18年目のリニューアル。変わらないのは…段取り不要のデートスポット！ : T.Y.HARBOR

●バブル崩壊以降､長く低迷を続ける天王洲アイルにおいて唯一賑わいある飲食店。
●店の入口にある客席待ち用のカウンター式ビールバーが30席ほどある。
今回のリニューアルによりここで食事を楽しめるようになったが、逆に席待ちのためにビールだけを楽しむことができなくなった。
その先の客席（倉庫を改装）には2~4人掛けテーブルが約100席と、奥に10名程度の個室が配置されている。
リニューアル後は、このスペースに２階席が新設された。
そして右側の運河沿いテラスには2~6人掛けのテーブル30卓前後といった構成だ。
●リニューアルにより、トイレの位置が店の奥から中央部に移転して使い勝手が良くなった。
トイレに向かう通路脇に2階に昇る螺旋階段がある。
その上にあるのは社員の研修室。客席と思って客が勝手に昇ろうとすると、スタッフに引き摺り下ろされる。
●春や秋の休日を中心に結婚式の披露パーティーによる貸切りの場合も多い。
彼女とのデートの際は、事前にHPで営業を確認しておくことをお薦めする。
●東京都が推進する運河ルネッサンス計画により2005年から運河の利用が規制緩和された。
その先駆けとして2006年2月、WATERLINEが隣接する天王洲運河に開店。
よりオシャレにお酒を楽しめるようになった。
店の親会社会長の長年の悲願であったWATERLINEプロジェクト。
開業当時は閑古鳥が鳴き止まなかったが、それも今は昔。
知名度が上がった現在は、ブルワリーに負けない賑わい。
結婚式の二次会にも頻繁に使われている。
リニューアルに合わせてT.Y.HARBOR RIVER LOUNGEとなり、内装も変わった。
●会長は既に77才を超えるが、まだまだ元気一杯で、運河の活性化に精力的だ。
西の高浜運河では、2016年に東京都による遊歩道の整備が完成。倉庫敷地との一体感が素晴らしい。
その先の運河上では(仮称)WATERLINE2構想が実現。2005年当初から既に埋め込まれた4本の杭に、一風変わった船が完成した。
会長箱の船をグループ会社の福利厚生施設とする方針であったが、あまりの出来の悪さ(その通り!金は相当かかっているが、周囲にそぐわない駄作!!)で、会長の逆鱗に触れ、用途が変更されている。
●蛇足ではあるが、店名の冠にある「T.Y.」は、会長のイニシャル。
こういう“うんちく”も、彼女からの質問に直ぐ答えられればポイントアップに繋がる。
しっかりと頭の片隅に叩き込んでおこう。
●2013年3月には入口ゲート脇にベーカリーbreadworksがオープンした。
パン、サンドイッチ、ケーキとソフトドリンクだけなら店内のテーブル（テラスを合わせて45席程）で飲食できる。
ブルワリーがパーティー等で貸し切りの場合でも、ここだけは誰でも使えるのが便利だ。
夕方までの限定ながらT.Y.HARBOR RIVER LOUNGEのテラス席に飲食を持ち込んで潮風を感じながら軽食を楽しむことも可能。

＜雰囲気＞
●運河沿いのテラス席が断然よい。
特に涼風を感じられる春・秋は抜群だ。
冬場は、透明ながらビニールシートで覆われオープン感が損なわれるため☆一つ減点の☆☆☆☆。
一方、夏場は日よけの庇があるものの暑さ回避には至らず、できれば夜が良い。
個室には小さな専用テラスが付設されている。
●運河越しの借景の中で唯一目障りだった対岸の冷凍倉庫が2012年の秋に解体された。
2014年にマンションに建て替り、現在は室内から漏れる暖かな白熱灯の光が夜景に花を添えている。
●リーマンショックと東電の原発事故が原因で、大量の欧米人たちが日本を離れ、店内の欧米外国人率が大幅に下がってしまった(ここ数年はインバウンドの影響で、アジア系の外国人も増えてきたが、やはり雰囲気をよくするのは欧米人の力が必要)。
それでもまだまだ異国情緒溢れる空気がテラスに漂い、目の前の運河を頻繁に往来する屋形船が、これまたミスマッチで面白い。
●店のまわりは、ドラマ等のロケに多用される人道橋‘ふれあい橋’や運河沿いの遊歩道‘天王洲キャナルウォーク’が整備されており、食後のデートも自然と盛り上がれる。
ここ一年余りの間でオンエア(OA)されたドラマでは
　・ぼくらの勇気 未満都市2017(2017年7月21日OA、日テレ)
　・A LIFE～愛しき人～(2017年2月12日OA、TBS)
　・HOPE～期待ゼロの新入社員(2016年9月12日OA、フジ)
　・私結婚できないんじゃなくて、しないんです(2016年5月20日OA、TBS)
など多彩だし、勿論ドラマ以外でも、古いものを含めると
　・タモリ倶楽部(空耳アワー)
　・ピタゴラスイッチ
　・天装戦隊ゴセイジャー
　・仮面ライダーウィザード
　・ブラタモリ
　・グリコのCM(aikoが出演)
　・宝くじBIGのCM『キャッツアイ購入』編
　・倖田來未のPVふたりで…:PVのイントロに使われているのは、同じく天王州アイルにあるスパイブル
　・SuperflyのPV恋する瞳は美しい:PVはこちら。他にイタリア街(新橋)、港南公園(TYハーバー対岸)、移転前のクリスタルヨットクラブ
と、あらゆるジャンルで登場し、老若男女を問わず話題に事欠かない)。
●とにかく、店を含めたすべての環境が、うだつの上がらないキミ（ボクか…）をもカモフラージュしてくれる。
都内でも有数のお膳立て無用の楽チンデートスポットだ。
是非一度は彼女とのデートにお試し頂くことをお薦めする！

