【★4.0】食べログSILVER東西食べ比べ【1016-6】 : 日本料理 晴山

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昼コース（18,000円、税サ込）滞在時間：約1時間40分

1.鹿嶋産ハマグリ酒煮 京壬生菜 たたき長芋 金山寺味噌ジュレ
2.お椀（毛蟹と新銀杏の真薯、白芋茎、青柚子の皮）
3.お造り（サッと昆布で〆た大間産鮃、レアーに火を入れた鹿児島産車海老、本わさび、海苔佃煮、塩、醤油、おろしポン酢）
4.鮑の石焼き（鮑と肝ソースを石焼きに投入して加熱40～50秒、残ったソースに雲丹とご飯を入れてリゾットのように）
5.敦賀産鱸（すずき）炭火焼き 焼き茄子ソース 白髪葱
6.佐賀牛ミスジ低温すきしゃぶ 温泉玉子 春菊
7.新いくらと釜揚げしらすの炊き込みご飯、香の物（しゃくし菜、胡瓜、大根）、石川産でけえなめこ赤出汁
8.沖縄産本和香糖のプリンと熊本産無花果
9.玉露

おまかせ日本酒

1.晴山 純米酒（宮城県 森民酒造）店名を冠するオリジナルブランド
2.別誂え 清流 楯野川 純米大吟醸（山形県 楯の川酒造）

上記の通り飲み食いして、お支払い総額20,400円でした。
4年前は同店（4.43）の昼コース6,260円でしたが18,000円に大幅値上がり。
とはいえ都心で安くて美味しいは不可能に近いのでこのほうが正解と思います。

値段相応に使用する食材のグレードも上がったのではないでしょうか。
ちなみに夜コース（30,000円、税サ込）は昼より品数が3つ多くて、
昼のほうが料理の装いも軽くなっているとのご説明でした。

同じ週に同じく食べログSILVER三宮（神戸市）の植むら（4.41）にもお邪魔したのですが、
お支払い総額49,560円となった植むらより同店のほうが費用対効果は高いと思いました。
そして同店のほうが全体的にアタリ（塩）強めなのは東西の好みの違いもあるのでしょうか。
東京の下町に生まれ下町で育った筆者は味の濃い料理のほうがしっくりきます。
（なお同店の修業先は岐阜県の誇る日本料理の名店たか田八祥です。）

白眉と思った料理は毛蟹と新銀杏の真薯をメインに据えたお椀。
ちなみに植むらのお椀も毛蟹真薯だったのですが吸い地が筆者の理想より薄味で、
同店のように塩がしっかり効いているほうが好みに合います。
とはいえ下町育ちの筆者でも塩を強めに感じるので、もう少し抑えるほうが理想かも知れません。

食べログSILVER以上のお店は老若男女問わず幅広く支持されているわけで、
マニアックな食材やそれを使用した料理を好む筆者の好みとは必ずしも合致しません。
コースの内容を振り返るとやはり定番となっている高級食材の使用が多かった同店ですが、
三田（港区）という好立地でこれだけ美味しければ食べログSILVERなのでしょう。
1年先まで満席が常態となって以前のように気軽に予約は出来なくなったようです。

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1.北寄貝と山菜の山葵和え
2.浅蜊と若布の真薯のお椀
3.鰆の海苔酢焼き 独活のツマ 独活の天ぷら
4.飛騨牛のローストビーフ 椎茸 コゴミ
5.じゃが芋饅頭 穴子 芽ネギ
6.揚げジャコと梅肉と刻んだ菜の花の炊き込みご飯
7.抹茶のムース 苺 生クリーム

春ということで山菜が随所に使われていました。
夜は20,000円のお店の技術を6,260円（税込）で味わえて非常にお得なのですが、
白金台こばやしのランチが同店より更にお得な5,400円（税込）。

1年前は4,100円（税込）のコースもあって高級ランチとして屈指のコストパフォーマンスだった同店ですが、
段々とコストパフォーマンスは下がってきているような気もします。
2017年3月に同店で食べた内容と比べると今回は料理の感動も劣りました。
季節ごとに内容がガラリと変わるので、ある程度はブレがあるのかも知れません。

