寒くなってきたので熱いやつを : 麻布麺房どらいち

寒くなってきました。あれだけ暑い夏秋から晩秋そして冬に。
ハマのヤングと上州の先生と三人でオフィスを出た所で、私は二人に質問をしました。
「お二人は、今日は何を食べたいですか？」
「ボクは麺が喰いたい」と先生が言います。
「ボクは何でも良いです」とハマヤンが続きます。いつもの回答です（笑）
「古川橋のどらいちには行ったことありますか？」と私が聞くと、
「知りません！」と二人から明解な答えが帰ってきたので、
「チョイ高のラーメン店ですが美味しいよ。行ってみたいですか？」と私が聞くと、
「じゃあそこへ行きましょう」となり、オフィス正面を出て右に進みます。

「何系のラーメンですか？」と先生から質問が来ます。
「何だろうね？担々麺の仲間しか食ったことないんだよ」と私。
「とにかく人気があるよ。今、並んでいて座れないかもよ！」と続ける。
「曇天で寒いから並んでないかもね。急ごうよ！」と二人を鼓舞する。
「二五㍍手前までから、おっ並んでないぜ、早く店内に入ろう！」
二人を急がせ店内に入る。
ちょうど三席しか空いていない。
「良かったよ。ここまで来て座れなかったら泣けてくるぜ」って気分。

メニューを改めて見るも、やはり担々麺シリーズかなと…
汁なし担々麺、冷し担々麺に続く第三弾は…
「すいません！担々麺下さい」と温かいホットな担々麺をオーダー。
税込一〇〇〇円です。
いつも思うが良いお値段だこと。

ぼやぼやっと話をしたり、スマホいじっていると
「担々麺お待たせしました～」と着台。
「良い朱色だね。胡麻の香りもして美味しそうだ。」
早速食べるが、スープをひと口。
ほっとする挽肉に絡んだ味噌と坦々スープが混ざって胡麻の風味も良い。
麺はこの店独自の自家製中太ストレート。
スープにも良く絡んで、担々麺には合う食べ応えもある。
挽肉と摺り胡麻の風味と辛さ加減が麺に良く染み渡って美味しく食べられる。

「挽肉に絡んだ味噌が坦々スープに溶け込んでるね」
「やはり〆はライス投入だね」
「すいませーん、御飯下さい！」とさっさとオーダー。
器を渡すと卵サイズの白い御飯を入れてくれて再度やって来る。
じわじわと御飯に坦々スープが染み込んで、坦々おじやに早変り。
お茶漬けとは言わないが、サラサラと行ってしまうのである。
十分腹は満たされ身体温まりましたよ。

〈キングノブ〉

　七月の半ばになった。大宮の娘から仕事の相談を受けたので話をしているとてっぺんを過ぎ昼休みも半分が経過していた。「おう、飯でも喰おうや」となり麺大好き娘に「どらいち知ってる？」と聞くと「知らないです」と言うので二回目のどらいちへ行く。大宮の娘は文句なしのラーメン好きなのとよく食べる気持ちの良い娘である。うちは息子しかいないので当然ハチャメチャに喰うが、今の若い女子も良く食べるし良く呑むのにはビックリさせられる。まあ昔から呑んだり喰ったりするのが大好きな女性は、誘いがいもあるのもいつの時代も変わらないね。

　ランチのオンタイムから少し外れた一三時少し前だったので、行列はなかったが店内はほぼ満席。入れ替わりで出ていく人が居て、ちょうど一枚カウンターで横並びに座れる。ボクは汁なし担々麺からの「冷し担々麺」一一〇〇円、娘はこの店のおススメの一品「優麺の塩」九五〇円を注文。高いね。高級なラーメンだね。前回も書かせてもらったけど、ここのラーメンは丁寧に作られているから何となくコストは掛かっているね。一〇分くらい待ったかな、冷し担々麺がやって来ました。センターに豆板醤や甜麺醤で炒めた挽肉が結構ガッツリ乗っかって、半切れゆで玉子、白ネギの微塵切りの姿をしっかり混ぜ合わせて頂くことに。

