正に渾身の仕事 : 東麻布 天本

天本正通親方の引き出しの多さは本当に凄い。
今回も渾身のつまみと握りを堪能させてもらった。

□つまみ
蓴菜、佐島の蛸、とこぶし、根室ウニにジュレ
福岡志賀島4.8キロの鮃
ミンク鯨のうねすとナガス鯨の尾のみ
唐津の赤ウニ、牡丹海老紹興酒漬け
バチコ
萩のバイガイ
佐渡島のゴマ河豚の白子とキャビア丼
紅瞳のノドグロ丼

□握り
姫浜の鯛
千葉クロムツ 網指定
東京湾真子鰈、肝
金目鯛千葉大原
大阪湾イワシ
大阪湾鯵
余市の蝦夷バフンウニ
大船渡５０キロ腹かみ中トロ
トロ
大トロ
天草のコハダ
大船渡の鱒の介漬け 定置網
千葉勝浦の鰹漬け
横須賀走水のエボ鯛昆布〆炙り
豊後水道天然車海老
千葉鵜原大黒鮑
東京湾小柴の穴子
玉

お土産にバラチラシ。翌朝食べたら激ウマだった。

天本正通親方の鮨。凄い。旨い。
やはり天才だと思った。

渾身のつまみ
広島の蓴菜、新潟のトコブシ、根室のバフンウニ
久里浜3.8キロの蛸
富山の白海老
生コノコ
宍道湖の天然鰻白焼きにベルギー産のキャビア
長洲鯨の尾のみ
もずく酢

渾身の握り
福岡沖ノ島の鮃
福岡姫島の真鯛3日寝かせ
大阪湾の鰯
長崎対馬のノドグロ紅瞳の丼
唐津の赤ウニ
大船渡定置網80キロ赤身藤田水産
血合いぎし
トロ
鹿児島出水の鯵
愛知のトリ貝
閖上の赤貝
赤貝紐巻き 木更津の海苔
千葉大原の大黒鮑
天草のコハダ
大船渡の鱒の介 定置網５年回遊
漬け
東京湾船橋のカマス炙り
千葉大原の金目鯛
東京湾小柴の穴子
玉

12月初旬、有難い事に貸し切りの楽しい宴にお招き頂く。

そして、年末近くにもう一度。こちらは7月初訪問時の予約。

両日とも、怒涛の30品以上で、天本正通親方の渾身の仕事を堪能。

本当に凄い鮨屋だと思う。

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10月の終わりに再訪。

「東麻布天本」天本正通親方の渾身の仕事に凄みが増して来ました。

今日の親方イチオシは、宮城七里ヶ浜の蝦蛄、三浦半島鴨居のカワハギ、岩手久慈の奇跡のヒラマサ(前回も出してもらったが、ヒラマサがこんなに旨いと思った事がありません。)

その他も圧倒的な品揃えで、訪問客を満足いくまでもてなします。握りも旨い。

急遽リクエストがあった宍道湖の天然鰻白焼きも、しっかり対応し訪問客全員に振る舞ってくれました。

旨味はもちろん、楽しい時間をゆっくり過ごせる食後の満足感が最高の本物のお店(鮨屋)ですね。

超人気店で予約がとても取りにくいのが難点ですが…

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10月再訪

久しぶりの訪問にも関わらず満面の笑みで出迎えてくれる天本正通親方。気負いが消え自然体でとても良い雰囲気になっていた。でも渾身の仕事から情熱と気合いが十分伝わってくるのは前回と同じ。

今回も、つまみ10品、握り20貫とお碗に玉子焼き。怒濤の30品オーバーは、厳選した素材に温冷の変化。焼く、蒸す、煮る、寝かす、フレッシュと一切妥協のない仕事。握りはすべて全力投球で直球勝負。

見て楽しい魅せ技。食べた直後に旨味を感じる効き技。後味と余韻を味わう効かせ技。それらの技が全て取り混ぜられた大満足の約３時間。（コースの所要時間も短くなっていました）

