素材を何処までも研ぎ澄まし極限までポテンシャルを引き出す正に至高のお料理 : 新ばし 星野

公式

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2024年Gold受賞店

The Tabelog Award 2024 Gold 受賞店

日本料理TOKYO百名店2023選出店

食べログ 日本料理 TOKYO 百名店 2023 選出店

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5.0

¥60,000~¥79,9991人
  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.8
  • 酒・ドリンク5.0
2023/12訪問18回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.8
  • 酒・ドリンク5.0
¥60,000~¥79,9991人

素材を何処までも研ぎ澄まし極限までポテンシャルを引き出す正に至高のお料理

■訪問日:2023.12.14 20時半〜23時

■お料理 お任せ¥50,000
お酒含むお会計¥61,800

①先付

□胡麻豆腐の白味噌仕立て
■和芥子

身も心もほっこりとする温かみは
星野大将のお気遣いがお料理へと
写されているかの如し

山利の白味噌の穏やかさとまったりする食感が
地味深く舌に着地し胡麻豆腐が何処迄も美しく
優美な味わいを留めて白味噌とのコラボ味覚に
感動する作品

寒空の中で星野さん迄徒歩で身を晒して来た故
身体も少し冷え気味な所にホッと温かさが漂う
感じの白味噌仕立ては有り難く感じます。
この白味噌と胡麻豆腐の合わせ技には舌が納得
完璧すぎるほどのこっくり感が満喫できる一品

白味噌だけで溶いた汁の瀞みと言い甘味と言い
冬場には持って来いのこっくりと至福を頂ける
お料理かと感心してしまいます。
白味噌は舌にサラサラと流れて舌を優しく撫で
穏やかな甘味と温感で落ち着く円やかな舌触り
実に和みのときが訪れて参ります。
その和みの中でプヨンと緩く丸く浮かび上がる
胡麻豆腐が可愛くて仕方がない。
全く雑味の無い無垢な甘さあふれる胡麻豆腐の
舌触りと地味深さと共鳴するmildな白味噌の
ポタージュが何処までも優しく愛おしい味わい
筆舌し難し味覚に我を忘れてしまいますね。

②お凌ぎ

□海鼠腸の飯蒸し

海鼠腸独特の珍味度旺盛な味わいと
塩味が餅米との相性を良く物語って
味覚のバランスが絶妙に整う一品で
海鼠腸珍味が塩味も含めお酒を誘う

此処は飛切りをお燗で欲して仕舞い
海鼠腸の飯蒸しとペアリングで嗜む

海鼠腸が餅米に巧みに絡んで飯蒸しとしての
甘味を加速させて口内に取り込んだ瞬間から
海鼠腸珍味と餅米の甘味が手を繋いで新たに
珍味と甘味が重なり合い珍味度が膨らみます。
また、
飯蒸しに絡む海鼠腸珍味を一口頂いた後での
飛切りのお燗をキュッと煽って口内に程良く
温感が浸透して胃袋もカッとなるのと同時に
切れ味良く端正な甘味のお酒が爽快なことに
珍味の余韻と合流して快感が突き抜けました。

◉飛切りをお燗で

パクッと頂いた海鼠腸の飯蒸しが
珍味豊かに舌を刺激して飛切りと
相性良く喉を潤おし乍ら身も心も
ほっこりと暖めてくれました。

③前菜3品

□慈姑チップス
□ばちこ
□唐墨

今冬は唐墨不足に泣かされてるお料理店も
多いはずなのにちゃんと珍味仲間が勢揃い
チビチビやって下さい、と優しいお言葉に
はい、畏まりました!と心の中で叫びつつ
酒肴をゆっくり嗜みます。

中でも慈姑チップスがこれ程お酒に合うとは
思っても見なくて想像以上に慈姑チップスが
塩味を寄せて来てお酒を唆ってしまいますね。
然もパリッとする破砕感も素敵な響きで良い
音色で口内に響き歯が楽しく慈姑と戯れ乍ら
チップスを齧ると止まらなくなる程でした。

酒がつい進んでしまう珍味軍団の中でも
やはり
炭火で少し炙って火入れされたばちこが
齧ると絶対珍味を仄めかしつつも其処に
熟成感伴う希少な唐墨が更に拍車を掛け
唐墨もばちこもお酒を進めてしまいます。
それにしましても
この唐墨の仕上りの素材感がとても良い
唐墨純度と言いますか鮮度と言うのかは
悩む所ですが唐墨に血管等の混じり気が
微塵も無くて唐墨の微細な粒子が鮮やか
血の気や嫌味等完璧なまでに消滅させて
ボラの卵の血抜きが完璧な唐墨の仕上げ
こんな所にも星野さんらしさが出てると
強く感じて仕舞いました。
此奴は一気に片付けてしまうのが惜しい
と感じてチビチビやってお料理が進んで
お時間が経過しても取り置きしてお酒の
お供にお付き合いをして頂きました。

◉天領 1号瓶で

④珍味

□焼き雲子
□酢橘

雲子自体も素材としての鮮度の良い
特急品とも言えますものを用意して
更に
塩水で浸して雲子のアクとか嫌味を
完全に抜き取ってから炭火でジワリ
火を入れられてます。
なのでとっても純真無垢なる雲子の
焼物が仕上がっていて味覚も食感も
最高なものを頂いてます。

感じた事は

これ程まで無垢な状態で雲子を熱々に
焼き上げる事ができるものかと感嘆。
普通は焼くとダマとかが少しは発生し
素材が完全に溶解せずに瀞みに対して
阻害感が芽生えて仕舞ったりするのに
星野さんのは全くトロトロクリーミィ
一寸の隙間も許さないと言った感じの
円やかさで舌をうっとりさせてくれて
故に
その滑らか食感と同時に珍味が円滑に
舌一面に瞬く間に広がって味蕾が開き
珍味が浸透して陶酔感を招いてました。

なので雲子を熱々のままパクッと頂き
お口に投入した途端インパクトが走り
プチン!と薄皮が弾けて中から白子が
トロ〜ンと飛び出し舌に着地した瞬間
vividな珍味と途轍も無く円やかなる
トロ〜リ感が込み上げて来て感動する
味わいに陶酔して仕舞うのです。
純白雲子の口溶け感が無邪気な甘味と
同時に舌に訪れて来るのですがとても
普通の雲子とは思えない程で斯様な程
美味なる珍味が鳴り響く雲子と出会え
実に口福感を頂き感謝感激でした。

⑤お凌ぎ

□根芋の吉野煮
□生姜

定番の一品で根芋の吉野煮
此れは外せない一品ですね。

いつも通り根芋と炒り子出汁の吉野葛からの
相性と生姜の刺激がお口の中で舞い踊る妙味
この瀞み食感と葛の餡のコラボ味覚の誘惑に
舌はなかなか勝てそうに有りません。
そしてご一緒頂く天領の吟醸が此れまた良く
この吉野煮と誠にピタッと寄り添うのです。

星野さんの吉野煮は根芋が短冊状に
カットされてて根芋を炊き込んでの
柔らか味が舌にダイレクトに伝わる

一口頂くとトロリと葛が舌を撫でて来ますし
ねっとり感
ほっこり感
シャクっとする繊維感
そして何となく漂いほっこりする安堵感が
寄せて来て舌を温かく和めてくれます。
舌がまったりと休んでる癒やしのひと時に
静寂を破る様に生姜のピリリッとする刺激
これが又嬉しい感じで突き抜けて行きます。
この爽快感伴う生姜の走る吉野煮の妙味が
途轍もなく根芋の美味しさを膨らませる。

シンプルな素材の根芋を吉野葛と一緒に
炊いただけなのに
甘味と言い
瀞みと言い
辛味と言い
味覚のハーモニーが完全に同調律を一致させて
この妙味の完成度の高さに舌が惚れちゃいます。
今では柏市だけでしか生産されて無い里芋の芽
こんな素朴な素材をここまでの一品料理として
昇華させて仕舞う調理の技に拍手ですね。

⑥蟹料理

此処から蟹三昧シリーズの登場となります。

□津居山の香箱蟹
□津居山の松葉蟹 雄の脚と鋏
□津居山の松葉蟹と蟹味噌

津居山の山本永二商店の浜茹でのものを
仕入れられておられます。

津居山港から届いた浜茹での蟹を星野さんで
お料理直前で蒸し直す事で蟹のvividな味を
復元しています。
香箱蟹をサーブする直前に蟹酢をかけて味を
整えて香箱蟹のポテンシャルを高めてます。
故に香箱も脚も鋏も更には蟹味噌迄もが鮮度
抜群に活性化されたうま味と言うか甘味等が
蟹の身肉から生き生きとしてシャリッと響く
食感の潔さが歯にビンビン伝わって来ます。

香箱蟹は勿論外子やゴロゴロ散らばる内子に
たっぷりの蟹味噌がまったり掛けられ味噌の
珍味に纏われた内子の甘味が冴まくるもので
外子と内子の真下に佇む解し身が肌理細かく
ぎっしり詰まってて食べ応え感旺盛に甘味を
口内に撒き散らしております。

一方で外子が山の様に積まれ何処を穿っても
繊細にプチプチ感が弾き飛んで小気味の良い
食感が響き渡ります。
而して
その充満するプチプチ感と沢山の外子たちが
お口の中を駆け巡る快感にクラクラッとなり
目眩を起こしてしまいそうになります。

香箱蟹を食べ終わるか終わらないうちに次の
茹で蟹が登場です。

鋏も脚も身がギュッと詰まっており箸先で
突くとスルスル〜ッと殻から抜き取る事が
簡単に出来てしまいます。
殻から剥いた茹で蟹の身から甘味が鮮烈に
広がりめちゃくちゃ美味!
その身が舌に着地する度に甘美に踊る味に
舌が抱かれてその蠱惑的な抱擁にワクワク
ときめいてしまう。

浜茹でされている松葉蟹から新鮮な香りと
蟹自身に染み渡る滋味がシンシンと注がれ
その旨味を味わうのに抱腹絶倒致します。

そして蟹三昧の締め括りは味噌たっぷりに
注がれた解し身とのコラボ作品で蟹味噌と
解し身を優しく和えながら頂きその甘味と
味噌珍味に舌がうっとりして一生懸命にも
戯れ合う心地良さを満喫させて頂きました。

蟹味噌たっぷり注がれた解し身との和え物に
悶絶して蟹三昧を〆る

◉日日 autumnバージョン
◉新政No.6 新ばし星野限定バージョン

⑦揚げ物

□富田林の海老芋の唐揚げ

海老芋は砂糖を少し整えつつ甘く炊いて
揚げておられます。
但し甘さは素材と向き合わせる加減が難しく
ご自身でも甘味の施し方は慎重に行うとの事
やはり痛感するのは星野さんの甘味の作り方

共すると甘味は素材との調和が難しくなって
少しでも強いと甘さだけが舌に残ってしまい
素材の持ち味を消してしまう事も発生します。
其処を巧みに素材の持ち味を引き出しながら
味を整えて星野流の滋味深さに繋げている所
其処に非凡な技術の凄さと言うのか日常敵に
素材と向き合っている姿を感じます。

ど真ん中だけをくり抜いてる海老芋の唐揚げ
肌理細やかさが裏漉ししたような粉質感にて
信じ難いほど海老芋の粘質感がサ〜ラサラで
クリーミィなくらいに舌に絡み付いて来ます。
その粘性の品格が行き交う甘味のお淑やかさ
一度甘く炊いてから揚げているとの事ですが
お箸でサクッと海老芋の身を突くとスポッと
素直に割れて来て其の儘熱々の所をお口へと
運びますととぉっても細やかなお芋の質感が
舌に着地ししっとり感が滲み出るのと同時に
舌をしっぽり抱き寄せて来ちゃうんです。
いやいや、この優雅な粘性は何処から来るの?
富田林だからと言う訳でも無さそう、今月は
其所其處の和食店なら富田林の海老芋を用意
でも富田林の海老芋の扱いは星野さんの物が
やっぱり最高に美味しいのです。不思議だ。

手間暇掛けての仕込みと技に裏打ちされた
絶品の海老芋を満喫させて頂きました。

⑧お造里

□明石の鯛 昆布締め
□割醤油:お出汁で割ったお醤油

やはり明石の鯛はお造りの王様ですね。
その身質からの鮮やかな美味さが突出し
鯛の身を噛めば噛むほどに淡白な甘味が
舌に零れ落ちて来て舌を悩ませています。
とても力強さ漲り弾けるような歯応えを
感じます。
その食感と美味さに絶句してしまいます。
割醤油をその身にたっぷり浸してやると
淡白さが余計に浮き上がって来て感激が
口内いっぱいに満ちて来ます。

昆布の香りと旨味がくっきり写っていて
トロッと艶かしく蕩ける肉感が悩ましい
その膨よかな肉感がお口の中で身悶える
しなやかに身肉が反発して噛み応え感が
気持ちよく歯に響いて来ます。
拍手喝采したくなる程の潔さと旨味とが
調和する至高の作品。

⑨お椀

□白河
□独活
□松葉柚子

今年から利尻の最上級の昆布に変えてる
確かに地の味わいの奥行きも滋味深さも
水出しで引かれた淡麗なる地の味わいの
美しさは天下一品ですね
キリッと洗練された味わいに感銘します。

白河は鱗をすき引きして身綺麗にして
利尻昆布の出汁で蒸されてます。
何処までも素材に対して忠実に本領を
発揮させてあげようと言う繊細な施し
感動致します。

これ程研ぎ澄まされた全く雑味感の無い
白河は初めてかもです。
星野さんだとここまで素材を神聖な所へ
昇華させることが出来る事の証明と痛感

昆布のうま味の出し方の塩梅に惚れちゃう
大将曰く昆布は出し切っても良く無い様で
良い所を巧く出すのが一番美味しく雑味を
消す様でその境界線を水出してる中でどう
推測ってるのか素人風情には分かりません
此こそプロの技ものなのでしょうね。
兎に角淡麗そのものの昆布の淡いうま味には
舌が感動しまくりで滋味深さが極まる吸い地
この味覚に出会えただけでも幸せを感じます。

⑨焼物

□新潟の真鴨のタレ焼き
□やきねぎ

真鴨は胸肉と腿肉のご用意が有り贅沢にも
真鴨の部位違いのを食べ比べさせて頂ける。
奥の一切れが腿肉で手前4切れが胸肉です。

真鴨から肉感と旨味のポテンシャルを
最大限に発揮させる火入れ加減に脱帽。

普通は鴨肉の焼き物と言うのはスライスして
焼かれる事が多いかと思いますが今回斯様に
極太ゴロッとしてる肉の塊で焼くと言うのは
難しくて火が通り難くなり勝ちな所を敢えて
肉肉しさを楽しんで頂きたいと言うお考えの
星野大将の心意気とチャレンジ精神に拍手。

焼き方はと言うと
真鴨の肉塊を鉄板に乗せカセットコンロにて
火をジンワリ入れる様です。
所謂焼肉スタイルで巧みに火入れして仕上げ
鴨肉の脂質を無駄なく削ぎ落とし肉肉しさを
研いで旨味を凝縮させて鴨の持ち味を活性化
そんな所にも星野流の素材への取り組み方の
片鱗を垣間見せて頂いた様な気がします。

お皿の上に堂々鎮座する鴨の腿肉胸肉から
鴨の香りがフワァ〜ンと鼻腔をついて来て
鴨ってこんなにも芳しさが漂うものだとは
知らず仕舞いだったと認識が改められます。

腿肉の方は咀嚼するとフワッと柔らかく
モチモチッと弾力して艶かしさがエロく
食感と噛み心地が抜群に伸びる。
ソフトに歯を包み込んで慈愛すら感じる
肉肌から滲み出る脂質のエキスは濃厚で
旨味十分に零れては口内に美味が充満し
その美味しさに唸って仕舞いました。
そして
腿肉を噛んだ時のジュワ〜ッと溢れる旨味
エキスの見事な味覚に舌が歓喜に震えます。

その鴨肉を一度齧れば

肉感は齧った時は逞しさを感じるが
お肉自身からの旨味は優雅に踊って
実に美しい味わいで鴨肉とは思えず
頬っぺたがストンと落ちまくりです。

胸肉の方が肉感が豊かで肉の繊維質が
グッと迫って押し寄せる感じもします。
此方の方が旨味が濃厚に感じました。

咀嚼が進んでも肉肉しさが失せず元気です。
脂がそれ程強くなく逆に赤身っぽい旨味が
漲っている美味しさで逞しい肉感の中には
サラリ脂質が溶け込んで柔らか味と旨味が
調和している感じが良い味わいを引き出し
咀嚼が楽しくなっていました。

真鴨のロース肉を炭で焼きを入れてから
特製お醤油ダレに浸して味を馴染ませて
其の儘鴨肉を少し休ませ落ち着かせ乍ら
無駄な脂質分を抜きつつ焼き上げてます。

合わせるソースには
鴨肉の骨を焼いてタレを作り
黒大蒜と合わせたペースト状のタレの
ご用意です。
このタレが旨味溢れるコクを放って来て
仕上げの炭火の時にタレを纏わせて焼いてます。
更に焼き上がった鴨肉にたっぷりと濃厚なタレを
添えてお皿に盛り付けられます。

付け合わせは
長葱を炭火でジワッとタレ焼きにされてます。

先ず香りが良い!
この真鴨ロースのタレ焼きの何と芳しい事
鴨肉臭さが微塵のカケラも感じられずにて
激うま肉の旨味エキスだけ纏っている様な
美味しさを口内で舞わせています。
一口咀嚼した途端に鴨肉は肉感が躍動的に踊り
特性ダレとの相性が良く鴨肉の旨味を存分に
引き出す良いお仕事振りで御座いました。

其処に炭の香りが漂い
鴨肉の甘美な味わいにほんのりと
炭火のほろ苦さで染めて来ます。
この奥ゆかしいほどの美味さに参りましたね。
鴨肉自体が旨味の濃度が増す焼き加減に
特製ダレが加わることにより
旨味と鹹味がバランス良く濃厚な味わいを
見せておりました。

⑩お口直し

□京菊菜のお浸し

珍味が続きましたのでサッパリとお口直しに
との星野さんらしいお気遣い

お出汁の浸し地に此れも美観に優れる菊花と
京菊菜の組み合わせが鮮やかです。
見た目がとても綺麗に整えられていて素敵で
崩して食べてしまうのが勿体なく感じますね。

一口浸し地に染みた京菊菜を頂きますと
丸くて味わい深くてシャクシャクしてて
口当たりがとても心地良い感じで響いて
それでいて咀嚼し続けていると緩やかに
ジワリと地味深さが滲み出て来るのです。
地のうま味と菊菜の苦味の息がピッタリ
合う味覚を作り出していました。
サッパリとお口をリセットする間合いも
菊菜の適量も程良くて舌の疲れが癒され
生き返った気が致しました。

⑪焚き合わせ

□蛤の蕪蒸し
□銀杏
□百合根

近江蕪を擂り下ろして蛤に乗せて
葛の銀餡を施してます。

餡の底の方に蛤のエキスが留まってるので
混ぜると言うよりは掘り起こす様にして
掬いながら餡を頂くと
上手く溶け込んで美味しさが募ります。

これも又蛤の鮮度が良すぎる位の元気な
プリプリ感漲る肉感が堪らなく伸びてて
かつ全く雑味の無い蛤の身の甘味が舌に
着地した瞬間に訪れるツルツルンと滑る
艶々な肌触りにうっとりしっ放しとなり
その身綺麗な蛤の肉肌に惚れ惚れしつつ
咀嚼した時の麗しい味わいに感銘します。
更には
国産の葛粉で溶いた銀餡に
近江蕪を擂り流しにした上
蛤の身肉をその中に潜ませ
蕪をほじくると奥の方から
百合根や銀杏がヒョッコリ
顔を出してくれる楽しさが
満載の焚き合わせの一品。

然も蕪蒸しの中の蛤とは繋げてなくて
其の儘同居させてるので繋ぎが無い分
蕪蒸しが銀餡に溶け込んで霙風の餡に
穏やかな変貌を見せてくれるのです。

近江蕪自身は出汁で直炊きしてるのか
優しいうま味が蕪にジンワリ染み込み
蛤からの旨味と塩味も餡に写されつつ
而して丸いコクを感じる味わいで着地。

銀餡からの瀞みと温度感のある和やかさ
甘味を携えて蕪蒸しが何処迄も穏やかに
揺ら揺らと甘味が揺蕩う佇まいの美しさ
そこに戯れる蛤と絡みながら蕪の霙餡の
舞台で踊る銀杏や百合根等の甘い舞には
舌が気持ち良く身を任せて味覚を堪能し
満足気に喜んでおりました。

⑫お食事

□山形県合鴨農法のコシヒカリを
土鍋で炊いた白ご飯(6号炊き)

□松阪牛の時雨煮
□山椒雑魚
□香の物
□赤出汁
□卵黄(宇治の生卵)
□おかか

一膳目は
ご飯の上にお供の雑魚も時雨煮も香の物も
全部乗せして一膳目を頂くのが好みです。

ホクホク艶々の白米と山椒雑魚をお口一杯
頬張り雑魚のボソボソ食感の楽しさを感じ
山椒のピリッとする刺激を同時に頂き乍ら
絶品の牛の時雨煮の甘美な味わいに包まれ
ふわふわご飯をお口の中に放り込んでから
その芳醇なる時雨煮の甘味をご飯と一緒に
mogmogして極上の白ご飯を頂く口福感に
大満足となります。

この少し辛くて喉に渇きを覚える味わいに
耽美な甘さが煮詰まった松阪牛の時雨煮は
一度咀嚼し始めると麻薬の様に忍び込んで
舌を離しません。
何時もこの時雨煮の美味さには舌が麻痺し
陶酔して仕舞う美味しさです。

二膳目は白ご飯に卵黄掛けです。

シンプルに卵黄を頂きおかかを振り撒いた
卵掛けご飯となります。
お醤油を少し滴らせて卵をご飯に掻き混ぜ
ジュルジュル〜ッと頂きお腹を満たします。
卵黄の濃厚な甘味とおかかの塩味とが調和
至福のご飯タイムとなります。

最後にカリカリに焼かれたお焦げを頂きて
香りも噛み心地も抜群の食感と共に締めて
大満足のご飯タイムが終了となります。

⑬甘味

□お善哉
□お餅

本日のお料理の構成、流れ、組み立て方
素材の持ち味を引き出し切る究極の旨さ
加えて星野氏の技術とセンスが見事にも
一品一品に写されて完成度の高き至高の
日本料理を作り上げてます。
末永くお付き合いしたい名店です。

  • 新ばし 星野 -
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2023/09訪問17回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥60,000~¥79,9991人

素材を慈しみ何処までも穏やかに地味深く味を整えて琴線に響きわたるお料理

■2023.9.19(火)20時半〜22時45分

■お料理 お任せ¥45,000
お酒等含むお会計¥53,000

■ご予約 該当年度の受付日にお電話にて年間予約

①先付

□焼き茄子の白味噌仕立て
□茗荷
□和芥子

白味噌の中央に和芥子が静かに鎮座
中に溶きながら甘味と辛味を合わせ
慎ましい心に染み入る甘美な佇まい

久世茄子を串刺しにして炭火の上で
クルクル焼き鳥みたいに回しながら
優しく火を入れて繊細な久世茄子の
繊維を傷めない状態を保ちながらも
炭火の強さを感じさせない咀嚼感が
優れる無垢で鮮烈な甘苦い焼き茄子

京都山利の白味噌を絶妙な間合いと
配分で溶いて作り出される白味噌の
仕立てはまるでポタージュの様相を
呈しながら舌にまったりと親しみを
持って付き添う感じで誠に滋味深く
純真無垢で清楚な白味噌から甘味が
舌を染めて参ります。

その白味噌を飲み無垢な甘味が絡み
茄子の翡翠色から輝く焼き茄子との
味覚のコラボにうっとり現を抜かす

久世茄子を噛んだ瞬間とほぼ同時に
仄かに薫る焼き茄子特有のほろ苦さ
然も皮目のお焦げの芳しさだけ写り
翡翠色の繊維はちっとも傷んで無い
信じ難い魔法の様な焼き茄子の塩梅
茄子のカタチと肉質感を保ち美観と
美形の整え方は正に芸術品かと思う。

フワッと揺れる茄子へ咀嚼を進めて
お茄子の芯までフワンとする食感に
魅了されて仕舞う。
焼き茄子の炭の名残り香が茄子味と
調和しつつ舌を瑞々しさで覆尽くす

んん、白味噌と焼き茄子名コンビを
ここ迄昇華させる調理の技術に驚く

そして白味噌のまったりする甘美な
味わいがコク深く舌を染めて惑わせ
陶酔する味覚の世界に誘い込みます。
秋味を静かに嗜み言葉を失う逸品。

②お凌ぎ

□博多湾海鰻の飯蒸し
□お出汁で蒸し上げた餅米
□木の芽

お料理は博多湾の天然の海鰻に
お出汁で染めてる餅米に寄せて
木の芽をアクセントに添えての
ご用意となります。

一口その鰻の飯蒸しをお口へと
含みますと川鰻とはまるで違い
溌剌とした海鰻の身肉が弾けて
味の奥行きの深さ広さの違いを
舌が直感的に拾って悶えます。

海鰻は川ウナギより遥かに無垢な味わいが
深掘りされてる美味さで咀嚼した時の肉感
身厚な肉質から迸る逞しく育まれた繊維感
そして
柔らかい身肉から生まれる膨よかな肌合い
地焼きされてパリパリの皮目が同居しつつ
その破砕感と芳醇な肉感のコントラストが
育む鮮やかな食感に支えられて海鰻の味が
どんどん咀嚼を進めて美味を深めて行く。

更に咀嚼を進めれば

海鰻の持つ固有の身質から
浮き上がる豊かな膨よかさ
パリンと弾ける皮の焦げ目
歯にサクッと絡み舌を招く
地焼の火入れ加減も神技で
パリンからフワリと食感が
舌に同時に舞う瞬間の快感
噛めば噛む程味が深まって
高揚感がグンと広がります。

炭火で直焼きした博多の海鰻は
芳しく香り立ちフワリと鼻腔を
擽ぐる
餅米はしっぽりとモッチリして
皮目のパリパリ感に潜む旨味と
仲良く絡み合い妙味を引き出す

そして寄り添う餅米からも
ムチッとする様な膨よかな
食感が舌を襲って来ながら
餅米に寄せる海鰻の相性が
これ程マッチングするとは
想像を遥かに超える妙味で
舌を踊らせておりました。

絶妙な火入れのバランスが生む旨さ
海鰻らしい野生的な肉感が膨よかに
漲る旨味をここまで昇華させている
その絶品鰻の2切れを心ゆく迄堪能

■鰻ダレに酔い痴れる

舌と触れ合う味覚の構成エレメント達が
発する味わいの多様な関わり合いに感銘

味醂とお酒と濃口を1:1:1の比率を
色々に試しながら仕上げて来た鰻ダレ
その日の鰻が最高の出来栄えになる様
海鰻の身質の豊かさを自然に発揮して
甘味を強めたりして鰻の皮にも腹にも
丹念に刷毛を入れて念入りに仕込んで
そして山椒の香りを付けながらと言う
作業を何度も繰り返されての炭火焼き
故に咀嚼の時のパリパリする破砕感が
とても心地良く響きながら味わい深い
甘味と同時進行してこの海鰻の一口を
極上の甘ダレが鰻の身質を巧みに染め
舌を甘やかしながらも美味の極地へと
誘いこんで行くのです。

■味覚のグラデーションを満喫する

白身はホクホクの深い鰻本来の味わい
皮目はパリパリッと歯ごたえ感を満喫
その食感と味覚のコントラストに感銘
その切り身をギュッと咀嚼し続けると
タレの甘味と山椒のツンと散る刺激と
モチッとする餅米が三位一体となって
海鰻の膨よかさが充足感を醸成しつつ
味覚グラデーションが進んで行きます。
そして海鰻のポテンシャルを限りなく
引き出す炭火を巧みに扱う技にも感嘆
いやいや、素晴らしい海鰻の飯蒸しを
頂いてしまいました。

③海胆ゼリー

□馬糞海胆
□鯛のお出汁ゼリー

鯛出汁を馴染ませたゼリーに馬糞海胆と
合わせておられます。
一番出汁をベースに焼いて無い鯛の骨を
炊いて旨みを引き出したゼリーで纏める

鯛の中骨を炊いて取ったお出汁のゼリー
馬糞海胆を優しくカバーして冷感を保ち
奥床しくも優しいゼリーの旨味が海胆を
冷んやりと労り海胆の珍味を邪魔せずに
繊細に完成された旨味と珍味が同居して
斯様な一品に佇む雑味の無い旨さに脱帽

舌を冷感が気持ち良い旨味で覆い尽くす
冷んやりするゼリー食感が海胆を手伝い
馬糞海胆本来の持ち味を素直に際立たせ
舌に快感をストレートに写していました。

④焼き鼈

□浜名湖 服部中村養鼈場の鼈

服部養鼈の養殖方法は格別なもので
同じ鼈養殖でもきちんと冬眠させて
3年間に渡り養殖して育ててるので
他の養殖場とは違い鼈の身肉繊維に
味が詰まってる深みを感じます。
お肉の密度が全然違っており咀嚼した際に
肉の繊維質がギュッと詰まって歯に当たり
其の儘吸引される感覚に陥るのが不思議で
普通は鼈肉を咀嚼するとコラーゲン脂質は
プヨンとなり肉感も柔らかく弾みプルッと
弾力するのに比して服部養鼈で育てられた
養殖鼈は噛むとギッシリお肉が詰まってて
プルンではなくムギユッと噛み込んで肉の
繊維質に引っ張られる感じとなり弾力性に
富んで滅茶苦茶に咀嚼感が詰まった旨味が
ガツンと来ちゃうのです。
元来鼈はダイナミックな肉感が売り物とも
言えますがその中でも此方の鼈肉は格別で
咀嚼時の味わいの奥行きの深さが堪らない。

其処に更にvividな特性醤油ダレの甘味も
加わり噛めば噛むほど味わいが深掘りされる
焼き鼈となるので有ります。
手掴みで鼈肉を鷲掴みして両手で支えながら
鼈に向かいガバッと喰らい付くので有ります。
齧った途端に鼈の野性味を帯びた肉肉しさが
無闇矢鱈に口腔内を蹂躙して極上旨味が弾け
飛び交うので有ります。
骨が見えるまでしゃぶり尽くすとコラーゲン
たっぷりのゼラチン質がぷよぷよと口内へと
溶けて流れてきてるのが推し量れます。

其処をグッと引き千切って更に舌で舐め回し
快感が増幅して来るので御座います。
もう、感動しっぱなしなのです。
豊かなお醤油風味も心地良く靡き焼き鼈から
相性良く肉感が放ちつつも旨味を広げて来て
美味しい楽しい躍動が広がる味わいに繋がり
大満足となる至福の逸品でした。

⑤芋茎の吉野煮

定番の名作であるのは勿論の事
吉野煮の生姜風味と炒子出汁に
訪れる度にほっこりと嬉しい味
この一品に出逢う為に通いたく
なる気持ちに襲われるほど迄に
やはり舌に染み入って来るので
この一品だけは忘れ難き名品と
言えるかと思います。

炒子が優しいお出汁のうま味を整えて
葛餡を纏わせ芋茎を穏やかに包み込む
この葛で溶いた炒子出汁の餡を飲むと
何故か心が和んでくるんですよね。
芋茎のザクッとする食感が歯に当たり
心地良く響き乍ら葛餡のトロ〜リ感に
舌が満たされて行きます。
芋茎の無機質感を葛の瀞みでねっとり
炒子出汁のうま味で装いつつ淡白乍ら
アクセントの生姜だけで創作する名品。

そろそろ芋茎も今月まででしょうかね。
10月からは根芋の吉野煮になりそうで
一年の内に芋茎も根芋も途切れる月が
一回発生するかしないかだそうです。
それでも生産者が高齢化し数限られた
農家さんだけなのでその内には消滅し
吉野煮も最後になる時を迎えるのかと
思いますと寂しい限りですね。
そんな事を頭に描きながら吉野煮から
生姜の刺激と葛餡のほっこりさを纏う
芋茎の繊維感で舌を惑わせつつ妙味に
うっとりしちゃいました。

ここで閑話休題

やはり時期的に皆様松茸を期待してますが
星野大将のお話では未だお料理に饗する程
良い松茸が無いとの事で本日は残念ながら
松茸料理はパスさせて頂くことに。
そんな話しをし乍らも松茸を凌駕する味の
お料理が待ち受けてました。
その辺は流石と思わせるものが有ります。

季節の味覚を引き出し変幻自在に味を写し
夏の名残のものと秋味深まる味覚を合わせ
舌を喜びに誘う一品たちに心躍りますね。

来週になるともう海胆や芋茎は消えて
メニューも一新され完全に秋の味覚へ
移り変わるようです。
この時期が丁度端境期となり楽しさも
増えて印象的なお料理が多くなる気が
致しておりました。

⑥冷たい無花果田楽

□無花果を蒸して冷やして
□山利の田楽をお供にして

冷んやり無花果に田楽味噌の甘味が重なる
無花果との相性がパーフェクトな一品

一口目で無花果田楽を含んだ時の味わいが
舌をまったりと寄せて来るし幸せな思いを
育み舌鼓を打つ時に頂く耽美な甘い世界へ
没頭させて仕舞います。

無花果が格別な味覚の果実に変化しちゃう
無花果からジュクジュクと湧き出る甘味に
負けない田楽味噌のしっとり甘いが秀でて
見事に味覚同士が同調して来る味わいには
舌が惑いうっとりしっぱなしとなります。
山利の素材感を活かした白味噌ならではの
田楽味噌は卵の黄身と煮切り酒とお砂糖で
合わせて田楽を仕立てております。
山利のお味噌だけで十分に無花果の果実と
甘味が寄り添ういい味の調和に繋がるかと
思いますが更に甘味に磨きを掛ける星野流
一味も二味もその味わいのレベルの高さに
舌が惚れ込んで仕舞うのは避けられないと
痛切に感じました。

⑦大原の黒鮑

□鮑葛粉揚げ
□銀杏の素揚げ
□振り塩

星野さんの揚げ物で一番の味覚の繊細さを
感じることが出来る葛粉の揚げ物のご用意。
この葛粉揚げは京味系でお目にかかれるが
星野さんのは何処か一味違うんですよね。
揚げられた粉の粒子から舌に伝わる粉質の
サラサラ度と言うか軽やかに粉が舌に着地
触れた瞬間からジワッと滲み出る粉の底味
其れに加えて鮑の肉感が直ぐ隣から直接に
歯に響き渡り葛粉揚げを軽妙に破砕しつつ
ボリューム感が旺盛な黒鮑の肉感プワンと
跳ねて来て実に相対するお粉と肉の共演に
悶絶しちまって堪らないのです。

葛粉で鮑を揚げますと揚げ衣の軽さにも
驚いちゃいますが鮑の野生的な肉感との
衣の距離感がよりピタッと密着しており
然も衣の粒子が細かく揚がっている為か
噛んだ時のサクサク感がふんわりとして
サラリと流れて行く舌触りの細やかさが
鮑の美味しさをキュッと引き立ててます。

葛粉揚げの黒鮑は肉厚な身がプリップリに
弾む肉感を口内に投じていて咀嚼してると
しなやかな身質を維持したまま揚げたての
旨味がちっとも損なわれてなくてある程度
瑞々しさは無くなりパサ付くかと思いきや
逆に
肉感が躍動してる生き生きとして噛み心地
抜群に伸びます。

