平成の失われた20年 : 代官山ASO チェレステ 二子玉川店

今日は紛失して新調したエンゲージリングを受け取りに二子玉川の百貨店に参りました。本当は結婚記念日とは違うのですが、新調を口実として結婚記念ランチをいただきます。元々１週間前に予約していたのですが、コロナ禍の影響でお店都合でリスケとなった次第。

所は玉川高島屋南館の最上階、たん熊とこちらの２店のみのフロア。ガラス基調のモダンなエントランスから薄暗い廊下を抜けると、天井が高くビル北側に面した一面ガラス張りの明るいダイニングが眼前に拡がります。さらに私達は左に折れて一番奥、北西角の一番眺めの良いテーブルへと、お気遣い感謝します。西側窓からは週末の多摩川河川敷で豆粒のような子供たちがサッカーに熱中し駆け回っているのが良く見えます。家の子たちも「団子になったらダメ！」ってコーチに言われてたっけ…。さらにドリンクをグラスでサービスいただき再度感謝。

フロアスタッフさんはマネージャーと思しき男性、確りと説明いただける女性（以上２名は名札あり）、その他若手男性２名（多分アルバイト）。マネージャー氏からは先述リスケのお詫びや足元店舗運営についてに説明あり。又、女性は各料理について丁寧にご説明いただき、最後に記念写真も撮影いただけました。アルバイト君も意外？と説明できていました。

料理はパスタ、メイン含むＣコース（＠5,500）。内容は写真記載の通りですが、本一は前菜２品で、長なすは出汁？が確り染み込んだプロの仕事、生ハムサラダも温野菜が多種入ってボリューム感が素晴らしい。メインの羊はスライス肉で若干期待と異なり、肉料理を希望であれば追加料金を払って牛ステーキにした方がよかったかも。

前回訪問時に比べ、総合点が3.7⇒4.4と大幅アップの結果となりましたが、「雰囲気」点が晴天下の当店ベスト席によりアップ。そしてそもそもコスパのよいランチの上、ドリンクサービス、加えてダイナースカードにより１割引きと「CP」点が大幅アップしたことに起因。この価格で週末に天空の心地良い空間でまったりと２時間過ごせるとは、デフレが続いた失われた20年を想い起こしてしまいました。

20年ぶりに二つ揃ったエンゲージリングを前に「今更(買う気になったのね)」との妻の一言に「…（失くしたの僕じゃないんですケド）」、こっちの失われた20年にはより深く感じ入ってしまいました。メデタシメデタシ？

映画「グレーテスト・ショーマン」を観に二子玉川へやってきました、何年か振りの訪問です。映画の後は、洋食界のグレーテスト・ショーマンをとネットを叩いても、ここに行きたいという店がないのです。以前口コミでどなたか「田園都市線に旨いもんなし」とのコメントがありましたが、なんとなく分かる気持ちです。結局、前回同様こちらにお世話になることにしました。

お店は玉川高島屋Ｓ・Ｃ南館の最上階にあり、ダイニングルームの天井は高く、北側は一面大きなガラス張りで瀬田の住宅街が一望できます。国分寺崖線（ブラタモで今人気の断層）による高低差、緑地が多いこともよくわかります（草彅風）。窓際席がお薦め（夕日が見える季節は西側コーナーがベストかと）。

サービスは流石はひらまつ系と言いたいところですが、今日は少し様子が違います。新人さんが多いのか接客に余裕がないのです。開店直後にもかかわらずトイレ掃除も途中のままの状態。求人難の影響でしょうか。

料理は＠6,800円プリフィクス（税サ別）をチョイス。前菜は妻が半生鰆、私が生ハムサラダ、パスタはボンゴレロッソ、鹿ラグー、メインはスズキのロースト、豚のロースト、デザートはキャラメルソースバナナ＆プリン、柑橘＆アイス。一番は生ハム、特に牛の生ハムは秀逸、他も美味しいです。2点だけ気になるのが、半生鰆の辛子ソースが薄い（塩欲しい）、魚メインの紫キャベツソースが生ドレッシングのようでローストと合わないところ。ワインはお薦めのポムロールがよかったです。なお、3月途中から値上げの予定。

再開発により大変貌を遂げた二子玉川で思うこと、FCや企業経営の店も多く、味に外れなく、清潔で、洗練され、おしゃれに生まれ変わっています。郊外の大型ショッピングモールとも一線を画しています。でも、冒頭でも述べた「ここに行きたいという店がない」問題、個人経営に比べシェフの個性が出にくい、短期採算判定、常連や地域との繋がり希薄といったことから、街の営みの一端を担うような個性的な店、顔の見える店が育ちにくいのでしょうか。これは田園都市線の新興住宅地に共通していそうです。単なる歴史の長さの問題で杞憂だとよいのですが…

グレート・フード（英国では自慢の料理をこう宣伝します）を頂き満足しつつも、次回、この街に来るときは、浮気したくなるライバルが登場していればよいなと思いながら帰路につきます。