圧巻のつまみ10品のみならず、インパクト抜群な握り20貫と玉子焼きは本当に美味しかった。厚切りの極上タネと改良されたシャリ。天本親方の進化した旨い鮨を存分に堪能させてもらいました。


□本日のつまみ１０品

長崎大室湾もずく。

釧路厚岸の仙鳳趾牡蠣を60度に熱した酒とみりんで煮込む仕事。

東京湾小柴の墨いかのゲソ焼き。山葵は御殿場小山の真妻種（瀬戸さん）この山葵で食べると素材の良さと旨みが引き立つ様に思う。

天草のあさりの茶碗蒸し。出汁の旨みを感じる一品。

かなり大粒な藤九郎の新銀杏。ほくほくしていて甘味を感じる。

オホーツの毛蟹を親方が厳選した更津金田産の海苔で手巻き寿司に。毛蟹の甘さと海苔の風味が良い。

牡丹海老の昆布締めに唐すみをかけた飯蒸し。楽しい一品。

三陸産の鰹を藁で炙り塩を振る。めったにない定置網の鰹のたたきは脂が乗り旨い。

北海道産の生ししゃも天ぷら。薄い衣でししゃもの旨味を見事に包み込んである逸品。ふっくら美味しい。

船橋産のカマス。肉厚なカマスを脂が逃げない様に軽く丸めて炭火でじっくり焼きあげる。この焼き方で、皮はパリッと身はふかふかだか脂の旨味が閉じ込められる。しのはら秘伝のタレでじっくり炭火焼きされた肉厚のカマスは、激ウマの逸品。


□本日の握り２０貫と玉子焼き

青森大間の鮃の身とえんがわ。大間の鮃は今時期が良いと聞いたがたしかに旨い。

長崎志賀島の鰆。塩だけで仕上げた鰆の脂と香りが楽しめる。

岩手久慈のヒラマサ。脅威の希少なヒラマサ。「ヒラマサの概念が変わりました」と親方。身の柔らかさと酸味が旨いと感じる驚きの味。このインパクトあるタネとシャリが調和して、激ウマな握りになっている。

東京湾の墨いか。甘く柔らかく美味しい。

愛媛八幡浜の水蝦蛄。八幡浜でしか入荷できない水蝦蛄を素材のみの旨味で握りにして供す。これも旨い鮨だ。

青森大間の本鮪106キロ釣りを、赤身漬け、中トロ、背下の３貫。特に背下の握りはあっさりした脂と本鮪の酸味が存分に味わえる逸品。

船橋しんこ。 適度な柔らかさが良い。

神戸ポートアイランド(大阪湾)の鯵。あっさり上品な味。

千葉銚子の金目鯛松前漬け。金目を５日寝かせて旨みを出した後、松前漬けには少しだけ浸して握りにする。美味しい。

かすご。ふっくらした旨い鮨。

東京湾サバと松前昆布。サバの松前鮨は昆布とシャリと鯖が混ざり合い旨味が増す。

北海道紋別のいくら醤油漬け。

北海道浜中の馬糞雲丹。この地域は雲丹の養殖を行っているので禁漁期間も馬糞雲丹が入手可能との事。

千葉大原の大黒（ダイコク）鮑。黒鮑より深海にいる入手困難な希少な鮑。この鮑を蒸して直ぐ真空パックに入れ旨みを凝縮させる。柔らかい食感と鮑の香を楽しめる逸品。握りも激ウマ。

長崎九十九島の白川炙り。これも希少な白甘鯛。握りのインパクトも凄い。

大分豊後水道の特大天然車海老。強めに茹で氷で身を締めて旨味を閉じ込める。この品の良い甘みやコクはスペシャルに相応しい。これも、インパクト抜群な旨い鮨だ。

対馬の穴子。穴子を煮詰めたツメが完成したと親方。このつめで食べる穴子の握りも美味しい。

玉子焼き。メレンゲとさる海老で作る玉子焼きは３日程寝かすと旨みが凝縮されるらしい。焼き上がりも進化していた。この親方こだわりの甘い玉子焼きは天本のデザート。甘くて好きな味です。

