フレンチメインに和食も中華も文句なし、デザートも豊富なバランス型パーティ : シェラトン都ホテル東京

白金にあるホテルです。その昔は、都ホテルと言っていましたが、今はシェラトンと提携しているのでシェラトン都ホテルです。
忘年会にて利用しました。会場は地下２階で天井は高くゴージャスな印象です。
中央に舞台があり、料理は左右の壁面に並んでいますが、左右共に同じものが置かれています。また、舞台の脇には、中華料理とステーキの実演調理がありました。

いただいたのは、
■スモークサーモンとレンズ豆のサラダ　赤玉葱のグレック添え
スモークサーモンは、上質でさすがホテルのクオリティですね。盛り付けも美しくとても華やかです。
やはりサーモンは、刺身よりもこういう脂が少ないものを加工したものが美味しいと思います。

■牛肉のタタキ　ツナソース　コルニッションとケッパーのアクセント
絶妙な火加減で、周りは火が通り、中は赤い牛のタタキがこれでもかと並んでいます。部位によって、しっかりとした赤身とサシが入った部位とがあり、ランダムに並べてより華やかな印象になっていますね。
コルニッション（ピクルス）なども散らされており、ゴージャスでホテルの前菜らし雰囲気です。

■平目のエスカベッシュ　香味野菜添え
個人的には、平目をエスカベッシュにするなと思ってしまいます。アジ・サバ・イワシなどの青魚でいいのではと考えますが、白身魚でやるところが高級ホテルの矜持なのでしょう
。
素材がレベルアップすれば、盛り付けもレベルアップしており、野菜が敷き詰められた中央に平目が配置されています。
味付も、バルでいただくような酸味の強いものでなく、上品な味わいです。


■ズワイ蟹のパルフェ　リンゴのアクセント　甲殻類のジュレ　花穂飾り
カクテルグラスにジュレがあり、その上にズワイ蟹の味わいがしっかりとしたクリームというかペースト的なものが盛られています。更に花穂しそまで飾られて見た目にとても美しいですね。
味も文句なしで、殻を剥く手間なく蟹の味が味わえ、食べ進めると出てくるジュレは単に蟹だけではないちょっと複雑な甲殻類のダシの味がするという、とても手が込んでいて、かつ、見た目も華やかな前菜ですね。

■茄子のタプナードとミラノサラミ
花束みたいな盛り付けが素敵なサラダです。下のペースト状になっているものが茄子のタプナードなのでしょうか？立食はあわただしいですし、食べられる品数も限られているのでいただいていません。
ミラノサラミは、柔らかく上質で美味しかったです。

■豚バラ肉とキャベツ，牛蒡の煮込み　茸ご飯と銀杏を添えて
豚ばら肉の脂が旨い、和風煮込みでした。素材の勝利でホテルらしい個性は感じられませんでしたが、副菜の銀杏添えの茸ご飯は、銀杏好きにはたまらない主食です。

■阿波尾鶏のヴィネガー風味　ヌイユ添え
たっぷりのキノコとともに炒められた鶏肉です。旨みを吸わすためにほうれん草を練りこんだヌイユ（フィットチーネ的な麺）が敷かれています。鶏肉とキノコを使った自家製パスタ的な仕上がりです。自家製麺なのでとても美味しいのですが、パスタまでしっかり食べているとお腹いっぱいになってしまうのがもったいないですね。
同様のスタイルで、鶏肉メインのトマトソースのものも用意されており、味の違いが楽しめました。

■サーモンのキャレ　クルジェットのタプナード和え
賽の目のようなかたちにカットされたサーモンにソースと香草パン粉を載せて蒸し焼きにしたようなちょっと不思議な魚料理です。
立食に食べやすいサイズですし、次の料理の鱸のポッシェと同様に柔らかくて食べやすい料理でした。
副菜として、クルジェット（ズッキーニ）のタプナード（黒オリーブソース）和えがあります。

■鱸のポッシェ　ハーブクリームソース
白身魚は繊細なので、低温で煮るポッシェという調理法と相性がいいようです。身が柔らかくて仕上がっています。煮汁も澄んでいて、野菜の風味もあってとても穏やかな味わいですね。日本人に好かれそうなフランス料理です。

■小海老とマカロニ、色彩野菜のオーブン焼きトマトと大葉風味
ホテルクオリティですが、一般的なマカロニグラタンです。
副菜は、ラタトゥイユ的なものですが、立食につき、ついつい野菜を避けたのでいただいていません。

■担々麺
ホテル内の中国料理レストラン「四川」からの出張料理です。会場内にシェフが常駐し、最終調理をした上で、提供してくれました。
小さいサイズでの提供なので、さすがに青梗菜は入りませんが、それ以外はおおむね同じといった印象です。
辛さは弱めで、旨辛という言葉がぴったりで、美味しいけれどもちょっと辛い感じがします。辛さが先行する本格四川料理ではなく、ホテルの高級中華料理の味ですね。

■麻婆丼
こちらも同様に「四川」からの出張です。
唐辛子の辛さは控えめで、花椒の香りのほうが強いですね。上品に香りづけしており、素材がいいのかよく香りますが、唐辛子の辛さ同様に痺れる辛さも弱いです。
本物の四川料理の麻婆豆腐とは異なるもので、辛いもの好きには物足りないでしょう。しかしながら、辛さの感じ方には大きく個人差があり、繊細な味わいが好きな女性には、とても辛いとの評価を受けていました。
中華料理マニアの私の評価としては、担々麺同様にホテル系の高級中華料理の典型的な味わいです。
立食パーティーという、いろんな味覚の人が集まる場に対しての調整がされているかもしれませんね。

■角切り牛フィレ肉の鉄板焼き　温野菜添え　ポン酢ソース
こちらも会場内でシェフが調理するものでしたが、歓談してる間に売り切れました。それゆえに写真がありません。
ホテルの名誉のために書いておきますが、食欲旺盛な若者が多かったからで、提供される量が少なかったからではありません。

■デザート・フルーツ
女性向けのデザートは８種、それにフルーツといろいろありましたが、こちらも私の口に入ることなく終わりました。写真はひととおり撮影しています。特大のクレームブリュレが圧巻ですね。

ドリンクは、ビールは瓶でキリンの一番搾りです。ホームグランドのメーカーなので嬉しい限りです。ワインは、赤白ともにやや軽めです。赤のほうがピノノワールで幾分ボリューム感があり、ワイン好きには美味しい味わいでした。他にウイスキーや焼酎もあったようですが、飲食よりも歓談がメインの立食はあまり楽しめませんね。


フレンチをメインに和食と中華も入る立食用メニューでしたが、どれも美味しい料理でした。
どれも素晴らしいですが、あえて厳しい眼で評価をすれば、前菜系がちょっと弱い印象で、逆に主食が優れているでしょう。
ダメなホテルだと、会場の空気で乾燥してしまった握り寿司を出したりしますね。無難なところでは、ペンネのパスタでおつまみにも主食にもします。シェラトン主食は自家製麺で、かつ、お肉料理の旨みを吸わせる手法は優れていますし、ホテル内レストランからの出張もパーティが華やぎますね。
量も十分あり、後から来た人の料理が何もないなんてことはありませんでした。若くて、いっぱい食べられる人には魅力的なパーティだったと思います。