＜サービス＞
●混雑時の客席待ちの時間は、入口のカウンターか併設されたT.Y.HARBOR RIVER LOUNGEでビールやお酒を飲んで時間を潰せる。
●平日ランチにはサラダ・バケット・食後のコーヒーor紅茶が付く。
バケットと食後の飲み物はお替り自由なので、ゆっくり時間を掛けてランチを楽しみたい。
●冬場のテラス席はひざ掛け用のブラケットが各椅子に準備されている。
冷え性の女性には嬉しい気の利いたサービスだ。
●ビールグラスの大きさ表示がpint(パイント)からml(ミリリットル)に改められた。
日本人には判り易くなたが、その反面イキでなくなった。
●個室利用時(有料)も店員の応対はとても良く、活発に動き回る小さい子供がいる場合であっても気の利いた心遣いがあり、何かと安心だ。
●お会計は、平日の昼は倉庫内のクローク付近で、夜や週末はテーブルで行う。
夕食後、そのまま席を立つと「お客様、お会計はテーブルで。」と店員に座り直させられ、彼女や周囲の常連客の前で恥をかくことになる。最後の支払いまで気を緩めないように注意されたい！
●breadworksでは、平日の午後７時から閉店の８時まで50％割引のサービスがあるので狙い目だ。
●2011年から毎年1月~2月の土日祝のランチ限定でBURGER FESTが開催されている。
期間限定のハンバーガーを注文するとクラフトビールビールチケットを漏れなくゲットできる。
ハンバーガーのラインナップに「クラブケーキバーガー」が加わり合計８種類に増強された。
ビールの量は、キャンペーン開始当時はMサイズ(450ml)だった。
2013年からはディナータイム利用ならＬサイズ(650ml)を注文できるようになった。
要するに、土日のランチで1600円のバーガーを食べれば、夜には1150円のビールをタダで飲めるという訳だ。
チケット使用期間は例年どおり4月いっぱいまで。
しかも、2013年からWATERLINE(現:T.Y.HARBOR RIVER LOUNGE)でもチケットが使えるようになった。
(2015年は、当店が改装のため系列のSMOKEHOUSEでフェスタを実施。)
しかし2016年からは値段が上がり、サービスチケットとしての効果が薄れてしまったのが残念(わざわざこのイベントに行く必要はないと思いますよ)。

＜料理・味＞
●ハンバーガーは、肉の量がSmall(170g)とMedium(280g)の二種類のみであった。
その後、肉食系女子からは物足りないとの不評を買い改訂。
2011年の秋から、ウィークエンドランチの名物ハンバーガーの牛肉の量を、好みによって170g、250g、340g、500gの４種類から選べるようになった。
これに加えてトッピング(というか、バーガーにはさむ中身)も6種類追加できる。
メガバーガー(肉500g)にトッピング全種類をプラスして注文すると、ナント4000円もの「メガプライスバーガー」が完成！
君はこの店のヒーローとして店員や周囲の客から驚きと賞賛の拍手を貰えるから是非トライしてもらいたい。
●メニューには載っていないがビールのつまみにフライドポテトだけ(600円)を注文することができる。
但し料理によっては付け合せにたっぷりとフライドポテトが盛られてくる場合があるから、かぶらないよう注意して注文したい。
●シュリンプカクテル(1600円)は海老が5個。
海老好きのカップルが何個ずつ食べるかで喧嘩が絶えないため、近年、350円払えば海老を1個追加してくれるようになった。
(注意:1個減らしても350円を値引いてはくれません！あしからず…)
●さて、ハンバーガーを含め、料理の味はそこそこだが、時々塩辛くて食材の味が損なわれる時も…
但し量はたっぷりあり満足できる(ただしカルパッチョなどの一部の商品はコスパ悪し!!)。
質よりも量を重んじた「アメリカンスタイル」への徹底振りが伺える。
●食事はさて置いて、ここで楽しむべきは何といってもクラフトビールである。
「ペール」「アンバー」「ウィート」のいつでも飲める定番エールの他に、普段と違う味が楽しめる「ブリューマスターのオススメ」の4種類が開業時からある定番メニュー。
これらを一度に楽しめるテイスティングセットもなかなかの人気。
酒好きのタモリがNHKの番組内でも注文したというお墨付きの商品だ。
2010年からはホップの量を4倍にした「インディアペールエール(IPA)」や黒ビール派のニーズに応えた「インペリアル・スタウト(黒ビール)」もラインナップ。
クラフトビールブリュワリーとしてますます充実度が上がった。
(リニューアルに合わせて、18種類のホップをブレンドした記念の18thエールが今はイチオシだ。ペールエールとインディアの中間を行く味で、苦味も程よく効いて悪くない。)
●「ビールが旨い！」となると、この店には車を運転して来るのはナンセンスだ。
(だから駐車場も目立たないところにある)
デートなら、品川駅からタクシーで乗り付けるか(1000円程度)、天王洲アイル駅から運河沿いのボードウォークを彼女と仲良く手を繋いで歩いて来るのがオススメだ。
どうしても「彼女を助手席に乗せて…」という諸兄は、飲酒運転にならないよう天王洲アイルにある第一ホテルに車を停めるといい(東横インじゃだめですぞ！)。
TYハーバーで食事を終えた後は、ホテルに戻って最上階のバー「シーフォートクラブ」にてレインボーブリッジの夜景を二人で楽しむオプションプランが待っている(ラストオーダー24時)。
その後は、彼女と一発…失礼、一泊できれば完璧だ！(ね、第一ホテルにしてよかったでしょ!!)