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HHastingsさんの他のお店の口コミ
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店名 |
calme(カルム)
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ジャンル | フレンチ、ビストロ、食堂 |
予約・ お問い合わせ |
03-6455-1932 |
予約可否 |
予約可 ホームページからWEBメッセージ予約もご利用いただけます。 |
住所 | |
交通手段 |
数名でご一緒なさる場合は渋谷駅南口のタクシー乗り場からタクシーをご利用ください 池尻大橋駅から443m |
営業時間 |
|
予算 |
¥8,000~¥9,999 ¥3,000~¥3,999 |
予算(口コミ集計) |
¥20,000~¥29,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー可 (iD、QUICPay) QRコード決済不可 |
サービス料・ チャージ |
アラカルト利用時 テーブルチャージ 600円 |
席数 |
16席 (カウンター8席、テーブル席4人席×3卓、個室4席) |
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個室 |
有 (2人可、4人可) 半個室でソファーシート席をご用意。空間の圧迫感はありません。 会食、お子様連れの家族利用、ゆっくりと喧騒から離れた食事を楽しみたい方などにおすすめです。個室利用料金はかかりません。 |
貸切 |
可 (20人以下可、20人~50人可) |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 店舗下の風抜けのいい場所でお吸いいただけます。 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、席が広い、カウンター席あり、ソファー席あり |
ドリンク | ワインにこだわる |
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料理 | 野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
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ロケーション | 景色がきれい、夜景が見える、隠れ家レストラン |
サービス | お祝い・サプライズ可、ソムリエがいる |
お子様連れ |
子供可 個室があるので乳児から同伴可能 |
ホームページ | |
公式アカウント | |
オープン日 |
2016年6月15日 |
備考 |
金曜日に深夜バー営業を行うことがあります。 |
お店のPR |
大橋の隠れ家ワイン食堂です。頬っぺたが落ちる喜びの時間を!
最上のワインと食事が作る一期一会の空間へようこそ。 |
初投稿者 |
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風の強い晩、246を逸れ、 目黒川に沿って下り、三つ目の橋を渡った道を・・まあ、細かいことは、いい。
食べログで見つけて、どうしてもこの店は行きたい、と思った。それで、風の中、出かけてきた。
開店時間より少し早く着き、ドアを押してみると、開いた。
店内には、ご主人、シェフ、そして、バーでワインボトルを傍らに、吞んでいる男性が一名。
この男性は、あとで分かったことだが、ご主人の古いご友人だという。
食べログによれば、シェフは、華麗な経歴を持つ料理人だそうだが、それにしては、若々しい。
まあ、食えば分かる。吞めば分かる。話せば分かる。人によっては、話してもわからないこともあるが。
この店について気になっていたことを、まず、ご主人に尋ねる。
それは、この店には、クラシック音楽の作曲家についての、妙に偏りのある好みというか、偏愛があるようだが、それはどこから来ているのか。それは、誰の好みなのか。
じつは、その変な好みが、実はわたしの好みにぴったりと合うからで、それは、誂えた皮手袋が自分の手にぴったりと吸いつくような感覚だった。だから、この店に来て、この人に会って、どんな人か確認したくなったわけだ。
御主人が話し始めた。ここから二時間以上の間、ワインと料理を楽しみながら、私たちの会話が続くことになるとは。。まず、かれは、ヨーロッパで勉強した、クラシック音楽の演奏家だったということ。そして、日本に帰り、好きなワインと食事、音楽を楽しめるような場所を求め、これ以上はない、というシェフを得て、ここに店を開いたという。
食べながら、吞みながら、ご主人の物語を聞く。シェフのほうは、無言だ。黙々と、ひたすら料理に集中している。
ワインはまず、シャンパンから。これに、甘くないチーズサブレと、ソーシソン・セック、乾いたサラミ・ソーセージ。豚の脂肪が、たまらない。好きな味だ。御主人はこれを、スペイン式にチョリソ、と呼んでいたが、これは、ぶっきらぼうだがパンチのある、ワインのあてだ。セーヌ河左岸、学生街の安酒場で、すっぱいワインを吞みながら、というような安価なおつまみなのだが、ここでは、シャンパンといっしょに頂く、という、エスプリある、一ひねりだ。