やはり鮑と言うのは中の肉が大きいものの
方が良い様で外周をカットしてから中身を
調理して料理を作り上げる為外周をカット
した後の中の身が大きい方が美味しくなる
との事でした。

そしてお摘み的にお供する新銀杏の素揚げ
振り塩が施され良い塩梅の塩加減に纏まり
齧るとサクッと破砕感健やかに伸びて来て
銀杏がパチンと弾けて実が幸せいっぱいに
潰れるのが嬉しくなる

秋味をさり気無く軽やかに仕上げてご用意
酒もついつい進んでしまう一品達でした。

⑧お造り

□明石の鯛
□酢橘
□雪塩
□修善寺の山葵
□お醤油

鯛は寝かせずに朝締めのプリプリな身が
とても生き生きとしており鮮度の良さを
感じる逸品でのご用意です。

然も山盛りに盛り付けされてお薬味等も
各種を楽しめる様にセットされてる所が
嬉しくなります。
一枚一枚をしっかり噛み締めて鯛の味と
口内に残して行く余韻を確かめながらも
淡白な旨味がお醤油や酢橘塩な雪塩にて
表情が素直に変わる所を楽しませて頂き
鯛を堪能致します。

鯛の身質自体は流石に明石の激流の中で
鍛えられているだけあり身がしなやかに
舌を撫でて行き柔らかくてプリッと弾む
優しい弾力感が有りふわんと反発するし
弾力感が歯に伝わる時の快感が堪らなく
食感の秀逸さを著して感動致しますね。
そして噛んだ時に淡白な肉質から滲んで
その旨味は山葵が負けてしまう程のもの
鯛の無垢な美味しさにホント舌が参って
惚れ込んでしまいます。

アクセントのお薬味が多々ご用意されて
中でも意外と雪塩との相性が頗る良くて
雪塩を鯛の切り身へと振ってやりますと
ジンワリと鯛の身質の中に溶け込み乍ら
その身質の旨味がキュッと締め付けられ
際立つ感じとなり味わいが深掘りされて
鯛の持ち味をストレートに感じました。

鯛の醍醐味を存分に味わえる素敵な時を
頂くことが出来て満足でいっぱいでした。

⑨小鍋

□淡路の鱧
□九条葱
□お餅

所謂鱧鍋ですね。
グツグツと煮立っている鱧の小鍋から
湯気立ちとともにフワフワァンと良い
匂ひが鼻腔掠めて立ち上がってきます。

シンプルに鱧だけの甘味うま味を身から
出たお出汁をお鍋にも写し更に鱧出汁の
中で煮込むことにより鱧自身の肉を鱧で
綺麗に磨き上げているという何と贅沢な
調理を施すものなのかと感銘致します。

そしてその鱧鍋のスープの地の淡麗なる
うま味の美しさと深き味わいに舌が唸る

更にその鍋には九条葱をたっぷり合わせ
愛おしくなる様な葱の繊維感の清々しい
食感が演出されていて鱧の身肉に添って
グッと美味しさを引き延ばして来ます。

この時、驚くべき光景が目に入って来て
星野大将のお料理センスが光る素材登場
鱧鍋に隠されてる秘技を発見してお客様
全員チョット感動しちゃうんですね。
何と鱧鍋の底で鱧のお肉の塊の下の方に
お餅が密かに仕込まれておりました!
此れにはかなり舌が驚きの表情でお出迎え

大将曰く九条葱だけだと何か物足りないと
感じててシーズンでは無いのですがお餅を
繋いでみたら良いのではと考えて鱧鍋には
お餅がグツグツの中に射込まれてました。
咀嚼してみるとあら、不思議な食感

モチ〜ッと円やかに伸びるお餅の食感から
甘い餅米の溶ける馴染みの有るものが鱧と
絶妙に絡んでお出汁のうま味をほんのりと
纏いつつ誠に染み染みお餅と一緒に溶けて
美味を奏でておりました。

鱧鍋は兎角鱧を煮込み過ぎたりして直ぐに
火が通り其の儘煮詰まる中で食べると鱧が
ボソボソになっちまいがちな鍋物らしい。
ここでお餅の力を借りましてトロンとさせ
鱧も同時に助けて同期化させますと味覚が
互いに仲良く同調し食感も瀞みが出て来て
実に美味しい〜!となるのですね。
此れはかなり感動ものの鱧鍋で鱧とお餅の
名コンビ誕生秘話となるのでしょうか。
来年同時期に来て確かめたいものです。

兎にも角にもまぁ、

鱧とお餅が一緒になって瀞みが絡んで来て
鱧もスベスベの肉感がプルンと歯に纏うし
食感と肉感と舌触りが全て絡んで美味形成
めちゃくちゃに美味しい鱧鍋となりました。

⑩焼物

□落鮎 岡山 庄川
□はじかみ生姜

各自自分の手による調理をお手伝いして
落鮎を解して美味さを其々のやり方で
整えさせてくれる臨場感を味わう趣向は
とても目新しいのと同時に鮎への愛着が
湧いてくる

本日は星野大将直伝の焼き上がったばかりの
落鮎の捌き方食べ方の講習会が始まるのです。
ご指導の通りに指を動かして
先ず、
頭の方を押さえて尻尾を千切る
頭を持って泳いでる形の背中を上に向けます。
次にお箸の腹で上から落鮎の身をポクポクと
軽く叩いて背中を沈める感じで叩いて
今度は頭を上に向けてお腹側を軽くフワッと
満遍なく全身がペタッとなる様な感じに叩く
ここまで来たら後は骨を抜くだけですっぽり
身が抜け出るのですが
此処で焦って頭を持って骨を抜こうとすると
失敗が多いとの事で骨を抜こうとはしないで
身の方を骨から引き出す感じで身を引く様に
して抜くとスッポリ良い感じで外れます。
引き抜く時は前もって鮎の真ん中辺りの皮を
指でチョット摘み乍ら右手のお箸で身を挟み
引くと一口サイズくらいの大きさで鮎の身が
ハラリと解けつつ中骨から削がれて行き鮎の
ホクホクの白身が眼前に飛び出て来て感動。
不思議な位にスルスル〜ッと鮎の皮毎白身が
フカフカと湯気立ちして削がれ出て来ます。
頭以下の中骨は綺麗に小骨迄まるで標本の様
見事に鮎の身だけが真っ白な状態の儘で骨と
分離されて綺麗に収まってます。

このやり方は
昔の落鮎の食べ方だそうでフワフワな身肉で
柔らかさがもてなす食感の豊かさが鮎本来の
持ち味の美味さを如実に感じ取れる食べ方と
言われてました。
現在の主流はやはり炭火でパリッと焼き上げ
カリカリ焼いた皮や尻尾を齧り乍ら焦げ面の
苦味も一緒に身を食べると言う食べ方が主な
流れとなってますが本来はフワッとした身の
味わいを楽しめる魚料理だそうです。

自分の箸で捌いた落鮎を食べる時の臨場感と
その場に漂って来るうまい具合に捌けるかの
興奮と緊張の狭間でスポッと鮎の身が骨から
解れて解放された時の喜びを感じて楽しさが
美味しさに覆い被さり興奮と満足が行き交う
格別な感情が湧き上がり舌も釣られて興奮の
醒めない儘に鮎の妙味をご満悦となったので
有ります。

⑪焚き合わせ

□飛龍頭
□湯葉
□絹さや

其々別々のお出汁で炊いて一つに纏めるので
炊き合わせなのですが
湯葉の甘味が優しくてこれだけでもご馳走と
なりますが絹さやなんかと合わせても良くて
湯葉の甘味が負けてない所為なのか
絹さやの妙味と良い塩梅の味わいに調和する

湯葉の方は甘く炊いて甘味を主張し
飛龍頭の方はお出汁の味付けだけで
そんなに甘く味付けはしない仕上げ

飛龍頭の中には銀杏と生の木耳が射込まれて
飛龍頭のお豆腐成分のふっくらとした食感と
穏やかぁ〜な甘味に浮き出る銀杏特有の香り
その甘味たちがとても微笑ましく感じられる
その中でプチンと弾力性を持つ木耳が弾いて
此れも愉快に味わいつつ楽しめる炊き合わせ

所で本日の飛龍頭の豆腐生地などは
新橋の老舗のお豆腐屋さんから頂いており
星野さんの方で水切り等を施して炊いてて
そのお豆腐屋さんが今月一杯でお店を畳む
との事だそうです。
創業98年続いた老舗との事で大変残念な事
なのでこのお豆腐で作れるのも今月で最後に
なりますと言われてました。
そう言う歴史の重みを感じながら頂く飛龍頭
となると味わいも感慨深くなり舌も一所懸命
咀嚼を重ねる事になりました。
そして
飛龍頭はジワァリお出汁が染み入る優しい味
じ〜んと心に染み込んで来て誠に美味いです。
これ程まで洗練され綺麗に磨かれた味わいに
やはり一口頂く度に感動しますね。
絹さやを飛龍頭を食べる合間に挟み繊維感を
楽しみながら再度飛龍頭へ向かう
更にその合間に湯葉の甘味を添えてお出汁を
少し嗜みつつお酒で喉を潤わすと言う好循環?
に舌が浮かれっ放しとなりましたのは仕方が
無いかと自己弁護しておりました。

⑫お食事

○山形のコシヒカリ
○松坂牛の時雨煮
○山椒雑魚
○香の物
○赤出汁

絶品の白米様に舌が歓喜するご飯タイムが
やって参りました。
艶々でホクホクの何時もの白ご飯のお時間
幸せご飯に旨味たっぷりの時雨煮を乗せて
更に贅沢に山椒雑魚も全部乗せしての白米

時雨煮の旨味
山椒雑魚の鹹味と辛味
白ご飯の甘味

どの一品もご飯にベストマッチする味わい
ベストコンディションで臨んでくれてます。
あぁ、この至福のご飯時間こそ星野料理の
真骨頂とも言うべき癒しの白ご飯が花咲き
完成されたカタチなのだと強く感じます。
本日のメインイベントはやっぱり白ご飯だ。

美味しくて美味しくて堪りません。
もう、この贅沢なご飯のお供とご一緒に
じっくりと米粒の甘味を噛み噛みさせて
一所懸命に楽しませて頂きました。

何時もでしたらご飯をお代わりをして
卵かけご飯を所望するのですが本日は
お腹も満足しており控える事にします。

最後に赤出汁をじっくり味わい舌も心も
いっぱいとなる満足度MAXとなりつつ
大満足を頂いたご馳走でした。

⑬甘味

□葛切り
□煎茶

葛切りの純度抜群に黒蜜の気高い甘味が
寄り添い濃厚な甘さと淡麗な葛切りとが
ベストマッチして頗る美味でした。

  • 新ばし 星野 -
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2023/06訪問16回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥60,000~¥79,9991人

夏素材オンパレードの贅沢な神回は一品毎にクライマックスが訪れました。

■2023.6.17(土)20時半〜23時00分

■お料理 お任せ ¥45,000
お酒と時雨煮購入含むお会計¥税込69,600

■ご予約 一年前にお電話にて

①先付

○兵庫三田の新芽の蓴菜
○蝦夷鮑
○胡瓜の飾り
○ポン酢
○山葵

星野さんの蓴菜は何でこんなに清々しい
ヌル感が口内で育まれるのだろうと毎年
この時期に来ると考えさせられてしまう。
新芽と言う事もあるでしょうし三田でも
かなり秘境の地に育つ蓴菜とも聞くので
産地の特性かと推察しますがその蓴菜を
見極めて仕入れを契約してるからこその
素材力とでも言うのでしょうか
素材には妥協を決して許さず拘りの追求
だからこそ素材の訴求力に加え星野流の
調理で磨きが掛かった時の味覚が鮮烈に
生き生きとした美味しさになるのですね。

三田の蓴菜のヌル感がプルンと揺れて
食感のコントラストが抜群に響きつつ
妙味を伸ばして来る
三田の蓴菜は何でも新芽だけを取って
厳選されてるとの事。
だからでしょうか。
蓴菜のヌル感が飛び抜けており新芽の
力強い繊維感も伸び歯応え十分のもの
赤芽も大きくてガッツリと付いていて
とても良質な蓴菜です。

蓴菜に合わせ三陸の鮑が瑞々しく食感を
伸ばして来る対照的な歯触りが実に旨し!
鮑からコリコリ感が歯にvividに響き
蓴菜のヌル感との食感の格差をクリアに
感じながらもポン酢の酸味がシャープに
同期して来て舌と歯に口福感いっぱいに
着地する

蝦夷鮑はコリコリする食感にミネラル感
ある香りと味わいが清涼感を増幅させて
蒸し暑い初夏の時期にぴったりの一品目。
季節感溢れるお料理に顔が綻びます。

蓴菜と鮑の持ち味を存分に活かし切って
多様な食感のハーモニーが作り出す妙味
舌を何時迄も喜ばし続けていました。

②鰻の飯蒸し

○博多湾の海鰻
○お出汁で蒸し上げた餅米
○木の芽

海鰻は甲殻類を食べて育つとの事です。
なので焼いてる時に甲殻の匂ひが出て
風味の良さを感じる鰻だと直ぐに分る
という事でした。
成る程、普通の川鰻と違い香り方まで
異なるのかと良いお勉強になりました。

見るからに威風堂々とした飯蒸し様の
立ち居振る舞いに迫力を感じています。

而も2枚重ねで贅沢な振る舞いの飯蒸し
此処は一枚目の海鰻をしっかり味わって
鰻様のみを単独でお口に投入しパフッと
噛みつきムフフとニンマリして頬っぺた
落ちまくって素直に喜びに浸ります。

しっかり地焼きされた海鰻は皮目へとても
パリッパリで咀嚼時の破砕感が爽快に響く
皮目も身質もしっかり肉付いており極太な
旨味が漲り生命力が溢れる美味さを如実に
感じる海鰻で咀嚼が自然に進み激うまです。
これぞ鰻の醍醐味だと言う迫力を感じます。

そして2枚目は餅米とご一緒させて頂いて
餅米がしっぽり歯を包みモッチリ食感伸び
膨よかな身質の旨味を最大限に引き出して
完成度が美しく贅沢感が溢れる飯蒸しです。

皮目と密着してる身質をホクホクに仕上げ
そのエネルギッシュな身が自ら捩れるほど
鰻の持ち味が零れて来る美味さを満喫する。

絶妙な火入れのバランスが生み出す旨さは
海鰻らしい野生的な肉感が豊満に漲るもの
海鰻をこれ程昇華させてしまう星野さんの
火入れのチカラに舌が痺れちゃいました。

[鰻への慈愛溢れる火入れ]

海鰻の蒲焼に使う星野流特性の鰻ダレは
味醂とお酒と濃口を1:1:1の比率にて
色々試行錯誤しながらその日入荷の鰻が
最高の出来栄えになるように調和させて
海鰻の身質の豊かさを自然に発揮させる
甘味の緩急を整えて鰻の皮目に腹側にも
丹念に刷毛を入れて念入りに馴染ませて
山椒の香りを付けながら繰り返し炭火を
入れると言う作業を繰り返す火入れの妙
故に咀嚼した時のパリパリする破砕感が
とても心地良くスムーズに響きながらも
コク深い甘味が同時に舌に上乗りしてて
この蒲焼の海鰻を極上の味わいで迎える
事が出来るのだと実感致しました。

[味覚のグラデーションに酔う]

海鰻の身はホクホク感が極まる鰻本来の
味わいを見せている
皮目のパリパリ感が快適に響く歯応えを
満喫し乍ら食感と味覚のコントラストが
クリアに浮き上がるもので舌が唸り続け
堪らなくなります。
鰻ダレの甘味と山椒のツンと散る刺激と
モチッとする餅米が絡みつつ調和し合う
海鰻の膨よかさが餅米と一体感を醸成し
味覚のグラデーションが進んで行きます。
この海鰻のポテンシャルを限界領域まで
出し切らせる火入れの力強さに圧倒され
海鰻を調理する匠の技に感服致しました。

③お凌ぎ

○ほうれん草の軸と岩茸の白和え

ほうれん草の軸は瑞々しくシャキッとして
絶妙な食感で青い香りに混じり胡麻からも
フワンと微風の様に香りが届いて香り三昧
その甘味達を纏ったほうれん草は季節感を
感じるほうれん草で青みがかった美味さが
際立つ一品となっておりました。
そして、岩茸と胡麻の相性も抜群に馴染み
既に胡麻茸と言っても過言ではないほどの
馴染み具合で舌を喜ばしておりました。

④芋茎吉野煮

京味系のお店では伝統の名作の一つ
芋茎を炒子出汁の吉野葛で炊かれて
味も食感も整えている一品

炒子が優しいお出汁のうま味を整え
葛餡に纏われた芋茎の繊維を和める
この葛で溶いた炒子出汁の餡を飲み
何故かホッと心が安堵するのです。

芋茎のザクッとする咀嚼感が響いて
歯を気持ち良く迎え入れてくれ乍ら
舌が葛餡のトロ〜リ感に満たされる。
芋茎と言う無機質な味を葛の粘性と
炒子出汁のうま味で装いつつ生姜の
アクセントだけで爽やかな味に整え
舌を納得させてくれるのである。

何の変哲も無い根菜を一本一本丁寧に
仕込みつつジンワリと穏やかに出汁を
馴染ませて瀞みと共に嗜む伝統の一品

⑤蒸し物

○蒸し鮑 唐津 500g

鮑は殻ごと辛口のお酒と昆布と少しの
お水だけで蒸しててその際に滲み出た
煮汁だけで肝を伸ばされてます。

塩等は使わず鮑の地だけの旨味を作る
実に素材の持ち味をしっかり引き出し
鮑の本性を曝け出している作品
芳醇な香りとミネラル感のある旨味が
柔らかくプワァンと口内に広がります。
一口食べてもうメロメロになりますね。
肝ソースは臭み無く深みとコクを添え
鮑の美味さをこれでもかと感じさせて
咀嚼が恍惚を呼んでしまう美味さです。

⑥箸休め

○馬糞海胆 利尻
○雉羽太のお出汁のゼリー

雉羽太の出汁ゼリーが海胆を冷んやりと
纏い海胆の甘味を巧みに引き出しており
見事な味覚のコラボレーションを演じる

海胆を纏うゼリーは一番出汁に雉羽太の
中骨から取ったお出汁で整えてます。
雉羽太の出汁の旨味の濃度の深さに加え
雑味が無くて透明感が綺麗に伸びて来る
味わいに舌がうっとりしております。

そして馬糞海胆は香りと味覚がしっかり
してお出汁がその風味を優しく包み込み
馬糞海胆らしい珍味度を増幅させながら
広がりを持って滋味深さがジワァ〜ッと
舌に染み込んで来ます。

ゼリーの旨味と馬糞海胆の甘味が見事に
活性化してハーモナイズする美味しさで
舌を弄び初夏に相応しい涼風を靡かせて
珍味を楽しませて頂きました。

⑦揚げ物

○虎魚の葛粉揚げ えんがわ添え
○万願寺唐辛子の天麩羅
○お出汁が効いた天汁
○一味

虎魚は葛粉が粒子も肌理細やかに塗され
揚げ立て状態はフワッフワな感じの一品

付け合わせの万願寺唐辛子は普通に粉で
天麩羅にして揚げられております。

粉の粒子感やフワサクの食感異なる2品
咀嚼のコントラストがくっきり浮かんで
歯を楽しませてくれる揚げ物の食べ比べ
此れは嬉しくなる揚げ物のご用意に感謝

そしてまた天麩羅にも葛粉揚げにも最適
天汁が天下一品の淡くて研ぎ澄まされた
旨味が佇む天汁は一番出しが香り気高く
舌をうっとりさせる程の美味にて此の儘
お飲み物としても秀逸かつ酒の摘みにも
なっちゅうくらいの滋味深さに脱帽です。

虎魚へ顔を近づけると食欲唆る油が薫る
虎魚の端っこを一口齧ってみます。
葛粉揚げされた虎魚の表面はカリッとし
身質はフワッと歯に響いて咀嚼が進む。
衣を突き破ると葛打ちされた虎魚の身は
プルンと揺れながらもツルリと艶かしく
舌に着地してぬめり味が賑やかに舞う
葛粉の粒子の細やかさと虎魚の肉肌との
艶々感の格差から生まれる食感同士との
あざとさに歯がぞっこん惚れちまいそう。

虎魚は敢えて天汁にどぼん!と浸しつつ
虎魚の綺麗な雑味の無い色旨味が天汁の
滋味深さでグーッと膨らんじゃいます。
いい意味で気取らず頂ける揚げ物ですが
一口一口が実にチャンピオン級の美味さ!
そして万願寺唐辛子は甘味と青い香りが
グッと主張しお互いのバランス感も絶妙
なのがとても微笑ましく感じられました。
虎魚は自らの身を磨き上げるが如くにて
天汁に浸されるとポテンシャルが最大に
発揮されて淡白な旨味に迫力が滞在する

羽織一枚という感じの薄衣
フワフワな葛粉の衣の舞に
唇がフッと触れると其の儘
衣の繊細な誘惑に駆られて
自然にキスしたくなります。

虎魚の葛粉揚げを箸先で弄ぶ
ハラリと衣毎スルスル解けて
解けた虎魚の一片をお出汁に
浸しザブンと衣に染みる出汁
共に集う虎魚のフカフカ白身
一つ齧っただけでうんメェ〜
となり悶絶級の美味さが炸裂

虎魚の無垢な甘味が鮮烈に走ります。
此奴は病み付きになりそうなほどの
気品溢れる虎魚の淡白な味わいには
舌が震えちまいました。
更に驚いちまいました味覚の佇まい
何ともお出汁の天汁の驚異的な淡味
お椀の吸い地に勝とも劣らぬレベル
地の旨味の奥行きの深さに感極まる
普通、天つゆと言いますと
揚げ物の持ち味に塩味なり甘味なりを纏わせ
脂分を和ませ緩和するお仕事をするものです。
然し乍ら此方の星野天つゆはドボンと浸すと
天つゆを虎魚に纏わせただけで虎魚の身質に
滋味深い旨味を膨らませる秀逸なお汁でした。

吸い地としても行けるくらいの
洗練されたおつゆの美味しさは
舌がかなり衝撃を受けて脳裏に
天汁の旨味が刻印される

そして虎魚の葛粉揚げはと言いますと
身の部分だけをサラリと揚げて白身が
丸っ切り無垢な身質で一切の雑味無く
仕上がっており極旨の味わいに感激。
サラリと衣の粒子も揚げられた虎魚は
火が満遍なく白身の中まで届いており
咀嚼してますとホクホク感が舌に響き
天汁に浸った衣は濡れ加減もしなやか
ゾクっと来るくらい食感が伸びてます。

天汁の旨味と軽妙な衣の食感の狭間で
虎魚の妙味がパァ〜ッと広がります。
凄い凄いレベチの美味さで咀嚼を促し
揚げ物レベルの美味さが突き抜けます。
ホント、舌殺しの葛粉揚げの揚げ物で
虎魚の味わい方の常識を覆してしまい
天つゆと衣の関係すらも次元を超えた
一品でした。

⑧お造り

○アコウ(雉羽太)
○浜防風
○酢橘
○マルドンのお塩
○お醤油
○山葵

本日のアコウはそれ程は脂が乗らず
意外とサッパリな身質なので酢橘が
合う感じです。

夏の河豚と言われる元気なお魚です。
夏場は鯛が良くないので代わりにと
アコウが美味しくなる季節との事で
この時期にアコウを珍重される模様

身は程よく締まりブリッとした弾力
食感と共に優しく力強い旨味を発揮

円やかなマルドン塩はちょっと煎ってますね。
お塩の野性味がほんのり露わに出てる感じが
良くて少しアコウの生身にパラリ振ってやる
アコウの膨よかな身肉に鹹味を浮き出させて
お塩効果抜群に伸びてアコウの旨味をジワリ
曝け出して来て咀嚼が楽しくなりますね。

アコウの身肉の淡白な旨味をグッと伸ばして
味わいを際立出せますね。
このマルドンのお塩にチョット感動しました。

このお塩を酢橘の酸味で溶かし酢橘塩として
アコウにポトンと滴らせると底味と酸味とが
アコウの身の奥から浮かび上がって来る様で
身質の淡白さに輪郭を与えてしっとりとして
しなやかな白身の旨味を誘い出しております。

更に
お醤油も御殿場の天然醸造もので甘味が
丸くてソフトな味覚を佇ませた醤油です。
お醤油と山葵の甘辛加減も良くアコウに
馴染ませてやると旨味が健やかに膨らみ
味覚が単に美味さを深めるだけで無くて
アコウの身を丸い味覚に伸ばし涼しげに
舌に囁いて来ておりました。

⑨お椀

○牡丹鱧
○蓴菜
○梅肉
○酢橘の皮

綺麗な姿でお椀に浮かぶ牡丹鱧は
牡丹の花が咲き誇ってる様に見え
その佇まい自体が芸術品です。

吸い地が綺麗に研ぎ澄まされており
シャープさを感じる美しさを放って
昆布が誠に淡麗で枯淡の趣を感じる
うま味が舌に寄せて来ます。

どこまでも淡く深い所から忍び寄り
昆布の淡味が澄み切って佇む吸い地
雑味が除かれ繊細でキレのある味覚
それだけでも馳走となり得ます。

やや火入れを施した蓴菜が山葵色に
衣替えして素敵な色合いを見せます。
プヨンと弾んだ温かい蓴菜の食感を
嗜みつつ態と芽がついて無いものを
選定しお椀に穏やかに蓴菜を散らす

吸い地も椀種も邪魔しないで単純に
蓴菜のヌル感と弾力感が柔らかくて
地に寄り添わせる感じで椀に置いた
蓴菜の佇ませ方にも感嘆したい。

このお椀と真摯に向き合い牡丹鱧の
ヌルリとした食感に舌が着地しつつ
鱧がハラリ解けていく淡白な旨味を
しっかり味わう至福のひと時を頂く

鱧の身は口の中で優しく崩れて行き
クリアな旨味を誇りフワッと舌にも
寄り添い至高の美味しさを満喫して
口福感を堪能させて頂きました。

⑩焼物

○若鮎塩焼き二尾 神流川
○矢生姜
○酢橘

神流川の若鮎を炭火でじっくりと火入れ
指で触るとアチッとなりますがとっても
身がふっくらとしててフワッフワです。

鮎の品質が最上級なものを厳選されてて
漁師さんより直接頂いてるもので毎日は
入荷しないそうです。
なので手に入った時のみお料理に出す為
日によっては鮎が無いことも屢々なので
本日は貴重な日にお邪魔出来て光栄です。

つい先程まで生きていたものを焼いてて
とても良い鮮度が保たれてる状態を保ち
身も良く有るカリカリに焼くのでは無く
ホントに鮎の身が膨らむ火入れの施しに
感銘します。ちっともパサついて無くて
しっとりしてる感じに驚いちゃいます。

此処で星野大将よりこの若鮎の食べ方の
講習会が俄かに開催されます。

先ずこのふかふかな若鮎さんを起こして
背中の方と向き合います。
最初に尻尾をプチンと割いて取り外して
次に背中をお箸でポンポンと叩いてから
身をお箸で挟み中骨から食べる分だけを
引き千切る様にして引っ張り出します。
おぉ〜、
何と身だけがスルスルゥッと抜けて行き
中骨は取り残され何かの標本みたいです。

この写真を撮るの残念な事に忘れた!
此れは凄く興奮を呼び楽しくなりますね。
こんな食べ方があるとは新しい鮎体験に
お客様全員が驚きと歓喜の声を上げつつ
感動していらっしゃいます。
綺麗に身が抜けて行き自分の手で若鮎を
料理している様な感覚が芽生えて興奮を
呼びテンションMAXの楽しさとなります。

こう言う芸当が可能になるのは余程鮎の
鮮度が素晴らしく良いからで中骨に身が
引っ掛から無いままスッと抜けるんです。
中骨から引き抜いたフワフワの鮎の身を
直ぐ様お口に放り込み鮎の生き生きした
ふっくら感をvividに感じ乍ら頂くと
もう、素晴らしい美味さの一言に尽きる

咀嚼を進めますと

身質は雑味無く美しい若鮎の香りが舞い
正に香魚と言われる醍醐味が漂う美味さ
舌が興奮してうっとりしまくりますね。
いや、此れは感動ものの美味さです。

隣の蓼酢にチョコンと浸すのに躊躇して
しまうくらいの身質の鮮度の良さに驚嘆
鮎のポテンシャルを最大限に引き出して
焼き方と食べ方が完全に同期する逸品に
感動しか有りませんでした。

次に中骨から引き抜いた身の方にワタも
きちんと感じられるものだし頭もフワッ
柔らかくて美味しく又ワタのほろ苦さが
とても穏やかで甘さが仄かに浮き上がり
鮎自身の旨味をキュッと引き締めて旨し!
この絶品味覚の鮎を頂けた事に感謝感激。

⑪焚き合わせ

○賀茂茄子の煮浸し
○生姜
○木の芽

味わい深くフワトロの賀茂茄子でした。

柔らかな炭の香りを纏わせた賀茂茄子は
程よく繊維感を残してジューシィに佇む
茄子をプワンして噛むと綺麗な味わいと
出汁のうま味がジュワァンと零れます。
甘味穏やかで舌に染み入る美味さです。

網焼きみたいに焦げ面が付かずの美感で
綺麗に皮を剥いていますので茄子の身が
全く痛んでいなくて繊維感の嫋やかさが
如実に感じ取れます。

賀茂茄子は一度炭火で丸焼きして仕上げ
その後で鰹を効かしたお出汁で炊きます。
賀茂茄子本来の持ち味の甘さをグイッと
引き出し繊維質がフワトロの柔らかさで
スゥ〜ッとお箸が取り込まれていく快感
その翡翠色が美しく輝いて咀嚼がとても
楽しげに歯当たり気持ち良く進みます。

お茄子が全然クタクタとかなら無いし
汗ばんで濁ったりもしてなく綺麗だし
茄子の芯まできちんと火も通ってます。
温度管理や火加減のコントロールにも
お茄子を寝かせる時間にも寄るのかと
思いますがやはりこれ程までに茄子を
上手く焼いて炊くのは凄いと感じます。
食感と同時に溢れるジューシィな甘味
焼き茄子の持ち味のほろ苦さも残って
お出汁のうま味と同居する味覚に舌が
翻弄されっ放しとなりました。

⑫酢の物

○焼き鱧 淡路
○冷たい胡瓜
○茗荷

鱧胡瓜の酢の物のご用意となります。
此方はご飯の前のお口直しです。

わ〜い、早くも走りの鱧のご用意は嬉しい。
初夏に相応しい素材を頂けるのは矢っ張り
お口が喜んじゃって少しワクワクします。

此方の淡路産の焼き鱧は態々尻尾の部位を
使って炭火焼きするとの事。
その方が鱧の身が薄いのでカリッと焼ける
それと焼き鱧に対して胡瓜を添えてますが
酢加減の馴染ませ方が大事で程良い酸味が
焼き鱧の旨味をキュッと引き締める感じで
其の一体感が鱧キュウの醍醐味となります。

パリッと焼き上げた鱧の炭火焼きは熱々で
咀嚼してみると心地良くカリフワの食感と
種を抜いた胡瓜の冷たさが瑞々しさを讃え
シャキッとした食感コントラストが絶品!

