高いコスパと美味しい料理 : アロマクラシコ

別れの季節の３月。先日、元同僚の女性が大阪に転勤になるということで、こちらにランチに行きました。「アロマクラシコ」さん。品川駅港南口から徒歩４，５分くらいと近いです。駅直結で屋根のある通路を通って行ける品川グランドセントラルタワーというところにあります。

こちらですが、ミシュランガイドで一つ星を獲得している銀座の「アロマフレスカ」さんや、人気のイタリアン「サーラアマービレ」さんなどと姉妹店のようです。最近、発表された、食べログイタリアンTOKYO百名店２０２１に、こちらを含めて３店舗とも選ばれているようです。評価の高い系列店なんですね。私がフォローしているレビュアーさんも、百名店に選ばれる前から５、６人くらい訪問されており、レビューを読んで、いつか行ってみたいなと思っていました。これを機に利用してみた感じ（笑）。予約して行きました。

ランチは基本的にコース料理のみです。通常は、３９００円と７５００円のコースの２種類なのですが、土日祝日は、その間に５９００円のコースもあり、３種類の体制です。

私たちは、まぁ、やっぱコスパも大事だよね。という訳で、


Lunch Course of the week -アロマクラシコランチコース- ６品　３９００円（税込み）

をお願いしました。このコースは週替わりらしく、ちょっとずつメニューが変わります。季節の食材を使用した前菜、選べる２種のパスタ、お好みのメインディッシュ、デザート、カフェの６品で構成されているそう。その週は、

・アロマクラシコ風アンティパストの盛り合わせ
　季節のイタリアを感じるクラシックレシピ
　
・プリモピアット２種　(テーブル毎にお好みを２品選択。)
　10種類の野菜を使った食べるスープ ”ミネストローネ”
　スパゲッティ 黒毛和牛のラグーソース
　ペンネ サーモンとプチヴェールのクリームソース
　自家製タリアテッレ ホロホロ鳥のラグーソースと黒トリュフ (+１０００円）
　海老、グリーンアスパラガスとサフランのリゾット

・メインディッシュ　(それぞれ、お好みの一皿を選択。)
　生ハム、セージをのせた仔牛のサルティンボッカ ローマ風
　春の鮮魚のアクアパッツァ
　アロマクラシコ名物 “処女牛ビステッカ” 炭火焼 (+２０００円 / 2名様から）

・デザート
　小さなデザート盛り合わせと食後のお飲み物


でした。そこで、私たちは、プリモピアットとして、

スパゲッティ 黒毛和牛のラグーソース
海老、グリーンアスパラガスとサフランのリゾット

を選択し、メインディッシュとして、

生ハム、セージをのせた仔牛のサルティンボッカ ローマ風

を選択してみました。とりあえず、ワインで乾杯だー♪グラスワインは全部で９種類あります。

スパークリング２種
白３種
赤４種

が用意されていました。そのうちの赤１種は、本日のスペシャルと書かれており、何なのかは気になる。が、頼んでないし、聞いてもない（笑）。とりあえず、イタリアンのセオリーっぽいものを無視して、白から行ってみよう。

"Punta di Colle" 2017, Marramiero - Abruzzo - 　グラス　１５００円

をお願いしてみました。これですが、説明に書いてあるとおり、完熟果実としっかりした樽のニュアンスのあるリッチなシャルドネです。平均樹齢１５年の古木で、新バリックで、１８か月、さらに瓶内で１２か月熟成を経ているそうです。味的には、はちみつのようなリッチな風味があり、樽香がしっかりして、美味しいシャルドネでした。個人的にはシャルドネは、産地で全然味が異なり、難しいなと思っているのですが、これは好きな味。ネットで見ると、１本４５００円くらいのようです。うむ。普段飲みにするには、まぁまぁ、いいワインです（笑）。

とりあえず、ワインを飲みながら、アロマクラシコ風アンティパストの盛り合わせを食べます。写真のとおり、なかなか彩のある一皿。内容は、パルマ産生ハム、レンズマメ、シチリア産トマト、フリッタータ、カポナータなどがのっていたと思います。どれも丁寧に作られており、メニューにイタリアを感じるクラシックレシピなどと書かれているとおり、何かイタリアンとして新しさがある訳ではないですが、この価格帯のアンティパストとしては、いろいろな物が入っているし、見た目にも鮮やかでいい感じでした。

