サーヴィス。 : 味倶楽部 くらりす

くらりすコース。

相方との記念日にお邪魔した。
7月の4連休直前の三軒茶屋はどこも混んでおり、予約を取ってなかった我々は目当てのお店を断念して三軒茶屋を彷徨っていた。
こんなご時世だから、人気店も余裕で入れるだろうと髙をくくっていた。
人間の欲のエネルギーたるや恐ろしいものである。

さてさて、我々もそんな欲を満たそうと云う意味では変わらない。
しかし欲深い方向性が違う。静かな店内で美味しいものをゆっくりと食べたいのだ(良識の範囲内の価格で)

そこで思い付いたのが此方のお店だった。
以前伺って、ご夫婦で営まれており、仏のような接客で、庶民が緊張しないフレンチを食べさせてくれるのをとても感動したんである。
早速向かってみると、恐らくスナックの居抜きであろう店内には先客の1組のみ。
案内を待とうとしばらく入り口に佇んでいたら、先客の方が「ママ～！お客さんだよ～！」
と気を遣ってくれた。
「あら、あらあら」と出迎えてくれたママに案内され、テーブルにご案内。
店内は先程までの連休前の三軒茶屋の喧騒が嘘であったかのように落ち着いている。
メニューをざっと眺め、やはり前回戴いた「くらりすコース」をお願いすることにした。
この「くらりすコース」はかなりお得で、特にお酒を飲む方にはかなりおすすめ出来るコースだ。
前菜、サラダ、パスタ、メイン、デザートと食事は進むが、それにドリンクが1人3杯付くんである。
勿論2人なら計6杯で、その中でなら分け合う事が可能なのだ。
相方はお酒をそんなに飲まないので、アルコールを1杯と食後のコーヒーで2杯。その残りの1杯を自分が戴いた。
それに追加でドリンク1杯と、我が儘を聞いてもらって出してくれたブルーチーズと、加えても2人で7,000円そこそこ。1人3,200円のドリンク付きコースなのに。色々とサービスしてくれたのかもしれない。

さて、勿論料理も大切だ。

前菜・・・自家製ソーセージ、赤海老のグリル、平目のカルパッチョ。

平目のカルパッチョはその日のお勧めであり、単品で注文しようとしたら、「もし宜しければ前菜に付けましょうか？」と云うお言葉に甘えてしまった。
どれもシンプルなもので美味しい。シンプルで旨いってのは幸せだねえ。

サラダ・・・これまたシンプルなサラダだけれども、タコが載っていた。タコ好きなんだよなあ。

パスタ・・・魚介のクリームパスタ。これは特に旨かった。
くどくなくて旨味充分な好みのもの。

メイン・・・和牛の煮込み。もも肉かなあ。とろとろに煮込んだお肉。濃い目のソースと合わせているが、これは旨いけどもう一つくらいスパイス要素があっても良かったかも。

デザート・・・カシスのムースとオランジェンショコラ。
カシスは自分が大好きなデザート。酸味と爽やかさが堪らない。
それとこのオランジェンショコラ。美味しい。お酒とも合う。

一応それぞれの料理の評価を僭越ながらさせて貰ったが、そんな事関係ないくらいな良いお店である。
マスターは滅多に出てこないけど、会ったらとても朴訥な方だし、ママはとにかく徳の高い方だ。
そう、極めて「徳」が高い。
自分より年配で、そんなに気を遣って戴いては、とても申し訳ない。とは思うが、その人の良さが、こちらにオススメの料理を「そうなんだ、食べてみたいかも」と思わせるから堪らない。
2時間ちょっとの滞在だったが、あれこれ食べて、いっぱい飲んで、料理の特徴とかについてお話できた。

ああ、良いお店だったなあ。
大切な相方との記念日に、良い時間を過ごさせて貰った。

ご馳走さまでした。

序でに。

このコロナ「禍」と云われている今時分。どうも不平不服が目に付くようになってるようだ。
口汚い発言や、罵りあいが横行していて、一切解決には向かない感情が飛び交っているようにも思う。
先進国と云われる日本の、その住民が述べる言葉とは到底思えない発言が、毎日飛び交っている。
願わくば、人の良心とは信じたいものだ。

そう思って暮らしていれば、此方の店主やママに出会えて救われる事もある。

もう一度、ご馳走さまでした。

くらりすコース。

仕事帰りに、相方のお義母様とそのお友達夫婦を交えて会食することになった。
予約は相方が取ってくれて、フレンチだと聞いて入った店内はスナックの居抜きっぽい仕様。
薄暗いお店の奥に自分以外の全員が揃って座っていた。
挨拶を済ましてビールを注文。
このコースは3,000円でドリンクは3杯まで付いてくるコースらしい。なんだかお得だ。
しかし自分は人見知りではないのだが、人一倍他人と会うのが億劫な人間であるので、こうしてビールを飲んで軽く会話をしていても尻の据わりが悪いことこの上ない。
お友達夫婦の旦那様は自分より一回り以上歳が上だが、とても気さくでユーモアがある方だが、流石に初対面なのでポンポン会話が生まれる訳でもなく、少し場は暗めな雰囲気になりかけた。
そこに、コースの前菜がやってくる。
前菜は赤肉のメロンに生ハム、自家製ソーセージとホンビノス貝の酒蒸しの4点盛り。盛り付けがなんだか変に格好つけてないのが、自分には心地よかった。
この料理を皮切りに、会話は食べ物の話になる。
好き嫌いの話から始まり、それが幼少期の話に飛んで笑い話に転ずる。
その後はずっと笑いが絶えない食事会となった。

そして料理はとても美味しい。派手な味付けのものは無いがちりめんじゃこのサラダ、魚介のパスタ、メインはフィレではなく恐らくランプ辺りだとは思うが、しっとりと美味しいステーキだった。
中でも気に入ったのはデザートのチーズケーキ。
ブルーチーズが薫る濃厚なもので、ソースもブルーベリーと野イチゴに近い酸味のアクセントがとても楽しかった。

楽しい場に美味しい食事。大満足である。
此方のお店の感じもとても良くて、恐らくご夫婦で営業されている様だ。
お店を出るときには、ホール係の奥様とキッチンにいた旦那様と揃ってお見送りしてくれた。
ランチもやってるみたいなので、楽しみがまた増えたなあ。

ご馳走さまでした。