四川料理と日本酒の組み合わせ : コクエレ

東京の西小山にある四川料理と日本酒のお店。
実は以前から注目してはいたんですが、場所や、知人の都合など、どうも行く機会に恵まれていなかったんです。

外観、内観共に、中華のような派手派手しさなく、バーのような落着き感ある洒落た雰囲気。
カウンター数席に、テーブル席が数卓と、基本それ程広い造りではありません。

種類はそれ程多くなく、オーソドックスな四川料理が多めではあるものの、中にはオリジナリティな変わった料理もいくつか見受けられます。

とりあえず、ホームページや、皆さんの口コミを参考に、定番の麻婆（激辛麻辣豆腐）、茄子のカリカリ揚げ焙煎山椒風味、あさりの極上スープ煮生山椒風味、蒸し鶏の冷製マーラーソース、やみつき極太メンマ、エビみそチャーハンを頂かせてもらっちゃいました。

・激辛麻辣豆腐
事前に店員さんから「本当に辛いですけど大丈夫ですか？」と忠告されただけあり、これは本当にマジものでした。
ただオーソドックスに辛いというわけではなく、このお店の味とも言える、山椒による痺れです。
基本的な味わいは凄くしっかりとしていて美味しいんですが、この強烈な痺れ、これは過去最高と言っても過言じゃなかったかと思います。
山椒の種類や、調理法なども考慮されているのか、苦すぎて全く食べられないといった程ではないんですが、後を引く独特な痺れ、これはマジ半端なかったです。
ちなみに飯と一緒に頂くと、湯気でより風味が増すような形になってしまうので、おそらく日本酒と一緒に味わった方が、食べやすく、そしてそのギャップにより、よりお酒の味も堪能できて良いんじゃないかな？なんて風にも思えました。

・茄子のカリカリ揚げ焙煎山椒風味
お店お勧めと一品というだけあり、この日頂いた中では知人共に最高の一品でした。
茄子は正直何なのか判らないぐらいふんわりとした仕上がりと、特別感動する程ではないものの、今までにない面白い感覚です。
それに山椒風味の刻み葱がたっぷりと乗っけられているんですが、これがマジ最高だったんですよ。
葱から香る爽やかな山椒の風味、「もうこれさえあれば、ご飯何杯でもいけちゃうね」と、知人と笑い話しになってしまうぐらい、もうとにかく美味しくて、メイン？の茄子そっちのけで、完全に首ったけ状態でしたね（ぇ

・あさりの極上スープ煮生山椒風味
こちらは割とシンプルなあさりスープではあるんですが、たっぷりと入ったホールの山椒、こいつを絡めると、一気に世界観が変わってきます。
このお店は料理によって山椒の種類を使い分けているようで、この山椒は痺れなんかはないものの、噛みしめた時に広がる爽やかな風味、これがほんと堪らないんです。
普段であれば、ホールを見かけたらある程度避けようともするんですが、これはもうむしろ逆で、絡めなきゃ意味がないと思えてしまうぐらい、その存在感の大きさを感じさせられちゃいました。

・蒸し鶏の冷製マーラーソース
よだれ鶏みたいなものでしょうか。
蒸し鶏に、ネギやナッツ、そして下にはキュウリなども潜んでいたり。
食欲をそそる濃厚な麻辣ソースに、ネギやナッツの香ばしさ、シンプルなように見えて、細かい拘りを感じさせられます。
前菜としては勿論ですが、このインパクト、正直メインとして出されても全く違和感なかったかと思います。

・やみつき極太メンマ
ほんとそのまんまです（ぇ
薬味である程度味付けはされていますが、これと言って特別なインパクトはなく、ただただ分厚いメンマといったような印象でした。

・エビみそチャーハン
おそらく海老入りの味噌味チャーハンではなく、香りからして、海老のみそを使用したものかと思われます。
割とオーソドックスな仕上がりではあるですが、この前に激辛麻婆との格闘があった為、この優しい味わいにはほんと癒されましたね。


四川料理をメインに、日本酒を嗜む、正直この組み合わせはどうなのかと疑っていたんですが、うん、普通に良いじゃないですか。
まぁ何も考えずに飲んで食ってをしていたら、おそらく印象は変わっていたのかもしれませんが、料理一つ一つに対して、店員さんがお勧めのお酒をいくつかチョイスしてくれたんです。
自分は好んで日本酒を飲む事は殆どないんですが、こうやってしっかりと合わせて頂けば、お酒だけではなく、料理の良さもより一層美味しくて感じられるものなんですね。
料理にしか興味がない中華狂ではありますが、今回はばかりはさすがに学ぶことが多かったです。

ただそれでもお酒以上に料理の印象の方が強く、特に山椒への拘りの高さは、板橋の蜃気楼さんに匹敵する程のようにも思えました。