ソースマジック : ラ クレリエール

4年連続ミシュラン一つ星獲得中
食べログAWARD6年連続BRONZE獲得中
食べログ2021年フレンチTOKYO百名店

レベルの高い勢いを維持し続ける都内屈指のフレンチに、恐れ多くも美食家の方々と一緒に伺いました。
謎に昼ご飯も抜いて気合いじゅうぶんです。

場所は広尾から徒歩15分、白金高輪から徒歩10分くらいで、この辺り各ジャンルのトップランカーが集まっています。

シェフの柴田秀之氏は同じくミシュラン一つ星『モナリザ』で料理長を務めた方。
非常に精力的に発信を行っている方ですが、実際に色々とお話を聞かせて頂く中で、本当に魅力溢れる方だと思いました。
"100年続くレストラン"、"ミシュラン三つ星"を目標として、王道を重んじ、王道を基調としながらも、特徴的なスパイスや新鮮な和の食材を織り交ぜ、オリジナリティを出し、王道に挑んでいく姿勢が凄く良い。
本当に料理を研究して実践する事が好きで好きでたまらない方なんだなと強くお見受けしました。

ソムリエの方も凄く粋なサービスで、言葉の1つ1つが興味深く、面白い。
買い付けも柴田シェフと一緒に行く機会が多いようで、確かに相当深く入り込んでないととてもあんなにスラスラ料理の説明は出来ないだろうなあ。

ディナーは税込サ別26,000円のコースをチョイス。
一応更に上の55,000円のものもありますが、こちらはほぼカスタムなのでちょっと特殊。

食材のプレゼンテーションをして頂けるのですが、昨今の値上げ基調及び円安状況にも関わらずなかなかパワフルな食材のオンパレードでテンアゲ。
海鰻なんかはこの日豊洲に10匹入って3匹を当店が確保したようです。
これらを少量他皿でじっくりと楽しんでいく流れ。

お会計 144,000円/4人
MENU BENEDICTION 26,000円(税込サ別)
◇シャンパーニュ GONET-MEDEVILLE
◆ブーダンノワール
-どことなく青山の『ラチュレ』を彷彿とさせる挨拶代わりの一皿。小さなポーションに豚の旨味がギュッと。
◆アオリイカと白インゲン豆
　サフラン風味のオランデーズ
　乾燥させたパプリカパウダー
-アオリイカはあくまでも食感のアクセントとして、サフランの風味がグッと香って面白い。
◆ヤングコーンのベニエ と 燻製&カラスミ乗せ
-ベニエが特に芳醇な香りを強く感じられ美味い！
燻製の方は僅かにカラスミの塩気が目立ち過ぎている感がありました。
◆クスクス 生トリガイ フェンネル セリ
　海老と蟹のコンソメ オリーブオイル コブミカン
-コブミカンがトムヤムクン感を演出し、タイ×和×フレンチをフュージョンさせたような興味深い一皿。
◆鮎 焼き&揚げ
　半身はほぐしてハーブと合わせ鮎ご飯風に
　セリ 南高梅 レモングラス
　鮎の肝を使ったオイルソース
-この鮎が相当美味かった。どこの鮎か分かりませんが、これまでに頂いたものの中でもかなり上位の鮎です。
肝の苦味、南高梅の酸味、レモングラスの香りの絶妙な取り合わせが、より全体の味わいを高次元に引き上げます。
◇Chardonnay Corton-Charlemagne Grand Cru
-シャルドネの芳醇な香りをしっかりと持ちつつも、するするといけるキレの良さが魅力的。
肉以外ならなんでもいけちゃうぜ系。
◆オマール海老 半レア
　アーティーチョーク ジロール茸
　セミドライトマト オリーブ スライスチョリソー
　チョリソーのエキスから作ったソース
　ヤブニッケイのオイル エスペレットパウダー
-こちらもチョリソーが前面に香る面白い一皿ですが、その中で少量ながらも際立つオマール海老の強い旨味。
◆パン バター オリーブオイル
-全粒粉で程良く温かいパンは小麦感が強く、結構好みのものでした。
◆手織りのパイ 毛蟹 玉葱 生雲丹
-生雲丹は恐らく紫雲丹と馬糞雲丹の2種類を添えて。
これはもう、脳に最短距離で訴えかけてくる破壊的な美味さ。ソースも絶品で、成程パンが出てくるタイミングがここだったのは納得である。
◇Pinot Blanc KRITT
-補助品種として使われがちなピノブランを100%。
酸味と親しみやすい果実香が心地良い。
◆海鰻 水茄子 フォアグラ
　玉葱 バルサミコ 赤&白ワイン コニャック
-こちらも足し算を積み重ねたような一皿でパワー系が好きなワイ歓喜。
海鰻はソースも相まって蒲焼きの様相。
瑞々しい水茄子が良い感じにもったり感を緩衝する。
◆13時間煮込み鮑 アスパラソバージュ
　その日の食材等から出汁を取ったスープ
　オリーブオイル
-20種類以上の食材から出汁を取ったセンチュリースープは様々な香りや旨味が混ざり合いかなり奥深い味わい。
オリーブオイルが全体を纏めます。
鮑はいつもは3時間程度煮込む"1度目の柔らかさ"を目指すそうですが、今回サイズが気持ち小さかった事もあり、"2度目の柔らかさ"に舵を切ったそう。
くにっとした食感と爽やかな磯の香り、出汁の旨味。
◆今治産スズキ
　アスパラガス マッシュルーム　
　デュグレレソース
-こちらもやはりソースが抜群に美味い。
スズキの火入れも良く、プリっとした食感がたまらない。
◇Chateau Boyd Cantenac 2013 Margaux Grande
　Cru
-カヴェルネ×メルロのフルボディ。良い赤ワイン。
◆シストロン産仔羊
　根セロリ サラダ ズッキーニ キノコ
　羊出汁とバジルのクリームソース
-シストロン産の仔羊はかなりクリアな味わいで、良く言えば誰でも親しみやすい、私はもっとワイルドなものでも良かったかもしれません。
◆甘夏 ババロア 台湾茶 水出ししたジャスミン 木の芽
-甘夏の清涼感が今宵の終わりを知らせ始める。
◇Domaine de L'Arlot Fine de Bourgogne
-終わりを知らせ始めた後の40度。
◆フォレノワール
　竹炭メレンゲ チョコムース アメリカンチェリー
　アーモンドゼリー チェリービールのシャーベット
　ピスタチオとチョコレート削り掛け
-これ、美味しい！甘ったるいのは苦手ですが全体的にかなり糖分を控えめにしてあり、丁度こういうのが食べたかった！
◆ハーブティー 小菓子

多くの方が仰っている事がよく分かります、当店は全体的にソースがめちゃくちゃ美味い。
クラシックな組み合わせの中に、ちょっとオリジナリティを加え、それが私の好みにピタリでした。

結構食べてそこそこワインも頂いてお会計は1人あたり36,000円程度というのも、正直もう少しいくかなと感覚的には思っていたので尚更満足感があります。
というのかこれならもっとガブガブいっても良かったかもなあ〜次はペアリングにしちゃおうかな〜。

一緒に伺ったメンバーやお店の雰囲気に恵まれた事もあり、久々に大満足のフレンチディナーとなりました。

また絶対行こう、冬にトリュフのタルト食べに行こう。
ご馳走様でした。