酢の加減
胡瓜のシャリシャリ感
茗荷のシャキシャキ感
焼き鱧の潔い歯触りと
反発する肉感の快適さ

茗荷等は一枚ずつ丁寧に剥がして
手間暇掛けてあしらってます。

胡瓜のさっぱり感に鱧の淡白な味は
実に初夏らしい一皿からの食後感に
スッキリと纏まりとても爽快さ走り
余韻を残して行きお食事への素敵な
アプローチを完成させておりました。

⑬お食事

[一膳目]

○山形県合鴨農法のコシヒカリを
土鍋で炊いた白ご飯
○牛の時雨煮
○山椒雑魚
○香の物
○赤出汁

ご飯の上にお供の雑魚も時雨煮も香の物も
ぜんぶ乗せして一膳目を頂くのが好みです。
ホクホク艶々の白ご飯と雑魚をお口一杯に
頬張って実山椒の刺激をピリッと感じつつ
絶品時雨煮の甘美な味覚に染まる白ご飯を
その芳醇なる時雨煮の甘味と一緒に咀嚼し
極上ご飯の乳化を満喫致します。
少し鹹味も滲み甘味が濃厚な牛時雨からは
喉に渇きを覚える感じの甘さ加減が絶妙で
星野ご飯との相性が良過ぎ時雨煮をご飯に
ぶっ掛けて頂くのが一番美味しいのです。
耽美なる甘さ濃度に煮詰まった牛時雨煮は
もう、お口の中へ麻薬の様に忍び込み舌を
惑わして翻弄し続けます。
何時もこの義勇時雨煮ご飯の美味しさには
舌が麻痺してしまいます。

[二膳目]卵かけご飯

星野さんの定番でもある卵かけご飯は
シンプルに卵黄に鰹節の振り掛けです。

お醤油を少し滴らせて卵黄をご飯に掻き混ぜ
ジュルジュル〜ッと頂いてお腹を満たします。
時雨煮ご飯から卵かけご飯時への流れも好み

鰹節の酸味がご飯の熱々な温感に溶かされて
お口に卵黄の甘ったるい瀞みと一緒に含むと
鰹節酸味と同期した口溶け感がパッと広がり
至福の卵かけご飯タイムを頂きました。

[三膳目]お焦げ

最後の締めご飯には土鍋の底にお醤油を
ポタポタポタ〜ッと滴らせてジュワッと
お醤油が蒸発すると同時に醤油が瞬間に
焦げる香ばしい匂ひがプワァッと広がる

ガリガリ〜ッと星野大将が杓文字で底を
探りお焦げを剥がしてお煎餅状になった
お焦げを小皿に取り分けし手元にお届け
芳しさ満載のコシヒカリの贅沢煎餅です。
カリッと噛んでバリバリィンと歯で割り
お焦げを破砕して砕け散る歯当たり感が
滅茶苦茶潔い快感を呼び込み醤油味との
相性もバッチリ美味しさを満喫しました。

⑭甘味

○本葛粉の葛切り
○黒蜜
○煎茶

夏場限定の爽やかな甘味との嬉しい出会い
星野料理の変幻自在な美味を締め括るのに
相応しい切り立ての葛切りとなります。

葛切りは出来立てなのですぐ溶けてしまう
故に出来た順に食べて下さいとのお達し。

薄く伸ばされてモチッとして長さも程良い
ツルツル〜ッと喉越し爽快に滑る葛切りは
ホント飲める葛切りで涼風も清らかに戦ぎ
口内をツルツル〜ッと駆け抜けます。

滑らかツルツル感が尋常じゃなく
喉越しの軽快さに吃驚する葛切り
葛切りが純白無垢な味だからこそ
黒蜜の濃厚な甘さが際立ちます。

シルクのように滑らかな口当たり
葛切りのコシのある食感が何とも
心地良く舌を捉え黒蜜を纏いつつ
後味爽やかな食後感を作り上げる

キンキンに冷たい甘味が喉も舌も
潤して〆に相応しい清涼感を残し
最高度の満足を抱ける甘味でした。

何とも言えずしっぽりとする淡麗な甘さが
舌に寄せて来て堪らなく美しい葛切りです。

⑮お土産

牛の時雨煮をパックに詰めて頂いて
翌日の朝餉のご飯で星野料理の一旦を
堪能させて頂きました。

  • 新ばし 星野 -
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2023/05訪問15回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥50,000~¥59,9991人

春の素材を慈しみ何処までも崇高な味覚を追求し続ける星野料理

■2023.5.27(土)18時〜20時15分

■お料理 お任せ ¥45,000
お酒と時雨煮購入含むお会計¥53,600税込

■ご予約 一年前にお電話にて

①先付

○蓬餅の白味噌仕立て

蓬は邪気を払う食材と言われており
皆様の息災を願うお気持ちも込めて
大将からの優しい気遣いでスタート

蓬餅のお汁は京都山利の白味噌を溶いて
まったり感が舌を優しく包み込み円やか
ほっこりしてお腹の座り心地が良くなる

山利の京白味噌の滋味深く舌にジワリと
染み入る美味さはとても抗えないものが
有ります。
一口啜った時の滋味深さとまったりする
滑らかな舌触りには堪らなくなります。
円やかに舌を撫でて行きサラサラと滑る
舌が惚れてしまう程円やかな瀞みに唸る
この奥深き滋味の漂う中ほんのり浮かぶ
蓬餅がまたポッチャリ可愛くて舌を弄ぶ
その奥深き味わいから白味噌がまったり
甘味をクリアに伸ばしています。

素直に蓬餅だけをお椀に佇ませるだけの
一品となっており白味噌と蓬餅の相性で
舌を完全に満足させてしまう芸術品には
ため息しか出ませんね。
蓬餅はモッチモチの柔らかさがグ〜ンと
伸びて気持ちの良いくらいプヨンとして
赤ちゃんの頬っぺたみたいに柔らかぁく
弾むんです。そんな感じの蓬餅なのです。
浮かんでる所をパクッ一口齧ってみます。
歯にはピッタリ引っ付いてくるわ舌には
しっぽりと粘性豊かに絡んで来て愉快な
食感が付いてくるわで滅茶楽しいのです。
もう、堪んないっスね。
この蓬餅に絡む山利の円やかさも手伝って
ズ〜ッとこのお椀を食べ続けてたい衝動が
全く消え失せませんでした。

②お凌ぎ

○伝助穴子の飯蒸し 粽に巻いて
○笹の葉の香りを写して
○実山椒

迫力の旨味ポテンシャルを誇る伝助穴子を
飯蒸しにしたものを粽巻きに包んでご用意
穴子の飯蒸しには笹の葉の香り付け写され
一口頂いただけでフワッと香りが鼻を擽る
アクセントに添えられて実山椒が穴子から
甘味をクリアに弾き飛ばす様に仕向けつつ
パチンと刺激を舌に放ち楽しい味わい。
穴子の飯蒸しはモチッと餅米が柔らかみを
楽しませてくれる甘美な佇まいで舌に着地
伝助穴子の旨味に餅米の甘味が見事な迄に
ハーモナイズする一品に現を抜かしました。

③蓴菜と蝦夷鮑のお酢の物

○三田の新芽蓴菜
○蝦夷鮑
○胡瓜
○土佐酢
○山葵

ヌル感が抜群に飛び抜けているのである
新芽の繊維感は力強さを遺憾無く発揮し
赤芽の大きさはコリッと歯に訴えかける
こんなにスンバラシイ蓴菜様に出会えて
歯も舌も大喜びしちゃうのである

蓴菜の咀嚼と同時に進む蝦夷鮑の妙味

蝦夷鮑を噛むとコリコリ感が優れて伸び
咀嚼が断然に進み鮑の優れた鮮度により
噛む度に鮑がコリコリッと跳ねる快感が
ストレートに伸びつつ小気味良い食感を
口内に撒き散らします。
其処に
三田の蓴菜のヌル感がプルンと揺れ乍ら
食感のコントラストが鮮明に響いて来て
妙味が伸びて舌に快感を呼び込んでます。

素材の持ち味を十分に活かし切り多様な
食感のハーモニーを作り出す妙味を作り
舌を何時迄も喜ばし続けていました。

④煮物

○茄子の煮浸し
○鰹節
○木の芽

お出汁で炊いただけなんですよ、と仰る
星野大将のご謙遜に茄子が喜んでますね。

炊いただけと言う千両茄子は一つ噛むと
もうトロ〜ントロンでナチュラルに身が
解れて行き舌をその蕩ける食感で魅了。

お茄子の食べ方もコツが有り教えて頂く
茄子を縦方向に真っ直ぐに割いて繊維の
方向と交差する向きで割り鰹節と一緒に
食べるとより美味しさが増すとの事にて
ご指導に従いその様に頂きます。

驚くべきは千両茄子は普通に市販してる
お茄子と何ら変わらない品物をお料理に
具していて星野大将の手に掛かると全く
別な素材のお料理に化けて仕舞うと言う
そう言う所が凄いと感じます。
何の変哲もない普通に私たちでも買える
素材をここ迄直炊きだけで美味しくする
不思議で仕方がないしとても真似は不可
と思って仕舞うのも致し方無い事ですね。
それが精進を長年重ねて来たお料理人の
料理たる所以なのでしょう。
素人がお茄子なんて炊いたら煮崩れして
跡形崩れてしまいクニャ〜ッとなり形が
留まらない感じになりますが此方の茄子
見事な姿態でしっかりお茄子の持ち味を
曝け出して舌を満足させて頂きました。

⑤揚げ物

○小柱の葛粉揚げ
○そら豆の天麩羅

小柱はガラスの器に入ってるので
保温効果も有り温感が保ち続けて
葛粉がサラサラと舞う小粒な小柱
その食感と優しい揚げ衣粒子から
咀嚼感を快適に押し頂き歯を招く

小柱を齧りコロコロ感を楽しむと
全部を頂いて仕舞うのは勿体無く
少し取り置きしておいてお酒との
会話にてチビチビやるのが嬉しい

盛り付けも美しく荷崩れしない為
小柱は散らばらなくて落ち着いて
其処に佇んでおり一個ずつ摘んで
サクッと齧ってやるのが美味しい

方や空豆の天麩羅がサクサク感を
潔く伸ばして空豆シャクッとして
繊維感が鮮度も良く伸びる食感を
舌に届けて空豆のテクスチャーを
しっかり受け止める幸せを感じる

⑥芋茎の吉野煮

炒子が優しいお出汁のうま味を整え
葛餡に纏われた芋茎の繊維を和める
この葛で溶いた炒子出汁の餡を飲み
何故かホッと心が安堵するのです。

芋茎のザクッとする咀嚼感が響いて
歯を気持ち良く迎え入れてくれ乍ら
舌が葛餡のトロ〜リ感に満たされる。
芋茎と言う無機質な味を葛の粘性と
炒子出汁のうま味で装いつつ生姜の
アクセントだけで爽やかな味に整え
舌を納得させてくれるのである。

何の変哲も無い根菜を一本一本丁寧に
仕込みつつジンワリと穏やかに出汁を
馴染ませて瀞みと共に嗜む伝統の一品

⑦珍味

○馬糞海胆
○真鯒のお出汁のジュレ

鯒の中骨で取ったお出汁のジュレを
馬糞海胆に纏わせた珍味旺盛な一品

真鯒出汁のうま味滋味深くジュレに
佇みプルンと揺れながら舌に着地し
人肌の温度で自然に口溶けし液状化
その過程で孵化するかの様に出汁の
うま味が麗しく口内に留まりジワリ
ジュレが舌に染み入り其の儘海胆と
珍味を繋げてジュレからのうま味が
海胆珍味をさり気無く引き立ててる

ふふふ、口元がニンマリして仕舞う
舌をゆっくりと動かしジュレの中の
馬糞海胆を舐め回してやると出汁に
ほんのりと染まる海胆が清涼に流れ
冷んやりとした食感乗せて舌に着地
ジュレ纏う馬糞海胆の味覚が見事に
ハーモナイズして舌と戯れて陶酔の
世界へと導いておりました。

⑧お造り

○真鯒
○浜防風
○山葵
○酢橘
○塩
○醤油

春〜初夏に掛けてが旬の真鯒をご用意
何時もは明石の鯛の鯛を頂いてますが
時期的に痩せてる様で良く無いとの事
代わりに此れも希少な高級魚の真鯒を
ご用意頂いて初夏に元気になる滋養を
スッと頂けるものが嬉しいです。

真鯒の白身の一枚を咀嚼してみますと
上品な甘さがそのしなやかな身質から
浮き出て来てしっとりして舌に馴染む
同時に身肉がコリコリッと反応するが
サッパリとした歯ごたえのある食感で
歯を自然に迎えてくれて快感を呼ぶ

食感が兎に角優れ鮮度の良さが分かる
身質もモチッとするも艶かしく捩れる
然もしなやかさも漲り舌を快く撫でる
噛むとプリプリの活き活き躍動感走り
ずっと噛み続けていたい衝動に駆られ
堪らなくなりますね。

出汁醤油で宥められました鯒からは
酢橘がキュッと味わいを引き締めて
その噛んだ瞬間の美味に唸りました。

⑨お椀

○虎魚丸仕立て
○えんがわ
○白髪葱
○木の芽

星野さんならではの虎魚の張り方に
舌が唸り続けてしまった椀盛です。
時期的にはお優しい虎魚な筈なのに
虎魚の丸仕立ての旨味が淡麗な事に
極まり実に研ぎ澄まされた味わいに
舌が驚いてしまい続けてました。

夏場の河豚と言われる虎魚の白身は
エネルギッシュな身肉が溌剌と歯に
挑みかかって来る感じの力強さにて
噛みごたえ良く快感を呼んできます。

其処に

淡麗な吸い地が身にピタッと寄り添い
淡く虎魚の脂汗がフワッと浮き上がり
吸い地の表情を深掘りして来る感じに
進んで行き舌が愉悦の境地に陥ります。

昆布と虎魚だけで取った澄んだお出汁
虎魚の味わいがとても無垢で雑味等の
かけらが一切感じられない地味深さに
これ以上求めようが無い程究極の地を
感じ入り暫し恍惚の世界に浸りました。

⑩焼物

○伊佐木 炭火焼き
○矢生姜
○酢橘
○蓼酢

中々のサイズ感が走る伊佐木です。
味を深掘りするお薬味には蓼酢を
ご用意されてて此処で蓼酢を使う
中々妙味を膨らませてくれる趣向
チョット変化球を織り交ぜた焼物
と言う感じに受け止めました。

しっかり皮目パリパリに焼き切り
ほぼ真っ黒焦げの状態の伊佐木は
白身はしっとりフワフワとしてて
噛み始めると正にフワサクと言う
感じの咀嚼感が入って来て楽しい

伊佐木の白身はこんなに嫋やかで
結構淡白な身質乍ら底味が効いて
ジワァッと舌に味が染み入り旨し!
途中で矢生姜半分の白い所を齧り
舌を少しリセットしてから残りの
白身に戻り再度ふっくら伊佐木を
今度は酢橘で味変を促して満喫し
脂質旺盛なこの時期の伊佐木様を
温和に宥めながら堪能致しました。

元来は伊佐木と言うお魚の性格か
旨味が控え目な白身で大人しさが
仄かに佇む落ち着いた身質を持ち
穏やかな性格の焼き魚となります。
其処に舌妙な火入れを施し旨味を
静から動へと加速させる美味さを
作り出してます。
こう言う所にも星野料理の力量を
凄く感じてしまいます。

⑪焚き合わせ

○小芋
○車海老
○蒸し鮑
○空豆
○姫竹
○木の芽

五つの違うお鍋とお出汁で炊き上げて
違う味付けをしたものを合わせてます。
五つのお鍋で個別に炊いて味を整えて
一つの器に赴き異なる味わいを纏めて
個々の持ち味を尊重し乍ら合わせ技の
味覚が上手く味のベクトルを同調させ
一つの完成度の高いお料理に昇華する

中でも小芋は淡い甘味を醸し出し美味
小芋の芯までお出汁が染み渡り齧ると
トロッと蕩ける風にお口の中で解けて
繊維感をしっかり受け止め乍ら咀嚼。

更に

唐津の黒鮑は3時間もかけて蒸し煮に
そのプルンと優しく揺れる嫋やかさは
肉感の上品さを讃えて舌を唸らせます。

そして

春の香り心地良く佇む空豆がコリッと
歯応え宜しく美味しそうに歯を招いて
空豆の粒感が旺盛に開き爽快な甘味を
残して行きました。

⑫酢の物

○蛸
○胡瓜
○茗荷

の酢の物
ご飯の前のお口直しとなります。

蛸が兎に角ホントうまかったぁ
こんなに撫で心地が良い蛸にも
出会ったことのない繊維感です。
きっと手間暇かけて塩揉みして
蛸の硬さをじっくり解してやり
塩抜きもして酢の加減も整えて
仕込んでるのだろうなぁと思う。
鮮度良く蛸の芯からシコシコの
身質が伸び塩味がジワリ染みて
酢も馴染んで舌を弄んでいます。
其処に蛸の生き生きする食感が
歯を捉え咀嚼が味覚と同調する。

胡瓜のシャリシャリ感
茗荷のシャキシャキ感
蛸の身肉のシコシコ感

何にしても蛸の潔い歯応えから
肉感の潔い心地よ良さを感じて
歯も舌も満足の境地となります。

⑬お食事

[一膳目]

○山形県合鴨農法のコシヒカリを
土鍋で炊いた白ご飯
○牛の時雨煮
○縮緬雑魚
○香の物
○赤出汁

一膳目の食べ方としては
ご飯の上にお供の雑魚も時雨煮も香の物も
ぜ全部乗せして一膳目を頂くのが好みです。
ホクホク艶々の白米と縮緬雑魚をご一緒に
お口一杯に頬張って掻き込む雑魚の食感と
潮風味をサラリ感じつつ濃厚な甘味鹹味が
交差する絶品時雨煮の甘美な妙味を取込み
ホクホクご飯をお口の中で掻き回す喜びに
溢れて嬉しくなります。

その芳醇なる時雨煮の甘味をご飯と一緒に
mogmogして極上のご飯乳化を満喫します。
この甘辛っぽくて喉には仄かに渇きを覚え
耽美な甘さに煮詰まった時雨煮ご飯からは
魔性の味わいとも言える甘味鹹味が舌へと
襲い掛かり舌を蠱惑して止まないのです。
舌も心もその絶品なる味わいで鷲掴みして
舌が狼狽えてしてしまいます。

[二膳目]卵かけご飯

星野さんの定番の宇治の卵かけご飯は
シンプルに卵黄に鰹節の振り掛けです。

ガラスのお醤油瓶が可愛くてポトリと
醤油を滴らせて卵をご飯に掻き混ぜて
ジュルジュル〜ッと掻き込んでお腹を
いっぱいに満たして行きます。
鰹節の酸味と卵黄がトロ〜ンと蕩けて
甘美に染まるご飯が交じり合い絶妙な
美味しさを醸し出し至福の卵かけご飯
となり舌を大満足させてくれました。

[三膳目]お焦げ

お焦げも拘りの一品です。
ご飯がほぼ全部土鍋から無くなり
鍋底にご飯の名残りがへばり付き
残ってる所をタイミング良く捉え
最後にガッと再度火を入れてから
お醤油を掛けてジュッと蒸発音が
鳴りお焦げを仕上げられてます。
杓文字でガリガリと大将が土鍋の
お焦げを剥がして煎餅状態のまま
お小皿に取り分けしてくれます。
お醤油味が焦げてとても芳しい。
カリカリッと噛んで頂きます。
この破砕感が堪らなく美味しくて
此れは病みつきになりますね。
しっかりお焦げも頂いて満足度が
MAXとなる口福ご飯を頂きました。

⑭甘味

○蕨餅
○黄粉
○煎茶

黄粉が美味しい星野さんの蕨餅は
お土産に持って帰りたいですね。

本蕨粉で練り立ての蕨餅
粉質感が美しく舞う黄粉
舌が現を抜かしてしまいます。

星野料理の変幻自在な美味を締め括り
有終の美を飾るわらび餅
黄粉をたっぷりと塗してお口に運ぶと
黄粉の細やかな粒子が繊細かつ上品で
エレガントな粉質感なのです。
蕨餅がプルンと揺れつつ黄粉がサラリ
絡みまくり何とも言えない至高の甘味

其処に煎茶の渋味と共に口内を洗って
蕨餅の甘味を頂いた後に頂くととても
ホッとするんです。
ふぅ〜。
最高峰の美味の高みに辿り着いてます。
ホッと落ち着いてる自分を発見しつつ
舌は満足の極致に達する余韻に浸って
この余韻が醒め無い様にとの気持ちが
脳裏に強く印象付けられておりました。

⓯お土産

牛の時雨煮をパックに詰めて頂いて
翌日の朝餉ご飯で星野料理の一端を
堪能させて頂く幸せを貰いました。

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2022/09訪問14回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥50,000~¥59,9991人

秋味が色づく至高の料理に舌鼓し至福の時を迎える

◆2022.9.8(木)夕餉

◆お料理 お任せ
お酒時雨煮含むお会計¥58,000

①先付

○焼き茄子の白味噌仕立て
○茗荷
○生姜

久世茄子を串刺しにして炭火の上で
クルクル焼き鳥みたいに回して焼く
満遍なく茄子全体に火が通って行く

茄子に網焼きの時みたいな焦げ面が
付かずに綺麗な翡翠色のままで皮が
剥がれるので茄子の身も全く痛まず
匠の技を駆使してる珠玉の焼き茄子
その焼き茄子を白味噌の中に浸して
焼き茄子のあの特有の香り立ち上り
鼻腔を漂う匂ひにもうっとりしつつ
白味噌に馴染んだ焼き茄子を食べる

久世茄子繊維の翡翠色が輝いてます
お茄子が全然濁ってなくて見事です
フワッと揺れるお茄子を一口齧ると
芯までふわんとした感じになってて
焼き茄子の炭の名残り香が茄子味と
調和しつつ舌を瑞々しく魅了します。

そして白味噌のまったりする甘美な
味わいがコク深く舌を染めて惑わせ
陶酔する味覚の世界に誘い込みます。
秋味を静かに嗜む最初の一品でした。

②お凌ぎ

○博多湾海鰻の飯蒸し
○お出汁で蒸し上げた餅米

鰻は博多湾の天然の海鰻に
お出汁染まる餅米に寄せて
木の芽を添えてご用意です。

川鰻とは違って溌剌とした
海鰻の身肉が飛び交います。

餅米に鰻の火入れは神焼き
とでも言いたくなるレベル
貴重な海鰻を頂ける栄誉に
感謝しかありません
海鰻を乗せて飯蒸しなんて
そう簡単には巡り合えない

海鰻の持つ固有の身質から
浮き上がる豊かな膨よかさ
パリンと弾ける皮の焦げ目
歯にサクッと絡み舌を招く
地焼の火入れ加減も神技で
パリンからフワリと食感が
舌に同時に舞う瞬間の快感
高揚感がグンと増し増しに

炭火で直焼きした博多の海鰻は
芳しく香り立ちフワリと鼻腔を
擽ぐる
餅米はしっぽりとモッチリして
皮目のパリパリ感に潜む旨味と
仲良く絡み合い妙味を引き出す

絶妙な火入れのバランスが生む旨さ
海鰻らしい野生的な肉感が膨よかに
漲る旨味をここまで昇華させている
その絶品鰻の2切れを心ゆく迄堪能

○鰻ダレに酔いました

味醂とお酒と濃口を1:1:1の比率を
色々に試しながら仕上げて来た鰻ダレ
その日の鰻が最高の出来栄えになる様
海鰻の身質の豊かさを自然に発揮して
甘味を強めたりして鰻の皮にも腹にも
丹念に刷毛を入れて念入りに仕込んで
そして山椒の香りを付けながらと言う
作業を何度も繰り返されての炭火焼き
故に咀嚼の時のパリパリする破砕感が
とても心地良く響きながら味わい深い
甘味と同時進行してこの海鰻の一口を
極上の甘ダレが鰻の身質を巧みに染め
舌を甘やかしながら美味の極地へ誘う

○味覚のグラデーションに悶舌しました

白身はホクホクの深い鰻本来の味わい
皮目はパリパリッと歯ごたえ感を満喫
その食感と味覚のコントラストに感銘
その切り身をギュッと咀嚼し続けると
タレの甘味と山椒のツンと散る刺激と
モチッとする餅米が三位一体となって
海鰻の膨よかさが充足感を醸成しつつ
味覚グラデーションが進んで行きます。
そして海鰻のポテンシャルを限りなく
引き出す炭火を巧みに扱う技にも感嘆
いやいや、素晴らしい海鰻の飯蒸しを
頂いてしまいました。

③小付

○松茸 岩手
○ほうれん草
○柚子醤油

素直に秋味の走りを頂いて秋の風情を
感じる事が出来るのは嬉しいものです。
一年で一番食材が実り豊かに熟れる時
松茸はまだ蕾のままやや小振りですが
蕾にしっかりと身が根付いてぎっしり
松茸の蕾とコロを星野大将が炭火にて
焼き上げて飾りを丁寧にスライスして
ほうれん草と柚醤油で和えてます。
食感が堪りませんね
松茸の香りも添い寝して来ますね
食感と香りの二重奏が心に深々と響く

咀嚼してシャキシャキ感が爽やかに伸び
松茸の繊維質が仄かにパチンと鳴る感じ
初秋に初々しい味わいに清涼感キュンと
飛ばして来る嬉しい口当りで満たされる

松茸の香り
松茸の旨味
松茸の咀嚼感
ほうれん草のシャキシャキ感
柚醤油の爽やかな甘味

この一品に込められた多様なエレメントが
途轍も無く伸びて来てお口をリフレッシュ
させてくれました。

こう言う何の変哲も無い素材を絡ませて
美味しく磨いてあげて美味しいお料理に
作り上げる事が料理人の本分と言われる
星野大将の言葉が重みを持ってと伝わる
この小鉢の一品に感銘を覚えました。

④焼物

○鼈山椒焼き

此れは堪らなく欲望が渦巻く一品
炭火でこんがりと焼きあがってる
お皿の上にドン!と鎮座された鼈
目が釘付けとなり山椒の香り舞い
齧り付きたくなる誘惑に駆られる

ガッツリ手掴みしてガブリと行く
んん〜、何と香ばしい肉感なのだ
テカテカ鼈だれの甘さ加減も良い
炭の香りと山椒の香りが交差する
鼻からスカ〜ッと匂ひが抜けるよ
山椒が効いて鼈の肉肉しい旨味を
ピリ〜ッと引き締めて来ますね〜
この鼈ダレが程良い甘味で幾重も
塗られてて咀嚼してると肉肌から
ジワッと浮き上がる
其れが鼈の逞しい躍動的な肉質の
旨味と見事な程馴染んで舌が唸る
更にプルップルのゼラチン質から
脂質がトロリと口内に蕩けて来て
ウゥ〜んまぁい、となり
鼈の活力エネルギー漲る肉質感が
ビンビン伝わって舌が狼狽えます。
猛々しい肉質感がお口の中に充満
鼈のお肉自身が傍若無人に暴れて
肉の旨味が迸ります。
もう、舌が肉感的な脂質で溺れて
その快感で目が回るほどに美味い!
骨迄しゃぶり尽くして少しふっと
お口を休ませると高揚感が離れて
食い切ったと充足感が訪れました。

⑤お凌ぎ

○馬糞海胆
○お出汁のジュレ

本日は夏の名残のものと
秋のはしりの食材が丁度
折り合う時期のお料理が
散りばめられた一品にて
カウンターが賑やかです。

此方も変幻自在に移り変わる
夏の名残と秋味の味覚に惑い
舌が喜び勇んで燥いでしまう

来週になるともう海胆や芋茎は消えて
メニューも一新され完全に秋のお献立

鯛の中骨を焼いて取ったお出汁のジュレ
馬糞海胆を優しくカバーして冷感を保つ
奥床しくも優しいジュレの旨味が海胆を
冷んやりと労り海胆の珍味を邪魔しない
繊細に完成された旨味と珍味が同居する
斯様な一品に佇む雑味の無い旨さに脱帽

⑥芋茎の吉野煮

本日の吉野煮は甘味を強目に主張させて
炊き加減にて芋茎の味を整えられてます。

定番の名作であるのは勿論の事
吉野煮の生姜風味と炒子出汁に
訪れる度にほっこりと嬉しい味
この一品に出逢う為に通いたく
なるのも分かる気がします。

炒子が優しいお出汁のうま味を整えて
葛餡を纏わせ芋茎を穏やかに包み込む
この葛で溶いた炒子出汁の餡を飲むと
何故か心が和んでくるんですよね。
芋茎のザクッとする食感が歯に当たり
心地良く響き乍ら葛餡のトロ〜リ感に
舌が満たされて行きます。
芋茎の無機質感を葛の瀞みでねっとり
炒子出汁のうま味で装いつつ淡白乍ら
アクセントの生姜だけで創作する名品。

芋茎も9月まででしょうか
10月からは根芋の吉野煮になりますね。
この生姜の刺激と葛餡のほっこりさに
舌が喜んでうっとりしちゃいました。

⑦小付

○冷たい無花果の白味噌和え

冷んやり無花果に白味噌の甘味が重なり
無花果との相性がパーフェクトな一品。
無花果が別格の味わいの果実に変化して
無花果のジュクジュクした甘味にトロリ
耽美な香りの白味噌がこれまた秀逸にて
見事に素材の味覚同士が同調して来ます。
白味噌はベースに山利のものを使われて
卵黄と煮切り酒と砂糖で合わせたものに
仕立てて粘性が程良く絡むまったり味に
仕上げられており一味も二味も違う甘い
味わいがフワッと浮き上がり無花果との
ジューシィな果実味が舌を蠱惑して来る

無花果の甘味も
白味噌の甘味も
無花果の冷感も
ジュウッとする瑞々しい食感と
お口の中に溢れる耽美な味覚が
無限大に口内に広がり続けます。
全部の甘さが融合して舌を陶酔
美味極まる世界にいざないます。

⑧揚げ物

○ぐじの松笠揚げ
○熊本の新銀杏
○酢橘

齧ったところで酢橘を掛けて
酸味をぐじに泳がす

ぐじの松笠を齧ってみます。
サクッ‥フワッ‥
最初に届くのは屹立した鱗
巧みな揚げ加減で間引きされた鱗が
整然と並んでる故に歯触りが快適に
カリッと歯に当たり薄衣がサクッと
破砕感を清々しく呼び込んで来ます。
この食感に先ずやられちゃいますね
破砕感が楽し過ぎて癖になりそう。

薄くてパウダー状の様な揚げ衣に
閉じ込められたぐじの白身からは
しっとりとした身質の膨よかさを
感じつつ旨味がフワンと囁きかけ
秋の匂ひを漂わせながら訪れます。
咀嚼がぐじの身をホロホロと解き
しっぽり舌に抱き付いて来ます。
豊満な厚みを誇る膨よかな旨味が
咀嚼時の快感の妖艶さを伴いつつ
舌を蠱惑へと導いておりました。

一方、付け合わせにポチッと置かれてる
可愛い銀杏が秋味らしく塩味効いて旨し
ぐじをふっくらする身質をパクつき乍ら
箸を休めて銀杏の苦甘さを味わう感じに
秋味が佇んでおりました。

⑨お造り

○明石の鯛
○静岡の伊勢海老
○山葵
○醤油
○塩
○酢橘

明石の鯛の切り身が整列
奥の方が背中の部位にて
手前側が腹身の部位です。

海老の尾鰭を仕切り代わりに
添える花穂紫蘇の飾り付けも
雅な装いに暫し見惚れます。

弾力感が溢れて噛み心地抜群の
鯛の切り身を咀嚼してますと
背の方が気持ちサッパリ系で
お塩がピタリとハマります。

一方、腹側の鯛はしなやかさが
前面に出て膨よかな旨味を感じ
肉質でやや濃厚に脂質が乗って
酢橘を垂らし山葵醤油を滴らせ
鯛の肉質の旨味を引き締めてが
より一層鯛の旨味引き出します。

更に伊勢海老の身質を咀嚼すると
身がねっとりと舌に絡んで妖艶な
旨味の虜になってしまいますね。
山葵だけとの相性が良くて抜群に
伊勢海老を引き立てて来ますよ。
此れは素晴らしい味わいに沈黙

伊勢海老の嫋やかなる旨味
鯛の生命力漲る逞しい旨味
ガップリお造りの四相撲に
舌が唸りっぱなしでした。

⑩小鍋

○炭火の囲炉裏
○鱧松の土瓶鍋
○酢橘

鱧松の小鍋です。
言わば星野流土瓶蒸しの小鍋仕立て的な
小鍋に松茸がごそっといっぱい詰まって
鱧の中骨で取ったお出汁をベースにして
松茸香るエキスが小鍋に流れ込んでます。

グツグツと煮立ちブクブク沸騰中の小鍋
湯気が立ち上りながら手前に置かれます。

其処に丁寧に骨切りされた鱧の切り身が
一皿ご用意されており最初の一切れ目を
大将が小鍋の中に湯掻く要領を目の前で
デモンストレーションしてくれます。
こんな感じになったら蓮華で掬い上げて
小皿に取り分けて召し上がって下さい、
とのお教えを受けてお箸を進めます。

小鍋の湯煙から旨味際立つ匂ひが漂って
顔の辺りをプ〜ンと芳しく彷徨って行き
鼻腔を刺激して行き乍ら旨味たっぷりに
鍋の地に馴染んだ鱧の浮かぶ姿を見ると
俄然食欲が湧いて来て秋味を感じます。

先ずは鱧をしゃぶしゃぶして単独で頂く
鱧の淡い味が鱧松のうま味写すお出汁に
馴染み鱧がとても優雅な味覚を踊ります。

そしてお待ちかねの松茸をお出汁と食し
名残の鱧松のお出汁が馴染んだお出汁を
お小皿に取り分けしてクイッと飲み干す
んん〜まぁ〜ッ、て何なんでしょうねェ
この奥床しくも滋味深さ漂う美味たちが
心憎い程までにジンジンと舌に染み入る
鱧の声か松茸の香りか分からんけれども
兎に角めっちゃくちゃ美味旨出汁の深さ
その妙味に暫し呆然としてしまいます。

取り皿には小鍋から鱧と松茸を少しずつ
取り分けしながら酢橘をお鍋の汁に少し
滴らせてから頂いてみました。
酢橘が相性良くてこのうま味に合います。
鱧をゆっくりと地に浸してたっぷり地の
うま味に親しませて鱧を深掘りさせます。
そうすると自然に鱧松が馴染みあい乍ら
噛んでも舐めても啜っても全部の味覚が
美味し過ぎる秋味を演じ舌を大満足させ
高揚感を超える味覚の感動を頂きました。

⑪焼き鮎

岐阜県高原川の名人の釣り師からの限定品
かなりビッグサイズの鮎の塩焼きが届いて
星野大将曰くサイズがかなり大きい鮎の為
骨まで火を通しパサパサにするのではなく
頭と骨は食べない仕様の火の入れ方をして
逆に鮎本来の身質の美味さを味わって頂く
焼き方でのご用意となります、との事です。
なので
鮎の頭と中骨を自分達で取り除蹴れる様に
星野講習会が徐に目の前で始まります。
先ず、尾鰭をパチンと取り除いて頭と身を
横たわらせます。
鮎の頭を指で押さえて腹側を下にし背中を
起こして立てるようにしてお皿の上に配置
お箸で腹側をほぐす様に上からポンポンと
叩きながら数カ所ほど叩いて身を和らげる
身が解されたら焼き鳥を食べる時みたいに
中骨から鮎の食べたい分だけをスッと抜く
おぉ〜、フワンと鮎の身質が一部スッポリ
抑えた部分だけ抜けて来ちゃいましたぁ!
いや、コレはびっくりして愉快楽しい〜

成る程ね、こうすると自分が食べたい分量
また次に食べたい分だけ中骨から抜き頂く

鮎の身質がとてもホクホクのまま美味しい
しっとりとして絶品なうまうま箇所だけを
雑味なく鮎の醍醐味を味わえます。

この方法だと鮎のワタの苦味が嫌いな人は
其処を除き抜けば良いし逆に好きなの方は
ワタごと身質と一緒にお箸で抜いてやれば
同時にに食べれて鮎の甘苦さを味わえます。

此れは味も自分好みに出来るしユニークな
楽しい演出効果にて鮎のお料理の仕上げを
自分で参加している気分となり滅茶苦茶に
楽しさ倍増する企画の鮎料理で御座います。
鮎の醍醐味を素直に満喫させて頂きました。

⑪炊き合わせ

○飛龍頭
○絹さや
○湯葉

飛龍頭が優しい味ですね〜。
じ〜んと心に染み込んできますわ〜
これ程洗練された味わいは無いかと

湯葉の方は甘く炊いて甘味を主張し
飛龍頭の方はお出汁の味付けだけで
そんなに甘く味付けはしない仕上げ

飛龍頭の中には銀杏と生の木耳が射込まれて
飛龍頭のお豆腐成分のふっくらとした食感と
穏やかぁ〜な甘味に浮き出る銀杏特有の香り
その甘味たちがとても微笑ましく感じられる
その中でプチンと弾力性を持つ木耳が弾いて
此れも愉快に味わいつつ楽しめる炊き合わせ

お隣には湯葉が耽美なるかなと思わせる様な
舌を和ませて来れる甘味を振り撒いてきます。
甘味同士がお互いを支え合って愉快な味覚を
作り上げて来ている処に絹さやがシャキッと
絡み合って爽やかな食感を残して行きます。
一品一品が仕事をしっかり完遂して行き乍ら
自己主張し過ぎず互いを尊重し合ってる様な
味覚を創り出している所が素晴らし過ぎです。
んん、此れは頬っぺたがストンと落ちますね。

⑫お食事

○山形のコシヒカリ
○松坂牛の時雨煮
○山椒雑魚
○香の物
○赤出汁
○生卵
○鰹節

絶品の白米様に舌が歓喜するご飯タイムが
やって参りました。
艶々でホクホクの何時もの白ご飯のお時間
幸せご飯に旨味たっぷりの時雨煮を乗せて
更に贅沢に山椒雑魚も全部乗せしての白米

時雨煮の旨味
山椒雑魚の鹹味
白ご飯の甘味

どの一品もご飯にベストマッチする味わい
ベストコンディションで臨んでくれてます。
あぁ、この至福のご飯時間こそ星野料理の
真骨頂とも言うべき癒しの白ご飯が花咲き
完成されたカタチなのだと強く感じます。
本日のメインイベントはやっぱり白ご飯だ。

美味しくて美味しくて堪りません。
もう、この贅沢なご飯のお供とご一緒に
じっくりと米粒の甘味を噛み噛みさせて
一所懸命に噛み締めさせて頂きました。
更に美味し過ぎご飯をお代わり致します。
其処に卵黄を乗せて少し醤油を滴らせて
黄身の皮をプチュンと破って掻き混ぜて
卵黄塗れの白ご飯をズルルゥ〜ッと啜り
お口の中に一気に掻き込むので有ります。
んん、此れも最高にうまうまです。
流石は京都宇治の卵は品が良くて濃厚な
甘味を持ち合わせてる物だと改めて認識
此れでお腹はほぼ満杯の満足度MAXです。
心も舌も大満足させてくれるご飯でした。

⑭甘味-1

葛切りと蕨餅から選べます。
両方共所望させて頂きました。

葛切りの純度抜群に黒蜜の気高い甘味が
寄り添い濃厚な甘さと淡麗な葛切りとが
ベストマッチして頗る美味です。

⑮甘味-2

蕨餅
煎茶

定番の黄粉が眩しいくらい美味しい蕨餅
この締めの甘味に舌がつい甘えてしまう
最後までうっとりとさせてくれる充足感
満ちる至福の和食時間を頂き至福の喜び


⑯お土産

松坂牛の時雨煮をパッケージに
詰めて頂きお土産に頂きました。

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2022/06訪問13回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥50,000~¥59,9991人