赤だしのお椀で終了。ごちそうさまでした。

天本親方のつまみが凄い事は前回体験して知っていたが、握りもインパクト抜群で最高に美味しかった。「進歩する為に様々な意見全てを受け入れて日々精進しています」と笑顔で話していた天本親方も凄い。この数か月でシャリの改良はもとより様々な仕込みや仕事に向上心を持って日々創意工夫をされてきたそうだ。

いやー　今日も天本親方の渾身の仕事と、進化した旨い鮨に酔いしれてしまいました。

次回訪問が本当に待ち遠しいお店ですね。

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７月訪問

１日８席。全身全霊で渾身の仕事を一人きりで。しかも一斉スタートでは無い。この段取りは半端では出来ない。

天本正通親方の名前はかねがね存じており、今回ご縁があって、早くも超人気店となっている東麻布天本に訪問する機会をいただいた。

入店から気が付けばまさかの４時間、対面カウンターでこの時間を費やしてもまったく苦にならなかった。
いや、むしろ楽しかった。

味は勿論だがそれだけでは無い。天本親方の本気の仕事を目の当たりにし、感動で思いっきり体が震えた。


□本日のお任せコース□

長崎大室湾もずく（まずはさっぱりと口を整える）

噴火湾毛蟹と七尾のこのこ
（甘い毛蟹の身と塩気のある珍味このこがよく合う）

久里浜の蛸柔らか煮
（夏なので少し砂糖を入れ甘く煮ているそうだ。皿が出た瞬間と旨そうなので思わず箸を付けてしまう。美味しい。そして残っているのは一つだけ‥）

苫小牧ホッキ貝（仕込が良く甘みを残す）
襟裳岬つぶ貝　（コリッとした歯応え）
九十九里本蛤　（温かいスープ仕立て）
豊後水道いさき（1日寝かせで旨味が出ている）

ミンククジラの尾の身
（全く癖が無い脂で後味が最高。これ激ウマです）

二種類の雲丹と硬めの暖かい酢飯
上に唐津の赤うに、本体が青森下北半島紫うに（イガウニ）本体に硬めの温かいシャリを混ぜ贅沢リゾットの完成。激ウマでした。

千葉大原大黒（ダイコク）鮑
普通の鮑よりさらに10メートル深く潜らないと取れないので、対応出来る海女さんが3 人しかいない稀少品。取れたてを産直で受け取り直ぐに蒸す。
蒸し上がりは真空パックに保管し旨味を凝縮させる。これも激ウマ。

たいら貝炭火焼き
（つけ場の炭火で丁寧に炙る）

黒むつの握り（素材の良さと鮮度で勝負。旨い）

シャリはヌキヒカリとひとめぼれ古々米のブレンドで天本親方の為に２年分保存されているそうだ。
まわりが硬めにコーティングされている粒の立ったシャリに仕上げてある。塩気は控え目。