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ランチが実質2,000円も値上がりしたというのに来年2月の予約を希望しても満席と言われる始末。
食べログ高評価の和食のお店、しかも都心となると人気が殺到してしまうのでしょうか。
夜の3分の1ぐらいの値段で楽しめてリーズナブルというのもあるのかも知れません。

この日のランチコース（6,260円）の内容は以下の通り。

1.帆立貝 舞茸 ほうれん草 半熟鶉卵 とんぶり
2.剣先烏賊真薯のお椀 棒人参 青柚子
3.秋鮭親子焼き 大根おろし 銀杏
4.飛騨牛ランボソローストビーフ 椎茸 三つ葉
5.じゃが芋饅頭 穴子 春菊
6.栗と白身そぼろご飯
7.柿のプリン 柿のソース

6,260円のコースということで数万円のコースの料理に比べると素材力はどうしても劣るのですが、
食材の組み合わせ方や盛り付けの美しさには相変わらずの高いセンスを感じられます。

突き抜けていると思うのがやはり炊き込みご飯とスイーツ。
秋ならではの栗ご飯には白身魚のおぼろを入れて、旨味や塩味を加えることで美味しさアップ。
ディナーで使う真鯛や平目の中骨などアラの部分を有効活用していそうな予感がしますが、
そういう部位のほうが旨味が強烈なので個人的にはむしろ歓迎。

プリンにはラム酒でも入れているのか、洋酒の鮮烈な存在感とムースのような蕩ける食感が堪りません。
柿を粗く挽いたような柿ソースの濃厚さと青柚子の爽快さもプリンの美味しさを引き立てていました。
食べログ4.00を超える洋菓子専門店をも上回るようなセンスの高さ。
この炊き込みご飯とスイーツは予約数ヶ月待ちでも食べに行く価値あると思います。

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ランチは3,800円のコースがなくなり5,800円（税込6,260円）のコース一本に。
黒毛和牛（飛騨牛）の料理が1品加わって計7品。
今までの1.5倍のお値段になってしまいましたが、1品あたり約900円と考えればまだまだお得でしょうか。

この日のランチコース（6,260円）の内容は以下の通り。

1.淡路の鱧子と加賀太胡瓜オクラ和え
2.海老と玉蜀黍真薯のお椀
3.長崎メダイ 万願寺唐辛子、穴に鶏味噌を詰めた蓮根揚げ
4.飛騨牛冷製 翡翠茄子 胡麻クリーム
5.じゃが芋饅頭 穴子
6.剣先烏賊と海苔の炊き込みご飯
7.レモンのプリン コアントローのゼリー 西瓜

加賀太胡瓜とオクラの和え物に鱧の卵が乗った先附ですが鱧の腹骨の骨煎餅も添えられています。
骨煎餅の塩と旨味とカリカリ食感、卵のボソボソ食感、野菜のコリコリ感が上手くマッチ。
アタリ（塩）が少し強めなようにも思いましたが夏なので敢えて強くしているのかも知れません。

椀妻にインゲンを添えたお椀も相変わらずレベル高いです。
甘くてプチッとした玉蜀黍とプリッとした海老が滑らかな真薯の中で存在感を主張。

メダイの焼き物には一味唐辛子と金山寺味噌を塗した万願寺唐辛子がドッサリ乗ります。
熊本の辛子蓮根のように穴に鶏味噌を詰めた蓮根揚げも、油切れの悪さが少し気になるも一体感あって美味。
夏ということもあってか器が「団扇」なのも面白いです。

2,000円アップの代償として登場したのは、翡翠茄子を黒毛和牛で巻いた肉料理。
かねます（勝どき）のように生の雲丹を生（半生）の黒毛和牛で巻くほうが個人的には好きですが、
こちらの滑らかな飛騨牛とトロリ蕩ける翡翠茄子の組み合わせも悪くないです。
胡麻クリームでコクと滑らかさを加えている点もスキルの高さを感じます。

じゃが芋饅頭と穴子は同店の定番。
そして同店で毎回突き抜けて美味しいと感じるのは、やはり炊き込みご飯と〆のスイーツ。
今回は剣先烏賊、海苔、細かく角切りにした生姜、柚子七味などが入った炊き込みご飯。
細かくカットした烏賊がお米の食感を阻害せず、むしろ組み合わせの妙味を感じる美味しさ。
生姜や柚子七味の香りも素晴らしくて、この香りだけで食欲をそそります。

