ミシュラン掲載の名店出身のシェフとアパレル出身のオーナーが表現する四季折々のクリエイティブな創作料理！(東京都目黒区東山) : nou

nou(ノウ)
(東京都目黒区東山1-9-11 2F)

東急東横線の中目黒駅から山手通りを池尻大橋方面に進み 野沢通りの一本手前の天竺屋台のある信号を左折

東京ラブストーリーのリカとカンチが勤務していた会社のロケ地・TSP太陽のある2本目四つ角を右折して 少し進んだ右手の建物の2階に 2020年(令和2年)にオープンした「nou(ノウ)」

こちらはお店は アパレル出身のオーナーと その出身地である千葉県の地元の後輩シェフによりオープン

シェフはミシュランのビググルマンを獲得した名店での修行経験があり その噂を聞き予約しての訪問となった

グレーの階段を上がりお店に入ると 立派な木製のカウンター席があり 右手奥にはテーブル席もある

最初なので お店のコンセプト・スタンスが分かりやすいコース料理を予約していたので ドリンクを選ぶのみ…


7月の旬6500円コース

サッポロ黒ラベル 750円
発酵レモンソーダ 600円

とうもろこし
自家製ベーコンと季節のハーブ
乳酸発酵プラムと蓴菜(じゅんさい)
鱧
ホロホロ鶏と発酵野菜
シマアジ
穴子
牛と有機野菜
西瓜

nouの独創的なメニューには 食材のみ表記されているが調理法は記入されていないので どのような表現をしてくるか楽しみだ

各席には お水代わりに自家製ハーブティーが用意されていて 千葉のハーブ園と神奈川のサニーハーブから取り寄せた 有機栽培のハーブをオリジナルブレンドしている

このハーブティーが随所で活躍することになる


・千葉県産とうもろこしの冷菜スープ

フラスコのような透明な入れ物で提供される「とうもろこしの冷菜スープ」は 千葉県産の新鮮なとうもろこしを 水と塩のみで丁寧に濾したスープ

塩によりとうもろこしの甘みを引き出していて 食材そのものを味わうことができる


・自家製ベーコンとハーブのサラダ

国産豚肉をリンゴチップで薫製にしたベーコンは とても柔らかくて香り高い

ベーコンの横には 千葉県の農園から直送した新ジャガを ココナッツミルクで仕上げたマッシュポテトが添えられている

ニンジンの葉・ビーツの葉やマリーゴールドの花びらも飾られていて もはやアート作品のようだ

優しいカレー風味のフレンチドレッシングは スパイスも効いているので 夏らしいサラダに仕上がっている


・乳酸発酵プラムと蓴菜(じゅんさい)のお椀

プラムを1週間発酵させ 実の部分を丁寧に濾し 出汁を加えたソースに 秋田県産の旬の蓴菜を添えて サッパリとしたお椀に仕立てた逸品

乳酸発酵による繊細な酸味と蓴菜の食感は未体験の味わい


・鱧の棒寿司

思わず旨いと唸った一品

丁寧に骨切りした鱧(はも)を 鱧の骨などから取った自家製蒲焼きタレで炭火焼きにして 赤酢のシャリと合わせ 鱧の卵を炒ってパウダーにしたものを振り掛けている

シャリは千葉県産のお米を毎日使用する分だけ精米する手間の入れよう

梅肉ではなく 香ばしいタレと鱧と赤酢のシャリが三位一体となった新感覚の棒寿司は 感動の美味しさだった


・nou水餃子

料理を食べ終わり 次の料理のインターバルにハーブティーが活躍する

口の中をスッキリとリセットしてくれる

店名の入った水餃子は 岩手県産のホロホロ鶏をミンチにして 発酵タマネギ・キクラゲ・もち米と合わせて作った餡を しっとりとした皮で包み込んでいる

スープは同じくホロホロ鶏を2日間煮込んだ白湯スープで 自家製黒マー油がアクセントになっている

スープには深いコクを感じ 麺と合わせ ホロホロ鶏のラーメンとしても食べてみたいと思った