　キンキンに汁を冷して食べるような冷し担々麺ではないので、汁なし担々麺ほどでもないけど結構ワッシワッシとしっかり汁に浸して絡めた挽肉や葱と一緒にほおばるように食べ尽くす。山椒はそこそこ効いてピリッと良い締まり方で香りが良い。麺は加水系ではないのか、少し時間が経つと出汁を吸って来るのか、味がしっかり感じられるのでまあまあ旨いなあと。写真を取り忘れたが、麺を食べ尽くした後の出汁を見ると意外に残っていないのはそのせいかもしれない。出汁を味わう、出来れば全部平らげてくれと。

　少し残った出汁を食べ尽くすために、今日もサービス一口ライスを頂くために給仕の女性に丼を渡し、御飯を入れてもらう。ちょうど出汁を吸ってヒタヒタになった御飯を蓮華で掬って食べる。結局出汁を全て頂く塩分取りすぎの一杯なのでしょう。
〈KING_NOBU〉

　七月に入った。梅雨は何処へと灼熱の東京。業務が集中し、越中の姐さんとヘロヘロになってランチも取れず、ホームグランドに戻って来たのが一四時半過ぎ。「腹減らねえ」と聞くと「もう限界です」と言うので「古川橋にスコアの高い麺屋があるんだけどこのまま行かねーか？」と聞くと「良いですねえ、何となく知ってますけど行ったことはないかな」と言うので、麻布麺房どらいちへ初訪となる。麻布十番駅からはオフィスを越えて麻布通りを古川橋まで行く手前に店がある。クールファイブの東京砂漠を口ずさみながら、暑い中をヘロヘロと七～八分歩く。

　店に到着し、外から店内を覗き込むと一五時手前なのに店が半分埋まっている。こんな不便な所で結構来るのね。とややびっくり。一〇数余人が座れる一枚テーブルと窓際のカウンターでの構成で、最大でも二〇人は入れない小さい店だ。一枚テーブルの横座りで案内され何を頂くかとメニューを見る。さすが、スタート価格が九五〇円からのハイソな麺屋だこと。麻布は何でもＯＫなのか？益々期待値高まるのである。

　今月の人気メニューの一位が「汁なし担々麺（一〇〇〇円）」と黒板に書いてあるので、それにするかと即決。姐さんは「冷し担々麺（一一〇〇円）」にする。ランチタイム一五時までは麺大盛無料とはいえ、しびれる価格だ。絶対人も多いし期待するぜと渇いた喉を潤すかの様に水を一口。「温い、温いではないか！」とスタートがイマイチ。順番に料理が出されてくるのが解り、次は我々だと思いながら約一二・三分の待ちでボクの汁なし担々麺が着台。

　一面白葱の粗い微塵切りが敷き詰められ、坦々挽肉味噌が真ん中にでっぷりと乗り、その中央に卵の黄身がチョンと乗っかっており、なかなかの美しくボリューム感が伝わってくる丼である。給仕の女性から「しっかり混ぜてから頂いてください」と指導をいただく。白葱の下には中太の少し縮れているかな程度の麺が出てきて全てがしっかりと混ぜあって頃合いのいいタイミングで早速一口啜ってみる。

　白葱のツンと来る辛味と山椒の強い香りと辛味、坦々挽肉味噌が微妙にショっぱく卵の黄身はイイ感じの混ぜるための接着を持たせるように、しっかり箸で麺を掴み口に頬張ると舌を通じで鼻から香りが抜け、ややワッシワッシと口の中で噛み締めることによって口や舌や鼻から味のアイテムがガツッと伝わって旨いし、パンチも強い。麺の小麦感が味が濃いので伝わり辛かったが、全体としては食べ応えもあり良かった。

　麺を食べ終わるっても白葱や坦々味噌が残るので、これも無料の一口ライスと軽く出汁を入れてもらいまた、混ぜ混ぜして食べさせてくれるサービスもうれしいね。まあ見た目も含め綺麗に丁寧に作ってると一〇〇〇円貰わないとやってられんなと感じさせる一杯でもあった。ご馳走さんでした。
〈キングノブ〉