けっして上品ぶらない、高級店ではありません、という、この感覚は、このお店の料理にも、ワインの選択にも表れている。
Louis Nicaise Reserve Brut, Champagne
最初の料理は、のれそれ(生のアナゴの稚魚)にアヴォカド、クレソン、おかひじき、はっさく、それに海水のジュレをかけたサラダという。なんとも新鮮な、そして様々の違った食感。これは、静かな、清らかな室内楽。春の前触れ。
ここから、音楽の話になる。ワインと料理が運ばれて、わき道をしばらく進み、気がつくとまた、音楽の話に戻って、三月からの作曲家は誰を選ぶか、という話から、それなら、どの曲を、そして演奏家は誰がいいか、という具合に、だんだんと、道が狭くなるように話題が狭まって行くに従って、視界が開けてくる。遠くのほうまで、景色が見えてくる、この喜び。
御主人は、しきりにセラーに入ったり、出たりしながら、歩きながらでも、遠くからでも、話す。
彼のワインの知識は、決して本なんかで学んだものではなく、実際に生きたワインと一緒に育ち、触れ合い、嗅ぎ、飲み、味わって来た中で、少しづつ身体で学び、身に着けたものだから、説得力がある。
なぜこの形状のワイングラスでシャンパンを飲むほうがよいと思うか、とか、赤ワインの瓶を開けた始めのほうに使っていたワイングラスを、その後、瓶の中ほどまで飲んだワインを注ぐときには、また違う形状のワイングラスに変えるのは何故か、ああ、それから。高級レストランなどで、赤ワインをデキャンテしてから飲ませるのが、なぜ間違っているのか、などなど、私のような初心者が初めて聞く、目から、鼻から、口からウロコの知恵の数々。。
そして、彼がワインの話をする時、作曲家について話す時、彼の眼は、じつに生き生きと輝いている。
その間も、他のお客さんたちが、次々に入ってくる。
シェフもそうだ。シェフもまた、黙って、忙しく料理をしているのだが、それが実に楽しそうなのだ。
彼のメニューは、その大部分の料理は伝統的なフランスの手法によるようだが、実は、彼の好みが、そこここに突出している。伝統という基礎の上に、自分なりの表現方法で、「自分だけのもの」という建物が建っている、だから、自然と、結果的に、料理は個性的で、魅力あるものになっていく。彼は、流行りものには、頼らない。やれ液体窒素だとか、エスプーマがどうしたとか、そういう「今話題の」方法には、このシェフは見向きもしない。
さっきバーカウンターで飲んでいた男性、ご主人の古い御友人も話に加わって、にぎやかな、楽しい食事になってきた。
ご主人とシェフを見ていると、二人とも、少数派だなあ、と思う。常識では「変な人」かもしれない。自分勝手に「好きなこと」をやって、まわりを見回すことなく、ひたすら、自分らしく、生き生きと、毎日を生きているように見える。
「勉強しなさい!」「練習したの?」などという言葉とは、二人は、無縁の世界で生きているように見える。
ここで、魚は大分のサゴチのポワレ、焦がしバターをかけ、春野菜を添えて。これも伝統的だ、でも斬新。
つぎは、イイダコ、薩摩芋のピューレとトマトのうっすらと甘く、やさしいソースで。
ここから、ギリシャの赤ワインSclavus Alchymiste、けっして、高価なワインではない。
しかし、知らないで、白紙の状態で、この複雑で深みのある赤を飲んだら、「すごい!」と思うようなうワインだ。
次は、ステーキ。それもなんと、千葉ホルスタイン種乳牛の胸肉のステーキと来た。100%赤味肉。これが、うま味の宝庫。中性脂肪の塊ではないステーキ、血中コレステロール濃度も上がらない。肉汁あぶら、はなくてもいい。非常識でもいい。料理が旨ければ、それでいいのだ。
ここでワインは本命、イタリア王道の赤、バルべラ!Barbera della stoppa 2009。力感あふれる赤だ。これは好きだ。
こういう赤には、やっぱりチーズ。そこでBleu d'Auvergne, オーベルニュのブルーチーズ、牛乳で作る青カビだ。
極限まで熟成したブルーは、驚くほどのまろやかな味と豊かな香りで、ワインの力を引き出してくれる。
デザートは、Tarte Citron, レモンのタルト。レモンソルべにレモンクリーム、その下に、しっとりした焼きタルト、脇には、カリカリ焼きメレンゲの歯ごたえと甘さ、生の日向夏蜜柑の酸味、さらに、オーブンでカラメリゼした、レモンの薄切りと、ミントの葉でトッピング。食感、味、香りの変化を楽しむ、一皿の上の、小さな旅。
デザートワインは、2011年のミュスカデ、うっすらと甘くて軽いベルジュラックのワインだった。
Château Richard, Côtes de Bergerac, Muscadet 2011
ずいぶんと長居してしまった。まだ帰りたくはないし、もっと音楽話もしたいけれど、それは次回、ということで。
ご主人とシェフ、お二人揃って、風の中、ドアの外までお見送り頂いた。感謝。
ここで初めて、アピシウスご出身のシェフの声を聞くことができた。やさしい声だった。
ではまた。À une autre nuit.