武蔵小山のキラリッと光る名店！！ : 蕎麦割烹 倉田

見つけてしまいましたー。
武蔵小山の隠れた名店。

武蔵小山はパルムの商店街ばかり取りざたされるが
意外にもパルムから外れた路地裏に
いい店が点在するのが武蔵小山の面白いところ。

くらたさんはその中でもセンスの良い洗練された素晴らしい「懐石くずし」の和食を出す。

〆に蕎麦を出す和食の中では蕎麦に力点を置いていて、
実に手がかかる料理を涼しい顔をして出す店。

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昼の訪問】2016.4

土日にだけやっているというランチに訪問。

メニューは蕎麦に限定だけど素晴らしいランチでした。

挽きぐるみ、外八厘でうたれた絶品の蕎麦。
十割の蕎麦に0.8だけつなぎを打つ。
ニ八蕎麦より香りがよく
十割よりのど越しが良い。

外一（といち）蕎麦は十割の蕎麦粉に対して一割のつなぎを加える10：1の蕎麦。

外八厘（そとはちりん）はくらたさんだけでしか味わえない。
10蕎麦粉：0.8つなぎの蕎麦粉割合。これは旨い。

蕎麦は実に絶品。
同席したメンバーに「ここの蕎麦は旨いねー。」と大絶賛されたほど。
僕の中でも最上位にランキングする蕎麦。
香り、のど越し文句ない。
ビシッと冷やした素晴らしい蕎麦はくらたの必殺技。

アスパラとホタテ、舞茸を揚げた天ぷらも
素材の力量を最大限に引き出す素晴らしい揚げ方。
驚くほどの素材の甘みが引き出されています。

桜エビと春菊のかき揚げは定番メニューですが
カリッと揚がった上質なかき揚げは
食感のみならず、桜エビと春菊の香りが口中に広がり、
得も言われぬ素晴らしさ。

出していただいた水茄子の浅漬けも
口の中で溢れだす水分の旨さ。

そして、「自家製なので食べてみてください。」
と言われて出していただいた水ようかんの旨さ。
倉田さん、味覚優れているのでしょう。味の仕上がり、センス抜群です。

味だけでなく、スタッフの皆さんが心遣いしてくださり
武蔵小山では抜きんでた存在。
本当に素晴らしい店です。

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夜の訪問】2016.4

〆の蕎麦は実に素晴らしかった。
この高みに向けて全ての料理で詰将棋をして行くような
ピークの作り方だった。

「蕎麦は自分で打って、自分で茹でないとダメなんです。」
倉田さんは、30代半ばと思えぬ、細面の若者。
20代かと思い、「倉田さんおいくつんですか？」と
お聞きしたほど。失礼と思いつつ「若いですねー。」と声に出してしまった。

店をこの地にオープンするまでは
銀座の同じ流儀の「懐石くずし」の名店神谷で修行されていたという。

少し時間がない中で、予約してお伺いしたのだが
先付けから引き付ける魅力的な内容で唸らせてくれた。

葛で胡麻を練ったものを固めて、ごま豆腐のようには固まらない状態で
出してくれた先付けで、ウニと混然一体とした口当たりを餡がまとめてくれてセンスある逸品。

それから八寸のように箸休めを出してくださったが
この一品一品も素晴らしい仕上がり。
蓮根もちの表面の揚げ方の香ばしいふわりと揚がった食感。
それから、春の香りをさせて、蕗の苦味と蓬生麩の香りが素晴らしい調和だった。

揚げごま豆腐も揚げだしのようにごま豆腐を仕上げた
物だったが、なんとも上手に作っているなと言う感想。

それから特筆すべきは焼き物で出してくれた　のどぐろ。

のどぐろの旨さが存分に口の中で発揮された後、儚く掻き消える。
「旨いものは儚い夢のようだ…（笑）」

しかし、そのサッパリとした脂の旨味が余韻のように舌と脳裏に残り
しばし、儚い夢の余韻に浸る。
「のどぐろ、うまいなーぁ…。」

僕ら3名は倉田さんの仕事を見ながら、目の前のカウンターに座り
「旨ぁーい！うまーい。」とあほのようにつぶやいたり（笑）。

「倉田さん、いい仕事してますね。」とか
さまざまな会話で倉田さんの仕事を邪魔しているのか？と思える3人組だった。

それにもいやな顔一つせずに「いや、いや大丈夫ですよ。」と答えてくれる倉田さん。

「お若いのに良くこれだけの店を回しているますね。」とお聞きすると
「それが、回ってないんですよ。」と（笑）
「武蔵小山で料理が出ない店で有名」と謙遜してくれた。
「だから、満席にはしないんです。」
こういうところも謙虚で好感が持てる。

…そしてそして、最後のピークは蕎麦である。
倉田さんの手打ち、茹で監修という
こだわりの逸品は、冷たく凛と冷やされ出された。

見た目にもすぐ旨い蕎麦だということが分かるハンサムな蕎麦。

「こ、これはっ！！旨い！」くらたの〆の蕎麦は物理的には興奮した熱をスーッと冷やす役割。
仕上がり的には「これはっ！！」と更に興奮させ料理の最終地点。

いわゆるゴールを形作ってくれた。
まさに「〆蕎麦」

冷たい蕎麦にのどは冷やされ、感動に心が熱くなった。

僕の感想だけど、全体の構成からみると
途中で出てくる寿司をもう少し大事にしたら良いような気がする。

炙りで出してくれる寿司はどれも旨いのだが、
寿司が少し大振りだったのと、驚きを感じるところはなかった。

他の料理の出来に比すると少し特徴がなく感じた。

ただ、それは他の料理が素晴らしいものだけに
全体感の中での弱さなので、
一般的には旨い炙り寿司である。

素晴らしい料理を旨い蕎麦で〆る武蔵小山の名店である。
ごちそうさまでした。
土日はランチで蕎麦を出されているそうなので
パルムから足を延ばして、こちらでゆるりと蕎麦を頂こう。