六厘舎を懐かしむ : 六厘舎 大崎店

　平日のランチに電車を大崎駅で降りて『六厘舎』に行ってみた。3年ぶりだ。まだ正午前だったが店前には4人ほどが待っている。サスガに人気店だ。5分ほど待って入店。券売機で購入したのは得製つけめん。

【得製つけめん…1,060円】
・麺は褐色太麺で六厘舎らしい。
・つけ汁の粘度が高く濃厚さを感じるが魚介風味は少し弱いだろうか。
・だから麺と汁はよく絡まるのだけど、そのコラボ感はまぁ普通なものだった。
・ここに特筆するような一体感と旨味が感じられると良いのだが。

　そう思うと、昔、聖地大崎で『六厘舎 本店』であった頃に味わった感動を思い出してしまう。もう5年以上も前の事なので当時の味を大崎店がそのまま引き継いでいたとしても今続々と美味しいつけ麺を供する店が増えている以上色褪せてくるのかもしれない。とはいえランチにこのレベルのつけ麺が気軽に食べられるなら、この周辺に勤務していれば自分だったらしょっちゅう来店するに違いない。

　六厘舎の大崎本店が一時閉店となり、聖地と言われる大崎の地に新しい店舗が4月にオープンしたようだが、自分がそれを知ったのはつい最近のことだ。JR大崎駅近くの新しいビルに入ったようなので、ならば聖地巡礼をしてみようと行ってみることにしたのだった。　東急池上線に乗りもうすぐ五反田駅というところで山手線が人身事故で運転見合わせだと…なので仕方なく大崎広小路駅からの約1kmを灼熱の炎天下の中を歩く…でも歩いてみると大崎駅は意外と近かった。大崎駅からはSONYの巨大なビルが見えてくる。そうか此処にもオフィスビルがあるんだよね。大崎駅からデッキで直結しているからイイよね〜。目的のビルは少し離れた隣にあるが、デッキの途中にはTSUYAYAとスタバの大きな店もある…これもイイなぁ。

　お店に到着したのは11:15分頃。よかった並んでいない。券売機で食券を購入することになる。シュリンプつけ麺なる自分にはお初のメニューがあったのでそれを購入。
　店内はカウンターとゆったりしたテーブル席も4卓ほどあり、さすがに新しいお店だから以前の本店とは大違いの綺麗さだ。そしてホールは若い女の子が担当している。本店はラーメン修行中と思われるような男性が交代で担当していたからむさ苦しさも感じられたからね。
　店内には三味線のBGMが鳴り響いていたが、赤ん坊の泣き声や常連さんと店員のフレンドリーな会話によって、これまでのような凛とした雰囲気が消え失せて聖地六厘舎にやってきたという雰囲気は微塵も感じられない。
　店員さんがカウンターに水を置きその場所に座る。水を一口…うーん…ぬるい。

【つけめんシュリンプ…950円】♫
・つけ麺だけを味わってみる…ん〜？こんなんだっけ？若干クオリティが落ちているか？気のせいか？暑い中を歩いてきてまだ汗が引かない自分のせいか？
・つけ汁は以前は濃厚さの中にとろみ＆クリーミィさがあって癖になりそうな味わいだったか…ごれもどこかに消え失せていた。
・幾分あっさり系でさらり系、でもまぁこの小麦の強さが感じられない麺だから、これはこれで合っているようだ。
・もっと残念なのは海老らしさが何処にも感じられなかったことだ。自分はもっと海老の旨味を存分に堪能できるような味わいを期待していたのだが、ほのかに感じられる程度だったからだ。
・スープ割りもカウンター上のポットから注ぐだけでつまらない。以前はお願いすると葱とかゆずとか入れて作ってくれたよね…そんなサービスはもうないのだね…・案の定スープ割にしてもあっさり系スープと相まって余計につまらない味になってしまった。

　まぁ聖地という大崎での六厘舎だからこそ期待をしていたが、いろいろと変わってしまって聖地にわざわざ訪れる意味は今後の自分にはないだろう。味も人もサービスも雰囲気もだいぶ変わってしまったようだ。皆が嬉々として並んだのは昔のこと…

　大崎駅に戻りながらそびえ立つSONYのオフィスビルを眺めていたら六厘舎とSONYがダブって感じられた。
　SONYのラジカセに憧れた頃、WALKMANが登場した時の衝撃、それを手に入れた時の喜び、そしてSONYのテレビやVAiO…自分が欲しいと思う憧れのAV機器を次々と世に出す日本が誇るメーカーだった。そしてSONYの「開発18か条」なるものもあって自分もそのエンジニアリングや精神に影響を受けたものだ。
　それが今やどこに向かうのだ…SONYさん…まさか金融業じゃないよね…
　栄枯盛衰…そうならないように六厘舎もSONYもがんばって下さいね！