夏の素材のダイナミズムを浮き上がらせながら 優しく淡く和やかなるも切なくなる味覚が佇む

■2022.6.9(木)夕餉

■お料理 お任せ 時価
税サ及び時雨煮のお土産代含むお会計¥50,200

■ご予約 ご常連様のお招きにて

湿気も多くて最近は梅雨入りとなり
ジトジト湿気の多い気分が憂鬱になる季節
こんな時は心より美味しさが
滋味深く佇みつつ涼しい星野料理が
嬉しくなります。

①先付

○三田の赤芽付き蓴菜
○三陸の蝦夷鮑
○胡瓜
○山葵
○土佐酢

梅雨入りしてジトジトした気分の舌を
爽やかな気分で解放してくれる一品。

兵庫三田の蓴菜のヌルのプチプチ感と
ヌルンとした食感に土佐酢の酸味が絡み合い
素敵な清涼感が駆け抜けて行きます。
赤玉もかなり大きな蓴菜で
ここ迄のものはかなり珍しく
其れだけにヌルのサイズも大きく
舌と歯でヌルを潰そうとすると
プチプチ感とぷよぷよ感が共鳴し合う食感が
軽快に広がって行きます。

其処に胡瓜のシャキッとした食感が
爽やかな涼風を運び込むと同時に
蝦夷鮑が新鮮なままにコリコリッと
歯応えを伸ばして美味を深掘りし
蓴菜のヌル感と対照的な味覚の
コントラストを生み出し
山葵の刺激が程良いアクセントを添えて
三位一体となる妙味が舌を弄んでおりました。

②鰻の飯蒸し

○博多湾の海鰻
○お出汁で蒸し上げた餅米

炭火で直焼きした博多の海鰻が
芳しく香り立ちプワァンと鼻腔を擽る
餅米はしっぽりとモッチリ
皮目のパリパリ感に潜む旨味を
最大限に引き出しています。
皮目と密着してる白身をホクホクに仕上げて
そのエネルギッシュな身が自ら捩れるほどに
鰻の持ち味が零れて来て満喫出来ます。
絶妙な火入れのバランスが生み出す旨さ
海鰻らしい野生的な肉感が膨よかに漲る旨味を
ここまで昇華させてしまう星野流の火入れ
その絶品鰻が3切れも乗っかってるのです。

○鰻ダレに酔う

味醂とお酒と濃口を1:1:1の比率を
色々に試しながら
その日の鰻が最高の出来栄えになる様に
海鰻の身質の豊かさを自然に発揮するように
甘味を強めたりして鰻の皮目にも腹側にも
丹念に刷毛を入れて念入りに仕込んで
そして山椒の香りを付けながらと言う作業を
繰り返されての炭火焼き
故に咀嚼した時のパリパリする破砕感が
とても心地良く響きながら
コク深い甘味が同時に展開して
この蒲焼の切り身を極上の味わいで
舌を攻めて来るのでしょう。

○味覚のグラデーションに酔う

白身はホクホクの深い鰻本来の味わいを見せて
皮目はパリパリッと歯ごたえ感が満喫出来て
その食感と味覚のコントラストに
唸り続けてしまいますね。
咀嚼し続けると
タレの甘味と山椒のツンと散る刺激と
モチッとする餅米が絡みつつ
海鰻の膨よかさが一体感を醸成しつつ
味覚のグラデーションが進んで行きます。
この鰻のポテンシャルを限界まで
出し切る力強さにも圧倒されます。

いやいや、素晴らしい鰻の飯蒸しを頂きました。

③ほうれん草と岩茸の胡麻和え

○ほうれん草の軸
○岩茸
○煎りたての胡麻
○お出汁

軸の部分のほうれん草と岩茸を綺麗にお掃除
お出汁で炊いて煎りたての胡麻で合わせて
しっぽりと胡麻の甘み芳しい浸し地が
ほうれん草と岩茸を優しく纏います。

咀嚼してシャキシャキ感が爽やかに伸びる
食感と岩茸の仄かにパチンと鳴る感じの
弾力感が交差して初夏に初々しい味わいが
清涼感をキュンと飛ばして来て嬉しい
口当たりです。

胡麻の香り
胡麻の甘味
胡麻の冷感
炒りごまの優しさ
軸の繊維感
岩茸の弾力感

この一品に込められた多様なエレメントが
途轍も無く伸びて来てお口をリフレッシュ
させてくれます。

こう言う変哲も無い素材を美味しくする事こそが
お料理なのだと言う星野大将の言葉の重みが
ヒシヒシと伝わる小鉢の一品に
感銘を覚えました。

④芋茎の吉野煮

その吉野煮を咀嚼したら
フワッと焼き茄子の風味が漂っていた。
芋茎を研ぎ澄ますとお茄子っぽくなるのかな?
と不思議な味覚を感じながら頂く

定番の名作である

炒子が優しいお出汁のうま味を整えて
葛餡に纏われて芋茎を包んでいる
この葛で溶いた炒子出汁の餡を飲むと
何故か心が和んでくるのです。
芋茎のザクッとする食感が歯に
心地良く響き
舌が葛餡のトロ〜リ感に満たされて行く。
芋茎の無機質な味を葛の粘性と
炒子出汁のうま味で装い
アクセントの生姜だけで創作する名品。
何の変哲も無い根菜を
一本一本丁寧に仕込み
ジンワリと穏やかに嗜ませて頂く味わい
伝統芸の一品です。

⑤黒鮑の唐揚げ

○伊東の黒鮑

衣が優し過ぎる
衣の粒子感が本当に肌理細やかで
この繊細な衣の粒子を感じるサクサク感
と言うよりサラサラ感に近い食感が
堪らなく美しい舌触りなのです。

鮑は外したてのものを直ぐに揚げるのが
ポイントだそうです。
外し置きしておいた鮑を揚げても
鮑のエキスが流れ出てしまい
鮮度が落ちて食感も甘味も劣化する様です。
確かに鮮度の良さから齎される
鮮烈なプリッコリッの肉感の走り方は
突き抜けるものが感じられます。

其れとこの黒鮑の唐揚げの一口サイズに
カットしてくれるのも
丁度お口の中で衣から鮑の旨味が炸裂して
飛び回る感じとなり
其れも美味しさを後押ししてるのだと感じます。
細部まで拘り細心の気配りで料理の完成度を
突き詰めていくカタチに感銘を覚えます。

私如きが言える話では無いですが
星野料理の真骨頂と感じるものは
素材の鮮度を保ち
その鮮度を活用して限りなく忠実に
素材の旨味を極限までに追いかけて
完成度を高めて行く所に有るのではと
思います。
簡単では無いですが
其れをさり気無くやって仕舞う凄さが
星野料理には潜んでると感じます。

⑥虎魚の唐揚げ

○虎魚
○えんがわ
○お出汁
○一味

虎魚を唐揚げにして
優しいお出汁にドボン!と浸して
お出汁を虎魚とご一緒に飲む感じで
召し上がって下さい、との大将の仰せです。

葛粉でサラリと薄く着飾った虎魚の唐揚げ
羽織一枚という感じに見える
フワフワな葛粉の衣の舞に
唇がフッと触れると其の儘
衣の繊細な誘惑に駆られて
自然にキスしたくなりますね。

虎魚の唐揚げを箸先で弄るとハラリと
衣ごと解けて
解けた唐揚げの一片をお出汁に浸して
ザクザクッと衣に染み渡るお出汁と共に
虎魚のフカフカな白身を頂きます。

んん、うんメェ〜
虎魚の純真無垢な甘味が鮮烈に走り抜けますね。
此奴は病み付きになりそうなほどの
気品溢れる虎魚の研ぎ澄まされた淡白な味わいに
舌が震えちまいましたよ。
更に
驚いちまいました味覚が佇んで居ましたのは
お出汁の天つゆ!
何だこりゃ、
お椀の吸い地レベルのうま味が潜んでおります。
普通、天つゆと言うと
揚げ物の持ち味に塩味なり甘味なりを纏わせて
脂質分を和ませてを緩和させるお仕事をするものかと思います。
然し乍ら此方の星野流天つゆは
ドボンと浸して
天つゆの味を虎魚に纏わせるだけで
滋味深い旨味を膨らませておりました。

吸い地としても行けるくらいの
洗練されたおつゆの美味さです。
残りの天つゆは
きっちり飲み干しさせて頂きました。

そして虎魚の唐揚げはと言いますと
身の部分だけをサラリと揚げて白身が
丸っ切り無垢な身質で一切雑味無く
仕上がっており、極旨です。
唐揚げされた虎魚は
火が満遍なく白身の中まで届いており
咀嚼してますとホクホク感が舌に行き届き
天つゆに浸った衣は濡れ加減がしなやかで
ゾクっと来るくらい食感が迸ります。

天つゆのうま味と軽妙な衣の食感の狭間で
虎魚の旨味がパァ〜ッと広がります。
凄い凄い、揚げ物としてのレベルがダントツ
ホント、舌殺しの唐揚げさんで
天つゆと衣と白身を蒸すレベルの次元を超えた
一品でした。

⑦焼物

○万願寺唐辛子 炭火焼き
○おろし生姜
○鰹節
○お醤油

サクッと炭で軽く焼いて
生姜で爽快な刺激を纏わせつつ
お醤油と鰹節で味わいを整えた一品。
この時期の万願寺はほんのり焼くと
甘味が豊かに膨らんで
生姜醤油っぽい味付けが
万願寺の甘味を浮立たせてきて
舌にジワリ万願寺の甘苦さが広がり
乙な味わいを堪能させて頂きました。

⑧お造り

○士別の馬糞海胆
○キジハタの骨で取ったお出汁のジュレ

高値安定してしまってる馬糞海胆
原価的には扱いしにくくなってるのでしょうが
余市の方から士別の方への取り寄せにして
お料理に添えてくれている
その心意気にも感謝したくなる

キジハタの骨で取ったお出汁の滋味深いうま味が
ジュレからジワァ〜ッと舌に染み入る感じで
舌に侵食する
舌をゆっくりと動かせば
ジュレを纏った馬糞海胆が舌を
円やかな食感を乗せて這う
そのジュレと馬糞海胆の甘味が見事な迄に
ハーモナイズして来ます舌を弄んでおりました。

⑨お造り

○キジハタ
○浜防風
○酢橘
○マルドンのお塩
○お醤油
○山葵

夏のお魚です。
夏場は鯛が良くないので代わりに
キジハタが美味しくなる季節との事で
この時期にはキジハタを珍重される様です。

円やかなマルドン塩はちょっと煎って
お塩の野性味がほんのりと露わに出てる感じで
とても膨よかな鹹味が浮き出てくるお塩と
なっており
キジハタにチョコンと振ってやると
キジハタの淡白な旨味をグッと伸ばして
味わいを際立出せますね。
このお塩にチョット感動しました。

このお塩を酢橘の酸味で溶かすして酢橘塩にして
キジハタに滴らせてみると
塩気の底味が酸味の奥から
浮かび上がって来る感じとなり
キジハタの淡白さに輪郭を与えてしっとりとした身質をしなやかな旨味に誘い出しております。

更に
お醤油も御殿場の天然醸造もので甘味が
丸くてソフトな味覚を佇ませた醤油です。
お醤油と山葵の甘辛加減良くキジハタに
馴染ませてやると旨味が健やかに膨らみ
味覚が単に美味いのではなく
その身質と折り重なり涼しげに舌に
囁いてくるのです。

大海の恵みを受けたキジハタの美味なる洗礼を
受けたひと時でも有りました。

⑩お椀

○虎魚
○蓴菜
○梅肉
○柚香

本日の椀種は虎魚に梅肉
椀づまには蓴菜を忍ばせてます。

火を入れてあげた蓴菜は
素敵なグリーンに衣替えです。

虎魚がサラリとしてる
まだ若いものでしょう
ぼんやりと虎魚の脂汗が
吸い地一面に浮き上がってます。

このうまい具合の掛け合わせ方
星野大将ならではの昆布のうま味が
何処までも淡く淡く佇む吸い地の奥行きの深さ

吸い地に親しむ純白で無垢な虎魚
天に染める梅肉が紅一点鮮やかに輝く
お顔を近づけるとフッと柚香の香しさに戸惑う

吸い地を慎重にじっくりと味わいます。
どこまでも淡く深い所から忍び寄る昆布の淡味
澄み切った吸い地
雑味が除かれた繊細でキレのあるうま味が
詰まっており
淡麗なうま味が佇む吸い地は
それだけで馳走となり得ます。

プヨンと弾む温かい蓴菜の食感を嗜みつつ
ここは虎魚の滑りが溢れ
ハラリと解けていく淡白な旨味を
しっかり捉えたい
純白な虎魚からは無垢な甘味と
素直なぬめり味が舌に及ぶ
舌で虎魚の表面を舐めて行くと
虎魚の持てる味覚の全てがその身質に
凝縮されてるが如き淡い旨味が
味蕾の一つ一つに染み渡り
昆布の香り纏う余韻を残して行く

虎魚が進むにつれて
吸い地は穏やかに表情を変え
虎魚の旨味が写り
慈愛溢れるコクの深さが顕となり
舌が沈められて行きました。

⑪若鮎

○島根県高津川の天然鮎
○蓼酢
○蓼の葉
○はじかみ生姜

中骨が気になる様でしたら抜いて貰えます
好みに寄りますが
骨ごとぼりボリ頂くのが美味しい


本日は
旬の凄いやつが全部出て来ちゃうんですね。
舌が喜びまくりです。
稚鮎は頭から中骨まで優しく焼かれて
柔らか目に仕上げてあります。
この稚鮎がまたしっくりと来るんですよ〜。
どうしたらこう言う焼き加減の
火入れが可能となるのでしょう。
鮎は頭の先っぽからカリカリと皮目全体に
焦げ付きが広がり満遍なく火が通り
ゼラチン質などは欠片も残らず消えている
なのにワタの身が柔らかくレア感があり
ふっくらと良く火が通った白身と対照的な
甘味が静かに訪れる
このコントラストも素晴らしいが
頭と尻尾と腹回りの皮目のカリカリ度
中の白身のほっこりふかふかな豊満度
小骨に絡んだワタのレアな苦味の濃度

是等の味覚がくるくると舌を回して
魅了するのです。

次に
1尾目の鮎を貪って頂いてる最中に
違う食べ方してみますかとお言葉頂き
ハイ、とご返事しましたら
その場で即興的にザクザクッとお箸で
細工を入れて頂き
焼いたばかりの稚鮎から何と!
スルスルするりと頭付きの中骨迄を抜き取り
白身とワタはそのままで
二体にして頂きました。

綺麗に分解された稚鮎を見て
その場に居た人みんな、
目の前で何が起きてるのかな?と言う感じで
一瞬ポカンとしてます。
意図も簡単にサラリとやって退ける星野氏の
技に感嘆します。

頭付きの中骨を抜くと残った方の身の食感が
格段に違って来るんですよね。

中骨にも肝が付いてるし苦味がバラけず
稚鮎自身が若いのでまだ骨が柔らかく食べれて
新鮮な味わいが残ります。
中骨を抜いてしまうと身の若さが格段に違って
舌に身の旨味を残していく。

なんかこの中骨抜き取りする食べ方
癖になりそうです。

⑫炊き合わせ

○久世茄子
○小芋
○生姜
○木の芽
○浸し地

久世茄子を串刺しにして炭火の上でクルクル回しながら焼くそうです。

網焼きみたいに焦げ面が付かないのと
綺麗に皮が剥がれるので
茄子の身が全く痛まない
焼きナスにしてからお出汁に漬けてる

炭火で丸焼きして焼き茄子に仕上げてから
鰹を効かしたお出汁に浸して

お茄子の繊維質にスゥ〜ッとお箸が
取り込まれていく

翡翠色が輝いてます
お茄子が全然濁らないし
中まできちんと火が入ってる
芯までふわんとした感じになってて
お茄子のエグ味が全然無いのですよ。
お茄子を寝かせる時間によるのでしょうが、
経験値が成せる技かと思います。

⑬鱧胡瓜

○焼き鱧と冷たい胡瓜

胡瓜がうまい!
種を取り外してカットして
塩で揉んで塩抜きして土佐酢で和えただけ
家庭料理です、とは言うものの
この胡瓜の瑞々しさのレベルが
鮮やか過ぎる

パリパリに焼いてあったかぁい鱧が横たわる
あったかい鱧と冷たくキュッと酢締めした胡瓜の組合せ
温感料理と冷感料理の均衡の美学の集大成

胡瓜は全部種を取ってお塩で揉んでます。
胡瓜のさっぱり感が焼き鱧の和む旨味と
良く釣り合ってます。
鱧を焼くとこう言う感じの美味しさに
化けるのかと初めて味わいました。
鱧を焼いてお醤油たれで鰻の地焼きみたいに
仕上げてるのです。
その焼き鱧を一口食べると鱧の猛々しさが
焼きの中に閉じ込められてて鱧の旨味が
ホクホクで穏やかな味わいに
仕上がってるのです。
余韻が舌にジーンと響いて後を引きます。

⑭お食事

○山形県合鴨農法のコシヒカリを
土鍋で炊いた白ご飯
○卵かけご飯
○牛の時雨煮
○縮緬雑魚
○香の物
○赤出汁

一膳目は
ご飯の上にお供の雑魚も時雨煮も香の物も
ぜんぶ乗せして一膳目を頂くのが好みです。
ホクホク艶々の白米と雑魚を
お口一杯に頬張って
実山椒をピリッと感じつつ
絶品時雨煮の甘美な味わいに包まれた
ふわふわご飯をお口の中に放り込んで
その芳醇なる時雨煮の甘味をご飯と一緒に
mogmogして極上の
ご飯の乳化を満喫します。
この少し辛くて喉に渇きを覚える
耽美な甘さ加減に煮詰まった時雨には
もう、麻薬の様に忍び込んで来て
舌を離しません。
何時もこの時雨煮の美味さには
舌が麻痺してしまいます。

二膳目は白ご飯に

シンプルに生卵をいただいて
卵かけご飯です。
お醤油を少し滴らせて卵をご飯に掻き混ぜて
ジュルジュル〜ッと頂いてお腹を満たします。
ん、此のご飯時の流れも好みに合ってて
至福のご飯タイムとなります。

⑭甘味

○蕨餅
○黄粉
○煎茶

黄粉が美味しい星野さんの蕨餅は
お土産に持って帰りたいです。

本蕨粉で練り立ての蕨餅
粉質感が美しく舞う黄粉
舌が現を抜かしてしまいますね。

星野料理の変幻自在な美味を締め括るに
相応しい作り立てのわらび餅
きな粉をたっぷりと塗してお口に運ぶ
きな粉の粉質が繊細かつ
上品でエレガントな粉なのです。
粉こなしてるのです。
わらび餅がトロンとしてきな粉がしっとり
絡みまくりです。
何とも言えないしっぽりとした甘さが
舌に寄せてくるんです。

其処に煎茶の渋味が淡くて
わらび餅の甘味を頂いた後に味わうと
ホッとするんです。
ふぅ〜。
最高峰の美味の高みに辿り着いて
ホッと落ち着いてる自分を発見。
満足の極致に達した感に酔い痴れる夕餉でした。

⓯お土産

牛の時雨煮をパックに詰めて頂いて
翌日の朝餉のご飯で星野料理の一旦を
堪能させて頂きました。

  • 新ばし 星野 -
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2022/04訪問12回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥40,000~¥49,9991人

味わうほどに滋味深さが増して味覚の繊細な美しさに惚れ込む

■2022.4.19(火)夕餉

■お料理 お任せ ¥40,000
お酒税サ時雨煮のお土産含む
お会計¥47,700

■ご予約 半年前に電話予約

■味わうほどに慈の深みが増して
味覚の繊細な美しさに惚れ込む

■非凡なお料理

本日は星野大将の非凡さを印象付ける
お料理でした。
この季節は筍がメインとなるコース仕立てが
多く見受けられるかと思いますが
本日の仕立て方の特筆すべき点の一つに
甘味の扱い方に脱帽します。
単品で甘さを打ち出すのではなく
コースの中に甘味の緩急を織り交ぜながら
巧みに舌を甘味の濃淡で導いて
淡く繊細な甘味から
大胆にジューシィさを打ち出す甘味までを
舌に感じ取らせる技アリの作品集となってます。
甘味は共すると素材との調和が難しく
甘さだけが舌に残ってしまい
素材の持ち味を消してしまう事もありますが
其処を巧みに素材の持ち味を引き出しつつ
味を整えて星野流の滋味深さに繋げている所に
非凡な技術の凄さを感じます。

①蕗の薹の小吸い物

淡く澄んだ鰹のうま味が佇むお出汁の優しさ
琴線に響く様な穏やかなうま味が
ジンワリと舌に染み込む
この見事に澄み切った美味しさは
如何したらこれ程までに昇華するのだろうと
このチャームな吸い地にうっとりとします。

そして可愛く浮かんでる生の蕗の薹が
春の匂ひを地に写して
ほんのりと気高く香り
何とも奥床しく
後から追いかけて来てくれました。

吸い地の味わいと
春の香りを楽しむ品の良い一品

②鰻の蒸し鮨

○鰻
○酢飯
○錦糸卵
○木の芽

地焼きした鰻を酢飯と一緒に蒸したもの

酢飯は一度お出汁で炊き上げたものを
酢飯にして切り立ての所に焼き立て鰻乗せて
散らし鮨風に錦糸卵を敷き詰めてます。

この小さな可愛い器の中に
味覚の精が宿ってるのではと思えるほど
極自然なカタチで鰻の旨味が舌に
素直に伝わって来ます。
温かい酢飯と鰻と肌理細やかに優しく佇む錦糸卵たちが味覚を紡ぎ合い
自分たちの味を引き出し合って
蒸し鮨を盛り上げています。

咀嚼すると最初は錦糸卵が酢飯に絡んで
大人しい酸味と錦糸の甘味がハーモニーを
奏で始めます。
その後、鰻のしっとりと蒸されて
仄かにダイナミックに踊る旨味が
酢飯の後を意外な勢いで追いかけて来て
結構衝撃的な美味を走らせます。
この味覚の段差攻撃に舌が翻弄されて
やられちまいます。
ホント、素材の持ち味を上手く構成して
穏やかに蒸し上げる事で
酢飯も鰻も温和にその持ち味の美味しさを
グッと引き上げてる一品でした。
食べた後の鰻の甘ダレがフワッと
余韻を残して行き
舌がうっとりその余韻に浸っておりました。

③物集女の焼き筍

○物集女の白子筍
○木の芽
○お醤油

京都塚原の直ぐ隣の物集女より届いた白子筍様を
2時間ほど直焼きにした物集女の筍は
真っ黒に変色したお姿で
お皿上に迫力あるカタチで鎮座されてます。
その真っ黒焦げの皮を大将が包丁で削いで
ど真ん中だけをスライスして
ホクホクのままお皿に盛り付け
木の芽をパラパラと散らして
お醤油をサッと滴らせて
温かいうちに召し上がれと嬉しい御言葉

もう、いきなり香しさがぷ〜んです。
その匂ひがストレートに鼻に抜けて行きます。
其れだけで美味そうな気分に浸り切ってしまい
味覚の渦に惹き込まれそうになりますね。

矢張り生の筍をじっくり焼かないと
この芳しい香りは出ない様です。
熟れてしまった筍では
こう言う香ばしさは生まれない様です。
この芳しさにまず、やられちゃいますね。

焼くのは2時間もかけてますが
頂くのは
香ばしさに誘われて美味しく味わえるのは
一瞬と
儚さを誘うのも筍の醍醐味かと感じながら
一所懸命ホクホクな白子筍に齧り付きます。

また、木の芽が見事に筍の甘味とマッチする
個性的な匂ひと刺激的な味をほんのりと添えて
其れが筍の甘味を更にくっきりと
浮かび上がらせて来ます。
この何とも言えない大地からの恵みを感じる
ナチュラルな甘味には
舌がメロメロに参ってしまいますねます。
誠に突き抜ける美味しさに感動いたしました。

④紀州のうすい豆の温かいお浸し

うすい豆を穏やかな温感の広がる甘く炊いた
お出汁で染めて甘い味覚を整えておられます。

うすい豆は実がふっくらとした食感が
整えられてて
皮がとても丸い質感の柔らかさで
然も齧ると意外にもプチッて鳴る
良くこんなに穏やかで元気な材質感を
出せれるもんだと
舌が驚いちまってます。

円やかな甘味
プチンと元気に弾ける食感
穏やかに温かい薄い豆
慎ましくも味わい深いお出汁

浸し地にコロコロと浮いてるお豆さんたちを
スプーンで掬って齧ると
一緒にお出汁の甘味が慎ましやかに
手を繋いできて
うすい豆にピタリと付き添う感じで
寄せて来ます。
そして
素朴な甘味が舌に訪れて
春らしい長閑な味覚に満たされる気持ちで
いっぱいになります。

この素朴なまん丸い緑のお豆が
これ程迄にホッと落ち着く味覚を運ぶとは
嬉しすぎですね。
うすい豆の甘味としっとり来る自然な繊維感を
さり気無く引き出してる一品でした。
こう言うお味と食感を作らせたら
ホント、星野さんならではの
天下一品の作品となります。

⑤青森の紫海胆

○鯛の中骨出汁のジュレ

この時期に難しいだろうに
海胆の一品をご用意して頂けるとは
何とも予想を超える嬉しさに
舌が小躍りしてしまいます。

黄金色っぽく輝くジュレたっぷりの
盛り付けの中にぼんやりと揺れる様に見える
青森の紫海胆
ジュレがプヨンと揺れて
小さな塊がプルンと舌に着地する
うま味が味覚の静けさを邪魔しない様に
ジッと座り落ち着き払う
その佇みの奥からポロリと紫海胆が
頭を出して来て
滑らかな葉っぱが舌触りも滑らかに
人肌の温感で蕩けて行く
この仕掛けの巧みな点に関心しちゃう
海胆って空気中に置いてても溶けて来る
直ぐに食べないと雫みたいに崩れて来ますが
ジュレの冷感の中に収まってるので
カタチも味わいも崩れずに
紫海胆の鮮度が其の儘ストレートに舌を
脅かして珍味を展開します。
この鮮烈な珍味がちっとも劣化しないで
届くもんだから
ジュレに負けずに
寧ろジュレのうま味をリードする感じで
紫海胆の珍味が広がり
その後からジュレが冷んやりと
追いかけて来る感じの蕩け方で
味覚の座り心地がとても良いんですよね。
素材の持ち味を駆使して
鮮度を活かす匠の一品

⑥芋茎の吉野煮

○芋茎
○生姜
○葛餡

里芋の茎みたいな味気ない食材を加工して
こう言う美味しい料理にしてしまう所が
星野料理の真髄なのかなと感じる一品。

此のお料理はお出汁との向き合い方で
どう言う色に芋茎が染まるのか
或いは染めるのかで味の出方に
芋茎の繊維質の特性が出る一品

吉野煮自体がとてもお優しい味わいを
引き出してて
ホント人の琴線に染み入る優しい味覚を
作り出してると感じます。
食べるとホッと落ち着いて来ます。

⑦天麩羅

○ぐじ
○タラの芽
○酢橘

衣が薄くかろやかで
鱗を間合い良く間引いてる故に
鱗が元気に屹立

衣は極微量に付着させてるだけ
脂質は何処までも軽くフワッと
浮かせる感じの揚げ衣

何時も感じますのが
揚げ衣の優しい繊細さに脱帽する。
粉質感が素敵に漂う衣で
小麦粉の細やかさにも驚くし
衣のサクッとした食感も素敵です。

ぐじの天麩羅をサクッと齧ると
最初に屹立した鱗がカリカリッと歯に当たり
破砕感が楽しくて癖になりそう。
この時期はぐじが嬉しい季節で
特に上手く4月にお席を頂けた時は
このぐじの天麩羅がとても楽しみなので
有ります。
薄く纏った揚げ衣の中に閉じ込められた
旨味がフワンと囁きかけて来て
春の匂ひを漂わせながら
ぐじの身がホロホロと解けて
しっぽり舌に抱き付いて来ます。
ぐじは揚げ衣の中でしっかり蒸されて
膨よかな旨味を広げており
咀嚼する時の快感が妖艶なまでに
舌を惑わせます。

更にタラの芽の天麩羅も
繊維質がシャキッとしてて
微塵も破壊されてない感じの仕上がり具合が
素材の美味しさを引き出しつつ
天麩羅の醍醐味を
味わえて完成度の高い一品となってました。

⑧お造り

○明石の鯛
○醤油
○酢橘
○塩
○山葵

鯛は朝締めて半日ほど寝かせてます。

手前がお腹の部位
奥側が背側の部位

そう言われて食べると舌が意識して
お腹の方がふっくらしてる気がしますし
旨味が厚い感じがします。
背の方はあっさりして質感が軽めかな。
言われなかったら
気が付かないかも知れませんね。

鯛のお造りは
鯛の身質が流石に
明石の激流に鍛えられてるだけあって
筋肉がしなやかに舌を撫でる柔らかさ
優しい弾力感が有りふわんと反発してくるし
弾力感が歯に伝わる時の快感が堪らなく
食感の秀逸さに感動してしまいます。
そして噛んだ時に淡白な肉質から滲み出る甘味は
山葵が負けてしまうほどのもので
鯛の無垢な美味しさに舌が惚れ込んで
しまいます。

⑨お椀

○鮎魚女の葛叩き
○物集女の筍(穂先の部位)
○蕨
○木の芽
○梅肉

吸い地を頂く前に鼻腔に漂う昆布の
馥郁たる香りにやられてしまいますね
そして唇が地に濡れると
何と言う憂いを含んだうま味なのかと
感嘆を超える味わいに陶酔します。

その吸い地は昆布の香りが
フワッと広がり鼻に優しく抜けて行き
引かれたお出汁は雑味なくクリアな旨味に
舌が力強く惹き寄せられるもので
舌に沁み入る優しさで満ちてます。

お椀に張られた吸い地を啜れば
淡く素直な澄んだ味わい
飲むほどにしみじみと旨味が積もって行き
丸い余韻を残していく
鮎魚女は見事なまでの大きさで
優しい甘味を舌に落として
滑らかなヌメリと共に口中に
儚く消えていくが
その滋味深い味が椀の中に溶け出して
次第に吸い地の味わいを深めていき心踊ります
最後の一滴を飲み干すとクライマックスが訪れ
陶然と酔い痴れてしまいました。

⑩北海道桜鱒の漬け焼き

○桜寿(おうじゅ)北海道産
○はじかみ生姜
○刻み大葉

北海道の桜寿ブランドの桜鱒を
塩焼きではなく漬けでの焼物

咀嚼してこのお魚の持ち味の引き出し方
味覚の引き立て方にも星野さんの非凡さを
感じる仕上がりに唸ります。

皮目をカリッカリに焼き上げて
身はしっとりと火を入れてます
皮と身をご一緒に召し上がって
下さいとの星野大将の仰せに従い
咀嚼を進めますと
皮はバリッバリで身質はジュワ〜ッと
口内に広がる脂質が程良く溢れて
更に漬け地の旨味を弾けさせて
極上の美味が舌を襲う。

火入れの妙で中まで火が通ってて
ちっともパサパサせずに
しっとりとした身質の嫋やかさが伸びます。
其れでいて皮目のカリカリが楽しかなりますが
焦げてる部分がほぼ無し
ん、これどういう事?
こんだけカリカリなら黒焦げする箇所が
点々と散らかるのに
カリカリで裏側はゼラチン質が艶かしく
旨味を発散してる
誠に見事としか言いようが無い。

⑪筍の直炊き

○静岡藤枝の筍(下の部位)
○花山椒

本日のメインです。
食べ応え感のダイナミズムが横たわり
透き通るような白子筍ザクザク感を満喫
此れは凄い!
これ程の食感と
気品溢れる穏やかな糖度を放つ甘味と
ザクッと思い切り噛んでシャキッと
フレッシュな噛み応え感が呼び込む快感が
全てが目まぐるしく絡み合い
齧り付きの醍醐味が溢れかえりますね
力強い筍の甘味に唸りっぱなしです。

お話を聞きますと
本当は炊き合わせの予定だったらしいですが
ものが良くて
筍自体のポテンシャルが素晴らしかったので
別物での用意に変えたそうです。
此方としては大歓迎ですね。

⑫炊き合わせ

○蕗
○鯛の子
○木の芽

この時期春の山菜がとても良いのです。
お酒お出汁お醤油お砂糖で炊き合わせたもの
甘辛加減が絶妙に素材を穏やかな妙味に育んで
味わいの滋味深さが心にジ〜ンと染み渡ります。

蕗はお出汁でサッと炊いてあり
サッパリとした食感に爽やかな苦味が
口内に広がります。

蕗に現を抜かしていると
ひょっこり鯛の子が可愛らしくプチプチ感を
弾きながら穏やかに甘辛の出汁が染み込んで
粒々感がプチュンと弾けて
めちゃ楽しい味覚が舌を弄びます。

其処に春の苦味を放つ木の芽が
大人の味覚で寄り添って来て
炊き合わせ全体の調整役を果たして
味を巧みに整えておりました。

⑬酢の物

○蛍烏賊
○車海老
○うるい
○菜の花
○酢味噌掛け

巧みに舌を誘導しるんですね。
筍でガツンと甘味を堪能させて
炊き合わせで温感も穏やかに
甘辛で舌を宥めておいて
徐々に興奮気味の舌を落ち着かせる
少し間を置かせてシャキッとしたうるいが
繊維感を伸ばし
蛍烏賊や車海老に掛ける酢味噌で
酸味軽やかに走らせて舌をスキッと
切り替えさせる

蛍烏賊は目玉や軟骨・嘴などエグ味のある物を
全て綺麗に取り除いて有り
咀嚼感がとても優しい仕上がりで
酢味噌がとても良く馴染みます。
なので蛍烏賊だけでもお口をサッパリと
リセットしてくれちゃいます。

この爽やか系の多様な味覚で
楽しませてくれるのと同時に
お口を仕切り直し頂ける一品には
有り難みさえ感じます。

⑭お食事

○筍ご飯(真ん中の部位)
○白ご飯
○卵かけご飯
○牛の時雨煮
○縮緬雑魚
○香の物
○赤出汁

一膳目は筍のど真ん中を刻んで
筍のお出汁で炊き込んで頂いた筍ご飯
コシヒカリの艶やかな旨味が米粒から
弾け飛び
筍の甘い香りがフワァンと立ち昇り
鼻腔をうっとり掠めつつ食欲を募る
その筍ご飯をガツガツと掻き込んで
お口いっぱいに筍甘味を充満させて
筍ご飯の膨らむ妙味を満喫させて頂きました。

二膳目は
ご飯の上にお供の雑魚も時雨煮も香の物も
全部乗せして一膳目を頂くのが好みです。
ホクホク艶々のコシヒカリと雑魚を
お口一杯に頬張って
実山椒をピリッと感じつつ
絶品時雨煮の甘美な味わいに包まれた
ふわふわご飯をお口の中に放り込んで
その芳醇なる時雨煮の甘味をご飯と一緒に
mogmogして極上の味わいを楽しみます。
この少し鹹味が喉に渇きを覚える
耽美な甘さ加減に煮詰まった時雨煮は
麻薬の様に忍び込んで来て舌を離しません。
何時もこの時雨煮の美味さには
舌が麻痺してしまいますね。

三膳目は白ご飯に
シンプルに生卵をいただいて
卵かけご飯です。
お醤油を少し滴らせて卵をご飯に掻き混ぜて
ジュルジュル〜ッと頂いてお腹を満たします。
ん、此のご飯時の流れも好みに合ってて
至福のご飯タイムとなります。