最後のスイーツは過去最高クラスのヒット作。
細かくカットしたスイカのシャクシャクとした食感が、トロリ濃厚なプリンと絶妙にマリアージュ。
コアントローゼリーの清涼感も加わって超ハイレベルなスイーツになっていました。
洋菓子専門店でこれが出てきたら4.5評価になるぐらいの完成度の高さ。

6,260円のコースということで、骨切りのスキルを楽しめるであろう鱧の身は登場せず卵と骨だけ。
食材の原価はそんなに高くないと思うのですが、それでも美味しい料理に昇華させる調理技術は流石でした。
炊き込みご飯とスイーツだけでも訪れる価値があると思います。

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お得な3,800円のランチコースにプラス料金で筍ご飯をリクエストしての再訪。
しかし5月からは5,800円のコース一本になってしまうそうです。
この日食べた料理は以下の通り。

1.独活と蛤の蕨和え
2.若布真丈のお椀
3.鰆の山菜焼き
4.桜鯛と空豆の饅頭 菜の花餡
5.筍ご飯
6.オレンジ コアントローのジュレ クリームチーズ

1品目から独活（ウド）と蕨（ワラビ）を上手く使っていて春の訪れを感じます。
大粒の蛤は臭みなく独活の仄かな苦味や蕨の食感とマッチ。
油は使っていないようですが、胡麻油のようなコクを感じるのも面白いです。
器は貝合わせを題材にしているのでしょうか、和歌も書いてあって趣深し。

若布真丈の真丈は中のワカメを固めるために硬めの仕上がりでしょうか。
鱈、甘鯛などのすり身を使っているそうですが相変わらず良い味。
鰹節、鮪節、昆布の合わせ出汁で取った汁の塩分が濃い目でしたが、
この真丈に合せるための配慮でしょう、流石のレベルの高さです。

西京焼きにしたと思われる鰆にはウルイなど山菜が乗っています。
山菜は金山寺味噌で味付けしてあって、鰆の西京味噌とのダブル味噌が相性良し。
添えられたタラの芽の天ぷらも春ならではの美味しさ。

鰆より気に入ったのが菜の花餡をかけた桜鯛。
脂が乗っているのか鰆よりやわらかくて旨味も強いように思いました。
いつもはジャガイモ饅頭なのが今回は空豆饅頭となっていましたが、
同席者はジャガイモより美味しいと高評価でした。

そして本日の楽しみだった「筍ご飯」。
お米から甘い香りが漂うのか、釜を開けただけで香りに魅了されます。
木の芽も入っているのでその鮮烈な香りも美味しさを引き立てます。

福岡県産という筍は丁寧に処理されているようで嫌なえぐみなど一切無し。
サイコロのように細かくカットしていましたがこれがご飯とバッチリ合います。
筍が主役であればもっと大きいカットのほうが理想的なのでしょうが、
炊き込みご飯として筍を味わうには細かいカットのほうが良いのかも知れません。

デザートは生のオレンジの上にコアントローリキュールのジュレ、中央にクリームチーズ。
フレッシュな果肉、コアントロージュレのオトナ味、チーズのクリーミーさが絶妙に合います。
和食店にしては洋食寄りのスイーツですが相変わらずのセンスの高さ。

ランチとして絶対額は安くないですが高級和食店の技術を味わえて5,000円。
相対的には非常にコストパフォーマンスの高いお店です。
値上がりとなっても季節ごとに訪れたい優良店でしょう。

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今回もランチ利用。
3,800円のコース（税込4,100円）の内容は以下の通り。

1.イクラ ほうれん草 粟麩 舞茸の胡桃和え
2.イカの真丈のお椀
3.鰆のキノコ焼き 銀杏
4.ジャガイモ饅頭 穴子 春菊
5.栗とトンブリの炊き込みご飯
6.柿のプリン

コース構成は前回そっくりですが「秋」を感じられる装いになっています。
器も落ち着いた色合いのものや葉っぱを象ったものになって秋仕様。
日本料理店らしく四季の移り変わりを楽しめます。

イクラは鮨さいとう同様に塩分控えめ、高級店ならではの上品な味わい。
昆布、鰹節、鮪節が吸い地のお椀も塩分控えめながら滋味溢れる旨味。
お椀の好みも人それぞれでしょうが同店のお椀は結構好みです。