プリモピアット２種は、調理の関係だと思いますが、テーブル毎に同じ物を２品選択する必要があるそうです。私たちが選んだのは、前述のとおり、スパゲッティ黒毛和牛のラグーソースと海老、グリーンアスパラガスとサフランのリゾットです。最初に、スパゲッティ黒毛和牛のラグーソースですが、さすが黒毛和牛という感じで、ソースは濃厚な感じです。スパゲッティ自体は量は多くないですが、アルデンテで、ソースの旨みがいい感じ。そして、海老、グリーンアスパラガスとサフランのリゾットですが、どうやらこれは、海老出汁を使って米をしっかりと炊くというより煮るですかね。調理に時間をかけてやっているのが分かる、優しく上品な味。米自体も粒立った感じで、ちょっと芯があるような、いわゆるちゃんとしたリゾットでした。個人的にはどちらも正解でした。

これらを食べながら、白ワイン２杯目。

Cima Bianca 2019, Fosso Corno -Abruzzo-　グラス　９００円

これ自体はソヴィニョンブランとシャルドネのブレンドです。基本的にこちらのワイナリーのブドウの配合は５０：５０のようですね。最初に飲んだシャルドネ単体の物がコテっとして奥行きのあるアロマな感じだとすると、こっちは青りんごや若草のような青々とした印象で、すっきりした酸味を感じるワイン。素人的にはややブランが強めに出ているような印象です。酸が尖りすぎてなくて、個人的には好きですかね。これはネットで見ると１本２０００円くらいのワインのようです。

メインディッシュですが、これはそれぞれ、好きな物を選択できるのですが、処女牛のビステッカ炭火焼だけが２名様からしか頼めないとのこと。私たちは、あんまりよく分かってなかったですが、生ハム、セージをのせた仔牛のサルティンボッカ ローマ風をお願いしてみました。そもそもサルティンボッカってなんだ・・・って話ですが、イタリア語で「口に飛び込む」という意味の料理らしい。わりと作るのが簡単で、ローマを代表する料理だそう。いろんなバリエーションが現地にはあるらしいのですが、こちらは仔牛肉を使っており、その片面にセージをまぶし、そこにプロシュート・ディ・パルマをのせてはりつけ、それを焼いた物らしい。なるほど、このカリっとしたゴツゴツした部分が生ハムなんですねー。確かに食べてみると牛肉って感じがするんですが、フォン・ド・ヴォーを煮詰めたものとワインのようなソースで、なかなかコクがあって美味しい。付け合わせはレタスとほうれん草？くらいでわりとシンプルです。

仔牛肉と言えども、そこまで濃い感じでもなければ、ガッツリした感じでもないので、ちょっと軽めの赤がいいなぁと思って選択したのは、私も好きなモンテプルチアーノです。

”Aires" 2018, Fosso Corno -Abruzzo-　グラス　９００円

これは、豊かなコクと果実味のあるアドリア海のモンテプルチアーノらしいです。一般的にはアブルッツォ州では、棚仕立ての栽培が主流らしいのですが、フォッソコルノ社は、大量生産型ではなく、樹体が比較的大きくなる垣根仕立てでモンテプルチアーノを栽培しているそうです。味的には、私の印象としてはモンテプルチアーノは割と軽めな赤ワインというイメージですが、やや重めでピリっと酸や果実味もありました。渋みも少し強めに効いており、タンニンもそこそこ。モンテプルチアーノにしては、やや厚みがある感じではある。これはどうやら高いラインではないようで、ネットで見ると２０００円ちょいというところ。悪くはないけど、もう少し深みがほしい感じはあるか。

最後に、デザートですが、ティラミスやチーズケーキ、アイスクリームなどの小さなデザート盛り合わせと飲み物です。コーヒーや紅茶などいくつか選択肢がありました。私は、紅茶です。デザートの味も物凄い美味しさはないけど、この値段のセットで３種類のデザートを用意してくれているので、サービスとしては良いかと。紅茶はいたって普通です。

お店の様子ですが、店内は４人から１２人までは入れる個室があるようです。窓際には丸いテーブルが並んでいます。また、入口左の方からテーブル席が並んでおり、正面にはバーカウンターも少しあったかな。コートなどは入口で預かってくれます。荷物カゴがあったかどうかはアレですが、置く場所は席のところに用意されていました。店員さんの接客については、悪くはないですけど、料理の説明もまぁ、普通だし、ワインの案内も淡々としている感じ。いわゆるウェイターさんという感じで、コミュニケーション力があるかどうかはよく分からなかった。ただ、皿の上げ下げや、食事のインターバルなどは良かったと思います。お会計はランチもクレジットカードが使えるので、便利でした。

ごちそうさまでした。個人的には、料理良い。コスパ良い（お酒を飲まないならｗ）、雰囲気良い、接客普通という感じでしょうか。まぁ、デートなどで来ている人にとっては店員さんとのコミュニケーションを煩わしく感じる方もいるかもしれないので、どっちもどっちですが。