⑮甘味

○蕨餅
○煎茶

黄粉が美味しい星野さんの蕨餅は
お土産に持って帰りたいです。

本蕨粉で練り立ての蕨餅
粉質感が美しく舞う黄粉
舌が現を抜かしてしまいますね。

最後に時雨煮のお土産を
こっそり頂いて
冷蔵庫に保管して
おうちご飯で星野さんの余韻を楽しむのが
密やかなご褒美となります。

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2022/01訪問11回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥50,000~¥59,9991人

何処までも研ぎ澄まされてる唯一無二のお料理

■2022.1.31(月)夕餉

■ご予約 昨年10月にお電話にて

■お料理
お酒税サ牛時雨のお土産含む
お会計¥50,200

①京風のお雑煮

山利の白味噌仕立て
お餅
富田林海老芋
金時人参
お大根
鮪節の糸がき

真っ白に穏やかな温かさに揺れながら佇む
白味噌のお汁
白味噌に浸されたお餅の天には鮪節の糸がきが
憂いを含んだ様にサワサワと
佇んでいらっしゃいます。

その糸がきから気高く香る
鮪節の匂ひにうっとり
白味噌の何処までも甘く薫る匂ひにも
心が揺らぐ

お椀の蓋を開けた時から心癒される
その佇まいで眼を楽しませて始まる星野料理
目を楽しんだ後は香りで惑わせ
白味噌の至福の味わいが舌を訪れる
白味噌のお汁のまったりとした円やかな食感と
こっくりと心身を芯から穏やかに包み込む
瀞み感じる舌触りと甘味

合鴨農法でお米を作られてる農家さんに
餅つきして頂いたお餅は
もっちりモチモチにグ〜ンと伸びて
ふんわりお口の中でネットリ絡みまくる
ポッチャリとポタージュみたいに円やか食感を
振り撒いて来る白味噌の甘味は
兎に角こってりと濃厚なコクを感じる甘美な
味わいで舌が呆然としてしまうくらいの美味

あらゆる五感が目覚めてその旨味に陶酔感を
覚えるほどの至高の味覚
何者にも邪魔されてない穢れの無い
純粋に無垢な味わいが其処に佇んで
私の舌を魅惑の衣で纏う
お餅の中に射込まれてる海老芋も人参も大根も
お雑煮の具材たちが舌を満足げに弄ぶ

その味わいの奥行きの広がりを満喫しながら
喜びに満ち溢れるほどの美味が訪れて
至福のひと時を頂きました。

②お節の前菜

祝い鶴のお皿が嬉しく新春のお喜び気分を
醸し出します。
御節気分の前菜に舌がウルウルして
泣けて来ちゃいますね。

盛り付けの真ん中から順に
自家製の唐墨
松葉串に黒豆
春子鯛の酢締め
菜の花の昆布締め
たたき牛蒡

お正月の珠玉が雅に散りばめられたお皿
お酒のアテにもドンピシャなミニ御節に
して頂いており感謝の言葉しか出ません。
お正月気分に少し浸りながら
飛切りの燗酒にお付き合い頂き
唐墨とチビチビやるも良し
グビッと呑んで酔いに舌を委ねるも良し
ほろ酔い加減が進んでしまいます。

8時間かけて煮詰めた黒豆の艶やかな事
とんでも無くツルツルな輝きは
不思議にも思えるほど美しさを誇る漆黒の
輝きを見せてます。
しっくりと優しい粉質感に佇む品格のある
糖度の質感に驚く
甘さなのか甘味を超える旨味かも知れない
しつこく無くて爽やかにサラッと舌に
入って来る上品な糖度に参りました。

菜の花はサラッと湯掻いて昆布で締めて
お出汁に浸してます。
繊維質の心が残りシャキッとした食感と
ほんのりと昆布の香りが同居する美味さ
お出汁の味が菜の花の狭間から
滲み出て来る出汁のうま味と食感の
バランスの整え方に感嘆する

この不思議にも思える味覚の中に
どう反応して良いやら
舌が迷っております。

唐墨がまた凄く美味しい
純度と言うのか鮮度と言うのか
血管の混じり気が微塵も無い唐墨
見ててもその綺麗なオレンジ色に輝く
天然の色合いに見惚れてしまう
唐墨の粒々が綺麗に映える
血の気を完璧なまでに消していて
血抜きが完璧に施されてる感じ
細かく手を施してるのかと思いますが
その丁寧なお仕事に見合う唐墨の品の良い
塩味と海鼠固有の味わいに参ります。
その唐墨を食べ切ろうか残そうかと
迷っておりましたら
星野大将此方の意図をスッと感じ取って頂き
小さめの取り皿をカウンターに置いてくれて
唐墨を此方の小皿に取り置きしておいて
チビチビやってください、とのお達し。
まぁ、何とも嬉しくなっちゃいますね。
お節の前菜を食べ切って
唐墨だけ置いておきたいなぁと
心中を察して頂いたのでしょうか。

前菜のお品はどれもこれもが
心に染み入るお味でお酒が自然に
進んでしまいます。

ホント美味三昧のお料理構成に舌が
メロメロでした。

③河豚の白子焼き

プクゥ〜ッと脹れ面している
大きな焼き白子さんが
お皿の上でプルプルと揺れております。

最初、お箸でプツンと薄皮を割って
頂こうかなと思ってましたら
飛んでも御座いません。
薄皮どころか
齧ってみて吃驚こいた
厚手の皮目がしっかり纏っており
厚みのある白子の皮をブチンと
噛み切らんばかりに歯でグッと噛むと
ポンと弾力感豊かに反発して来て
中からはトロ〜ンなのです。
この見事な食感のマリアージュに驚嘆
焼き方が秀逸なのでしょう。
此処まで白子の皮を厚く焼くと
もう少し脱水症状が上がって
パサつきが出るものですが
プヨンぷよんの白身から珍味が
いっぱい飛び出して来て
舌は狂喜乱舞しちゃいます。
もう、
ほっぺが落ちるよ〜と叫んじゃいそうです。
そしてそのプヨプヨな白子が舌の隅々まで
徘徊してるときに感じる塩味が
また淡く寄せて来るんですよ。
この塩梅が絶妙な塩梅で
白子の甘味に奥ゆかしく底味を浮き上がらせて
熱々の白子さんがゆっくりとお口の中で溶けて
消えていく間合いの中で淡い塩味が
ヒタヒタと忍んでくるのです。
堪んないですね。

更には
お酒とのマリアージュも素敵でした。

お酒を含んでから白子焼きを食べると
とても白子が燗酒と一緒にほんのりと
薄く染まっていき
お酒の余韻の甘さが白子を優しく包んでくれて
そのお酒の甘味が仲良く
白子の甘味に繋がるのです。
また、
白子をmgmgして白子をほぼ食べ切った後で
お酒を頂いても白子の甘味よりも淡く佇んでいた塩味の余韻がほんのりと滲み出して来て
お酒の甘味を微妙にくっきりと
浮かび上がらせる感じも
良い余韻となってました。

いやぁ〜、この白子さんは絶品。
このお料理で高揚感上昇しっ放し。

④浜茹で松葉蟹 津居山

流石と言いますか
此れぞ匠の技と言うに足る作品かと
感じ入ってしまいました。
何も足さない
ただ只シンプルに浜茹でされた蟹を
一杯ずつ少し温感を持たせる為に
カウンターに饗される直前に蒸してます。

浜茹でされた松葉蟹を一杯ずつ
蒸し器で優しく蒸されてるので
蟹の身がとっても穏やかな
円やかさが伴う優しいお味になり
舌がウフフと喜んじゃってますよ。

やはり運ばれて来て冷たいものをお出しするより
少し温感を纏わせた方が
蟹の香りも甘味も浜茹でした時の鮮度が
蘇って来ますので
食べてみるとホントにvividな憂いを含んだ
美味しさが訪れてました。
この微妙な塩梅で浜茹での旨味を
再現しようとする星野料理の
研ぎ澄まし方と言うのか
繊細な施しが蟹の甘味を昇華させてます。

浜茹ででもドボンと沢山の蟹をいっぺんに
茹でる事で蟹のエキスがお出汁として
お鍋の中に充満し
蟹の茹で汁のエキスで蟹の旨味を深めるし
蟹自身の体液が逃げずに其の儘蟹の身に纏って
味わいを昇華させてるカタチとなる様です。

なのでこの浜茹での松葉蟹の爪も脚も
ぎっしり詰まってる身をス〜ッと削いで
其の儘蟹酢とかも浸さずに食べると
蟹にしてはメチャ濃厚な甘味が伸びて来るし
全然水っぽくないのにも驚く。

兎に角
お箸を殻の隙間に入れてスゥ〜っと入れて
ホカホカの白身が殻から剥き出しとなり
お箸でその白身の塊を摘んでお口にパクリと
放り込みます。

全くもってピュアな甘味
其れもかなり鮮烈な蟹らしい甘さです。
無垢で雑味の無い旨味をギュッと
引き出してます。
然もお上品な甘味なんですよ。

これ程蟹のポテンシャルを
余すことなく引き出してるとは
ホントに綺麗な美しい味覚を纏ってる
茹で蟹料理でした。

⑤蟹味噌和え

ほぐし身に温和な蟹味噌を添えて
味噌との和え物でのご用意です。
少し蟹酢を浸してお召し上がり下さいとの
仰せに従い
温かい蟹味噌とほぐし身を一緒に
お箸で摘んで蟹酢に浸けて頂きます。

うふふ、で御座いますよ。
何、この穏やかァな甘酸っぱさ
同じ蟹味噌の和え物でも
こんなに旨味度、甘味度のレベルが違うものか
と不思議に思う。
この時期まぁ大体何処でも
蟹料理はご用意されて
お味噌との和え物の盛り付けも有るかと
思おますが
共すると水っぽくて蟹味噌がシュッと溶けで
結構ベチョッてなる事が多いです。
星野さんのは
何というのか
先ず水っぽくなくて
ほぐし身が綺麗にキュッと締まってて
蟹味噌も粘度レベルが穏やかに整えられてる
その両面味覚と食感の度合いが上手に
均衡してお互いに珍味を出し合い
味わいを引き寄せつつ全体感が整えられている
故に蟹酢の酸味もキュンと
生きてきちゃうんですね。
素材が良いもので有ることは確かですが
その良さを更に磨きを掛けてると言った
感じになるかと思います。

舌を円やかに撫でていく
もう、絶句する味わい
こんなん出されたら本当に参っちゃいます。

⑥根芋の吉野煮

定番の吉野煮
此れは外せない一品
いつも通り根芋と吉野葛の相性と生姜の
刺激がお口の中で舞い踊る妙味に
舌が震えてる
この妙味の誘惑にはなかなか勝てそうに
有りません。
何でこの素朴な素材が
此処までの味わい深き妙味を帯びた
お料理に一変してしまうのかと
何時も不思議な味覚に摘まれながらも
この生姜のツンと来る刺激と
吉野葛の餡の瀞みとの相性の良さに感動
ズルズル〜ッと吸い込むようにして
根芋の束を噛み締めてうっとりと
快適な妙味に浸り切ってしまいます。

そしてご一緒頂く飛切りの御燗が
この吉野煮と誠に合うのです。
感謝しか有りません。

⑦白魚の天麩羅 宍道湖

厨房からシャァ〜ッと唸る油の音色が
カウンター越しにまで届きます。

粉はごく普通の小麦粉をお水で溶いたもの
油は綿実油と太白のブレンドしたもの
特別な事をしてるわけではなく
普通に私達も買えるもので
美味しいお料理を作る
其処が料理人の腕の見せ所であり
京味から受け継いだ矜持ともなっている
そんな大将の思いを伺いました。

さて、宍道湖の白魚です。
毎年この時期の白魚は穴道湖の大きなものを
使われてますね。

其処は星野流の施しが冴える技ものに仕上げて
バラ揚げを山盛りで饗されます。
真ん中が山のように盛って有るのが
美しくも有り食欲も唆りますね。

衣を齧る
揚げたての薄い衣のサケサク感が美しくて
サラリと流れる食感の心地良さが堪らない
こんなにサラサラした衣の揚物は
星野さんでしか出会えない逸品
咀嚼感も素敵でふんわりと歯を招く
招かれるままに歯も舌も天麩羅に委ねる
薄い衣の向こうにある白魚がやんわりと歯を
導き入れて白魚の淡白な甘味を舌に振り撒く
とってもフカフカする甘さに感動してしまう
白魚を一尾ずつ頂きますが
手が止まらない。
次から次へと舌が渇望しどんどん食べてしまう
一気食いである
食感の心地良さの継続性が良い
白魚の香りと甘味がたっぷりお口の中に
入って来て食べ応え感を満喫させてくれます。
満足感が高き作品。

このシンプルな揚物の素材を
極上の旨味の高みへ持って行くレベルの高さに
感銘してしまいました。

⑧お造り

明石の鯛
醤油
山葵


真冬の激流に揉まれて育つ鯛
この時期の明石は鯛の身質のしなやかさが
秀でて来てるところで咀嚼感がはっきりと
身質から感じとれるものです。

白身が分厚く旨味が出てきてますので
チョツト刺激を包みたくなり
生山葵を鯛の白身でくるくると巻いて頂きます
お口に入れて咀嚼しますと
身質の淡白さとしなやかさが反発して来て
その間隙から山葵がツーンと弾き出して来て
鯛の身質に刺激を与えて美味を振り撒きます。
何度も咀嚼し続けていたい気分です。
鯛の鮮度の良さに舌が喜んでました。

⑨お椀

椀種:車海老の薄氷椀
椀づま:鶯菜
吸い口:柚子皮

聖護院大根を薄氷に見立てた椀盛です。
お椀に浮かんでる姿が透き通って
真冬に張る薄氷が張られてるイメージが
眼前に広がる様です。

薄氷仕立ての聖護院大根も一度炊いたものを
浮かばせてます。
薄氷の下には一入当てた車海老を
湯掻いたものを椀種として浮かばせてます。
薄氷仕立ての大根を取り払いますと
クリアな純白の車海老が一口サイズに
くるりと巻かれてくっきりと姿を
表します。

昆布鰹のうま味も奥深く吸い地に
忍ばせてる感じで淡く軽くお淑やかな
佇まいです。
車海老はプリプリ感半端なく
サッとお湯で湯掻いただけで余計な
足算はしない味付けで
食感が素晴らしく舌に響き応えてくる
車海老は一口サイズに小振に纏めて有り
とても食べ易いです。

其れ等全ての食材の持つ旨味エレメントが
お椀全体を盛り立てて
至福のうま味を作り出している
何と言うバランスの良さ
吸い地と椀種の距離感も図抜けてます。
研ぎ澄まされた味覚のグラデーションに
感銘し感動を飛び越えて行きますね。
素直に素材の持ち味を雑味なく引き出す技に
おいては
私が知り得る小さな世界ですが
この方を超える人は居ないのではと思います。

⑩焼き物

ぐじの松毬焼き(松笠とも書きます)
酢橘
はじかみ生姜

酢橘は皮では無く身の方に滴らせて
召し上がって下さい、とのお話を頂きます。

松毬の立ち居振る舞いが非常に美しく
正に松毬の様に鱗が整然と並んでおり
由緒正しい松毬焼き
鱗がきちんと寝てるので見た目も美しい。

まずは一口鱗から齧ってみます。
食感が鋭くカリッと当たって来る鱗が
嬉しくなる程の美味を感じます。
皮目のパリパリ感が堪んない
身はホクホクで塩味がほんのりと浮かぶ

もう芸術作品の領域ですね
皮目のパリパリ感の感覚と身質のホクホク感との
コントラストが素晴らし過ぎて
この不思議な食感を何度も味わいたくなる。
皮目をザクッと噛む度に歯に跳ね返ってくる
パリッとした鱗の粒混じりの皮目さんが
快感をいっぱい呼んで来てくれます。
皮目を通り過ぎて純白の身質に
深く歯を入れるとハラリと解け崩れる白身
その崩れた身質から淡く寄せる塩味が
ジーンと舌の全面に染み渡ってゆっくりと
広がって行きながら
ぐじの旨味がパッと口内に充満
舌が極上の味わいに酔い知れて
満足と興奮が渦巻くひと時に溺れておりました。

⑪炊き合わせ

聖護院大根と京菊菜
黒胡椒

鯛の中骨を焼いてとった出汁で大根を
炊いてます。
お出汁を多目に張って有りますので
大根の柔らかい甘味を頂きつつ
お出汁も合間に飲みながら
合わせて楽しめます。

お大根をコトコト炊いてるのかと思いますが
本当に優しい味わいは
心が洗われるよう

その大根から滲み出るエキスのみで
満ちる甘味でお大根自身を浸す
甘味が綺麗なまでに澄んでて
大根から滲み出るおつゆが誠に美味い!
その甘味に浸された菊菜が嫋やかに揺れる
味覚を持ち出してくる
味覚自身が淡く舌に寄せて来て
滋味深いうま味が広がる
こう言う味わいが舌の琴線に触れて来て
ジ〜ンと来ちゃいます。

⑫鴨饅頭と百合根

合鴨のミンチを甘辛く炊いて
葛で当てて
百合根の生地で包んで
周りに叩いたおかきを塗して
一度揚げてから蒸して冷やしたものに
温かい餡掛けを施したお饅頭となります。
瀞みが円やかな銀餡掛けの上には
山葵を可愛く盛り付けです。

銀餡をスプーンで掬って舐めます。
餡の瀞みが絶妙で穏やかな事
ほんのりと醤油味を泳がせていて
凄く奥ゆかしい味わい

トロンとした銀餡の中に浮かぶ鴨饅頭を
やおら蓮華で崩してみますと
百合根生地に包まれた鴨肉のお団子がお目見え

中から鴨肉のそぼろがホロホロと
流れ出して来て舌を誘惑してます。
一口摘んでゆるりとお饅頭を咀嚼
美味ぁい。
百合根が優しいので餡も緩い餡に
仕上げてますね。

百合根と銀餡のマリアージュした味覚の
穏やかな甘味に鴨団子の旨味が折り重なる
一口ザクッと噛むと多様な味覚に惑わされて
蠱惑の渦の中の妙味の奥へ奥へと誘われて
舌が深みにハマってしまいます。
お饅頭を包んでる百合根が無茶苦茶
しっぽりと舌に抱き付いて来ます。
更に奥深く進むと鴨肉の旨味がやんわりと
朧げに浮かんでくる
そして
山葵の刺激が鴨饅頭の甘味をグッと押し上げて
この妙味連打に完全にノックアウトです。

⑬お食事

山形県合鴨農法のコシヒカリの白ご飯
牛の時雨煮
雑魚
赤出汁
香の物

○一膳目は星野丼にします。
ホクホク艶々の白米に雑魚も牛の時雨煮も
お香の物も全部盛りして
星野丼を完成させます。
最初に雑魚ご飯の所を掻き込んで
実山椒をピリッと感じつつ
ご飯の甘味と対比しながらの美味を堪能
次にサッパリとお漬物にご一緒頂いて
お口を少しスッキリ味でリセット
お仕舞いに濃厚な甘味を放つ時雨煮で
フカフカの白米様をガバッと口内に突っ込んで
頬張ります。
んん、どいつもこいつも美味しいじゃん
やっぱり〆にはこの3度楽しめる星野丼方式で
満足感を高揚させてから
赤出汁でホロリと落ち着くのが良いなぁと
つくづく思いました。

○さて、二膳目はおかかに
卵黄掛け山葵添えご飯を頂きます。

甘味にコクのでてる宇治の卵黄と
ふわふわご飯を掻き込んで
濃厚な黄身をネットリとご飯に垂れ流して
おかかの気高い香りに塗されて
スーパーTKGの極上の美味さを堪能です。

いつも乍ら嬉しい満足度の高いご飯たちに
祝福を頂きました。

⑭甘味

蕨餅
星野さんの蕨餅って艶々な感じで
練りたてのものを頂けるので
お餅感が優しくって
きな粉も甘さがピッタリ蕨餅に寄り添ってて
ホント美味しいのです。

⑮お土産

明日の朝ご飯用に牛の時雨煮をタッパーに
包んで頂きました。
この時雨煮だけでご自宅で星野丼の
片鱗を味わう事ができちゃいます。

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2021/07訪問10回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥40,000~¥49,9991人

此れと言った食材の薄い夏場に鱧、鼈、鰻、鮎を駆使して美味珍味を緩急自在に操る星野料理に感銘

■2021.7.27(火)夕餉

■お料理 お任せ ¥40,000
お酒税サ含むお会計¥44,300

■ご予約 半年前に電話予約

①冷やし薯蕷汁

丹波のつくね芋をお出汁で伸ばしたものに
蓴菜
ぐじ
を具材に入れて
酢橘の搾り汁を滴らせて仕上げてます。

このトロ〜ンとした舌触りの清々しく
爽やかに走り抜ける食感と
滑らかに流れる清涼感
何と気持ちが晴れる感じで
舌を喜ばしてくれるんだろう
夏の気怠い気分を見事に吹っ切らせてくれる一品
更に蓴菜のヌルのぷよぷよ感とつくね芋の
トロリ感の相性が抜群に良いのです。
互いに干渉する事なく仲良く溶け合う
ヌルリとした艶かしさに薯蕷の滑らかさが
交錯する
そのトロリとしたつくね芋の中からぐじが
ひょっこり顔を出してプリッとした生身を
曝け出す
ぐじがトロ〜ッとした薯蕷の粘性を浴びて
舌触りもヌルッとしながら淡白な甘味が
薯蕷の中で消えて行く
この同時進行する多様な食感と味覚の混成が
堪らなく舌を魅了して止みませんでした。

②海鰻の飯蒸し

博多湾の海鰻
雑味の無い清い鰻
鰻と言う魚の秘めるポテンシャル
鰻の皮と身から零れてくるほどに溢れる
美味の極み
鰻自体を再認識させられると言うのでしょうか
また、
其処まで極まる鰻の旨味を
引き出せるものなのでしょうか
素材も秀逸なればこそ
星野大将の施しにより
極限まで鰻に潜む美味妙味を最大限に
引き出す火入れのチカラに感銘し
舌が震えてしまいました。

兎に角鰻への火入れが飛んでもなく見事
焼き加減で此処まで鰻の本質的な美味さを
引き出せるのかと
然も炭ではなく電熱との事です。

恐る恐る一切れ目を咀嚼しつつ
少し餅米もお口に含みます。
もう、舌も目もパチクリです。
驚きを超える驚きの美味しさ
食感
香り
歯触り
舌触り
どれも此れもが究極の海鰻の美味さに舌を巻く

皮目がキリリとパリパリ感がストレートに走る
身は蒸した様にふっくらとするもジワリ沁みる
鰻の保湿感が漂う様なしっとりな美味さを纏う
皮を齧ると付着するゼラチン質の穏やかな甘味
皮目の硬さに比して白身はパサつかず
フワァ〜ンと膨よかな美味が浮き上がって
堪らないほど美し旨しなのです。
鰻ダレも甘過ぎず辛すぎずサラッとコクのある
甘味を滲ませて鰻の身質に寄り添う
勿論素材も良い物なのですが
海鰻の雑味の無い鰻本来の旨味を此処まで見事に
表現出来てしまうとは
恐ろしい料理人様です。

博多湾の海鰻は
車海老とか甲殻類を食べて育ってるので
鰻丼を焼いてる時に甲殻の匂ひが香るそうです。
其処がまた鰻の美味しさに奥行きを与えて
より一層舌を惑わせてくれるんでしょうね。
フゥ、参りました。
2品目にどストライクな一品が来て
一気に高揚感が膨らんじゃってます。

③鱧の落とし

南淡路の鱧
自家製梅肉
赤紫蘇につける前の新鮮な梅干しベースで
仕上げた梅肉の品の良い事
山葵をしっかり梅肉の中に溶かしてから
鱧に梅肉を浸して頂きます。

鰻のパンチを喰らった後に
舌が癒されるかの如く温和な鱧の落とし
程良い暖かみを纏った鱧が
淡いうま味を佇ませた浸し地に染まり
淡白な白身はコク深い甘味を忍ばせてます。
この淡い浸し地に染められた鱧の甘味が
何とも言えず
滋味深さを醸し出していて
舌を鱧の滋味深さで満たして行くのです。
梅肉の酸味が鱧を優しく攻めてくる
ポン酢の酸味も
上塗りされて酸味の合唱が鱧の淡白さに共鳴して
鱧しゃぶを力強い味わいに変える
私はお出汁だけで地のままに染まった
鱧の方が自分の舌には穏やかで素直な
鱧の美味さが感じられて好ましく思えました。
何方にせよ鱧の魅力をグッと引き出した一品と
感じました。

④芋茎の吉野煮

京味系定番の名作と呼ぶに相応しい一品。
炒子のお出汁で芋茎を炊いて
芋茎と言う何の変哲も無い根菜にうま味を
付けて味わい深き一品に仕上げる
これ程ピュアな繊維質を感じるお料理も
珍しいかと思います。
芋茎自身はコトコトと星野大将が
お鍋の中で葛を加えながら炊いております。
かなり強めに炊いてるのに
繊維が劣化せずシャキッとした繊維感を
頂けるのには何時も驚いてしまいます。
その芋茎の妙味に生姜が程よく絡んで
刺激的なアクセントを加えています。
芋茎を噛むと葛の瀞みと一緒に
ジュウ〜ッと口の中に零れ落ちるうま味
其処に
生姜が痺れをほんのりと寄り添い
とても良い妙味を
舌に運んでくれてました。

⑤蒸し鮑

唐津の蒸し鮑のスライスが2枚
鮑の肝を煮汁で伸ばしてペースト状にして
たっぷりと鮑に浸して頂きます。
これがなんともコク深さ伴う旨味で
ジ〜ンと舌を陶酔させる円やかなる珍味が
広がります。
鮑の筋肉質は綺麗な味覚が佇み
海の香りや磯風味が舌に飛んで来る
こんなに鮑が美しく純真無垢な味わいを
見せるとは
どうやって鮑の身を磨いてるのだろうか
星野さんの手に掛かると
あらゆる素材が潜在能力を発揮して
秘めた旨味が蘇り輝いて来ちゃう
鮑を噛んでみた
するとその瞬間一旦は弾力して歯を押し返すが
其の儘グッと力を込めて押すと
鮑が歯を吸い込む様にスゥッと鮑の肉の中に
沈んでいく
この鮑のスライス一枚を
噛み続けていると肉質に粘りがでてきて
段々と淡く甘味が浮き出て来るのである
更に鮑の肝が舌の中に滲み込んで来る
苦味が無く無垢なる肝の甘味が淡く切なく残る
舌が少し肝を愛おしく感じる瞬間が訪れて
鮑はお口の中で無邪気に遊んでいた。

⑥雲丹ゼリー

歯舞の紫雲丹
アコウの中骨を焼いて取ったお出汁のゼリー

ゼリーがプルルンと揺れてます。
揺れるゼリーを纏った紫雲丹さんが
うま味溢れる味わいを雲丹に乗せて
お口の中で雲丹がジワジワと口溶け
そのトロ〜ンと蕩ける味覚の中から
ゆっくり珍味が舌一面に広がります。
雲丹ゼリーのプルプル食感と冷感が
雲丹の珍味を切れ味の良い美味へと
誘い込んでいく
お口の中で多様な味覚が交錯しながら
雲丹ゼリーが珍味なる余韻を残して
溶けて消えて行きました。

⑦天麩羅


玉蜀黍

天麩羅と言うより軽く葛粉を塗して
油で洗ってる感じの揚げ衣感で
衣の繊細なサクサク感に驚きます。
そのサクッと歯に応える食感を通り過ぎると
若々しく元気に鮮度の高さを誇らしげな身質の
鱚がお目見えです。

お勧めに従い
鱚は酢橘塩で
玉蜀黍は塩で頂きます。

鱚の身がふっくらと新鮮な
揚げてる油の温度で蒸されており
噛むとそのままハラリと崩れて
ホロホロになって口内に散らばるのです。
散らばりながらも淡白な甘みと
白身の鮮度の高さに溺れてしまいそう。
とても軽妙な食感が走り抜けて行き
舌を喜ばせてます。
咀嚼してるとどんどん美味しくなる
とても気品に溢れてる鱚天でした。
一方、
玉蜀黍は素揚げっぽくて
殆ど衣が付いてません。
噛むとジュワッと粒が弾けて
糖度の高さとジューシィな味わいが
その口内に散乱します。
この甘美な味わいにはうっとりしてしまい
この上品な甘さに舌が惚れ惚れしてました。

⑧お造り

淡路のアコウ
碇防風
山葵

醤油

星野さんで鯛以外のお造りを頂くのは
珍しく良い鯛が無かったんでしょうね
また、星野大将を納得させる程の身質の
アコウとの出会いだったと言う事かも
知れません。
そのアコウの身のしなやかなる事
お目目がウルウルしちゃうくらい
身質のシコシコ感をいっぱいに感じながら
お刺身を噛んでいるとモチッと静かに反発して
歯がアコウの肉肌の中に誘われちゃう
噛み心地が快感を呼びこんで
mogmogし始めると今度はしっとりとした
質感も合わさり陶酔感が舞い上がりました。

⑨丸鍋

青森産養殖の鼈
焼き葱
黒山椒

グツグツと煮立ち
湯気からフゥ〜ッと薫る匂ひ
鼈の香り?
お出汁の香り?
鼻腔をとても気持ち良さげに擽ぐるのです。

蓮華で一口掬ってフウ〜フウ〜して
飲んでみます。
んん、んめぇ〜、なんと言うコク深さと
慈の味わいがジィ〜ンと舌に染み渡り
鼈から吸い地に写ったうま味が舌を潤しますね♪
お醤油ベースの吸い地は生姜風味がしっかり
映されててうま味充分

大将曰く
淡い味付けだと亀の匂ひや野性味が立ってしまうとのことで敢えて醤油ベースの濃い味付けで
亀のアクの強さを和ませて
お出汁を飲んだ時の味わいに
慈のうま味が感じられる方に向けて
味付けを施して行くそうです。

そしてコラーゲンたっぷりの鼈の身皮を頂き
ぷよぷよする所をやんわりと舐めて
ダイナミックな鼈の肉塊もドンと鍋の中に
浮かんでおり
其奴にガッツリ喰らいつきます。
んん、焼き鼈と違ってホロホロに鼈の肉が
解けて行き旨味がお出汁に浸されてる故か
滋味深さ漂いますね。

さて、この丸鍋を味わいながら
ふと考えます。
星野流のお料理とは何なのだろうかと
自問自答しても素人の私などが
簡単には見つけられる訳も有りませんが
何処までも手を緩めず味覚を
突き詰めて行く真摯な姿には感嘆します。

この鍋物にしても
醤油ベースのお出汁の味わいの素朴さ
うま味のコクが淡く浮き上がる妙味
鼈のお肉の野性味を感じさせながらも
ホロホロに解けて行く柔らか味が優しい
其れらの味覚の踊り子たちが優雅に舞う
然も地の味と肉の味のバランスが良くて
舌に届いて来ると堪らなくなり
味わう事を止めたくなくなるのです。
どんどん後を引いてもっと飲みたいとなる
更にクドさとかしつこいとか無くて
サラッとして清い味わいなのにも驚く

こう言うピュアな旨味と言うのでしょうか
どの一品も素材のポテンシャルを極限まで
引き出し美味しさをピュアに整えて来る所に
星野流の真髄があるのではと
感銘してしまいます。

⑩鮎の塩焼き

郡上長良川の鮎
蓼酢
はじかみ

星野さんの鮎への火入れはさり気無く優しい
鮎の身を労りつつ
程々に頭も中骨もカリッとさせて
骨も身もバランス良く焼くと言うのは
至難の業かと思うのですが
其れを両立させている火の入れ方なのです。

少し骨がゴワゴワしますので
お好みで抜きますとの大将からのお言葉
個人的には骨もガッツリ食らい付きたい方なので
骨付きのまま頂くことにします。

頭から齧り付きます。
確かに少し頭も骨もゴワついて
歯に当たる感じがしますが
それがまたコリコリして歯に当たって
楽しめます。
腹の部分に歯を進めると
皮も身も全部美味しい
骨は噛んでコリッと歯に当たり
少し強く噛むと砕け散ります。
身と皮はふっくらとして鮎の淡白な旨味が
舌にはっきりと伝わってきて妙味が冴える
特に皮が美味しい
薄皮の厚みも活かして真鱈模様に焦げ目がついて
所々パリッとした食感を纏わせつつ
しっとりとして美味
単にパリッとしてるのではなく
皮らしい厚みも活かされたものに仕上がっており
皮と身の一体感が寄り添う旨味が有り
鮎の美味しさに深みが出てきております。

炭では無く電熱で焼いてるとの事
ホイールを被せて熱の反射を利用して焼くと
乾燥してパリッとしながら保湿感も残る食感に
仕上がるそうです
かつ
火力も上がるので骨にも充分火が通る様です。
そして腹の部分を中程まで齧ると
ワタのほろ苦さも鮎の身の淡白な旨味と
同居しているし
ふっくらする皮と
しっとりホクホクの白身と
ほろ苦いワタの身と
鮎の醍醐味を全てが味わえる口福感を
頂きました。
この鮎の塩焼きは芸術品と思える
美味しさでした。

⑪炊き合わせ

久世茄子
小芋
お出汁

一本ずつ丁寧に焼いてるので皮肌が綺麗な
翡翠色をしており
茄子のレア感が半端なく
かつ
茄子の持てる瑞々しい甘さを極上に仕上げてきて
全く自然なピュアさを感じるジューシィな
茄子の美味しさを実現されております。
これ程までにお茄子のポテンシャルを
引き出せるものかと思ってしまいますね。
星野さんの本領が発揮された茄子料理

焼き茄子の薫香っぽい焦がした繊維の香味が漂い
茄子の翡翠色の繊維質がちっとも濁っておらず
その蠱惑的な甘さで舌を茄子の虜に
してしまいました。
素材の本質的な魅力を際立たせる事に掛けては
この方の右に出る人は居ないでしょう。

⑫酢の物


胡瓜
茗荷

これでチョッとサッパリして頂いて
ご飯になりますとの事
鮎の焼き物まで徐々に高揚感が増す味覚の
行進を続けて
鮎でクライマックスを迎えた後は
舌の落ち着きを取り戻す炊き合わせをご用意
そしてこの酢の物でサラッとお口をリセットする
流れの繊細な味覚の構成に感銘を覚えます。
蛸の食感
胡瓜のシャキシャキ感
茗荷の爽快感
酢の酸味を帯びた食感たちが遭遇し合い
お口を見事な軽妙さでリセットしてくれました。

⑬お食事

白ご飯
牛の時雨煮
雑魚の山椒煮
香の物
赤出汁
生卵

ご飯にお供します雑魚も時雨煮も香の物も
全部乗せして一膳目から星野ご飯を頂くのが
最高のご馳走
星野さんの偉大な発明品とでも言うべき
牛の時雨煮は煮込んで仕上がった牛肉の
歯触り響く肉質感
時雨煮の甘味と辛味のバランスの絶妙さ
白ご飯は艶々ホクホクの甘味を滲み出す
時雨煮ご飯が絡んで浮き出す極上の旨味

この少し辛くて喉に渇きを覚える
耽美な甘さ加減に煮詰まった時雨には
もう、麻薬の様に忍び込んで来て
舌を離しません。
何時もこの時雨煮の美味さには
舌が麻痺してしまいます。

