主観ですが、今のままだとこの先は戦略的になかなか難しいものがあると思われます。 : やきそば専門店 ぼんの

ＧＷ真っ盛りのこの日は、当店を狙い撃ちする形で学芸大学駅周辺の未攻略店をいくつか攻めてみることにしました。

当店のことは、フォローしているレビュアーさんのレビューを読んでＢＭしていたのですが、やはり焼きそば専門店というジャンルには惹かれるものがありますね。

実は、焼きそば専門店ジャンルの件については、私にとってちょっとばかり自慢したい話があります。
と言うのは、今は超有名店になっている神保町の焼きそば専門店「みかさ」を、同店がまだ世間にそれほど認知されていない時に利用、レビューして超高評価をしたわけですが、それから暫くして同店が大ブレークして焼きそば専門店の元祖的な存在として語られるようになったんですね。
もちろん、他の有名レビュアーさん等のレビューが相乗効果になったということだろうとは思いますが、自分自身では一定のフロンティアの役割を果たせたものと自負しています。

学芸大学の東急東横線高架下にあるこちらのお店の原点となっているのが、横浜・桜木町（花咲町）にある「鉄板焼き ぼんの」で、そちらを運営しているのは、株式会社M&M DEPARTMENT.inc。
平成19年6月に設立された会社で、創業10年を超えたところです。

一号店は上記鉄板焼き ぼんので、開業してから16年を経過しているそうです。
当時は個人経営だったんですね。
その後店舗を拡大し、株式会社M&M DEPARTMENT.incとしては、横浜駅・金港町の「ビストロボンノ 横浜店」、鉄板焼きぼんのと同じ場所にある「キッチンボンノ 桜木町」を加えた計3店舗を展開しています。　　

当店は、株式会社M&M DEPARTMENT.incの直営ではありませんが、「ぼんの」の同名店になっています。
この他、当店のＨＰを見てみると、最下段に以下店舗のバナーが貼られています。

この２店とも、株式会社M&M DEPARTMENT.incの代表の森計介氏の出身地である徳島県にあるところが面白いですね。
・「ステーキ＆ハンバーグ HAWAII」（徳島市北田宮）
・「木村スパゲティ」（徳島市寺島本町東）

さて、当店の営業は11:45から。
一般的なランチの営業時間は11:30～というのが圧倒的な多数派で次いで11:00～。
12:00～や11:45～というのは少数派だと思います。
今は企業や官公庁のお昼休みも混雑緩和の狙いもあってか11:30～13:30くらいに拡張設定しているところが多いですし、個人別にも早めのお昼や遅めのお昼といった嗜好が多様化していますので、お店の方もそれに合わせているのだと思われます。
当店のような11:45～という営業だと早めのお昼組のニーズを一部取り逃がすことになるので、少々リスキーなところがあると思います。

この日は開店時刻を目指して伺いましたが、お店の回りには誰もいません。
お店の場所が学芸大学駅周辺としてはやや裏寂れた高架下というハンディはあるにしても、11:45で誰もいないというのではお世辞にも流行っているとは言えません。
ついでに申し上げると退店した12時過ぎで客は私の他に一人だけでした・・・

メニューは店頭に掲示されていますが、店内には券売機があります。
先行レビューやＨＰの情報と違っていたのは100円増しの大盛りメニューが無くなっている代わりに全メニューについて、①麺の大盛り、②野菜の大盛りが無料で選べること。
試行錯誤する中での変更かと思いますが、これは嬉しい見直しだと思いました。

「オススメ」表示が出ていた塩ホルモン焼きそば＠1,000円の食券を購入。
せっかくなので、麺、野菜とも大盛りでお願いしました。

店内はカウンター席８席とテーブル席２卓４席で、私はカウンター席の方に座りましたが、その目の前の厨房で調理が始まります。
鉄板の上にそば、ホルモン、野菜の山を築いてそれぞれごとに調理をしていきます。
そばの山には天かすや紅ショウガ、その他の具材を投入して味を付け、野菜の山と軽く混ぜて鉄板皿の上に乗せ、最後にホルモンを乗せて出来上がりです。

ボリュームはたっぷりです。
大盛り過ぎてそろりそろりと食べないと皿の回りに具が飛び散ってしまいます。
麺はごく普通の蒸し麺に感じました。
関西から特注で取り寄せているとも聞いていましたが、こだわりは全く感じない平凡な麺です。
味付けもどうかな？？という感じ。個人的には紅ショウガがデフォで入っているのはどうかと思いました。
最低限、調理前に確認してもらいたかったですね。
卓上にあるので好みで投入すればいいのではと。

ホルモンは、国産黒毛和牛、阿波牛のホソ(小腸)とのことですが、これもそれほどのインパクト無し。
岡山在住時代にご当地グルメの津山ホルモンうどんや鳥取ホルモン焼きそばを何度か食べ、とても美味しいと思ったのですが、当店の焼きそばにはその時のような感動を受けません。
やはり麺の特徴が乏しいのと、具もダイナミックさに欠けるのが大きいと思います。

みかさの焼きそばは、北海道産強力小麦を使用した生麺できちんと差別化が出来ており、食べた瞬間からまた食べたい！と思わせるのですが、当店にも客にそう思わせるような工夫が必要でしょう。
決して生麺でなければ駄目だと言っているわけではなく、蒸し麺でも例えば、ぼてじゅうの焼きそばはありきたりでもまた食べたいと思わせます。
要は個性の問題で、どこに特徴を置くのかは個々のお店のセンスなので、これ以上申し上げませんが、その工夫の結果については、たとえ理不尽なものであったとしても客からの評価が全てだと思います。

そういう意味で当店にはまだまだ一工夫、二工夫必要だと思いますし、今のままだと戦略的には、この先なかなか難しいものがあると思います。あくまで主観ではありますけどね。

身近にある貴重な焼きそば専門店ですので、頑張ってもらいたいです。