関西では春が旬とされる鰆ですが関東では脂の乗った秋～冬が旬。
脂が乗っているのでウェルダンな火入れでしょうか。
個人的にはミディアムレアーぐらいな火入れのほうが好みに合いそう。

穴子とジャガイモ饅頭の組み合わせ。
前回は穴子がイマイチでジャガイモ饅頭のほうが美味しかったのですが、
台風の影響でジャガイモが良くないのか評価が逆転。
臭みなくトロリ蕩ける穴子のほうが好印象でした。

ご飯は今回も福井のミルキークイーンと福井のあきさかりのブレンド。
新米ゆえか水分含有率が高いのですがベッチョリせず適度な炊き加減。
「畑のキャビア」トンブリが余分な水分を吸い取っているのでしょうか。

中津川（岐阜県）の栗もご飯との相性抜群。
甘さは控えめなのですが、このぐらいの糖度のほうがご飯には合います。
ホクホク感とネットリ感があって食感と旨味がご飯を昇華させます。

〆のスイーツも相変わらずハイレベル。
土台となっているのは柿の風味が素晴らしいトロトロのプリン。
その上にフレッシュな柿の果肉、ドロッと粘度の高い柿ソース、柚子。

柿をそのまま食べても甘くてトロッとしていて美味しいのですが、
ソースやプリンと合わせて食べると一体感があって更に美味しい。
先日フルフル（赤坂）でぶどうパフェを食べたときは、
葡萄は美味しくてもパフェとしての一体感に不満があったのですが、
同店のプリンは全体のバランスが良くて高いセンスを感じられました。
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食べログで4.37（全国ランキング36位）と高い評価を受ける、
三田（田町）の「日本料理晴山（せいざん）」。

店主の山本晴彦さんは19歳でたか田八祥（岐阜県岐阜市）に入社。
25歳で支店わかみや八祥の店長に就任。
31歳のときに独立開業して東京に晴山をオープンさせたそうです。

たか田八祥には1年前の同じ時期に訪問したのですが、
食べログのスコア（2016年5月現在3.94）の割には凡庸な内容。
そのときの料理長次第で味が変わるとも言われているようです。

たか田八祥が岐阜で何故名店と讃えられていたのか。
不思議に思っていたのですが同店で食べたことで理解出来ました。
結論から申し上げれば1年前のたか田八祥とは別次元の美味しさ。

ランチの3,800円のコースなので「高級食材」こそ無いですが、
調理技術の高さで料理の満足度を大幅に高めていました。
出汁の美味しさ、火入れの上手さ、食材の組み合わせの妙。
それらが料理の随所で光っているのです。

おそらく店主が修業していた時期がたか田八祥の黄金期。
料理長の交代などで現在は凋落してしまったのかも知れません。
日本料理の若き俊英が腕を奮うこのお店は、
さながら全盛期のたか田八祥が東京に移転してきたかのよう。

店内はカウンター席とテーブル席で25席ぐらいあります。
今回は仕切りで半個室のようになっている4人テーブルに着席。

飲み物はマスターズドリーム「醸造家の夢」生（800円）を注文。
クラシックラガー中瓶、スーパードライ中瓶も800円。
都心の高級和食店だけあってドリンク価格も高級店仕様。
日本酒リストは以下の通り。

三千盛 純米（岐阜）900円
醸し人九平次 純米吟醸（愛知）1,200円
磯自慢 純米吟醸（静岡）1,300円
黒龍 特選吟醸（福井）1,400円
氷室 大吟醸（岐阜）1,500円

ランチコース（3,800円）の内容は以下の通り。

1. タコとしんとり菜の梅肉和え 山芋おろし
2. 鯛の子真丈のお椀
3. 時不知鮭 グリーンアスパラ ホワイトアスパラ 柚子の皮
4. ジャガイモ饅頭 伝助穴子 空豆
5. 剣先イカとスナップエンドウの炊き込みご飯
6. ココナッツのプリン

食べた料理の寸評は以下の通り、【】内は個別の採点。

【3.8】タコとしんとり菜の梅肉和え 山芋おろし

やわらかいタコ、シャクシャクのしんとり菜、
そして粗くおろされた山芋のシャキシャキ食感が合います。
梅肉ソースは穏やかな酸味で食材を引き立てており、
上に散らされた紫色の花穂紫蘇も料理の見た目を演出。

