これは多賀野でしか食べることのできない絶品の純和風つけ麺❗ : 中華そば 多賀野

２年ぶりに中延の┌多賀野」に訪問してきました

┌多賀野」と言えば、創業は１９９６年、長年に
渡り行列の絶えない中華そばの名店として君臨し
てきたことは有名ですが、ここは屋号にもなって
いる店主の多賀子さんと、実質多賀野の屋台骨で
あるご主人との二人三脚。息子さん？と思われる
若いスタッフが接客やサポート役をしています。

場所は東急池上線の荏原中延駅改札を出て、すぐ
目の前と言っていいほどの至近距離にあります。

この日は１４時頃という閉店に近づいた時間帯に
到着。外の行列はなかったものの店内に入ると順
番待ちの先客が５名ほどいましたが、私が到着し
た５分後には何と後客が１０人以上に膨れ上り、
到着のタイミングが良かったことを思い知らされ
ました。この混みようなので閉店時間１４時半の
１５分ほど前には入店が止められていましたので
来られる方は１４時迄には入店された方が確実か
と思います。

さて、店内券売機を確認すると、ラーメンは定番
の中華そばに、粟国の塩そば、酸辛担麺、ごまの
辛いそば、の４種。つけ麺は、豚鴨つけそば、
粟国の塩つけそば、からいつけそばの３種。

再訪時は中華そばにしよう、と決めていたのです
が、今日は真夏日で汗だくだく状態、冷たいもん
が欲しい❗ということで、┌豚鴨つけそば」¥750
、お腹が空いてたんで当然のごとく┌大盛｣¥120も
購入しました。つけそばの麺量は並が250g、大盛
が350gで他店と比べても、まぁ、標準的なボリュ
ームだと思われます。

店内はＬ字型のカウンター席のみですが、ここは
同じ長さのカウンターの組合せで計１２席、厨房
が広くどの席からも全体が見渡せ、隣席との間隔
、椅子の高さもベストと言える居心地の良さで、
また、BGMは無く、耳を澄ませば、ラーメンの麺
を啜る音がそそかしこから聴こえ、涼しげに感じ
ます。そして、厨房内からは多賀子店主とご主人
との声の掛け合いが聞こえてきて面白い。まぁ、
何と言うか、実に下町ぽい。(笑)

今回座った席も前回同様奥の厨房前で一番見晴し
のいい奥から３番目の席、私の目の前では多賀子
店主がチャーシューを包丁切りしているけど、ゆ
で豚であろうか？、煮豚のように出し汁で色が染
まっている訳ではなく単にボイルしただけのよう
な色合いで実に綺麗な肉ですね。

暫くすると麺がゆであがったようで、冷水でしめ
たあとトングで麺を皿に盛り付けてますが、これ
は清潔さを意識して手では盛らないようにしてい
るのか、他店では見たことがありません。

すると、具が別皿に盛り付けられ、多賀子店主か
らカウンター越しに手渡され、そのすぐ後に、つ
け汁、麺の順に手渡されました。

まず外観すると、麺は大盛りだけあってボリュー
ム感あり、また色合いが新鮮な十割蕎麦のように
緑掛かっていて中太縮れ麺ですがフスマのような
ものが練り込まれて、つけ麺の麺にして十割蕎麦
のような和風感が漂います。つけ汁は豚鴨つけ汁
ですが、豚骨は清湯のようで鴨油が表面を覆い、
カエシの醤油が合わさったこれも和風なつけ汁で
す。別皿に盛られた具は、煮豚が２枚、メンマ、
ナルト、海苔、鷹の爪といったところ。

まずは流儀で麺のみを頂いてみると、うぁ〰歯応
えが凄い❗、加水高めの中太縮れ麺にして、麺肌
はプルンとした滑らかさがありながら、弾性は強
く、コシが非常に強い！、風味もあり、何とも言
えない淡白な味わいながら今まで食べてきた麺に
は感じたことの無い歯切れ感、何ですかね～、
麺は小麦粉に違い無いだろうけど、繋ぎに使って
いるのが卵白だからでしょうか？、独特な麺であ
ることは違いなく、また蕎麦に見立てるためか、
麺には海苔が練り込まれているとも聞くので、緑
色掛かって粒々に見えるフスマのようなものも海
苔なのか？、何とも不思議。(笑)

その麺を今度はつけ汁に付けて頂こうと持ち上げ
ると、あっ、この麺の長さは蕎麦と同じような感
覚で、８寸なのか？は定かでないけど、つけ汁に
付けて食べやすく啜って口への収まりもいいこと
に気づきました。全てにこだわりを感じます。

