クラシックとイノベイティブの見事なバランス : オルディヴェール

白金高輪駅から５分ほど。

かつて、「ベルクレイ」があった場所。

「オザミ」「ル・ブルギニオン」にいらしたソムリエ、戸田さんが

オーナーとして独立し、「シェ・イノ」にいらした飛松さんが

シェフを務めます。　シェフは、トゥルニューの１つ星「グルーズ」

での修業経験もあり、クラシックを基礎として、オリジナリティのある

方向性も模索しており、そのバランスが秀逸でした。

前菜にイノベイティブ、メインはしっかりクラシック。

「クラシックだけなら、諸先輩方がやっていらっしゃるので、
　
　自分はそれとは違う方向を」とのこと。

戸田さんの接客は、まさに神。

すてきな笑顔、なにを聞いても

的確な答えが返ってくる安心感、そして、素晴らしい気配り。

いやはや、なんとも居心地がよく、すっかり気に入りました。

９時以降のバータイムメニューから、カレーも追加しました。


夜は８６４０円のコース。

前菜２品と、メイン１品を選べます。

それでは、スタートです。

１、アミューズ

　　＊グジェール
　　　チーズのクランブルをのせて焼いています。
　　　フロマージュブラン、エシャロット、パセリ、
　　　シェリーで一味工夫を。
　　＊紅芯大根のタルト
　　＊鹿肉の赤ワイン煮をトーストに

２、アミューズ

　　ホタルイカのセート風
　　セートは港町の名前で、
　　トマトソースでマリネし、
　　サフラン風味に、菜の花と、
　　菜の花のニョッキを。

３、前菜

　　初カツオの赤ワインマリネと鹿のコンソメジュレ

　　カツオと鹿？？　と思いますが、これがなんとも
　　素晴らしいマリアージュでした。
　　カツオは、オレンジ、コリアンドルのフレーバーで
　　マリネ。
　　グレープフルーツ、アンディーブを添え、
　　カツオの下には、海藻を肥料にした海藻農法の
　　葱をポシェしたもの。　これは、
　　ポワローヴィネグレットのイメージ。
　　
　　懸案の鹿肉コンソメジュレは、限りなく透明感のある、
　　品のよい仕上がりで、
　　カツオとの相性もパーフェクト。
　　そっと、カツオの滋味を支えています。

４、ホタテとエビのラビオリ
　　グリーンピースの優しい味わいと桜海老のアクセント

　　三角錐のラビオリをやや硬めに仕上げ、
　　ペルノーソースとホタテのフュメを。
　
　　やはり、ソースの造りが抜群にうまいです。

５、魚料理
　　イサキのポワレ
　　アスパラガス　
　　シェリーソース

　　イサキの火入れが極上でした。
　　皮目がパリっと、身はふっくら。

６、ミルキィな仔牛のパイ包み焼き
　　ソースマデラ
　　牛蒡のピュレ

　　ここへきて、「シェイノ」を感じるお料理が。
　　やはり、クラシックの基本が抜群にいいです。
　　パイ包みでありながら、仔牛の火加減が秀逸。　　
　　仔牛とパイの間には、仔牛のミンチときのこ、
　　ローズマリーを巻いてある、という手のこみよう。

ここで、９時以降のバータイムメニューを見ていたら、

ここにも美味しそうなものがたくさん。

カレーが気になったので、いただくことに。

７、モヒンダさん直伝　シェフ飛松の
　　最高の南インド風チキンカレーライス
　　フル　１９４４円

　　バスマティーライスを使用。
　　さらりとした南インドならではの
　　カレー。　出汁がすごい。
　　パクチーたっぷりで。

８、デセール

　　キャラメリゼしたバナナ
　　マンゴとバナナのムース
　　バニラとアニスとシナモンのアイス
　　カカオソース
　　バナナの葉の形のチュイール

　　どれをとってもきちんと美味。
　　細部までキメ細かい仕上がりです。

９、小菓子
　　カシスのギモーブ
　　サブレ
　　抹茶を練りこんだ焼き菓子

１０、ハイビスカスとローズヒップのティー

パンは、通常は、すぐ近くの「ブラウベルク」さんのもの。

「ブラウベルク」さんと、戸田さんとの思い出話も

聞かせていただきました。　

この日は、休みなので、「メゾン　カイザー」さんのバゲット。

バターには、豆乳も使用され、やさしいお味。


お供は、赤ワインをグラスで。

La Papesse Gramenon 2015
コート・デュ・ローヌで、グルナーシュ１００％
どっしりして、ボディ感があり、好みです。


料理もサービスも、大満足でした。

バータイムメニューにも、気になるものが多数。

また心に残るお店が増えた幸せな宵でした。


帰り道、１０時半をまわっていましたが、

「ブラウベルク」さんには灯りがともり、

翌日の仕込みをやっていらっしゃいました。