更にホクホク艶々の白米と山椒雑魚を
お口一杯に頬張って
実山椒をピリッと感じつつ
舌がこの美味三昧ご飯に夢中になって
翻弄されて没頭してしまいます。

本日は京都宇治の平飼いの卵かけご飯のご用意がありましたがお腹いっぱいで
お代わり出来ず次回までお預けとしました。

⑭甘味

葛切り
黒蜜

出来立てなのですぐ溶けるので
出来た順に食べてくださいとのお達しです。

本葛粉の葛切り
滑らかツルツル感が尋常じゃなく
喉越しの軽快さに吃驚でした。
葛切りが純白無垢な味だからこそ
黒蜜の濃厚な甘さが際立ちます。
キンキンに冷たい甘味が喉も舌も潤して
〆に相応しい清涼感を残して最高の満足を
頂きました。


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2021/03訪問9回目

4.9

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク5.0
¥40,000~¥49,9991人

春の走りと冬の名残が行き交い心揺れる星野料理

■2021.3.13(土)夕餉

■お料理 お任せ 時価
お酒税サ時雨煮のお土産含む
お会計¥46,900

■ご予約 半年前に電話予約

本年はコロナ禍の影響もあり
キャンセルした方への振り替えにて
年内予約は既に終了してしまいました。
う〜、残念。
一方朗報です。
嬉しいことに
星野さんの一番弟子 礒田さんが
2021.4.15 人形町五十番ビルにて
独立されますので
お伺いの予定です。
今後のご活躍を祈るばかりです。

①若竹汁

春筍 山城
生和布 鳴門

春の出会いものですね。
未だ3月ですから
流石に白子筍は難しいですが
京都の山城からの早筍の良いものが
手に入ったとのことで
嬉しい春の香りが漂う温かい若竹汁からの
スタートです。

この優しく心に染んで来る様な
とても繊細なお出汁です。
澄み切った若竹汁からは
生ワカメの新鮮な繊維質のシャキシャキ感と
筍の甘く芳しい匂ひが鼻腔を
心地良く刺激して来ます。
そして可愛く浮かんでる小さな木の芽が
ほんのりと気高く香って
後から追いかけて来ました。

何でこう言う事が出来るんだろうと
不思議に思えてしまうほどの繊細な
汁椀にうっとりしてしまいました。

②雛寿司

酢飯
冬子椎茸
高野豆腐
焼き穴子
車海老
錦糸卵
木の芽

酢飯は一度お出汁で炊き上げたものを
酢飯にして切り立ての所に具材を散らして
散らし鮨風に施して錦糸卵を敷き詰めてます。

この小さな可愛い器の中に
味覚の精が宿ってるのではと思えるほど
極自然なカタチで具材たちの味が
素直に伝わって来ます。
そのエレメントたちが上手に手を繋ぎ合い
自分たちの味を引き出し合って
雛鮨を盛り上げています。
大人しい味なのに何故か舌には
適度な余韻を残して行って貰える施し方が
堪らなく好きです。

③河豚の白子焼き

今シーズン見納めの白子さんですね。
河豚の白子の皮目をお手元の先端で
突きます、ぷよっと白子さんがお返し
更に強くプチッと突くと
プクぅ〜ッと怒り気味に反発して来るのです。
中の白子の白身が熱々です。
スプーンで一口味わいます。
んん〜、唸る味覚が舌にドクドクと
流れ込んで来ちゃいますね〜。
このトロトロに蕩ける触感が
あぁ、快感を呼び込んで来て
堪りません。
更には分厚目の皮目を強く押して割きますと
皮の厚みをペタッと感じながら
とても心地よい食感に囲まれて
トロトロドロ〜っと白子の身が
ねっとり溢れ出して来てうっとり。
その半生のプルプルな白身をといっしょに
皮を舐めてると淡く塩加減が舌を覆います。
滋味深い塩加減の施しが
皮目の面積に応じて塩味が淡く広がります。
その塩味と対照的に白子のプルプルさんが
その独特な濃厚ね甘味で
口内を蹂躙して来て興奮を呼び起こしました。

④河豚の煮凝り

河豚のゼラチン
河豚の身皮
とうとうみ

プリプリ感とぷよぷよ感の清々しさに
身皮やとうとうみの身質とのコントラスト
口どけ感が自然に蕩ける口当たり
そして
河豚のコラーゲンたっぷりなうま味が
混沌として煮凝りから浮き出て来ます。

お出汁に河豚の皮を入れて煮出して
お醤油を加えただけのもの
河豚のゼラチン質が勝手に
作ってくれるそうです。
此処でも河豚の凄さに脱帽してしまいます。

ゼラチン質のぷよぷよ感が堪らないし
食感と同時進行する旨味は
ぷよぷよ感がお口に溶け込む中で
旨味が溶け出て来る
ホントに絶妙な味付けのコラーゲンの
施し様に舌がぷるぷる震えちゃいました。

⑤河豚の炭火焼

河豚の白身3枚を囲炉裏の熾火で網焼きです。

煮切りをお酒で割った割醤油で
浸した河豚の身を一枚ずつ
炙ってお一人様ずつ炙り立てを頂きます。
網で焼かれ始めた瞬間から
磯部焼きを少し焦がした様な魅惑の香りが
此処まで届いて来ます。
少し炙って直ぐに手前に運ばれて
其の儘間髪置かずに熱々の焼き河豚を
お口にパクリと食べるのが
めちゃくちゃ旨旨なので有ります。
むふ、ムハッと唸って仕舞う美味しさです。
3枚頂くのですが
火入れを調整して半生気味に仕上げるものから
プリプリに肉の旨味を
凝縮させた火入れを施すもの迄
河豚の表情を変えて用意頂き
河豚の肉質の食感の変化と
旨味の凝縮度合いの変化を
楽しんで頂く焼き河豚料理を堪能しました。
特に3枚目は身も大きく強く火を入れて
お肉が網の上で生きてる様に蠢いて
河豚の肉質が躍動感に溢れる肉感豊かな珍味を
味わさせて頂きました。

⑥焼きウグイス

一尾に一箇所しか取れない稀少部位のウグイスや
少量しか取れないカエルを
焼物にてのご用意です。
煮切り醤油を少し浸して焼いたウグイスは
河豚の身の中でも
ギュッとお肉が引き締まっていて
河豚のダイナミックな旨味の片鱗を見せて
噛めば噛むほど美味しさがお口に
充満していきます。
肉片を齧るとジュッと浮き出てくる脂と
お肉に漬けられたお醤油味とが溶け合って
プワァ〜ッと醬油風味が香る極上の旨味を
引き出してます。
肉片を食べ切った後も
骨をしゃぶり続けていたい誘惑に駆られて
この骨を再度焼いてお酒にボチャンすると
美味しいそうです。
卑しくも食べ終わってからも
チュ〜チュ〜ッと骨を吸い続けてしまいました。

⑦根芋吉野煮

根芋
生姜
葛餡

里芋の茎みたいな味気ない食材を加工して
こう言う美味しい料理にしてしまう所が
星野料理の真髄なのかなと感じる一品。

此のお料理はお出汁との向き合い方で
どう言う色に根芋が染まるのか
或いは染めるのがで
京味系のお店の中でも味覚の違いが
一目瞭然にでてしまいますね。
吉野煮自体がとてもお優しい味わいを
引き出してて
ホント人の琴線に染み入る優しい味覚を
作り出してると感じます。
食べるとホッと落ち着いて来ます。

⑧揚げ白河

愛媛県八幡浜の白河
鱗が見事に屹立してパリッパリ
鱗は間引いてるそうです。
そのまんま焼いてしまいめすと
ゴワゴワしてしまうそうです。
骨抜きで間引いてやるとカラッと鱗が揚がり
鱗の立ち方がいい感じに仕上がり
穏やかに立ちあがると同時に
カリカリ食感が優しい鱗に焼き上がる様です。
白身のしっとり感と合わせてのコントラストが
絶妙な旨さで絶品の鱗揚げとなり
これこそヤバヤバに美味を極めるものと
なります。

⑨天麩羅

鱈の目
蕗の薹

もう直ぐ春ですね〜、と歌いたくなる様な
何時も感じますのが
揚げ衣の優しさ繊細さです。
粉質感が素敵に漂う衣で
小麦粉の細やかさにも驚くし
衣のサクッとした食感も素敵です。

蕗の薹の天麩羅をサクッと齧ると
薄く纏った揚げ衣の中に閉じ込められた
ほろ苦さがフワンと囁きかけて来て
春の香りを口内に撒き散らします。
蕗の薹をmogmogしていますと
更に蕗の苦みが甘い色合いに変わって行く

蕗の薹も鱈の目の天麩羅も
繊維質がシャキッとしてて
微塵も破壊されてない感じの仕上がり様が
素材の美味しさを引き出しつつ
天麩羅の醍醐味も味わえる御料理になってます。

⑪お造り

山口の赤貝
山葵

殻から外してお掃除し終わったと同時に
塩を当ててキュッと〆てるそうです。
もうね、赤貝の生きの良さ
ピンピンに肉質が引き締まってて
身質の潔さに舌が惚れ込んでしまうわ
歯が喜んでしまって舞い上がってしまいそうな
食感の心地よさに感動してしまいました。

⑫お造り

明石の鯛
山葵

鯛のお造りは
鯛の身質が流石に
明石の激流に鍛えられてるだけあって
筋肉がしなやかに舌を撫でる柔らかさ
優しい弾力感が有りふわんと反発してくるし
その弾力感が歯に伝わる時の快感が堪らなく
食感の秀逸さに感動してしまいます。
そして噛んだ時に淡白な肉質から滲み出る甘味は
山葵が負けてしまうほどのもので
鯛の無垢な美味しさに舌が惚れ込んで
しまいます。

⑬お椀

蛤真薯 鹿島
鶯菜
柚子

ひな祭りなので貝合わせと言う思いも込めて
蛤の真薯です。
最初に吸い地を嗜んで澄んだ味わいを楽しみつつ
蛤にお箸を入れるに従い真薯でお出しの表情がどんどん変わり白濁して行くのもまた、楽しくなり
面白いように貝の旨味が浮き上がって来ます。

すり身に蛤のお出汁で溶いて葛だけで
纏めた真薯は食感が優しくとてもぷよぷよ
何処までも柔らかな身質が際立つ真薯で
良くお汁に溶けてしまわないもんだと
不思議に思ってしまいます。
故に真薯の解け方も優しくて
吸い地に緩やかに溶け込んでいき
うま味のグラデーションが徐々に深まって
舌を飽きさせないものとなります。
穏やかにうま味を忍ばせて
フワリフワリと浮き沈みしながら
蛤がぴょこんと顔を出して可愛い味わい。
真薯がフンワフワッとしてて
蛤と喧嘩せずに上手に真薯と混じり合い
お椀全体のうま味を深めていきます。
されど
真薯の優しい旨味が吸い地をどんどん昇華させてしまうので先に飲み干してしまいたくなり
蛤がポツンと寂しくお椀の中に独りぼっち
になりそうで、可哀想なので
飲み干す前にパクリしちゃいました。
そしたらプックリ感が意外と躍動的で
元気な蛤さんに出逢えて楽しくなりました。

⑭焼物

江戸前の太刀魚
はじかみ
酢橘
花山葵

なんか太刀魚の焼物の常識を
ひっくり返された様な
トロンと蕩けてしまう太刀魚です。
普段はもう少し肉質がボソッとして
歯に当たって歯触り感を楽しみますが
此の太刀魚の
全く歯を擦り抜けてそのまま舌にトロ〜ッと
蕩けてしまう
まるで鮪の中トロみたいです。
脂質が潤沢に滴り落ちて来る太刀魚で
喉黒に匹敵するかも知れない
なのですんごい甘くて美味いのです。
その脂質分が旺盛に感じられて
全般的に河豚も白河もカラッとしていたので
此処で緩急を付けての脂の乗りを楽しめて
嬉しい太刀魚の塩焼きでした。

⑮5種盛り


飯蛸
菜の花



全て個別に異なるお出汁で炊いてます。
一品ずつ個別の鍋でグツグツと炊いて
それぞれの個性を尊重して味付けを施し
5種の味わいが重なり合う美味しさを
盛り合わせて
奥ゆかしく演じられてます。

特に筍が素晴らしくて
厚みも面積も大きく広がる筍を
盛り付けて頂き
木の芽の香りと筍の独特な芳しい匂ひに
まず、囁かれてうっとりとし
その匂ひに誘惑されつつ
筍の繊維質の歯応えを感じながら
甘味が満遍なく口腔内に充満していきます。
かと思うと蕨の甘味が後追いして来て
優しく舌を包み込んでくるし
蕗が甘味を抑える様にほろ苦さを纏いながら
シャキッとした繊維感をお届けです。
誠に春めく香りと味覚のハーモニーを
舌が穏やかなる心持ちで受け入れてました。

⑯お食事

感動の白米さんとそのお供たち
牛の時雨煮
縮緬雑魚
香の物
赤出汁

ご飯の上にお供の雑魚も時雨煮も香の物も
ぜんぶ乗せして一膳目を頂くのが好みです。
ホクホク艶々の白米と雑魚を
お口一杯に頬張って
実山椒をピリッと感じつつ
絶品時雨煮の甘美な味わいに包まれた
ふわふわご飯をお口の中に放り込んで
その芳醇なる時雨煮の甘味をご飯と一緒に
mogmogして極上の
ご飯の乳化を満喫します。
この少し辛くて喉に渇きを覚える
耽美な甘さ加減に煮詰まった時雨には
もう、麻薬の様に忍び込んで来て
舌を離しません。
何時もこの時雨煮の美味さには
舌が麻痺してしまいます。

⑰卵掛けご飯

二膳目はシンプルに生卵をいただいて
卵かけご飯です。
お醤油を少し滴らせて卵をご飯に掻き混ぜて
ジュルジュル〜ッと頂いてお腹を満たします。
ん、此のご飯時の流れも好みに合ってて
至福のご飯タイムとなります。

⑱甘味

蕨餅
煎茶

黄粉が美味しい星野さんの蕨餅は
お土産に持って帰りたいです。

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2021/01訪問8回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

新春の星野料理は引き算の美学が佇んでいた

■2021.1.8(金)夕餉

■新春の星野料理
お酒税サ牛時雨のお土産含む
お会計¥48,200

新春早々緊急事態宣言を受けて
本日が年明け初日の星野さん
1月は本日と明日のみフル営業
来週から当面時短営業なので
とても幸運な
巡り合わせに感謝してしまいます。

■新春の星野料理は引き算の美学が佇んでいた

■慈の味わいで心癒されるお料理

■新春の美味しい事始め

①白味噌のお雑煮

山利の京白味噌
鰹節
富田林 海老芋
輪切り人参

お餅があんまァくて
とろ〜りしてて
端先でつまんだらビヨ〜んと伸びて
お口の中ではモチモチ感が膨らんで来るし
クチャクチャと噛んだり舐めたりする度に
お餅の中に歯が吸い寄せられたり
もっちり肌に包まれたりで
とぉっても気持ち良い食感が訪れ続けます。
そのスンバラしぃねっとり感に山利の
トロトロの白味噌が絡んで来ます。

品の良いうっすらした甘さ
とてもコクと旨味を感じる白味噌なの
その上での
円やかかつ滑らかさには感動を覚えます。
優しい甘味とまるでお豆のポタージュのような
滑らかな旨味が広がりお餅をも包み込んでしまい
お口の中では口溶けて行きます。
更に白味噌汁の奥深くから海老芋が
顔を覗かせてます。
この時期の富田林!
大好きなんですよ〜。
然も星野さんはど真ん中をくり抜いて
出してくれるので
飛んでもなくしっとり感が充満してる
海老芋さんなのです。
お芋の繊維質が微塵も感じず
只々海老芋の甘味と粘性により
ピュアな旨味が際立ちます。
もうこんなお雑煮なら毎日お正月にして欲しい
堪らないですね〜。

②おせち前菜

祝い鶴のお皿に盛り付けて貰って
新年のお節気分に浸りながら
至福の酒肴に舌鼓

明石の鯛 昆布締め
菜の花昆布締め
黒豆
唐墨
たたき牛蒡胡麻和え

お正月の珠玉が雅に散りばめられた前菜に
目がほくそ笑んでます。
飛切りの燗酒でチビチビやるも良し
グビッと呑んで酔いに舌を委ねるも良し
ほろ酔い気分がどんどん進んでしまいます。

8時間コトコト煮詰めた黒豆の艶やかな事
半端ないツルンツルンの円やか味
豆質感が豊満に伝わって来ます。
甘味もお淑やかな大人の黒豆です。

菜の花はサラッと湯掻いて昆布で締めてあり
お出汁に浸してます。
繊維質の芯が残りシャキシャキした食感と
しっとりしなやかな菊菜の食感が同居する
少し咀嚼して
昆布締めのうま味を帯びた菜の花の狭間から
滲み出て来る味わいに舌が喜んでます。
そして半生の唐墨
純度と言うのか鮮度と言うのか
血管の混じり気が微塵も無い唐墨
粒々が鮮やかに映える橙色
血の気を完璧なまでに消していて
ボラの卵の血抜きが完璧に施されてる
此奴は一気に片付けてしまう勇気もなく
小皿をご用意頂き
チビチビとお酒にお付き合い頂きました。

黒胡麻で和えた牛蒡がめちゃウンマかった。
擂りたてのゴマじゃないと此れだけの甘味が
出ないそうです。
何でも大阪のアダチ食品の胡麻を
使ってるそうです。

辛いもん
甘いもん
旨いもん
彩り鮮やかな前菜たちに拍手を
送りたくなります。
どれもこれもが丁寧なお仕事
心に染み入るお味でお酒が自然に
進んでしまいます。

③河豚の焼き白子

白子
酢橘

ぷっくりふくらんでる焼き白子さんが二つ
お皿の上でプルプルと揺れております。
此れは魔薬です。

最初、お箸でプツンと薄皮を割って
頂こうかなと思ってましたら
皮が分厚いのに気付いて
最初、厚手の白子の皮をクニュッとひん剥いて
皮だけを食べてみると
ペロンと舌に吸い付いて少し白子さんの
トロトロの白身がへばりついてて
甘味と皮の食感がしっとりとしてて
めちゃくちゃ美味しいです。
此れはヤバいお味でお酒が
グイグイ入ってしまいます。
次に
一口で皮も白身もご一緒にパクリと食べると
白子の分厚い皮と中のぷよぷよしてる白身の
独特な甘味とが一気に爆発して
焼き白子の醍醐味を堪能できます。

このサイズ感とお口に含んだ時の熱々感と
お口の中でブチンと皮が裂けて
トロトロとろ〜んと蕩けて身が溢れて来る
ぷよぷよの白身が激うまうまで
その官能的な珍味に舌はメロメロとなり
舌は恍惚状態となってしまい
ほっぺが落ちるよ〜と叫びたくなりました。
そしてそのぷよぷよと揺らめく白子が
お口の中を充満させるに連れて
白子に振り塩して施された塩味が
また淡く寄せて来て白子の甘味をくっきりと
浮かび上がらせるのですよ。
この塩気の塩梅がメチャめちゃ絶妙で
白子の底味が奥ゆかしくもジ〜ンわりと
浮き上がって来て堪んないのです。
熱々の白子さんがゆっくりとお口の中で溶けて
その甘味が揺れながら消えていく時に
忍び寄って来る淡い塩味は
ホントに堪りませんね。
お酒進むわけだ。

④茹で蟹

浜坂のかに吉さんから送られて
星野さんで塩茹でしたばかりのもの

ただ只シンプルに蟹を一匹ずつ湯掻いて
カウンターに饗される直前に蒸すのみ
松葉蟹と真摯に向き合って
蟹の素朴な甘味を極限まで引き出しています。
お水の温度感覚だけで施される蟹料理は
まさに引き算の美学かと言えると思います。

脚の真ん中には一本綺麗に飾りが入り
お箸で一直線に掬うと
身がいっぱい詰まった脚からは
スルスルスゥ〜っと殻から蟹の身が抜けていく
気持ちいいくらい抵抗感が無いの

純白のほぐし身を一気に贅沢に其の儘
蟹酢には目もくれずに
お口に放り込んじゃう

松葉蟹の甘味が素直に浮上して来ます。
全く無垢な旨味と蟹の純粋さを引き出してて
すんごく甘いし品格伴う甘さなの
憂いを含んだ甘味
うま味が漂う甘味とでも言えば
良いのでしょうか
とてもピュアな甘味に舌が歓喜しちゃいますよ
mogmog、mogmogと顎を動かして
舌をほぐし身の甘味を一所懸命に拾います。
んん、甘くてうまぁ〜い。
この甘味と飛切りの燗酒がまた見事にマッチング
しちゃうんですよね〜。
ムフフでござりまするな。

ホントに蟹の美しい味覚を引き出してる
星野流の蟹料理に脱帽です。

⑤蟹味噌和え

蟹味噌
ほぐし身
酢を少し纏わせて

濃緑色の味噌がとても綺麗に雅に佇んで
其処に有る
其の有り様にうっとり惹かれてしまうのである
そして蟹味噌には酸味が淡く纏い
甘酸っぱさが蟹味噌に浮き出ている

その蟹味噌をそっとお箸で摘んで少し頂く
舌の上にチョンと置いてやる
舌をゆるりと動かし蟹味噌を舐めてやる
ふんわり蟹味噌が溶け出す
蟹味噌のあのほろ苦さの入り混じった甘味が
甘酸っぱく変化してほんのりと爽やかさ伴う
蟹味噌の珍味が舌を通り抜けて行く
ふぅ〜!甘くてちょっと酸っぱい珍味が
やんわり蕩けて行くのがメチャメチャ美味しい。

蟹味噌の珍味を堪能した後は
ほぐし身との蟹味噌和えが
ほぐし身の甘味に味噌の旨味がヒタヒタと
寄せて来てコクを感じる蟹味噌和えの旨味が
お口の中で拡散します。

蟹の解し身も蟹味噌もとっても穏やかな
円やかさが伴う優しい味覚の広がり
此奴は舌がウフフと言って微笑んじやいますね。

⑥吉野煮

冬の星野料理名作シリーズから

根芋の吉野煮です。
此れがないと舌が寂しくなる名品
此れだけは何時来ても出会いたいと思う逸品

いつも通り根芋と吉野葛の相性と生姜の
刺激がお口の中で舞い踊る妙味が冴えて
吉野葛と根芋と生姜のアンサンブルが奏でます。
一口頂くとトロリと葛が舌を撫でる
ねっとり感
ほっこり感
そして何となく安堵感が寄って来る
舌がまったりしてる所に
静寂を破る様に生姜のピリリッととした刺激が
走り抜ける
この爽快感と生姜の走った吉野煮の妙味が
途轍もなく根芋の美味しさを膨らませて来る
シンプルな素材の根芋を吉野葛と一緒に
炊いただけなのに
甘味と言い
瀞みと言い
辛味と言い
味覚のハーモニーが完全に同調律を一致させる
この完成度の高さに舌がやられちまうのですね。
地中に埋まっている単一素材の料理としては
当代随一かと思うのです。

そしてご一緒頂く飛切りの御燗が
この吉野煮と誠に合うのですよ。
んん、参っちゃいますよね〜。
穏やかな愉悦が舞い降りて来て嬉しい〜。

⑦白魚の天麩羅

宍道湖の白魚

揚げたての天麩羅に振り塩をサラサラと
星野さんの指から優しく注がれる

サイズ感半端無く大きいです。
白魚とは思えない食べ応え感
衣の軽やかさがフワリと舞う
サクサク進む歯触りが軽快に食欲を唆り
サラサラな衣の食感の軽妙さが堪らない

この衣の軽やかさは
お水と小麦粉の溶き加減で違って来るもの
後は油の量と温度に依るとのご本人のお言葉
この組み合わせが芸術的な領域に
達してるのでしょうね。

白魚同士が複雑な模様を見せて絡み合い
掻き揚げの衣に振られた塩味の淡さが絶妙過ぎる
サクサクの衣から底味がジワジワと浮き上がり
淡い鹹味を極めているのではと舌が悶絶
衣を過ぎて白身に歯が触れる
白魚がソフトに舌にタッチすると
白魚が歯をフッと招き入れて
白魚の淡白な甘味を舌に振り撒く
とっても身がフカフカしてるのよ
其のフカフカの白魚が集合体の掻き揚げ
食感の心地よさも長続きするし
白魚の香りと甘味も芳醇にお口の中に入って来て白魚の味覚を満喫させてくれます。

このシンプルな揚物の素材を
極上の旨味の高みへ持って行く
天麩羅の仕上げレベルの高さに
感銘してしまいます。

⑧お造り

氷見のメジマグロ
おろし
山葵

この時期の鮪の子供へ元気で
艶々な美肌はキラキラ輝いて
脂の乗りも良くて滋養豊富な
旨味を蓄えてる身質なのです。

2切れがじっと此方を見ています。
一枚は其の儘艶かしい舌触りのままに頂きます。
もう一枚は皮目炙ってタタキ的に仕上げてます。

元々小さな鮪ですから
身質に含まれてる脂成分も薄く、
大人の鮪とは異なりサラリとした脂質です。
身は瑞々しくもっちりしてて
優しく舌を包み込む味わいという感じです。

そのメジマグロにおろし醤油を薬味に
持って来るなんて
結構斬新な味覚の施し方かと思うのです。
軽めの脂質にサッパリ系のおろしが
ほんのりと苦味を加えてスッキリ感を赤身に
施してとても素敵なハーモニーを奏でます。
而も
筋が優しくてとっても柔らかくて円やか
脂質分のサラリとした舌触りが
しっくりとして自然に舌が迎え入れます。
でもマグロの旨味はたっぷり溢れかえって来る
素敵なマグロちゃんなのでした。

⑨お造り

京味さんから譲り受けた清水焼の器に
盛り付けも美しい明石の鯛のお造り

明石の鯛
目甘草
山葵

星野さんの定番のお造り
何時もとくるくる巻いたやつを
二枚重ねにして器に落ち着かせる盛り付け

この時期の明石は流れが強いので
鯛の身質をキュッと引き締めて
しなやかさが際立つもの
筋肉質がピチピチvividに生々しく感じられ
咀嚼するとクリアに弾む様を身質から感じ取れて
その食感たち全てが鯛の淡白な旨味に繋がって
味わいを深めて行きます。
この鯛の2切れは貴重品。
そして
この白身が分厚く旨味が出て来てる所に
チョツト山葵の刺激を包み込んで
白身でくるくると巻いて頂いちゃう。
んん〜、此れは流石に上質な鯛にて
山葵をも上手に抱きこんで
鯛の甘味をくっきりと浮かばせて来る
このまま暫く
何度も咀嚼し続けていたい気分になる。
明石の鯛の鮮度の良さに舌が喜んじゃって
飛切りをクイッと煽ってしまいますね。

⑩薄氷椀

淀大根
半生の車海老
芽蕪
柚子

淀大根を薄氷に見立てて仕立ててます。
お椀に浮かんでる姿が透き通ってます。
半生の車海老にお椀の湯温で火が入る
徐に半生から自然に茹で上がって行く
車海老の顔色がほんのりと赤く染まる
身質がプヨプヨからプリプリに締まる
流石なのです、この仕掛け。
お椀なのにこう言う素敵な趣向を頂く
だからこそ生まれて来る極上のうま味

鰹と昆布も奥深く忍ばせてる感じで漂う

其れ等全てのエレメントがお椀全体を
盛り立てて至福のうま味を作り出している
何と言うバランスの良さ
味わいの純朴さ
素直に素材の持ち味を雑味なく引き出すお料理

⑪焼物

白甘鯛
はじかみ
酢橘

昨年と違って赤甘鯛では無く
超高級魚の白甘鯛に変えてみたとの事
星野さんお初の白ですよ。
松笠風に鱗焼きがパリパリで
狐色に輝く鱗が見事な美しさ
焼かれた鱗が普通の皮の様に
平坦な形で整えられています

まずその片鱗を一口パリンと齧ってみます。
美味しィ〜。
皮が絶品な旨さに舌が感極まるですよ。
鱗のサックサク感が堪らず鱗の中に歯が
疼いて埋められたくなる
其の儘白身の深みに入り込んでいくと
ホクホクな身から滲み出る
淡い塩味がほんのりと舌を抱き込み
その底味がじわりと忍び寄り
白甘鯛の淡白な甘味の中に舌が
どんどん沈んで行く。
此奴は堪らん。
このままじっとして
暫しこの陶酔感に浸って居たい。

もう此れは芸術の領域か
鱗のパリサク感と身質の淡さと
ホロリと解けて舌を撫でて行く
そのマッチングが素晴らし過ぎて
何度も味わいたくなる誘惑に駆られる
私はこの一品に
鱗の美学と匠の火入れが織りなす工芸的な
美味しさを見出している。

⑫炊き合わせ

淀大根
京菊菜
白甘鯛の中骨で取ったお出汁
黒七味

お大根をコトコト炊いて
その大根から滲み出るエキスのみで
満ちる甘味で自身を浸す
甘味が綺麗なまでに澄んでて
大根がホロリと解けて滲み出す甘味
散らされた黒七味の刺激がピリッと甘味を
お大根の甘味を引き締める
お出汁に浸された菊菜が意外にも
シャキッとした繊維感を保ち
歯触りが心地よく響く

お口の中で解けて崩れる大根が
淡く舌に寄せて来て
滋味深いお出汁のうま味が広がる
こう言う味わいは舌の琴線に触れて来て
ジ〜ンと来ちゃいますね。

⑬鴨饅頭

山葵

銀餡

鴨肉がお饅頭の中にドンと射込まれて
いっぱい詰まってる
おかきの衣揚げの食感が抜群に良い感じです。

瀞みが円やかな銀餡を施して
天に山葵を盛り付け

銀餡をスプーンで掬って舐めます。
餡の瀞みが絶妙で穏やかな事
ほんのりと醤油味を泳がせていて
凄く奥ゆかしい味わいに舌が溺れそう

トロ〜ンとした銀餡の中に浮かぶ鴨饅頭を
やおらお箸で突いて崩してやる
中から鴨肉のそぼろがホロホロと溢れて来る
一口摘んで鴨肉を咀嚼
鴨肉はダイナミックな旨味を発揮し
お口の中で暴れて意外にも
大人しくない肉肉しい鴨肉の野性味を
感じる美味さに踊らされました。

そして
山葵の刺激が鴨饅頭の甘味をグッと
押し上げて来て
この妙味たちの連打に完全に
やられちゃいました。

⑭お食事

ご飯
牛の時雨煮
雑魚
赤出汁
香の物

ご飯の上に雑魚も時雨煮もたっぷりお乗せして
一口目はホクホク艶々の白米と雑魚を
お口一杯に頬張って
実山椒をピリッと感じつつ
ご飯が乳化する甘味を対比しながら
ご飯の美味を満喫

二口目は甘味にコクのでてる絶品時雨煮で
ふわふわご飯を掻き込んで時雨煮の旨味が
米粒までお口の中で浸透してご飯と一緒に
その旨味が溶けて無くなって行き
チョット儚い美味を満喫

いつも乍ら嬉しい至福を頂けるご飯です。

⑮甘味

蕨餅
星野さんの蕨粉はホント艶々な感じで
練りたてのものを頂けるので
モチモチ感が優しいの
その上黄粉の甘さがピッタリ蕨餅に寄り添ってて
ホント美味しいのです。

⑯お土産

牛の時雨煮をお持たせ頂きました。
此れおうちご飯で食べると
味が濃厚に染み渡って
甘辛加減が忘れられなくなるくらいに
舌が渇望してしまうのです。
白米と仲良く握手してくれるし
お茶漬けにしてサラサラと掻き込んでも
絶品な美味しさ。
星野さんの味覚の片鱗をお家で食する口福感は
何にも変え難いと感じます。


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2020/09訪問7回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

食材のポテンシャルを何処までも尊重して旨味を引き出す美味しさは舌を震わせる

◆2020.09.01(火)夕餉

◆お料理 お任せ
お酒消費税含むお会計¥43,000

①先付

渡蟹
オクラ
真菰茸
お出汁のジュレ

まだ外気は少し暑い
なので9月に入りましたが
涼しいものからのスタートで
舌にさり気なく清涼感をお届けする
星野さんの一品
毛蟹の甘味に加わるジュレの
涼やかな酸味に
真菰茸と言うコリッとしてるのに
繊維質が優しい食感の狭間で
舌が涼しさを満喫する
この食材同士の合わせ方に
何時も感嘆してしまう
こう言うものは天性の才覚なのだろうなぁと
思いつつ満足する一品に惚れてしまう

②青鰻の飯蒸し

岡山の青鰻を餅米と合わせて

餅米と鰻の火入れは神焼きとでも言うレベル
青鰻そのものも品格のある鰻
汽水域にのみ生息する青鰻
幻の鰻を頂ける栄誉に感謝しかありません
青鰻で飯蒸しなんて
そう簡単には巡り合えないお品書きです
青鰻の持つ独特の旨味が
その膨らみ豊かな白身から浮き上がる
パリンと皮の焦げ目が弾ける
歯にサクッと絡む
食感の気持ちよさも半端ない
地焼の火入れ加減も神技
パリンからフワリと白身が舌に落ちる
その瞬間に舌も恋に落ちる

◉天領

③小椀


菊花
酢橘

9/9の重陽の節句に因んで
菊花を散らした温かいお料理
鱚の葛打ちに菊が美しい色合い
鱚がクルクルッと巻かれてて
一口で食べ易い形に纏められてます。
凄いと感じたのは
鱚の白身に全く小骨が感じられなく
ツルンツルンな肌触りで
舌が鱚を舐めるとそのままスルリと
滑らかぁ〜に舌の上を滑って行く

骨抜きをされてるとは言っても
鱚の小骨がこれ程皆無な状態に
仕上がるものなのか不思議だ
葛の瀞みが手伝ってる所為もあるかしら

兎に角
ツルンと鱚をお口の中で転がすと
クルクルと回転して舌が面白そうに
鱚と遊んじゃう
其処を止めて咀嚼すると白身が
葛で纏われてる故か
とても和やかな甘味が鱚のフワフワな白身を
覆い尽くして妙味がハッキリ浮き上がります。
鱚ってこんなに美味しかったのかを
再認識させられた逸品。

④雲丹茄子

長崎の赤雲丹と焼き茄子のマリアージュ
至福の味覚
信じられないほど美味しい

見た目は雲丹の軍艦みたいに見えますが
この食材たちの雅な味覚の舞に
酔ってしまいます。

何と言っても揚げて焼いた茄子の
香ばしさに加えて
雲丹の甘味が飛び込んで来るこの味覚の
マリアージュに衝撃を覚える
茄子に油が入ってるからこその生き生きしてる
繊維質の食感が雲丹の冷感と茄子の温感との
落差から旨味を昇華させてる

この化学的な調理の組み合わせの素晴らしさは
喩えようがないほど美味しい
センスが冴える一品の奥に潜むお料理の科学が
自然に星野料理にはinputされてるんでしょうね。

⑤芋茎吉野煮

京味系定番
星野さんの吉野煮は静寂にほっこり佇む味覚
郡司さんの吉野煮は穏やかに和む味覚
井上さんの吉野煮は楽しく癒される味覚
の様に少しずつ持ち味が違う様に
感じられます。
あくまでも個人的な感覚です。
この名作を継いでくれる職人さんが
居ることに感謝しなくてはならないと
思います。

芋茎も9月まででしょうか
10月からは根芋の吉野煮に
その途中で一瞬、品切れの時もあるようで
その際は何か考えるとの事らしいです。
その何かをレアチャンスですが
食べてみたい物です。
ひょっとしたら新作の吉野煮が
いつの日か巡り合えるかも知れないと
感じつつ
この生姜の刺激と葛のほっこりさに
舌が喜んでうっとりしちゃいます。

