客のようです。
当店もまだオープンしていませんでしたが、待ち客はいませんでした。
11時32分を回ってもオープンしないので、入口扉から店内を覗いたところ、ちょうど店主さんが出て来るところでした。

入店します。
店内は、入って右手に厨房に面したカウンター席が4席、左手に4人テーブル席が3卓12席の計16席のキャパです。
カウンター席に座ろうとしたら店主さんから広いテーブル席へどうぞと言われましたので、お言葉に甘えることにします。

卓上にはランチメニューのみ置かれていました。
カレーライスのみのシンプルなメニューで、6種類のカレーがラインナップしています。
辛さは、種類ごとに決まっており、マイルドが3種類、中辛、辛口、極辛が各1種類です。
いずれのカレーもサラダが付いて価格帯は800円～900円（税別）とまあ高からず安からずといったところでしょうか。

注文は、中辛のキーマカレー@900円＋税＝972円にしました。
待つこと3~4分でサラダと付け合わせの3点盛りが出されます。
サラダは、レタス、キャベツ、キュウリ、トマトのありきたりなサラダ。
タマネギ風味の和風っぽいドレッシングがかかっていました。
ごく普通です。
付け合わせは、らっきょう、福神漬け、玉ねぎのキムチ風漬物の3点。
カレーが来る前に味見しちゃいましたが、こちらもそれほど特徴はありません。
強いて言うと、玉ねぎのキムチ風漬物はかなり辛かったです。

カレーは、サラダ等の提供から3分後に出来上ってきました。
たっぷりのひき肉が使われているキーマカレーですが、サラサラッとした食べ心地なので、ひき肉は鶏のムネではないかと思われます。
なかなかスパイシーな風味ですが、カウンター席上には、マスタードシード、クミン、ガラムマサラ、シナモン、ターメリックなど15種類ほどのスパイスの瓶が並べられていますので、なるほどという感じです。
カレーソースにはグリーンピースが混ざっていますが、大粒のグリーンピース。
私は、崎陽軒のシウマイに乗っているグリーンピースが大嫌い（よって、崎陽軒のシウマイも嫌い）なのですが、こちらで使われているグリーンピースはそれとは食感、風味が異なり、美味しくいただけました。

ライスは赤米かと思いましたが、店主さんの故郷である山形県産のはえぬきの七分搗き米だそうです。
粘りや香りもほどよく、特にキーマカレーとは相性がいいように思われました。
美味しくて栄養価が高いのはいいですよね。

カレー自体は満足できましたが、やはりこれで税込み972円というのはやや高いかなという印象です。
特にカレーは、インネパ系がナン食べ放題カレーを600円程度から提供していますので、差を感じちゃいますよね。
ドリンクを付けると＋200円ですが、インネパ系に伍すにはせめてドリンクサービスくらいはあっていいのではないかと思いました。

池上線沿線らしく、頑張っている個店なので応援したくなりますが、この日のランチタイムの客入りは、ちょっと寂しかったですね。