つけ汁は、鴨油が麺に絡み、魚介だしにカエシの
醤油の旨味とコクが加わり、何とも言えない和風
なつけ汁の味わいで心地良く、そこに豚のゲンコ
ツからとった清湯がコシの強い中太縮れ麺にも負
けないだけの厚みのあるスープとなり、麺と一緒
に美味しく頂けました。

通常和風なつけ汁だとパンチに欠けて、どうして
も甘・辛・酸に頼ってしまうのだけど、多賀野の
つけ汁に限ってそんなことは無い。鴨、豚、醤油
の輪郭がはっきりとしたキレのある味でありなが
ら、どれも主張し過ぎることなく絶妙なバランス
で一本筋の通ったスープとなっているからつけ麺
のつけ汁として十分美味しく頂けるのだと思う。

つけ汁は温め直しもして頂けるし、割りのスープ
もあるようだけど、そのままでも十分美味しく頂
けた。特に残ったつけ汁をそのまま飲んでみると
二年もののこだわり熟成醤油の旨味とコクがくっ
きりとして、これは日本蕎麦やうどんで食べても
旨いに違いないと思えるほどに和風を強く感じた

いや～、さすが多賀野さん、ここでしか食べれな
い唯一無二のつけ麺である。

最後に別皿の具であるがチャーシューは豚バラと
肩ロースの煮豚と思われるが、見た目は煮豚とい
うよりボイルしただけのゆで豚のように感じる。

頂いてみると、臭みは全く無く歯応えは柔らかく
も豚の旨味を十二分に堪能できると言っていい程
実に旨い。塩漬けされているからか余分な脂は抜
けきって上質な脂だけが残り、余分な出汁や醤油
で損なうことの無いこの豚肉本来の旨味が味わえ
るのは何とも嬉しい。これは鮮度のいい国産豚だ
からこそできるとも言えるけど、ここまでに仕上
げられる多賀野はさすがだ❗としか言いようがな
い。別皿にするだけあって、単品としても存在感
が十二分に出ている。

そしてメンマも歯応えはコリッとして筍本来の食
感も残しつつ味付けがこれまた絶妙である。甘味
が少し強く感じるのはオイスターソースなのか、
嫌味は無く、これも単品としての存在感があって
何故かビールが欲しくなってきたけど、昼の時間
帯に来てしまったのが惜しまれる。残ったナルト
も安物の味じゃないですよ、美味しい。海苔は途
中で麺を巻くようにしてアクセントとして頂き、
鷹の爪はメンマやチャーシューにピリッと利かせ
て頂くも良しで、自分にあった食べ方で堪能でき
るから別皿で提供される必然性も感じられる。

いや～、二年前に食べた時は感じとれなかったも
のがラーメンを食べ歩いてきたことで今日は十分
感じることができ、改めて多賀野の凄みを知った
ような気もする。これは、是非全メニューを制覇
したいですね～(笑)

《味の評価》
・つけ汁◎
・麺◎
・チャーシュー◎
・他の具◎

《全体の評価》
・外観◎
・ボリューム◎

以上

今日は念願の多賀野さんに来ることが
できました。言わずと知れた東京でも
屈指の名店です。

金曜日の夜の部 開店25分前、並ぶのは
覚悟してましたが意外にも先客一名!?

さて、券売機で何を購入しようか？

本当は中華そば＋トッピングを注文し
たかったのですが、券売機の下の方に
限定メニューがあり、限定好きの私に
は気になって仕方ありません。
名店の限定メニューには何かある！
そう直感した私は迷うことなく限定
メニュー（￥８００）を購入し、店内
に用意された席に座り待つことに…

待つ間、周囲を見渡すと夏の限定メニ
ューの貼り紙があります。
そこには、″冷しとろ玉中華そば…
とろろと温鮮玉子入り和風つけ麺…
自家製麺です、〆ごはん付″と書かれ
ています。

つけ麺にとろろ？ 自家製麺？（つけ
麺の麺ではなく、なぜ自家製麺に
こだわるのか？）

今日はなぜか食べる前から、このなぞ
解きから始まることに…

開店間際には外にかなりの待ち行列、
さすが名店です。店員さんが券を集め
だして、集めた券を厨房内で並べなが
ら、「限定メニュー入りました!!」と
大声で告げると、厨房の奥から大将が
「あいよ（わかった）!!」と威勢のい
い声が聞こえます。どうも限定は私
だけのようですが、限定なだけに少し
準備に時間が掛かるのかな…