⑥鰹の叩き

気仙沼の鰹
茗荷
刻み葱

炭火でサラリと外周を焼いてるだけ
その赤身の中からは
油がほんのりと浮き出てる感じで
しなやかに身質をくねらせて美味しい
その赤身がとてもしっとりとした
膨よかさを感じる身質を引き出していて
その鉄分がいっぱいに含まれた感のある
赤身からは酸味豊かに妙味が広がる
この一切れで天領がクイッと進んじゃう。

⑦揚げ物

鮑の天麩羅
酢橘

鮑はおろし立てをそのまま薄衣を付けて
揚げてます。
何時も感じるのは星野さんの揚物料理の
衣の優しさと肉質とのバランスに富んだ火入れ

薄く塗された衣に触れるとフワッとした
歯触り感に参ってしまう
其の儘噛み進むと
鮑の肉厚、一口のサイズ、肉の幅、肉の高さ等
そのバランスの良さから
鮑をお口に入れた時に最大の旨味が浮き上がる様にカットされた大きさであり
その一切れ一切れが完成された鮑の珍味を
導き出している解なのです。
ん〜、ホント悩増される味覚に
降参してしまいます。
此れはまつもと君をグビッと
お付き合いさせちゃいましょう。

◉まつもと ultra

⑧お造り

明石の鯛
花胡瓜
山葵
醤油

酢橘

明石の鯛の切り身が整列
奥が背中の部位
手前が腹身の部位

夏らしい装いに黄色が鮮やかな花胡瓜が
眩しく輝いてます。

弾力感が溢れて噛み心地抜群の
切り身を咀嚼してますと
背の方が気持ちサッパリ系で
お塩がピタリとハマります。

腹の方はしなやかさが前面に出て膨よかな
肉質でやや濃厚に脂が乗ってる感じで
酢橘を垂らして山葵醤油が鯛の肉質の
旨味を引き出します。

何方も甲乙つけ難い一品ですが
この両方を一皿で頂けるのが嬉しい

⑨小鍋


冬瓜
七味屋山椒

グツグツと煮立ち沸騰中の鼈鍋が
湯気を立ち込めながら手前に置かれます。
その湯煙から旨味際立つ良い香りが
顔の辺りをプ〜ンと芳しく彷徨って
鼻腔を刺激し
旨味たっぷりに薫る匂ひで嗅覚を喜ばして
食欲を俄然誘って来ます。

鼈の身がたんまり食い応え有りの
食いちぎる感じてかぶり付くと
鼈がホロリとこぼれ落ちて柔らか味がまた良い
旨味たっぷりな味覚が途端に広がる
身を平らげなからお出汁を啜る
山椒が品が良くて
鼈の甘味をキリッと引き締めてくる
この山椒が鼈の珍味を引き立てて
舌が舞い上がりそう
そして磯自慢を舐める
その後にこの鼈スープのうま味を合わせる
んん、お口の中でうま味とお酒の
甘味が蕩け合う〜。
此奴は以外とダイナミックな味覚の
マリアージュに舌が歓喜してしまいます。
このスープだけでかなりチビチビ行けるわ。

冬瓜が美味い!
何気にお鍋に冬瓜が佇んでますが
この冬瓜にも丁寧に鼈のお出汁を
馴染ませていて
たっぷりに鼈のうま味を冬瓜が吸ってて
グチュッと齧るとホロホロにトロンと解けて
鼈のうま味がジュワ〜ンと舌を撫でる
この冬瓜の美味さよ
答えられんわ

この鼈鍋地獄から抜け出せそうになく
何時迄もスプーンで
小鍋に残ったスープを
浚い続けてしまいました。

◉磯自慢 雄町55

⑩鱧の南蛮焼き

焼き鱧
九条葱
焼き枝豆
はじかみ生姜

九条葱を巻き込んで鱧を南蛮焼きに
仕立ててます。
枝豆も茹でた物を良い塩梅で焼いてて
とても香ばしさが舞います。

元来西翁の父 音松氏のお料理だとか
湯引きでもなく
焼き霜でもなく
お造りでもなく
椀種でさえない

斯様な鱧料理のカタチに出逢えるとは
喜びも一入です。

南蛮焼きの鱧は甘辛控えめに
火入れ加減宜しく
しっとりとしてふっくらした身質に仕上がって
牡丹開く花弁の中には
九条葱が芳ばしく薫る

咀嚼と言う概念を覆す様に
噛んだ食感が舌を狂わせる
何?この歯触り感の軽快せにも驚くほど
フワンと鱧が浮かぶ
ジュッと甘味が浮かぶ
葱がシャキッと騒ぐ
其れでいて元気に弾力感もあるのだ
鱧の身はフワッとしてるのに
鰻みたいに皮がパリンなのだ
このコントラスト冴える旨味にも感動する
今日はいい物に出会えたなぁとつくづく
感じます。

⑪炊き合わせ

飛龍頭
絹さや
湯葉
銀杏
木耳

優しい味
じ〜んと来るわ
これ程洗練された味わいは無いかな

飛龍頭の中には銀杏と生の木耳が射込まれて
飛龍頭のお豆腐成分のふっくらとした食感と
穏やかぁ〜な甘味から浮き出る銀杏特有の香りと甘味がとても微笑ましく感じられる
その中にプチンと弾力性持つ木耳が弾いて来て
此れも愉快に味わえて楽しめる炊き合わせ
お隣には湯葉が耽美なるかなと思わせるような
和みの甘味を振り撒いてくれる
甘味同士がお互いを支え合って愉快な味覚を
作り上げて来る処に
絹さやがシャキシャキと絡んで来て
爽やかな食感を残して行く
一品一品が仕事をしっかり果たしつつ
自己主張し過ぎず互いを尊重してるような
味覚を創り出しているのが凄い
ん、ほっぺストンと落ちるわ。

⑫お口直し

小鰭
辛子大根

このタイミングで
小鰭を辛子大根で和えてる一品が
サラリとな流れてくるんですね。
星野流は炊き合わせの後に
こう言う優れものが一品繋ぎに入っちゃう
お口直し的な位置付けかと思いますが
此れがお口をサッパリとさせるだけで無い所が
舌を唸らせることになるわけですよ。

小鰭の脂も少し魚臭いところも
辛子大根が打ち消して
逆に小鰭の肉付きの良い旨味を際立たせて来る
しっかり咀嚼させて口内をサッパリと
爽快感で充足
ご飯前に潔く清廉な気持ちにさせてくれます。

⑬お食事

山形のコシヒカリ
牛時雨
山椒雑魚
香の物
赤出汁
生卵

絶品の白米
舌が歓喜するご飯タイムがやってまいりました
艶々ホクホクの何時もの白ご飯
幸せのご飯に旨味たっぷりの時雨煮を乗せて
更に贅沢に山椒雑魚も全部乗せする
時雨煮の旨味
山椒雑魚の鹹味
白ご飯の甘味
どの一品もご飯にベストマッチする
ベストコンディションで臨んでくれてます。
あぁ、この至福のご飯タイムこそ
星野さんの真骨頂とも言える癒しの味覚が
完成されてくると感じます。
本日のメインイベントはやっぱり
このご飯だ。

美味しくて美味しくて堪らない
お代わりして卵をぶっかけて
チョットお醤油を垂らして
グチョグチョに掻き混ぜて
ズルズルゥ〜ッとお口の中に
一気に掻き込んじゃった。
んん、此れも最高です。
卵の黄身の甘味が濃厚
流石は京都宇治の卵は品が良くて濃厚な
甘味を持ち合わせてる物だと改めて認識
此れでお腹ほ満杯
心も満足満足

⑭甘味

蕨餅
煎茶

定番の黄粉が美味しい蕨餅
この締めの甘味に舌が甘えてしまう
最後までうっとりとさせてくれる充足感が
満ちる至福の和食時間を頂き感謝感謝なので
御座います。

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2020/01訪問6回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

新春に慈の味わいで心癒されるお料理

■2020.01.07(火)夕餉

■新春の星野料理
お酒税サ牛時雨のお土産含む
お会計¥44,000

新年1/7営業初日の星野さんへお伺い

①先付

白味噌仕立ての京風お雑煮

お餅
富田林海老芋
人参
鮪節の糸がき

真っ白に穏やかな温かさに揺れながら淀む
白味噌のお汁
白味噌仕立ての天に雅に飾られた糸がき

天に控えし糸がきは
憂いを含んだ様にサワサワと
佇んでいらっしゃいます。
その糸がきから気高く香る
鮪節の匂ひにうっとり
白味噌の何処までも甘く薫る匂ひにも
心が揺らぐ

お椀の蓋を開けた時から心癒される
その佇まいで眼を楽しませて始まる星野料理
目を楽しんだ後は香りで惑わせ
白味噌の至福の味わいが舌を訪れる
白味噌のお汁のまったりとした円やかな食感と
こっくりと心身を芯から穏やかに包み込む
瀞み感じる舌触りと甘味
あらゆる五感が目覚めてその旨味に陶酔感を
覚えるほどの至高の味覚
何者にも邪魔されてない穢れの無い
純粋に無垢な味わいが其処に佇んで
私の舌を魅惑の衣で纏う
雑煮の具材たちが舌を満足げに弄ぶ

その味わいの奥行きの広がりを満喫しながら
愉快なほどの口福感が訪れて
至福のひと時を頂きました。

②前菜

御節気分の前菜に舌がウルウルして
来ちゃいます。

盛り付けの真ん中から順に
自家製唐墨
下にお大根を絡ませてあります。
黒豆
春子鯛の酢締め
菜の花の昆布締め
たたき牛蒡

お正月の珠玉が雅に散りばめられたお皿

お酒のアテにもドンピシャなミニ御節に
して頂いており感謝の言葉しか出ません。
お正月気分に少し浸りながら
燗酒をチビチビやるも良し
グビッと呑んで酔いに舌を委ねるも良し
良い気分でほろ酔い加減が進んでしまいます。

ホント美味三昧のお料理構成に舌が
メロメロです。

8時間かけて煮詰めた黒豆の艶やかさと言ったら
とんでも無くツルツルな甘さ
然もしつこく無くて爽やか系

菜の花はサラッと湯掻いて昆布で締めて
お出汁に浸してます。
繊維質の心が残るしゃきっとした食感としなやかな性質の質感が混合する程良い炊き加減に
お出汁の味が咀嚼して菜の花の狭間から
滲み出て来る出汁のうま味と食感、
歯触りとのマリアージュが自然に進んで行く
この不思議さとも思える味覚の中に
どう反応して良いやら舌が迷っております。

唐墨がまた凄い
純度と言うのか鮮度と言うのか
血管の混じり気が微塵も無い唐墨
見ててもその綺麗なオレンジ色に輝く
粒々が綺麗に映える
血の気を完璧なまでに消していて
血抜きが完璧に施されてる
細かく手を施してるのかと思いますが
その丁寧なお仕事に見合う唐墨の品の良い
塩味と海鼠固有の味わいに参ります。
此奴はお皿の一気に片付ける勇気もなく
チビチビとお酒にお付き合い頂きました。

前菜のお品はどれもこれもが
心に染み入るお味でお酒が自然に
進んでしまいます。

③河豚の白子焼き

ぷっくりふくらんでる焼き白子さんが二つ
お皿の上でプルプルと揺れております。

最初、お箸でプツンと薄皮を割って
頂こうかなと思ってましたら
星野さん曰く

小籠包を食べる具合で
お一口でパクリと食べると
白子の薄皮と中のプルプルの白身との
バランスがマリアージュして
美味しいですよとの仰せです。

ん、成る程、そうなのですね。
だからこの大きさで焼かれてるんだなと
納得してしまいます。

このサイズとお口に含んだ時の熱々感と
お口の中でプチッと皮が裂けてトロ〜ンと
口どけしてくるぷよぷよ感が見事に
交錯して美味しい渦がゆっくり巻かれて
お口が白子で膨らんじゃいます。
その途端
ほっぺが落ちるよ〜と叫んじゃいそうです。
そしてそのプヨプヨな白子が舌の隅々まで
徘徊してるときに感じる塩味が
また淡く寄せて来るのです〜。
この塩梅が絶妙な塩梅で
白子の甘味に奥ゆかしく底味を浮き上がらせて
熱々の白子さんがゆっくりとお口の中で溶けて
消えていく間合いの中で淡い塩味が
ヒタヒタと忍んでくるのです。
この味加減には参りましたね。

更には
お酒とのマリアージュも素敵でした。

お酒を含んでから白子焼きを食べると
とても白子がお酒と一緒にほんのりと
薄く染まっていき
お酒の余韻の甘さが白子を優しく包んでくれて
そのお酒の甘味が仲良く白子と握手してくれます。
また、
白子をmgmgして白子をほぼ食べ切った後で
お酒を頂いても白子の甘味よりも淡く潜んでいた塩味の方が余韻が強く
お酒の甘味を微妙にくっきりと
浮かび上がらせます。

いやぁ〜、この白子さんたちは絶品。
このお料理で高揚感上昇です。

④茹で松葉蟹

流石と言いますか
此れぞ匠の技と言うに足る作品かと
感じ入ってしまいました。
何も足さない
ただ只シンプルに蟹を一匹ずつ湯掻いて
カウンターに饗される直前に蒸すのみ

松葉蟹と真摯に向き合って
蟹の素朴な甘味を極限まで引き出す
お水の温度感覚だけで施される蟹料理

じんわりと湯掻いた蟹かにさんの白身が
私の前に横たわる。
その白身から蟹の甘い香りがふわふわと
漂います。

普通蟹酢とかをご用意するお料理が定番ですが
星野さん曰く
お出しする直前に一度蒸してますので
香りや甘味が蘇るそうです。
なので何もつけずに食べてくださいとのこと。
とてもお上品な甘味が溢れてくる蟹の身に
舌が驚いてます。

然もお時間かかるでしょうに
一匹ずつ煮てるそうです。
蟹さんも丁寧に扱われてご自身が
早く食べて〜とおっしゃってる様です。

お箸を殻の隙間に入れてスゥ〜っと入れて
ホカホカの白身を解して
お箸で塊を摘んでお口にパクリと
放り込みます。

全然蟹の臭みが無い
蟹の甘味が素直に浮き上がってくる
全く無垢な旨味と蟹の純粋さを引き出している

兎に角甘さがお淑やかで舌に甘さの余韻が
静かに佇む
こんなに無垢な蟹の味覚が存在するとは
不思議な甘味に誘われてもう、
食べ心地の良さにうっとりとしてます。

蟹のポテンシャルを余すことなく引き出してる
ホントに綺麗な美しい味覚を纏う
星野流の蟹料理です。

⑤蟹味噌和え

今度はお酢を蟹味噌に少し滴らせて
甘酸っぱさを足して仕上げてます。
この流れがいいんですよねー
蟹の甘味を堪能した後に
少しだけ酸っぱい甘いが舌を訪れて
欲望をやんわりと掻き立てて来る

この蟹味噌も純度が高く
温感が良いのです。

蒸し器で優しく蒸されてるので
蟹の解し身も蟹味噌もとっても穏やかな
円やかさが伴う優しいお味
舌がウフフと言って微笑んでますよ。

舌を円やかに撫でていく
もう、絶句する味わい
こんなん出されたら本当に参っちゃいます。

⑥根芋の吉野煮

定番吉野煮
此れは外せない一品
いつも通り根芋と吉野葛の相性と生姜の
刺激がお口の中で舞い踊る妙味
この妙味の誘惑にはなかなか勝てそうに
有りません。
そしてご一緒頂く飛切りの御燗が
この吉野煮と誠に合うのです。
感謝あるのみ。

⑦白魚の天麩羅

桑名の白魚です。
毎年この時期の白魚は穴道湖の大きなものを
お使いになっていたかと思いますが
今年は未だ出回ってないのでしょう。
少し小ぶりな白魚ですが、
其処は星野流の施しが冴える技ものに仕上げて
掻き揚げの塊にて饗されます。

揚げたての衣が美しい
サラリと流れる食感の心地よさが堪らない
こんなにサラサラした衣の揚物は
星野さんでしか出会えない代物
咀嚼感も素敵でふんわりと歯が沈む
その向こうにある白魚がやんわり歯を
導き入れて白魚の淡白な甘味を舌に振り撒く
とってもフカフカする甘さに感動
其の白魚一匹がたくさん集まってるものだから
食感の心地よさも長続きするし
白魚の香りと甘味もたっぷりお口の中に入って来て食べ応え感を満喫させてくれます。
此れは満足感が高き作品。

掻き揚げの次に待っていましたのは
バラ揚げです。
一匹ずつの揚げたてを今度は頂けます。
此れは此れでスナックみたいで楽しい。
一匹ずつですと
揚げたての潔い食感と
風味が颯爽に通り過ぎていく

このシンプルな揚物の素材を
極上の旨味の高みへ持って行くレベルの高さに
感心してしまいます。
衣がこんなにサラリとしてるのは
小麦粉を濾してるからでしょうか
とても細やかな衣の揚げ加減にも
感心してしまいます。

⑧お造り

祝い鶴のお皿が嬉しく新春のお喜び気分を
醸し出します。

明石の鯛です。

この時期の明石は鯛の身質のしなやかさが
秀でて来てるところで咀嚼感がはっきりと
身質から感じとれるものです。

あしらいは目甘草
山葵

白身が分厚く旨味が出てきてますので
チョツト刺激を包みたくなり
生山葵を鯛の白身でくるくると巻いて頂きます
お口に入れて咀嚼しますと
身質の淡白さとしなやかさが反発して来て
その間隙から山葵がツーンと弾き出して来て
鯛の身質に刺激を与えて美味を振り撒きます。
何度も咀嚼し続けていたい気分です。
鯛の鮮度の良さに舌が喜んでました。

⑨お椀

車海老の薄氷椀
芽蕪
柚子

淀大根を薄氷に見立てて仕立ててます。

昆布も奥深く忍ばせてる感じで漂う
車海老はプリプリ感半端なく
サッとお湯で湯掻いただけで余計な
足算はしない施し
食感が素晴らしく舌に響き応えてくる

其れ等全てのエレメントがお椀全体を
盛り立てて至福のうま味を作り出している
何と言うバランスの良さ
味わいの純朴さ
素直に素材の持ち味を雑味なく引き出すお料理

⑩焼き物

ぐじの松笠焼き

松笠の立ち居振る舞いが美しく
正に松毬の様に鱗が整然と並んでいる
本来の松笠焼きです。
鱗がきちんと寝てるので見た目も美しい。

まずは一口鱗から齧ってみます。
美味しい〜。
鱗のパリパリ感が堪んない
然も
身がホクホクで塩味がほんのりと忍ばせてある

もう芸術の領域
鱗のパリパリ感の感覚と身質のホクホク感との
マッチングが素晴らし過ぎて
この不思議な食感を何度も味わいたくなる。
鱗を噛む度に歯に跳ね返ってくるパリッとした
食感の心地よい事
パリッとする鱗を通り過ぎて純白の身質に
深く歯を入れるとハラリと解け崩れる白身
その崩れた身質から淡く寄せる塩味が
ジーンと舌の全面に染み渡ってゆっくりと
広がって行く
其処に美味で満足が充足する
ひと時を見出すのです。

⑪炊き合わせ

聖護院大根と京菊菜

お大根をコトコト炊いて
その大根から滲み出るエキスのみで
満ちる甘味で自身を浸す
甘味が綺麗なまでに澄んでて
大根から滲み出るおつゆが美味しい
その甘味に浸された菊菜が嫋やかに揺れる
味覚を持ち出してくる
味覚自身が淡く舌に寄せて来て
滋味深くうま味が広がる
こう言う味わいは舌の琴線に触れて来て
ジ〜ンと来ちゃいます。

⑫鴨饅頭

鴨挽肉をお出汁で炊いてから求肥で
包んでおかきを唐揚げして蒸したものを
射込んでます。
その上から瀞みが円やかな銀餡掛け
天に山葵の盛り付け

銀餡をスプーンで掬って舐めます。
餡の瀞みが絶妙で穏やかな事
ほんのりと醤油味を泳がせていて
凄く奥ゆかしい味わい

トロンとした銀餡の中に浮かぶ鴨饅頭を
やおらお箸で割いてやると
中から鴨肉のそぼろがホロホロと
流れ出して来て舌を誘惑してます。
一口摘んでゆるりとお饅頭を咀嚼
美味い!
お饅頭を包んでる求肥が無茶しっぽり
舌を抱いてくる
更に奥深く進むと鴨挽肉の甘味がやんわりと
朧げに浮かんでくる
そして
山葵の刺激が鴨饅頭の甘味をグッと押し上げる
この妙味連打に完全にノックアウトです。

⑬お食事

ご飯
牛の時雨煮
雑魚
赤出汁
香の物

一膳目はホクホク艶々の白米に雑魚を山盛り
ぶっかけて実山椒をピリッと感じつつ
ご飯の甘味と対比しながらの美味を堪能

二膳目は甘味にコクのでてる絶品時雨煮で
ふわふわご飯を掻き込んで時雨煮の旨味が
米粒までお口の中で浸透して乳化していく
感触を確かめながら満喫

いつも乍ら嬉しい満足度の高いご飯です。

⑭甘味

蕨餅
星野さんのわらび粉って艶々な感じで
練りたてのものを頂けるので
お餅感が優しくって
きな粉も甘さがピッタリ蕨餅に寄り添ってて
ホント美味しいのです。

⑮お土産

牛の時雨煮


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2019/11訪問5回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥30,000~¥39,9991人

秋味が滋味深く纏う星野料理

■お料理

今宵も圧巻の星野料理に惑わされ続ける
至福のひと時を頂きました。
何時もの様にさり気なくうま味を引き出す
技もののお料理にはホントため息しか
出なくなります。
晩秋の星野料理、期待で胸膨らませながら
頂きます。

①先付

寒空に身を晒して来たので
最初にホッとする感じのものは有り難い
この白味噌と蕪の合わせ技は
完璧すぎるほどのこっくり感が満喫できる一品

白味噌だけで溶いた汁の瀞みと言い甘味と言い
至高の味わい
舌にサラサラと流れて舌を優しく撫でる
するとこっくりと落ち着く円やかさと
和みが訪れる
温感がまた素晴らしく優しい温かさ
其処にふわんと浮かぶ蕪の嫋やかな事
まるで気品溢れ何処までもmildなポタージュ
筆舌し難し味覚に我を忘れん

②前菜3品

何時もの前菜

鯛の飯蒸し
京菊菜の胡麻和え
唐墨
ばちこ

飯蒸しは明石の鯛の頭を焼いて
飯蒸しにしてます。
ばちこを少し炙って
炙られた唐墨でばちこをサンドしてます。
唐墨もばちこもお酒を進めてしまいます。

飯蒸しがしっくりとしてモチッと米粒が
いい塩梅で歯に絡む
絡んだ所に鯛が焼かれた頭から滲む
ほんのりとしたお焦げの苦甘い風味が漂い
飯蒸し全体に旨味を加えてとても美味しい

お腹を少し満たして空きっ腹を
落ち着かせてくれる有り難い一品

菊菜の胡麻和え!
此れがまた何と穏やかなる胡麻の甘味を
引き出してる事か
純真無垢な胡麻の甘味を感じながら
口当たりの優しい甘さに感動する和え物
胡麻自体の瑞々しさが堪んないほど
鮮度の良い胡麻和え

◉飛切りを御燗で

③海鼠腸の茶碗蒸し

プルプルンと揺れる玉地の上に振り柚子
海鼠腸の潮風味を淡く潜らせて
海鼠腸からの塩味を玉地の甘さの中に
さり気なく忍ばせている
その加減の良い事
玉地のうま味が滋味深くて海鼠腸の味わいを
生き生きとしたものにしてるのか
海鼠腸自身のうま味を上手に玉地の中に
閉じ込んで海鼠腸と玉地をバランス良く
旨味を引き出させてるのか
或いは海鼠腸を潜らせて玉地に
塩味を投げてやり玉地の旨味を
膨らませてるのか
その全てが絶妙に絡み合う美味さが
淡く穏やかにゆるりと舌に訪れて
染み染みジワジワと味わいが浸透してくる
作品
んん、此れ玉地も海鼠腸も舌を唸らせる味覚

④焼き伊勢海老

星野さんがサワサワと蠢く伊勢海老を
片手で掲げて調理する前の
生き様を目の前で披露
珍しくダイナミックな星野お料理と感じ
期待感が高まる
チョツトドキドキ。
どんな感じのお料理になって出てくるのかなぁと厨房へ姿が消えた星野さんの戻りを待つ事
15分ほどかな、
うぅ〜ん、甲殻の香ばしい匂ひが少しづつ
漂うではありませんか、
何と芳しい気品のある伊勢海老の香り
目の前に置かれて暫し沈黙空間
殻から身を削ぐのですが
取りにくそうにしてるので
星野さん以下お料理人さん達が
全員分の伊勢海老の殻から海老の身を
解して頂き食べ易く剥き身状態で
再度、お皿をご提供

いざプリプリで湯気が立ちホカホカの
伊勢海老をお口に放り込まん
焼き立てのプリプリ感は歯に清々しく
弾力性を感じさせて
齧るたびに伊勢海老の甘味が
ポンポンと弾け飛ぶが、
そのプリプリに海老の味噌が滲んで
伊勢海老独特の味噌の甘味が泳いで来る
此れらの旨味甘味のエキス同士が
螺旋状に重なり合い素晴らしきコクが
脳に届く
これぞ絶品の味わい
結構お腹いっぱいになり満足度急上昇

⑤炭火焼きの白子

す、凄い白子だ
一口舐めた途端に舌にビビッドな
瀞みと途轍も無く円やかにトロ〜リと来る
白子の熟れた口溶け感が
その穢れ無き甘味と同時にやって来た
とても通常の鱈の白子とは思えず
こんな白子が世の中に有ったとは
星野さんありがとう。
感謝感激
何でも北海道浦河の真鱈の白子との事
相当な上物にてこの白子の粒子の
きめ細やかな事
クリーミィな事
喩え難しな味覚でず〜ッと舐め続けていたい

こんがり狐色に焼かれた白子さんは
温和な温もりが歯も舌も包み込んで
陶酔感を呼んでくる
そしてこの温感と飛切りの燗酒の温度とが
ピタリ寄り合う
うぅ〜旨すぎる仕掛けに降参しちゃう

⑥湯葉と京水菜

珍味が続きましたのでサッパリとお口直しに
との星野さんらしいお気遣い

お出汁の浸し地に此れも美しい湯葉と
京水菜の組み合わせ
見た目とても綺麗に纏まっている
崩して食べてしまうのが勿体なく感じる

一口浸し地に染みた湯葉を頂く
丸く甘い味
緩やかにジワリと来る
とても涼しい甘味が来る
地の甘味と湯葉の甘味が息がピッタリ合う味覚を演じている
この甘さ加減は見事としか言えない
アクセントに黒七味が少し振られて
時々ピリッと甘味を引き締めて来る
その味の変化が楽しい

⑦富田林の海老芋の唐揚げ

キタァ〜
大好きな海老芋
其れも星野さんの唐揚げで
揚げ物のレベルがとても秀逸かつ高度な
衣の質感を創造してくる唐揚げ
天麩羅も同じく油物全般に技が光る
星野さんの揚げ物
どうしたらこんなに軽やかかつサラサラとした衣を纏えるのか不思議だ
葛粉の唐揚げの技ものは天下一品なのである

ど真ん中だけをくり抜いてる海老芋の唐揚げ
きめの細やかさが裏漉ししたような粉質感にて
信じ難きお芋のねっとり感がサラサラで
クリーミィなほどに舌に絡み付いてくる
その品格が行き交う甘味のお淑やかな事
一度甘く炊いてから揚げてるらしい
お箸でサクッと海老芋の身を摘むと
シットリと割れて来る
とぉっても細やかな芋の質感が舌に届く
この時期の海老芋は星野さんのものが
やっぱり最高に美味しい
で、因みに周辺部の海老芋は何処に
行っちゃうのかな?とお尋ねしたら
賄いで食べます、しかもかなり長期間毎日
続くとの事。
ある意味、周辺部の富田林でも羨ましい

⑧お造り

明石の鯛
お皿の奥に置いてあるのがお腹の身
皿の手前に置いてあるのが背中の身
鯛の身の表裏を頂ける口福の味に舌が喜んでる
山葵醤油でも
山葵を切り身でクルクル巻いても
その膨よかな肉感がお口の中で身悶える
しなやかに身が反発して噛み応え感が
気持ちよく歯に響いて来る
淡白な甘味が山葵に刺激され旨味に激変する

⑨丸鍋


長葱
お餅

香るわぁ〜。
いい匂ひぃ
鼈がお醤油を吸って焦げて来る感じの
匂ひがとても空腹感を呼び起こす
お腹結構膨らんでる筈なのに
不思議とこの匂ひで食欲誘って来る
食べたいと言う欲望が唆られる丸鍋

丸鍋がグツグツと唸る
丸鍋がブクブクと騒ぐ
煮え滾ってる鼈の肉に喰らいつく
美味い!コラーゲンもドロ〜ッとしたのが
たっぷり骨に纏わりついて
しゃぶり尽くして小骨だけが残る
うま味が身に染み渡る

⑩真魚鰹塩焼き

白身の美しさよ
褒めてやりたい程に静かに佇む
背表紙と言うか背の焦げ目加減が
カリカリで無くて薄皮一枚こんがり狐色
一方白身は
塩味とても淡く忍び寄る美味さ
ホッカホカの白身が
焼く直前に塩降って真魚鰹の身体全身に
塩気を帯びる
舐めてると塩気がジンワリと浮かび上がる

電熱焼きなのに殆ど炭火に近い焼き加減
これも技有りの一品
純白な真魚鰹の淡白な味覚をそのままの
持ち味を最大限引き出して真魚鰹だけの
真っ白に一分の雑味も無く焼き上げるのには
電熱の方が好ましいかもと想像

炭火の香りさえ微塵も付けずに焼く
かつ、火入れは炭火に限りなく近く焼く
分厚い真魚鰹の芯まで火が通ってる
全くゼラチン質が残らず身質の膨よかさを
味わえる
真魚鰹の醍醐味を満喫する作品

⑪炊き合わせ

ぐじの蕪蒸し
銀杏
百合根
近江蕪を擂り下ろしてぐじに乗せて
葛の銀餡を施してます。

国産の葛粉で溶いた銀餡に
近江蕪を擂り流しにして
ぐじをその中に潜ませて
蕪を掘ると奥の方から百合根や銀杏が
ヒョッコリ顔を出す

近江の蕪自身は出汁で炊いてるのか
優しいうま味が染み込み、
ぐじから放たれた旨味も纏って
コクを感じる味わいが満タン

銀餡のトロ〜ッとして温度感のある和やかな
甘味を携えて蕪蒸しが何処までも穏やかに
揺ら揺らと甘味が揺蕩う
そのたゆたう蕪に纏われつつ
ぐじがこっくりとした旨味を味わえる一品
心までもポカポカして来る

⑫お食事

ご飯
牛の時雨煮
山椒雑魚
赤出汁
香の物

新米の艶々ご飯
この三種の神器ではないですが
このご飯セットが出ると
とてもほっこりと気分が落ち着く
癒されるご飯に舌が素直に喜ぶ

定番の牛の時雨煮の優しい甘さ加減
山椒がピリリと絡む雑魚ご飯もいい

単純に白ごはんの粒が立ってる所を
ホクホクと噛み締めながらの浅漬けを
シンプルに合わせるのも良し

シメに赤出汁でホッと一息ついて
ご飯お代わりしちゃう

満足度が段違いに高いご飯なのである

⑬甘味

蕨餅

きな粉美味しい
練りたての蕨餅もぷよぷよ感が新鮮で美味

このお料理の構成、流れ、組み立て
素材とのバランス
持ち味の引き出し方
全てに星野氏の技術とセンスが詰め込まれて
人々を唸らせる料理
完成度の高い至高の日本料理
末永くお付き合いしたい名店

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2019/09訪問4回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥40,000~¥49,9991人

至高至福の秋味

■2019.09.25(水)夕餉

■お店

京味西氏の薫陶を真摯に受け止めて
歴史を引き継ぐものの最有力候補の
お一人であることは間違い無いかと思います。
そしていつの日か西氏の作り上げた歴史を
塗り替える日を星野氏が作るのではないかと
言う期待も胸に秘めて通い続けたい名店。
星野秋味の収穫祭が今宵始まります。

■お料理 お任せ

お酒4合とおビール含み¥42,000ほど。

①焼き茄子と胡麻豆腐の白味噌仕立て

お茄子の品の良さに先ずビックリ
これが本当の星野料理の真髄かと
思えるのです。
素材を慈しみ味を愛でる仕事のあり様に
舌がほとほと参ります。

このお茄子の焼き加減に蒸し加減の
絶妙なこと。
お箸をお茄子に入れますと
中に吸い込まれるように包みこまれ
お口に運べばお茄子の翡翠が
ムースのように口溶けてホロホロと
円やかに解けて行く。
繊維質など感じる暇もなく
ふんわりトロンと甘みを舌に残しながら
溶けていくのです。
その溶けて行くあり方が焼き茄子特有の
香りと味覚の輪郭をくっきりと
浮き上がらせるもので秋茄子の醍醐味を
満喫します。

そして同時に進行する白味噌のうま味
その質感はほんのりとコッテリして
トロ〜んと溶ける感じなのですが
濃厚な甘味は京味噌特有のものに
お出汁の滋味深さが加わっており
こんな美味い白味噌の汁は
何処でも味わった事のない美味しさで
正にこっくりする味覚となってます。

この白味噌仕立てを啜ってもうま味豊かに
舌に寄せてきますし
胡麻豆腐と一緒に飲んでもまた、
格別の味わいです。
胡麻豆腐自体がと〜っても円やかな
食感で
出汁でコトコトとじっくり炊いてるそうですが
それにしても
舌で触れるとスルリと滑って抜けて行く感じ
お箸で摘みますと
お豆腐の形がくねくねと蠢いて
ツルンと箸先から抜けてしまいそうだし
お餅みたいに伸びやかな柔らかみを見せて
円やか味が舌を癒してくれます。
それ程に甘美な円やかさとぷよぷよの
弾力感を兼ね備えた極上の胡麻豆腐
の白味噌仕立てなのです。
もう、この最初の一品だけで
今宵の星野料理の魅惑の渦に巻き込まれ
端から舌が感激しております。

②前菜三品

炭火で炙ったばちこ
サゴシの棒鮨
サゴシは鰆のお子様です。
だだ茶豆の塩茹で

良い構成の流れを作りますね。
汁物の後に少し熱を覚ましたもので
チョツトお腹が膨れるものにと
脂の乗ったサゴシと酢飯の具合が良いです。
酢飯も酸味がちょうど良い

③芋茎の吉野煮

定番のお料理
此れを食べると舌も心もホッとするのです。
芋茎の繊維質とトロンとした葛のマッチングが
何とも言えないのです。

芋茎を丁寧に仕上げてるのでしょう。
シャキッとした食感の鮮度が群を抜くほど
潔良くて
添えられた生姜が適度な痺れを
舌に置いて行きます。

出汁と葛の合わせ方が明快な色合いを出して
芋茎を噛み締めると力強く旨味が放たれます。
芋茎自身の素材の滋味と
葛のとろみと
生姜の刺激が交錯する妙味に
感嘆してしまいます。

④鰻蒲焼き

自家製の鰻だれの香りが鼻先まで届いて
もう、うっとりしちゃいます。
お腹に応える香りです。

鰻は養殖ものですが、
此処まで火入れの妙を高める焼き物の
出来栄えに舌が唸って仕舞います。

その肉厚な鰻の白身がホクホクに
蒸されてふんわりと優しく歯に絡みます。
パリッとした皮目は歯をぐっと噛み込ませると
歯に反発しながらも砕け散って行きます。
その両者のコントラストがまた素晴らしく
美味しさを増幅させて来ます。

