大田・大森駅西口正面、「三代目 むら上」。【17th】 : 三代目　むら上 大森山王店

浜名湖産うなぎ使用。お得なランチの特上うな重。

厚みがあるうなぎで、蒸しと焼きが丁寧で、ふっくら柔らかなる蒲焼だった。


ＪＲ大森駅の西口、山王口(?)の池上通りを挟んだほぼ正面の店である。
大きな「すき家」の看板の左隣の店。

３年半ほど前にも、この店で鰻飲みをした。
今回はランチである。

１階のカウンター席に座った。
前回は、２階の座敷席で、それなりの雰囲気を感じていたのだが、１人訪問なので仕方が無い。


「うな重・特上」(3,200円)　――　写真の通り。

この店のランチメニュー、特上にだけ「浜名湖産」と印字されているのだが、その日は、全てそうであったのかも知れない。店内のボードには、「本日のうなぎ・浜名湖産」と掲示されていた。

ランチのセットには、肝吸、漬物、サラダが付く。

タレのファーストタッチは薄甘な雰囲気で、うなぎの味わいがグンと来る。
しかし、食べているうちに、その甘さは気にならなくなる。

うなぎの蒲焼の表情が、またイイ。
ふっくら柔らか、極上を感じる。
蒸しに相応の時間をかけているのだろうという雰囲気。
二度目の焼きは浅め。

分厚いうなぎで、白身感を強く感じる。
もちろん、うなぎを食べているのだが、白身魚であるコトを認識させられる感じでもある。

ご飯はややカタめのモノが合わされている。
だから、よりうなぎの柔らかさも感じるのか。

うな重に「新鮮」などと形容したら笑われそうだが、そういう雰囲気を感じた。

このうな重・特上がこの価格だから、また嬉しい。
もう千円ほど高くてもおかしくはないと思う。

大満足。
ごちそうさまでした。


まだつい最近、東長崎の「鰻家」でうな重を食べたばかりである。
タレや焼きの風味の立ち上がり方は全く違うが、蒲焼の工程の方向性は似ている感じで、かつ、蒸しの丁寧さを強く感じたので、評価をグンと上げた。

うなぎ好きの人間は、概ねうなぎの評価に甘いが、それでも好みや差は感じる。
そういうコトを考慮に入れても、美味なる良いうな重だと思った。


（文責：京夏終空、2020.12.18）
（36件/3.50）

「鰻呑み」するには、イイ感じの店だった。

ＪＲ大森駅近くでの仕事の関係で、その仕事仲間たちと軽く「鰻呑み」。

西口というのか山王口というのかよく知らないが、池上通りのある方の昔からのエッセンスがあまり変わっていない方の出口の正面の店である。
反対側の東口は、昔は「いすず」と「アサヒビール」の街という雰囲気だったように記憶しているが、あまりに変わり過ぎて知らない街のようだった。「大森電話局前」などという交差点ももう無いのだろう…。


さて、この店、こぢんまりとした店であるが、活気のある鰻屋だった。
１階はカウンター、２階は座敷で、その日は２階でやった。

飲み物はビールで乾杯してから、日本酒へ。「十四代」がやけに鰻串に合ったように記憶している。
簡単なコースもあったようだが、我々は適当につまむ方が向いている感じで、串や珍味系で飲み続けた。

「うざくサラダ」「う巻たまご」「きも刺し」などがアテ。

串焼きは「短冊」「ひれ焼」「きも焼」などを堪能。
「八幡巻き(ヤハタマキ)」というゴボウと鰻のコラボのような串もなかなかウマかった。
串は、各々好きなモノを追加した。(１串200円～500円)

浅漬けの「お新香」が、またイイ働きをする。

そして「白焼き」(1,000円)。
つまみように小さくカットされたモノだったが、この白焼きで呑むのが、なんともイイ感じである。
この段階での、タレ味からのワサビの風味がまた、たまらない。

最後に、「うな重(上)」(2,400円)。
その日の鰻は「愛知県産」と表示されていた。
鰻に対して、こういう例えも変だが、かなり新鮮で、川魚感がよく出ている感じのモノだった。若鮎の釣り立てのモノにタレを浸けたら、鰻に似た風味になると聞いたコトがあるが、まさにそんな感じがしないでもなかった。
ご飯は、ほどよく硬め。タレはやや甘めで、見た目には薄い色合いでサラッとしていそうだが、どうしてどうして、なかなか味わい深いタレ。ソレが、上手く絡んでくる。イイ感じだ。
もちろん、肝吸いが付いてくる。

満足。ごちそうさまでした。


地元池袋では、大衆鰻店の「まんまる」をこよなく愛す。
鰻は、高いモノになってしまったが、真の鰻呑みは、軽くひっかける店の、ちょっと上ぐらいの塩梅がちょうどイイ。
以前は、「うな鐵」の暖簾がソレを実践していたが、最近は、鰻の高謄とともに、お店の色を変えざるを得なくってきている。

しかめっ面した職人が焼く蒲焼もウマい。東長崎の「鰻家」に行く度そう思う。
でも、「鰻家」に行くには、年に２，３回でいい。

わざわざ、極上を知って、大衆を知る。そんな必要などない。
鰻とは、そういうものじゃないコトは、鰻屋が一番知っている。
地元の某有名店(食べログでは)の川魚問屋のドライバーも、そう語っていた。
「旬」よりも、産地や、種別や、名前にこだわり過ぎると。

何万円出して、年に数回食べるのも良し、数千円で、毎月食べるのも良し、そんなのは人それぞれだと思う。
基本的に、「うなぎ好き」は、うなぎじゃないとダメなんだと思う。
替えが効かないモノだけに、こんな店を大事にする。

こういう感じの店で呑んでいる人々の笑顔を見る度に、そう思う。
イイ店だ。


（文責：京夏終空、2017.6.21）


（※写真は、後日掲載。）