なんだ、違うじゃん！ : かしわ 二子玉川ライズ店

　この日は夕方に愚妻から二子玉で買い物しているとのメールがあり、愚娘もハロウィンの乱痴気騒ぎに行ったきり帰ってこないし、外で飯食いたい（作りたくない）とのことで二子玉の改札で待ち合わせです。
何食うか決めるのに改札出た突き当たりのライズの入り口辺りにライズに入っているレストランの写真看板が合ったので、何か美味そうな物は無いかと眺めていると、愚妻が『鉄板焼き・お好み焼き』の店を発見しここが良いとゆうので行ってみることにしました。
駅の南側のタワーの1階のインフォメーションで場所を聞くと、このビルでは無く一番奥の大きな階段の脇にそのまま真っ直ぐ行ったところとのことで、バスのロータリーを越え結構遠いですね。
駅の近くは凄い人の流れですが、ここまで来ると閑散とした感じで、ここで店をやるには些か場所が悪い感じです。
店内は入るとレジの前に小さな待合室があり、店の真ん中に大きな鉄板を備えた厨房とカウンター席があり、それを囲むように鉄板を備えた6席テーブルが取り囲み、更に奥の方は大きな座敷になっていて、掘り炬燵の卓袱台が沢山あるようで、100人以上入れそうなかなりの大箱です。
18時半くらいでしたがかなり空いていたので、2人でしたが6席テーブルに通されました。

　先ずは、愚妻が熱燗と自分が抹茶ハイを頼みましたが、熱燗は何にしますかとゆうので日本酒のリストを見ましたが、どれも地酒ばかりで冷やで飲むのが前提のような酒ばかりだったので、熱燗に相応しいのをそっちで選んでくれるようお願いしました。
あんまり熱燗を頼むお客さんがいないのですかねぇ。
　飲み物が来るまでメニューを物色しますが、良く見るとどうやら鉄板焼きやお好み焼きやの形態を採ってはいますが、この店は比内地鶏の鶏料理の店ですね。
鉄板焼きと言っても牛肉も魚介も一切無く、要は飽くまでもメインとしては比内地鶏を食べさせることが目的で、その食べ方として鉄板焼きを推奨しているので、普通に鉄板焼きとお好み焼きの店だと思って入ると違和感を感じるかも知れません。
まあ、店の名前である程度 想像は出来たのでしょうが、この鶏肉をかしわと呼ぶ呼び方さえ、知ってはいますが関東人には馴染みが薄いですからねぇ！

　そうと解れば比内地鶏を目の前の鉄板で焼いて食えば良いわけでしょうからモモ肉（980円）、ハツ付きレバーにんにくダレ（900円）を頼み、焼いた肉を包んで食べるための野菜や薬味のセットを薦めているようなので新鮮巻き野菜（1,200円）も注文しましょう。
その他には極厚しいたけポン酢（750円）、トマトチーズ焼き（780円）も頼んでみました。

　飲み物と一緒にお通しの鶏スープが出されたので飲んでみましたが、このスープが濃厚な鶏の出汁が優しい味で胃に染み渡る感じで食前に飲むには良いですねぇ、凄く美味いです。
中には染みた大根と練り物が入っていましたが、上質な鶏出汁のおでんみたいで美味いですねえ、家で鶏出汁のおでんを作ってみたくなります。
　巻き野菜は大きな長方形の木枠に盛大に盛り付けられて来ましたが、サニーレタス、グリーンカール、紫キャベツと後は薬味のカイワレ、三つ葉、ホワイトセロリ、それに初めて見る葉っぱと白菜の塩漬け等でした。
たっぷりの野菜で肉を包んで食べるのは、私のように大きなウサギと言われる野菜好きには良いでしょうね。
　肉や素材はテーブルに備え付けの目の前の鉄板で焼くのかと思っていたら、15ｃｍ四方の底が鉄板になった木枠の器に既に焼かれたとゆうか味付けも含めて調理された状態で出てきて、目の前の鉄板の上に並べられます。
この目の前の鉄板は、ここで焼くのでは無く保温のための物のようです。
私も家で色んな料理をするので、まあ腕に覚えはありますが、正直言って普通のお好み焼き屋のような自分で焼くスタイルは好きじゃありません。
如何したってプロが焼いた方が美味いはずだし、その腕も見込んで態々お店に食べに行くわけですから、私はこの方が良いと思いますが、自分で焼きたい御仁には物足りないかも知れませんね。
　モモ肉は焼き具合も味付けも良く、流石に比内地鶏とゆうだけあって適度な歯応えがあり、噛んでいると濃厚な旨味が広がってこれは美味いですねぇ、今日頼んだ中では一番美味いと思いました。
　レバーはタレの味が些か濃い感じで、野菜に包んで食べるのが前提なんでしょうか、そのままではちょっと塩っぱいですね。
　しいたけも肉厚で旨味が濃く、素材の良さを感じます。
　トマトチーズは、火を通したトマトの濃厚な旨味ととろけたチーズが絡み、それにカリカリに焼かれたベーコンが隠し味のように混ざっていて美味かったです。
　愚妻が熱燗をお替りした後、抹茶ハイを2杯、私は麦焼酎をロックで4杯ほど飲んで、〆に柚子塩昆布焼きそば（1,090円）をお願いしました。
結局、愚妻はお好み焼きを食べたがっていたにもかかわらず、この店の小洒落過ぎた創作系のお好み焼きに食指が伸びなかったとゆうのもあるんでしょうが、この店がお好み焼き屋じゃないとゆうことを野生の本能で感じ取ったんでしょう。
　この焼きそばはソースではなく塩昆布の優しい味で柚子が効いていて良い味付けです。
麺は太めでモチッとした食感も美味いのですが、これを出汁に付けてつけ麺のように食べることも出来るようになっていて、これがまた良い鶏出汁がまとわり美味かったです。

　この店は、鉄板焼きやお好み焼きを食べたくて来た人にはちょっと納得できない感じがしてしまうかも知れませんが、比内地鶏の店だと解ればなかなか面白いし、素材も良くて美味いと思います。
ただ果たして一般受けするかどうかは微妙な感じは否めません。
場所も結して良いとはいえず、この日も空いていたし、何より箱が大きすぎるのも気になります。
永く続いてくれれば良いのですが！