1品目から本家たか田八祥で味わった料理を超える完成度の高さ。
味付けの良さ、食材の組み合わせの妙味を感じられます。
あえて粗くおろしたのであろう山芋も良い仕事をしていました。

【4.0】鯛の子真丈のお椀

椀種は中に細かくカットした鯛の子を入れた真丈。
椀妻は細切りにした絹サヤ、吸い口はスライスした小型の柚子。
吸い地は昆布と鰹節の合わせ出汁と思います。

塩加減を少し強めに感じたのですが出汁の旨味も強力。
暑くなってきたのでこれぐらいの塩であれば許容範囲でしょう。
個人的には濃い味好きなので、このお椀はストライクでした。

真丈の中に隠れている鯛の子もボソボソとせず食感にアクセント。
鯛の子の処理や、食感への心遣いにも実力の高さを感じます。
本家たか田八祥でもお椀はレベル高かったのですが、
同店のお椀は守破離を感じる美味しさでした。

【4.5】時不知鮭 グリーンアスパラ ホワイトアスパラ 柚子の皮

1年前のたか田八祥でも出てきた時鮭とアスパラガス。
軽く西京漬けにした時鮭は皮をパリパリと焼き上げながら、
身はフックラしており骨も無く食べやすいです。
たか田八祥でも美味しかった時鮭ですが火入れの良さは同店に軍配。

そして超感動クラスに思ったのが2種類のアスパラガス。
出汁を含みながらシャキッと硬さを残した歯応えなのは、
本家たか田八祥と同じはずなのですが同店のほうが美味しい。

出汁の美味しさ、火入れの妙が本家を凌駕しているように思いました。
ボリュームという点でも全然違います。
同店では3,800円のコースなのにアスパラガスがドッサリ乗ります。
本家では12,000円のコースを注文したのにボリュームに物足りなさ。

時鮭に関しては某店で食べたスモークサーモンのほうが好印象も、
アスパラガスのこの美味しさは近年食べたどのアスパラをも超越。
モツ好きなのに野菜の美味しさに唸っていました。
素材の良さ、火入れの良さ、出汁で野菜がここまで美味しくなります。

【3.5】ジャガイモ饅頭 伝助穴子 空豆

ホクホク感が消されネットリ食感のジャガイモと餡が美味しいです。
伝助穴子（大きいサイズの穴子）は大味で野趣もあるでしょうか。
この料理では穴子や空豆と饅頭との一体感をあまり感じられず。

【4.2】剣先イカとスナップエンドウの炊き込みご飯

お米は福井のミルキークイーンと福井のあきさかりのブレンド。
もろきゅうと三つ葉の赤出汁も出されたのですが、
それらが不要なぐらい炊き込みご飯の味が強いです。
お椀のとき同様に塩も旨味も強くて、これまた好みの味。

タコを入れたご飯はよく見ますがイカもかなり良いです。
スナップエンドウのシャキシャキ感もご飯に合っていて、
どちらかと言えば硬めなお米の炊き加減も理想的。
柚子七味を入れてピリ辛にしている点も心憎い演出です。

出汁の美味しさ、火入れの上手さ、食材の組み合わせの妙。
それらは〆の炊き込みご飯でも感じられました。
野菜味噌を仕入れて自家調合したというもろみ味噌も、
浅く塩で漬けたであろうキュウリも鮮烈な美味しさ。
アスパラにもろきゅうと、同店の野菜料理は本当に素晴らしい。

【4.4】ココナッツのプリン

トロトロ濃厚なココナッツプリンの上にクラッシュしたパインゼリー。
さらにゴールデンパインの果肉、パッションフルーツも乗ります。

プチッと弾けるパッションフルーツがかなり良い仕事。
トロトロのプリンだけでも4.0級の美味しさなのですが、
プリン、ゼリー、果肉の組み合わせで更なる高みの美味しさ。

3,800円のコースでもたか田八祥の12,000円を超える満足感。
これがたか田八祥の名声を支えていた調理技術かと唸りました。
次の予約も入れたので再訪が楽しみです。
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2016年5月初投稿、2016年10月更新