開店５分前ですが、大将の粋な計らい
で時間前の開店、早々店内カウンター
席に座ることができました。
立ち待ちのお客さんにはありがたいで
すね。案内されたのは奥から二番目の
席で大将が目の前でラーメンを作って
いるところを見れるベストポジション
です。

私ごときが言うのも憚れますが、とに
かく手際よく動かれていて一つ一つの
所作に無駄が感じられません。
何と言っても女将とのあうんの呼吸で
の連係は見事ですね、多分ご本人たち
は意識していないと思いますが傍目か
ら見ていると、ラーメンを待っている
お客さんに早くお出ししたい、外で
並んでいるお客さんには早く順番がま
わるようにしてあげたいという気持ち
がヒシヒシと伝わってくるので気持ち
よく待つことができます。

すると、思いの外限定メニューが先に
出来上がったようで女将が、「ハイ、
限定のつけダレですね」と手渡され、
次に冷しの中華麺が、少し間をおいて
〆のごはんが揃いました。

一瞬周囲の目がこちらに向いたことを
感じとりましたが、気にすることなく、
まず外観すると、一見、麺は細麺、
つけダレには…ネギ、細切れのチャー
シ ュー、夏らしげな大きめのオクラ、
温玉、天かす、そして、謎のとろろ？
どう考えても中華麺にとろろは合わな
いだろう、大将は何を考えてんだ？
と心の中で呟きながら何気なくつけダ
レの具を混ぜ合わせようとすると、
すかさず大将が、「混ぜないで、まず
はそのままいっちゃってください」、
とご指南がありました。

まずはつけダレで麺を食べてくれと
いうことか、… 忠実に麺をタレに付け
てすすると、！？ これは本当に中華麺
か？二口、三口と麺を食べるにつれ、
間違いない、蕎麦だ！ …
まず、麺を箸で持ち上げた時の麺の見
た目、麺を醤油ベースのつけダレに付
けてすすった時の音、麺の食感と喉ご
しの良さ、五感に訴えかけてくるもの
は、蕎麦そのものです。
さすがに麺を噛んだ時の弾力は蕎麦と
は別物なのではっきりわかりますが、
それ以外は蕎麦そのものです。

麺の色は中華麺の色合いですが、麺を
よく見るとうっすら練り込んだものが
まだらに見えるので蕎麦粉が入ってい
るものと勝手に思い込んで食べ進めま
す。蕎麦だ、と思い込むと不思議なも
ので、とろろを付けて頂くと、正しく
とろろ蕎麦そのもの、オクラも合いま
す、蕎麦ですから… ネギは少し厚め
に切っているのは蕎麦に合わせるため
？、そして目立たないですが、天かす
、これが和風の蕎麦仕立ての隠し味の
ようなものですね～

しかし、麺も蕎麦か中華麺かはさてお
きいずれにしても、とにかく今まで味
わったことのない実に美味しい麺、
製麺工場の麺とは比較にならないです
ね～ 蕎麦として出されたとしても
まず気づかないでしょうし、美味しい
蕎麦だね～と舌鼓みを打つことでしょ
う。これが￥８００、限定で自家製麺、
大将が納得するまで試作を重ねてきた
であろうコストを考えたら元は全然と
れていないでしょう。

麺を食べ終えて、〆のごはんとなった
時に、思い切って大将に蕎麦粉が入っ
いるのか、聞いたところ、笑みを浮か
べながら、「入れてません！」の一言

ヤラレた～ この後、大将と言葉を交
わした中で、蕎麦を食べられない人に
も食べて欲しいと思って考案した大将
渾身の麺とのこと… つけダレの具や
とろろは〆のごはんに合うよう大将
の好みで決めたようですが、分かる気
がします。

麺の量はたっぷりなので〆のごはんは
なくても十分ですが、大将もそこはわ
かっていて、〆のごはんは一握り分で
さーと口の中に掻きこめる量ですが、
最後に残ったつけ汁、温玉、とろろ、
具をごはんに混ぜて、これを口の中に
掻き込んで終わらせる、これが本当の
〆… 粋じゃないですか、さすが、
多賀野の大将は違うな～

〆のとろ玉ごはんも食べ終わって余韻
に浸っていたいところですが、外には
順番を待っているお客さんが大勢います。
大将と女将に、ご馳走さま、と挨拶し
てお店を後にしましたが、やはり、
一流のラーメン店、特に多賀野さんは
スゴイ!! 大将の直向きな美味しいラー
メンづくりへのこだわりと挑戦に感服
してしまったと同時にまた食べに来よ
うと心に決めて、家路に向かいました。
（今日は外食OKな日なのでお腹も満足
させて気持ちよく帰ることができます）

(*^^*ゞ