酢は赤酢２種類をブレンド。ミツカンの山吹と横井醸造の与兵衛。シャリにもこだわりを持ち、常に試行を重ねている。

握りの煮切りは薄口醤油と古酒のみで甘味は古酒から取っているとの事。これも思いっきりこだわっていた。

ただ残念だったのが握りの後半シャリに変化が出てきた。時間の経過で米が緩くなってしまったのだろうか。

柳川まじゃくの唐揚げ
（穴蝦蛄とも言うらしい。見た目と違い物凄く柔らかい食感で美味しいつまみ）

真名鰹
（刺し身に出来るのは2キロ以下の魚体のみとの事。皮目のみ軽く炙りで刺し身で。旨いなー）

赤むつ炭火焼き
（長崎対馬紅瞳のノドグロ丼。もちろん激ウマ）

縞鯵　握り（活き締めで歯応えが良いく美味しい）

鱚　握り
（産卵期の雌。素材がすこぶる良いので軽く塩を振るだけで、昆布締めにはしていない。脅きの旨さ）

愛知県篠島の鱸　握り
（シャリの温度が上がった。取れたてだが甘味が感じられ美味しい）

白身の素材の良さを感じる旨い握り。魚が持つ本来のポテンシャルを引き出す仕事を心がけているそうだ。シャリとも合っており、これも良いと思う。

五島アオリイカ　握り
（繊維を感じる食感が残るように少し粗めに包丁を入れている。甘味もある）

千葉大原金目鯛　握り（仕込は軽く塩締めのみ）

かすご　握り
（仕込は2分程酢で締めるだけで湯煎無し。ふっくらしていて激ウマな逸品）

佐渡島本鮪漬け　　　握り（シャリの温度高め）

佐渡島本鮪血合ぎし　握り（シャリの温度高め）

佐渡島本鮪大トロ　　握り（シャリの温度下げる）

愛知三河湾シンコ　握り
（愛知のシンコは静岡に比べて柔らかいと親方。本当にやわらかい。締め具合も良い）

大阪湾小鰯　握り
（締め加減はシンコと同じ仕事だが、シンコよりお勧めの味ですと天本親方。確かに旨い）

紫うに　握り
（東沢のスペシャルはヤバイ紫うに。塩で甘みを引き立たせ後味もすっきり。有明産の海苔と合わせてきた。もちろん美味しい）

玄海灘の伊勢海老　握り
（こんなに大きく活きの良い伊勢海老はめったに入らないらしい。目の前でさばき、半身にしてもまだ動いている。これを炙り握ってくれる。天本正通親方ある意味命懸けのつけ場。慎んでいただきました）

長崎九十九島しらかわ（甘鯛）　握り
（2.7 キロ産直の超幻の白い甘鯛。釣れるのが3000本に一本との事。軽く炙って握ってもらう。見た目は脂が強そうだが、食べるとアッサリして美味）

有明海産天然車海老　握り（茹で加減は軽め）

東京湾小柴の穴子　握り
（煮穴子を軽く炙る。脂が乗り香ばしく激ウマ）

玉子　しっとり甘くてまるでスイーツ。素材はメレンゲ（小山ロール監修）と明石のさる海老のみ。スチームコンベクションオーブンで焼き上げている。

これはほとんどスイーツなので、鉄板ではでは作れない。客を喜ばす為にパテシエ直伝の手法でメレンゲを作り、さるエビのすり身で鮨屋の玉子を焼く。この手間も本当に凄いと思う。

お椀で本日のお任せ終了。

客の目の前。つけ場で生きている特大伊勢海老をさばく。手には軍手。扱いを誤れば指なぞ直ぐ切れる。さばきたての美味しさを客に提供したい一身から、もの凄いリスクも厭わない。

そのさばきたての特大伊勢海老の身を、つけ場の炭火で軽く炙り塩を振り切り分け、鮨を握り客に手渡しで供す。

この仕事が全３２品のたった１つ。これはたしかにメインイベントだがその気力労力たるや半端ではない。並みの気力では絶対に出来ない。

それを笑顔でやってのける天本親方の覚悟と胆力は、数少ない頂点を目指せる本物の職人だと感じてしまった。

客がすべて引いた時間から、つけ場の片づけと明日の準備を一人でこなし（良き仲間もヘルプに来てくれるそうだが）翌朝は河岸に行く。

午前10時には築地や全国から魚が届く。そこから午後6時の開店に向けて、一人での仕込みの仕事。手抜きと妥協は一切しない。

これを全てこなし、８名の客への渾身のもてなしを用意する。そして開店後時間差で訪れる計８名に３０品以上のつまみと握りを一人で仕上げ提供する。

さらに客への気配り、質問への対応や受け答え、写真撮影への協力などを同時進行で実施している。

料理が一方的に出されるだけの４時間ならばとても耐えられないと思うだろうが、常に作り手と食べ手のコミニケーションを成立させているので誰からも文句が出ない。それどころか全員楽しそうだった。

天本正通親方。感動をありがとうございました。
ご自愛ください。またうかがいます。