・縞鯵のヴィネグレット

鹿児島産の天然シマアジを レモンの皮を天日干しにして作った自家製レモンオイルでマリネしたもの

オキザリス・ハコベ・オクラの花・ひまわり・マリーゴールドが添えられていて 夏を演出した一皿はとても美しい


・自家製パン

nouの自家製パンの完成度の高さに驚かさせる

日替わりで焼いている天然酵母のパンは この日は白ワイン漬けしたイチジクとクルミのライ麦パンだった

小麦は北海道産の「キタノカオリ」を使用していて 自家製リンゴ酵母で発酵させているので とてもフルーティーな味わいで とてもしっとりと焼き上がっているではありませんか

このレベルの自家製パンは フレンチでもなかなか出会えない まさに珠玉の逸品だった

テイクアウトで購入していく人が多いのも納得！


・穴子のフリット
・ラビアンカーラ サッサイヤ2017 グラス 950円

神奈川県の横須賀で獲れた穴子を白ワインで炊き ビールを加えた衣を纏い ひまわり油で揚げていて フェンネルの花も一緒にフリットしている

外はカリっと 中はフワっと理想的なフリットで ディルの花を添えた自家製タルタルソースとの相性も抜群

これに合わせたのが イタリアの白ワインで 温度管理も行わず野生酵母のみで発酵させたノンフィルターワイン

トロピカルでバニラの香りも漂い フリットにも良く合う

nouのワインは全て自然派ワインで 100種類程用意されているらしいので 次回は料理とペアリングで楽しみたいと思った


・群馬県産ミスジのロースト

本日のメインは群馬県の和牛を使用した ミスジのローストで 絶妙の火入れでローストされている

添えられているのは 千葉県東金市の「みろく農場」直送のフルーツニンジンと花ニラをシンプルにソテーしたもの

ソースは トリュフ香る生クリームにマッシュルームを乾燥させたパウダーが散りばめられている

お肉そのものが美味しいのは言うまでもないが ソースを付けるとトリュフの香りが鼻から抜け 極上の旨味を演出していた


・西瓜のソルベ
・葡萄ジュース 800円

本日のデザートは スイカの種を1つ1つ取り除き ジュースにした後にメレンゲを加え フワっと仕上げた甘さ控えめのソルベ

きゅうりを擦り下ろしたものを混ぜて 瓜科のコラボを実現することにより スイカを丸ごと食べている感覚にさせてくれる

最初から気になっていた ドリンクメニューの最後にあった葡萄ジュースも只者ではなかった

熊本から仕入れた葡萄ジュースはとても濃厚で 葡萄の風味が際立ち 天然の甘みと ワインのようなコクが口の中で広がり続ける

スイカのソルベと葡萄ジュースで仕上げたら 今宵の宴も終わりを告げる頃…


あとがき…

お店のデザインや 全て作家が手作りの器の数々など アパレル出身のオーナーのセンスが際立った店内は 中目黒の路地裏の隠れ家的な空間で 都会の喧騒を暫し忘れさせてくれる

若きシェフは気負うことなく 自然体で自分の感性を生かした料理を作り出していたが 火入れや調理する温度を強く意識しているように感じた

厳選した自然派食材を 生かすも殺すも調理次第という想いが背中から伝わってきた

店名の「nou (ノウ)」についてお聞きすると オーナーが「農業」関係の学校に通っていたこと

地元千葉県の「農家」が精魂込めて作り出す野菜を使用していること

そして四季折々の旬を「nou＝脳」で感じてもらいたい

とのことだった

なるほど！

ミシュラン掲載の名店出身のシェフと アパレル出身のオーナーが表現する 四季折々のクリエイティブな創作料理との結論に至り お店を後にした

ご馳走さまでした！


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