其れが三切れもあるのです。
ガツンと頂いて至福の時を迎えます。
つい、飛び切りが進んで仕舞います。

⑤冷やし無花果 白味噌田楽

この順番が素敵です。
鰻の強い味覚後に訪れる爽快な冷感
この温感との落差が魅惑の味わいとなります。

冷んやりとした無花果に田楽の甘味も重なり
無花果との相性がパーフェクトです。
無花果が別格の果実に変化する
無花果のジュクジュクした甘味に
負けない田楽味噌が秀逸で
見事に味覚同士が同調して来ます。
田楽は
白味噌に卵の卵黄と煮切り酒と砂糖で
合わせたもので施されてます。
一味も二味もそのレベル感が違う
田楽味噌です。

無花果の甘味も
田楽の甘味も
無花果の冷感も
ふわぁっとした食感もいい
お口の中に溢れる甘味も無限大に広がる
これら全てが融合して舌を陶酔の渦に
巻き込んでいきます。

⑥岩手の松茸のフライ

普通の薄口ソース

酢橘

傘の開いた部位を揚げたもの
衣から美味しいフライ

最初の一本目は酢橘塩で頂きます。
サクッと齧って松茸フライを割くと
いきなり香る高貴なあの松茸の匂ひ
香るわぁ〜
あまぁい香り
お口からその香りがフワァ〜ッて
抜けて行く

カラッと揚げ立てな上に
繊維質がジューシー

来てるお客さん全員がうまいうまいと
言ってむしゃぶり喰らいついてます。
とても満足度の高い松茸フライでした。

⑦鰹のたたき

薬味
茗荷と葱と大葉とおろしがいい
ポン酢

鰹が分厚くてたたき方が素晴らしく
鰹の甘味をぐっと引き出して来る
炭火で炙ったたたき
雑味のないたたき
温感が素晴らしくこの温かみが素敵に
肉質感を高めてる
鰹のたたき以上に鰹自身の旨味が
浮き出て来ていて、
更にぽん酢が酸味を鰹にたっぷり注ぎ
鰹の旨味を際立たせているのです。

叩きの美味しさのレベル感が全く違う

炙りをいれた結果生じる鰹全体の温度感が
美しい肌触りを舌に与えて
浮き出た脂がヒタヒタと迫って
それがまた旨味を引き出している素晴らしく
甘美なたたきなのです。

⑧明石の鯛

山葵
割醤油

昆布締めされた鯛の状態が素晴らしく
何も付けずにこのままで食べるのが
一番美味いかと感じます。
3〜4時間ほどシメてるとの事。

鯛の身から滲んでくる甘味が
ねっとりして
弾力もあり
肌の艶が円やかで
肉質感がとってもしなやかで品がある

山葵が負けないくらい良い鯛で
舌が驚いてしまってます。
鯛の身から浮き出る甘味
淡白さが消えてしまってるような身質で
うま味十分に感じられる白身です。
鯛にこんなうま味を潜ませることができるとは
流石な星野流の昆布締め。

噛むとジューッとうま味が乗ってて
何とも言えない美味しさがお口に充満する
飛び切り旨味が映えてる鯛のお造りです。

⑨小鍋

鱧松の鍋です。
鱧に松茸がごそっといっぱいお鍋に入って
鱧の骨で取った出汁と
松茸のエキスが鍋に流れ込んでます。
鱧もいっぱい鍋にボトボト落としてくれて
贅沢感極まる鱧松鍋です。

昆布と一番だしのみで地を整えて
うま味を出してます。

取り皿にお鍋から鱧と松茸を少しずつ
分けながら
酢橘をお鍋の汁に少し滴らせて頂きました。
酢橘がこのうま味に合います。
鱧がまたたっぷり吸い地を吸って
旨味に勢いがついてます。

噛んでも舐めても美味しい鱧松茸に
秋味の風味を満喫させて頂きました。
お汁がうまくって
最後の一滴までスプーンで掬いました。

⑩真魚鰹の塩焼き

塩焼きなんですが
何という淡い塩味なんでしょうか
然も白身が極太な真魚鰹です。
ザックリと厚みのあるど真ん中から噛み込んで
真剣に美味しいぞーと、叫びたくなる真魚鰹

どうしたらこんな焼き方ができるのかなぁ
と独言て仕舞います。

何処を齧っても淡く奥の方から塩味と言うより
底から浮き出て来る淡い味覚なのです。
本当の意味で此れこそ底味なのかなと
感じ入って仕舞いました。
ひと塩当てずに
焼く時に当ててるだけなので
こう言う淡い塩味がつくらしいです。
その塩味がとぉっても長続きして
舌の奥の方まで
ジワジワと淡い塩味が滲んで広がって
行きます。
感動ものの真魚鰹でした。

⑪自家製飛竜頭と湯葉の炊き合わせ

飛竜頭をお箸で割いてやりますと
何と銀杏がゴロゴロして
木耳迄彼方此方に散らしてます。

更に飛竜頭を食べてる合間に湯葉を
頂くのですが
湯葉の甘味が穏やかに仕上がってて
この丁度良く混ざり合う甘味同士の
味わいが穏やかに舌を弄んでくれます。
何かホッとする味覚が訪れて
安堵感を与えてくれます。
こんな感じの飛竜頭には頭が下がります。

⑫渡蟹の海蘊かけ

海蘊も美味しいですが渡蟹の甘味のキレの良さ
がとても印象に残るお味です。
生姜もいい塩梅なのです。
どの一品も味わい深く良い仕事ぶりなのです。
仕事の中身が濃いのです。
絶対に手抜きとか油断とかが皆無なお仕事を
される星野料理。
一品に掛ける素材の持ち味を引き出す力が
秀でています。
お料理に物語があり、
甘いひと時
辛いひと時
酸っぱいひと時
爽やかなひと時
まるで食の人生凝縮版を演じて頂いてるような
感覚に見舞われるのです。

⑬お食事

ご飯
牛の時雨煮
香の物
縮緬雑魚
赤出汁
生卵とおかか

星野さんのご飯は真に心米なのです。
とても気持ちが和んで癒される米粒の甘味が
浮かんでくるご飯

最初に雑魚を乗せて一膳
次に時雨煮で一膳
TKGに時雨煮を入れてすき焼風にして
更に一膳
フゥ〜、お腹満ぱんとなります。
時雨煮の甘味と卵の甘味の掛け合いが
激美味です。
卵の黄身に牛の時雨煮を絡めながら
ご飯をズルズル〜ッとお口に掻き込んだ時の
美味しさと言ったら
もう、堪りませんね。
更におかかをバサッと星野さんから
鷲掴みでご飯に落として頂いて
うま味がTKGに舞い降りて来て
うま味と旨味が渾然一体となり
舌が美味しさの坩堝の中に
取り込まれていきます。

更にお茶漬けが有りますとの
星野さんからの
申し出にもうギブしました。

⑭蕨餅 煎茶

きな粉が美味しい蕨餅を頂いて
煎茶でお口も身心も注いで
興奮の味覚の中から落ち着きを取り戻して
秋味満喫の宴に豊かな満足感でいっぱいです。

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2019/06訪問3回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥30,000~¥39,9991人

初夏の旬が駆け抜ける

■2019.06.21(金)20:30〜訪店

■夏のお料理 お任せ¥37,000ほど

じっとり汗ばんでくる季節
湿気も多くて外出して歩きたくない気分
こんな時は心より涼しい風を
靡かせてくれるお料理が嬉しい。

①鮑と蓴菜 山葵 胡瓜

舌をこの蒸し蒸しとした気分から
解放してくれる一品。

まず驚いてしまうのが兵庫三田の蓴菜
実がついてるゥ
このプチプチ感とぷよぷよ感の共存には
出逢えないと思ってましたら
流石は星野氏です!
こんな嬉しい先付はお代わりしたくなります。
ぽん酢の酸味の中を蓴菜が泳いで
鮑の周りにぷかぷか浮かんでます。
その酸味が蓴菜に絡んで舌を程よく
刺激しながら蓴菜が涼しげにぬめり味を
寄せて来ます。
そして鮑のコリコリ感が訪れて
三位一体となる妙味が舌をお迎えです。
幸先の良いスタートに喜んでしまいます。

②鰻の飯蒸し

地焼きされた長崎の養殖鰻さん
皮目のパリパリ感に潜む旨味を
最大限に引き出す
皮目と密着してる白身をホクホクに仕上げて
そのエネルギッシュな身が自ら捩れるほどに
鰻の味わいを楽しめる
絶妙な火入れのバランスが生み出す旨さ
養殖鰻をここまで昇華させてしまう星野の技

その絶品鰻が3切れも乗っかってるのです。

鰻たれに酔う

味醂とお酒と濃口を1:1:1の比率を
色々に試しながら
その日の鰻が最高の出来栄えになり
持ち味を最大限に発揮するように
甘味を強めたりして鰻の皮目にも腹側にも
丹念に刷毛を入れて念入りに味付け
そして山椒の香りを付けながらと言う作業を
繰り返されます。
本日の鰻さんには二層にタレをかけて
二層焼きにされて
甘味を少し強めな感じに仕上げてるとのこと。

白身はホクホクの深い鰻本来の味わいを見せて
皮目はパリパリッと歯ごたえ感が満喫出来て
そのコントラストに驚いてしまいます。

この焼き加減の見事さは星野流でしょうね〜。
こんなに炭火がしっかりと入って
皮目のパリパリ感と身のホクホク感とが
織り交ぜられた地焼きものはあり得ない
と思えるほど
鰻のポテンシャルを限界まで
出し切ってるのですよ。
この鰻に飯蒸しのモチモチ感が重なるので
美味い美味いが大行進です。

③ほうれん草の軸と岩茸の胡麻和え

胡麻の香り
胡麻の甘味
胡麻の冷感
炒りごまの優しさ

それらが途轍も無く美味しいのである。
そのゴマちゃんに付き添うほうれん草の軸の
青味に絡んでくるシャキシャキ感がいい。
舞い散る岩茸がしっとりとして
お海苔のように寄り添う

こう言うのがお料理なのだと言わんばかりに
さり気無い食材を調理して美味しい味覚を
創造してるです。
しっかりお勉強になりました。

④芋茎の吉野煮

定番ですよね〜。
この葛で出汁を溶いた餡を飲むと
何故か心が和んでくるのです。
芋茎の食感が楽しい
このトロ〜リ感は答えられません。
芋茎の無機質な味を葛の粘性と出汁のうま味
アクセントの生姜だけで創作する名品。
一本一本をじっくりと味わさせて
頂きました。

◉寶劔

⑤黒鮑

じっくりと3時間かけて蒸された千葉大原の黒鮑
その身のこなしは
ゆるりと横たわる筋肉質が歯を招き寄せて
官能的な柔らか味を見せます。
広がる広がるどんどん鮑の味覚が
お口の中で花開く

鮑の肉質はコシが残りつつ柔らかいの
それでいてしっかりと筋肉質がしなると言うか
張りのある肉肉しさが存在して
繊維質がビシッと決まってるのだけど
温和に優しく歯を鮑のお肉の中に
招き入れるのですよ
凄い炊き上がり方、どうやってんのでしょえね〜。

⑥虎魚の唐揚げ

虎魚を揚げ物で来ちゃいましたぁ〜。
捌くだけでも難しそうな上に
葛粉でさらりと薄く着飾って
羽織一枚という感じのふわふわな衣の舞に
唇が自然にキスしたくなります。

驚いちまうのが天つゆ!
何だこりゃ、お椀の吸い地レベルのうま味が
潜んでる

ご本人曰く
美味しいお出汁を用意しましたので
お出汁にドボンと唐揚げを漬けてもらって
天つゆを飲みながら食べるイメージでどうぞ
だって。

簡単に言えるお言葉ではないな〜。
余程自信がないと天つゆって揚げ物を
ちょっと浸して
唐揚げした素材の旨味に塩味なり甘味なりを
加算して脂を少し落とさせて緩和させるものなのに、ドボンですよ、天つゆはお飲み物として
お口にたっぷりと含んで唐揚げは
何も迷わず、天つゆの味を纏わせるだけで
旨味が膨らみますよ、と言ってるのです。
そこまでおススメならばと
覚悟を決めて虎魚をドボンと天つゆに落として
そのままズルズルッて感じで舌へ
吸い込んでみました。

う、う、ウメェ〜。
ホント、椀盛みたいに滋味深さが舌にじ〜んと
来るじゃないですか。
鰹風味の塩梅の良い事
絶品なるかな天つゆ
鰹だけじゃない
淡く淡く鹹味がそこはかとなく漂うのです。

そして虎魚は
身の部分だけをさらりと揚げて白身が
丸っ切り無垢な白身で一切雑味がなく
仕上がっており、極旨なのです。
衣も葛粉を漬けただけのサラッとした
唐揚げなのですよ。
身の方に具合良く包丁入れてる故
さっと揚げるだけで
火が満遍なく白身の中まで届いてホクホク感が
リアルにまんま届く
天つゆに浸った衣は濡れ加減がしなやかで
ザクッとした食感が軽妙なのです。
その軽快な天つゆのうま味と衣の食感の狭間で
虎魚の旨味がパァ〜ッと広がるのです。
凄い凄い、揚げ物としてのレベル
完成度の違いがど素人でも明快に解を得る味覚
ホント、舌殺しだわ。

天つゆと衣と白身を蒸すレベルの次元を超えた
お料理でした。
これ、シメのご飯に乗せたぁ〜い。

◉〆張鶴 純

⑦お造り

キジハタ

酢橘
マルドン塩
山葵

円やかなマルドン塩はちょっと煎ってるので
お塩の本性が露わに出てる感じで、
とても膨よかな鹹味が浮き出てくるお塩です。
この円やかさを酢橘の酸味で溶かすと
塩気の底味が酸味の奥から浮かび上がる感じで
きじはたの淡白さに輪郭を与えてしっとりとした肉質をしなやかに美味しさを誘い出します。

更に、
酢橘塩に山葵を足して
お醤油も御殿場の天然醸造もの

キジハタと言えば夏のお魚
さっぱりしててしなやかな肉質で
膨よかな食感が楽しい。

お醤油と山葵の甘辛加減良くキジハタに
馴染ませてやると旨味が涼やかに膨らむ
味覚が単に美味いのではなく
その肉質と合わさって涼しげに舌に
囁いてくるのです。
お造りも計算され尽くしてるのかなと
お聞きしたら
やはり経験値がものを言うそうです。

⑧鱧と蓴菜

本日の椀種は牡丹鱧に梅肉
椀づまには蓴菜を忍ばせてます。

火を入れてあげた蓴菜は
素敵なグリーンに衣替えです。

このうまい具合の掛け合わせ方
星野ならではの昆布のうま味が淡く淡く忍んでる吸い地の素晴らしさ

純白で無垢な牡丹鱧
鱧斬りの技も一本ものではなく
一枚ものでザクザク刻んでる
中骨の所で割ってないのですよ。
だから刻みを入れる包丁の距離が倍なのです。
だからこそ鱧がど真ん中でパッと大輪の花を
咲かせるんですよね〜。

先ず吸い地をじっくりと味わいます。
此れは嬉しくなる昆布の淡味
どこまでも淡く深い所から忍び寄る底味
味蕾の一つ一つに何かが訴えてくる
いい余韻です。

ここは牡丹の花をしっかり味わいたい
純白な牡丹鱧から無垢な甘味と
素直なぬめり味が舌に及ぶ
舌で鱧の表面を舐め回すと花弁が
艶だち鱧の持てる味覚の全てがその花弁に
凝縮されてるが如き甘味が
静かに波打つのです。

⑨稚鮎

島根県高津川の天然鮎

本日は
旬の凄いやつが全部出て来ちゃうんですね。
喜びまくりです。
稚鮎は頭から中骨まで優しく焼かれて
柔らか目に仕上げてあります。
この稚鮎がまたしっくりと来るんですよ〜。
どうしたらこう言う焼き加減の
火入れが可能となるのでしょう。
鮎は頭の先っぽからカリカリと皮目全体に
焦げ付きが広がり満遍なく火が通り
ゼラチン質などは欠片も残らず消えている
なのにワタの身が柔らかくレア感があり
ふっくらと良く火が通った白身と対照的な
甘味が静かに訪れる
このコントラストも素晴らしいが
頭と尻尾と腹回りの皮目のカリカリ度
中の白身のほっこりふかふかな豊満度
小骨に絡んだワタのレアな苦味の濃度

是等の味覚がくるくると舌を回して
魅了するのです。

次に
1尾目の鮎を貪って頂いてる最中に
違う食べ方してみますかとお言葉頂き
ハイ、とご返事しましたら
その場で即興的にザクザクッとお箸で
細工を入れて頂き
焼いたばかりの稚鮎から何と!
スルスルするりと頭付きの中骨迄を抜き取り
白身とワタはそのままで
二体にして頂きました。

綺麗に分解された稚鮎を見て
その場に居た人みんな、
目の前で何が起きてるのかな?と言う感じで
一瞬ポカンとしてます。
意図も簡単にサラリとやって退ける星野氏の
技に感嘆します。

頭付きの中骨を抜くと残った方の身の食感が
格段に違って来るんですよね。

中骨にも肝が付いてるし苦味がバラけず
稚鮎自身が若いのでまだ骨が柔らかく食べれて
新鮮な味わいが残ります。
中骨を抜いてしまうと身の若さが格段に違って
舌に身の旨味を残していく。

なんかこの中骨抜き取りする食べ方
癖になりそうです。

⑩炊き合わせ

京賀茂茄子
車海老
千石豆

直火で丸焼きにして焼き茄子に仕上げてから
鰹を効かしたお出汁に浸して

お茄子の繊維質にスゥ〜ッとお箸が
取り込まれていく

翡翠色が輝いてます
お茄子が全然濁らないし
中まできちんと火が入ってる
芯までふわんとした感じになってて
お茄子のエグ味が全然無いのですよ。
お茄子を寝かせる時間によるのでしょうが、
経験値が成せる技かと思います。

⑪焼き鱧と冷たい胡瓜

パリパリに焼いてあったかぁい鱧が横たわる
あったかい鱧と冷たい胡瓜の組合せ
温感料理と冷感料理の均衡の美学みたいなものを感じます。

胡瓜は全部種を取ってお塩で揉んでます。
胡瓜のさっぱり感が焼き鱧の和む旨味と
良く釣り合ってます。
鱧を焼くとこう言う感じの美味しさに
化けるのかと初めて味わいました。
鱧を焼いてお醤油たれで鰻の地焼きみたいに
仕上げてるのです。
その焼き鱧を一口食べると鱧の猛々しさが
焼きの中に閉じ込められてて鱧の旨味が
ホクホクで穏やかな味わいに
仕上がってるのです。
余韻が舌にジーンと響いて後を引きます。

⑫お食事

ご飯
縮緬雑魚
牛の時雨煮
香の物
赤出汁

お塩を追加で頂き
この甘い白米にパラパラと降らして
塩むすび感覚で食べました。
ご飯の甘さと塩気の塩梅がご飯を
進める進める
ヤバイくらいにマルドンのお塩が
ご飯を引きつけて来る

塩が美味しいと言うか
お米の甘味が塩の能力を引き出しちゃうほど
甘味の深みが奥深いご飯。

勿論いつも通り
時雨煮とも
縮緬とも
相性良くご飯を頂きます。

⑬鰯茶漬け

鰯を醤油で絡めて炊いたものを
お茶漬けに添えてます。
良い鰯のある時だけのご用意なので
本日は当たりの日です。
時期限定品です。

鰯を齧って塩分を含ませてから
ザクザクっと焙じ茶のお茶漬けを啜ると
お口の中でバランスが行き交い
お料理としての味覚が完成するのです。
鰯をチビチビ遣りながらの焙じ茶漬け
シンプルで奥の深い茶漬けです。

⑭わらび餅 煎茶

定番のわらび餅

星野料理の変幻自在な美味を締め括るに
相応しい作り立てのわらび餅
きな粉をたっぷりと塗してお口に運ぶ
きな粉の粉質が繊細かつ
上品でエレガントな粉なのです。
粉こなしてるのです。
わらび餅がトロンとしてきな粉がしっとり
絡みまくりです。
何とも言えないしっぽりとした甘さが
舌に寄せてくるんです。

其処に煎茶の渋味が淡くて
わらび餅の甘味を頂いた後に味わうと
ホッとするんです。
ふぅ〜。
最高峰の美味の高みに辿り着いて
ホッと落ち着いてる自分を発見。
満足の極致に達した感に酔い痴れる夕餉でした。


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  • 新ばし 星野 - 若々しく瑞々しい実がついた蓴菜と黒鮑のコリコリ感が清々しく清涼感を誘う

    若々しく瑞々しい実がついた蓴菜と黒鮑のコリコリ感が清々しく清涼感を誘う

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  • 新ばし 星野 - 養殖鰻をここまで昇華させて美味しいもんに仕立て流ことが出来るのかと思える程の激うま旨な味覚が訪れる

    養殖鰻をここまで昇華させて美味しいもんに仕立て流ことが出来るのかと思える程の激うま旨な味覚が訪れる

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  • 新ばし 星野 - 定番の名物の一つ
      芋茎なんてものをここまでのお料理に仕上げて来る
      こんなもんを美味してしまう仕事こそ料理人の技

    定番の名物の一つ 芋茎なんてものをここまでのお料理に仕上げて来る こんなもんを美味してしまう仕事こそ料理人の技

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  • 新ばし 星野 - うま味成分がたっぷりとしてコクを感じる絶品天つゆ

    うま味成分がたっぷりとしてコクを感じる絶品天つゆ

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  • 新ばし 星野 - 中骨を抜き取った稚鮎
      あっという間に捌いて頂きました。

    中骨を抜き取った稚鮎 あっという間に捌いて頂きました。

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2019/05訪問2回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥30,000~¥39,9991人

令和日本料理 星野事始め

■2019/05/13(月)19:00〜訪店

令和初めましての星野さんです。
平成の時を超えて恐らくは令和にも一際光り輝き
その歴史に1ページを飾ることになるだろうと
思います。
本日もどれもこれも舌が絶句する逸品ばかり
一品に対する星野氏の想ひも感じられますし
また、その繊細かつ丁寧な作品の作り込みには
感動の連続を頂きます。

■お料理

①先付

白味噌に蓬餅
京都山利の白味噌のお汁
端午の節句に因み、邪気を払う蓬のお餅入りです。
白味噌は生き生きとして麹麹してる食感
濃厚気味な白味噌にトロ〜ッとした甘味が
ほんのりと滲むまろ味を帯びた甘さ
この穏やかさがなんとも言えない
コク深い味わい
この円やかな味覚と舌を安堵させて
ほっこりとさせる舌触りに感嘆してしまいます。
ゴクリと飲み干してお餅のモチモチ食感も
愉しませて頂き、嬉しい一品目です。

②穴子の飯蒸し

笹巻きにしてあり笹の香りを飯蒸しに写してます。
明石の穴子を山椒煮してもち米と合わせて
おこわに仕上げてます。
5月なので此方も粽をイメージしたもの。
季節感への表現がとても上手に施されてて
奥床しくもあります。
で、この穴子飯おこわ版と言いますか
飯蒸し穴子仕様と言いますのか
舌が道案内されても迷ってしまいそうな
虚ろな世界に導かれてるような戸惑いする
味覚なのです。
おこわ自体のモッチリしたお米の食感が楽しめ
そのモチモチ感に穴子の旨味が
柔らかく丸味を帯びて舌を纏って来ます。
何て言うのが適切なのか迷いますが
米粒と米粒の隙間が空くのでもなく
ギュッと詰まってるのでもなく
塩梅よく粘着してるモチモチ感と穴子の甘味が
お互いを抱擁し合って
旨味をまぁ〜るく引き出してくるのです。
この味覚は忘れ難いな。
兎に角、食感が楽しいやら嬉しいやらで
感動モノなのです。
此処まで仕上げてくるとは
作品としての完成度の高さに驚いてしまいます。

③酢の物

蓴菜

ぽん酢

兵庫県の三田の蓴菜が凄うま
清涼感がストレートに伸びてくる
こんな蓴菜が世の中には有るんだ
蓴菜にぽっちやり纏ってる玉の大きさに驚く
その玉の餡がホント、プルルルルル〜ンと言う
感じなの、え〜っ?こんなプルプルの
ツルリンなスベスベ感有りか?
然も全く蓴菜臭さが無くて純粋に
蓴菜の味覚を発揮してます。
星野氏ご本人曰く
これだけの質の良い蓴菜は中々手に入らない
代物との事
流石は星野さんです。
更に蓴菜に驚いてる暇は有りません。
三陸の鮑の刺身の鮮度が素晴らしく良いのにも
感嘆の声が上がります。
シコシコ感と歯を入れた時のコリコリ感が
既に涼しげな食感と爽快な反発感を歯に
響かせてぽん酢の酸味に寄せられつつ
鮑の活力ある醍醐味を頂きます。
此れが三陸鮑の生き生きとした旨味だぞと
鮑が叫んでおります。
此奴にも舌が白旗を上げております。
何という素材の合わせ方の妙なのでしょう。
蓴菜のプルプルなツルリン
鮑の溌剌としたコリコリ
其処に程よく酸味が畳み掛けてくる
何処までも爽やかに涼しげな装いを
微塵の迷い無く寄り切る作品なのです。

④お凌ぎ

茄子
鰹節
木の芽

お出汁で茄子を炊いたものに鰹節を振り掛け
木の芽を添えられてます。
お口直し的なサッパリ感がお口に広がる
お茄子がスゥ〜ってお箸で簡単に真っ直ぐ裂けていく
とてもスムーズに繊維が裂けて自分の好みの
サイズでお口に運べます。
お口に運んだ瞬間、翡翠色の食物繊維が
ジュワ〜ッと出汁のうま味を弾き出すの
この技物だからこそか
出汁の地にたっぷり浸ったお茄子の味覚に
舌が気怠く頷き始めると
フンワリ優しく鰹節の衣が羽ばたくのです。
これがまた風情感じる鰹節の落ち方なのです。
でね、ここでアクセントと思ってました木の芽が
勢いよく高らかに木の芽固有の
味と香りを振り撒いて茄子の味覚に
明快な輪郭をはっきりと描きます。
お茄子がやや大人しい味わいなので
木の芽が生き生きとした風味を添えて来て
素晴らしいマッチングを見せます。
この妙技にも驚いた。
お茄子を炊いただけなのに
こんな奥深い味わいに仕上げてしまうとは
舌は沈没するしかないでしょう。

⑤揚げ物

小柱
漉油

冷えてて旨味たっぷり
何だこれは!
此れが小柱なの?と見まごう程の
歯触り舌触りに味蕾に広がる麗しい程の旨味
まるで飲兵衛たちのために創造されたのかと
思える逸品中の逸品
本日のベストと言っても過言では無い
この小柱さんだけで軽く一合行けちゃう
チビチビと小柱摘みながらやり続けたい

何と言っても葛粉で揚げた衣のサクサク感の心地良さよ
揚げられた葛粉の衣の粉質がお上品
サクッと衣を崩して歯を小柱の身に進めると
衣の粒子が細やかに小柱の中に沈められて行き
衣の甘味が小柱に移る
小柱は歯に挟まれてホロリと解けていき
その欠けらがポロリと柔らかく崩れ乍ら
小柱自身の旨味をたっぷり浮き立たせる
その旨味の味の良い事
小柱を進めて行く最中に感じる塩味
淡く薄く広がる底深い塩味
舌にジンジン来るのだ
甘味をより一層引き立てる塩加減のバランスが
何とも言えない小柱
旨いとか美味しいとか言うレベル感覚の度を
軽く超えている
此れには参った。
お手上げです。
漉油の存在忘れちゃいました。
澤屋まつもとがドンピシャ合いました。

⑥お造り

真子鰈
真鯒(マゴチ)
山葵醤油
酢橘
お塩

お造りで白身同士を合わせる
共するとお互いが霞んでしまう
白身同士の味わいがぼやけるので
赤身と合わせる方が容易いと思いますが
星野さんのお料理はその間隙をついて来て
白身同士の旨味を上手に引き付けてくるのです。


真子鰈は
鮮度の良さが映える生命力のある弾力感
淡白な味わいの中に面白いほどの旨味が潜んでる
この旨味はオーソドックスに山葵醤油で行く
白身の旨味をくっきりと浮かび上がらせる
これが刺身の醍醐味だと思う。

真鯒は
白身が肉感的で上品な甘味が感じられる
噛んだ後の余韻が爽やかに残る
酢橘を滴らせて柑橘系の爽快感を加えると
身の厚みがしなやかに呼応してくる
此れも秀逸な作品

⑦お造り

鳥貝

星野自身の手で網焼きの上で
鳥貝さんをパチパチと炙られております。
頃合い良しと見るや菜箸で裏返し
鳥貝のポテンシャルを最大限に引き出す炙り

湯気がほんのりと立ってます
その炙られたばかりのホクホクな鳥貝を
一口パクリします
身を齧ります

一気に甘味がジュージュー飛び出して来て
瞬く間にお口を鳥貝の澄んだ甘味で蹂躙して行きます。
その甘味の何と耽美な事
目を奪われる様に舌を奪われてしまう大海の
甘味にうっとりです。
クチュクチュと噛んで行く度に
鳥貝の甘味がジュル〜ッと滲み出すのです。
炙られた事でより一層甘味成分が増してます。

⑧お椀

椀種 虎魚
椀づま 白髪葱に木の芽

星野さん、
虎魚を余すところなく虎魚の持てる力を
全て出し切らせているのです。
頭と骨で取ったお出汁は鼈の丸仕立てみたいに
お鍋と言っても良い感じのお椀になってます。
ある意味ダイナミックなお椀模様
ですが、吸い地はとても慈の味わいが深く
昆布と水を施しつつ虎魚のうま味成分を
引き出し切り仕上げにお酒を加えての吸い地
この何処までも淡く滋味深く舌を地の底味に
誘い込む様な味覚には
チョツト呆然として立ち止まってしまいます。
雑味が一切ない吸い地

ボーッと舌をお椀に浸していると
お椀に浮かぶ虎魚の純白な身の
穢れない美味しさにハッとして我に返る
真っ白な身がホロホロと崩れる
舌に白身を任せる
ぬめり味が舌を優しく撫でて行く
淡白な甘味が舌を犯して行く
地のうま味と白身の甘味が共鳴し
脳に恍惚感を呼び込んで至福の味わいが訪れます。

⑨焼物 伊佐木 蓼酢

関伊佐木の塩焼き
蓼酢

本日感動の焼き物です
皮目が旨い!
普通皮目の裏手にゼラチン質の残骸が
少しはへばりついてる物なのですが、
もうそう言う雑物が全く無く
皮目のパリパリ感の純度が高い。
皮を噛み始めると最初にバリッと来て
直ぐそのままパリンと砕ける感じが
歯に響いて来る、その時の食感の
衝撃がパリッと砕けてカラッと裂けて
歯に与える感覚が開いて来るのです。
更に突き進んで
白身のお肉がふわふわ浮かび上がる感覚が
お口に入り込んで来て
ホロホロと白身が溶けて行く口溶け感が続く
そしてその口溶け感の真ん中に
関伊佐木の脂が乗って
火が身の芯まで通りふっくらと膨よかに
その身が焼かれてふわふわなくらいに
膨らんだ甘味が訪れるのです。
この皮目と身の味覚の落差が大きくて
伊佐木さんを舐め続けたくなります。

⑩炊き合わせ五種盛り

単に五種の旨味を並べただけではない
先程から厨房がやけに忙しいなと思って見てましたが
お鍋が5個もガス台の上でご活躍してます。
何だろうと訝ってたのですが、
其々の小鍋に異なる素材が炊かれてて
出汁の深さ甘味のバランスを少しずつ
崩して変化を付けてるのです。
素材同士が混じり合わない様に個別の鍋で
炊いてお椀に盛り付け
だからこそ材の味が生き生きして
きちんと味覚のポテンシャルを発揮するのでしょう。
星野料理の技を垣間見た気がします。

小芋
車海老
姫竹
空豆
蒸し鮑

房総の鮑は数時間かけて炊いて
円やかで軽やかなる甘味と肉感に仕上げてます。
お献立の始めに食べたコリッとした鮑と対照をなしてて
こう言う伏線を仕掛けてあったのですね
この辺のお献立の流し方にも
ホトホト感心しちゃう。

姫竹!出汁のうま味が透き通る様に馴染んでる
繊維質が柔らかく噛みごたえ感が優しいのに
シャキッとした繊維は生きてる
不思議な食感。

小芋のねっとり感が歯を喜ばしてます
お手手繋いでよ〜と言う感じで
小芋さんの甘味が絡んで来ます。

車海老も空豆も薄味で炊かれたうま味が
充分乗り移りシットリ淡く舌に寄せてきます。
特に空豆!
塩味が何処までも広がり奥行きの深さが
続いて行く耽美な塩気に驚いた。
塩だけで炊いてるそうですが
空豆を食べた後も塩味が後から追いかけて来て
余韻を残して行く
この空豆の味覚は突出してます。

五つの異なる味付けを施した素材が行き交う
味覚のシルクロードです。

⑪お口直し

山菜の盛合せ

お出汁は先ほどの真子鰈の
アラ落ちしたもので引いてます。

漉し油
うるい
こごみ


春の旬菜尽くしに
お出汁をほんのりと固まる感じの煮凝り風に
仕上げられてます。

清涼感爽やかに舌を涼めてくれる作品

どれもこれも完成度の高い一品ばかり
参っちゃいますよね
皆さまお通いになる訳です。

⑫お食事

いつもの激うまホカホカポカポカご飯です。
そしてピカピカな米粒に
甘い香り立つ湯気の匂ひ
このご飯を見てるだけでウキウキしちゃいます。
お腹かなり膨らんでいっぱいですが、
此れは頂かねば何ヶ月も待った甲斐が無いと言うもの
しっかりお代わり頂いて
雑魚飯にしたり
時雨煮の旨味たっぷりご飯にしたり
色々な風にお米さんを弄ってやりました。
どう弄んでも白米の甘味が優勢で
湧き出るご飯の糖質がお淑やかで
穏やかで途轍もなく美味しいご飯なのです。

山形コシヒカリ
香の物
牛の時雨煮
山椒雑魚
赤出汁

⑬甘味
わらび餅
煎茶

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2019/03訪問1回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥30,000~¥39,9991人

滋味深き味わいに春を乗せて

■2019.03.01(金)19:00〜訪店

本日より星野さんの春料理が春の微風の如く
春一番の風味を乗せて舞い落ちて来ます。
少しだけ冬の名残りを見せて
春の走りをお雛様に差し上げて
雅な春日和の装いに纏われたお料理を頂きます。

■お料理 お任せ¥30,000ほど、お酒含む。

①若竹煮

❇︎鳴門の生ワカメ
❇︎早筍

春の走りに出会うもの
早筍と生ワカメが瑞々しく感じられて
木の芽の香りが筍の甘味に寄り添い
舌を誘ってくるのです。

筍からは春を感じる香と味覚が先行して訪れ
サクッと噛むと若々しい甘味がジワッと
寄せてくる、その後から吸い地が淡く淡く
何処までも静かな佇まいで寄せてくるのです。
その謹み深い味わいに心が穏やかに暖められます。
このホッと癒されるひと時が嬉しくなります。

②お凌ぎ

❇︎雛寿司

蒸した温かいお寿司です。
雛祭りの季節に合わせて
お雛様のように蒸し寿司を着飾ってます。
彩り鮮やかなる錦糸の黄金色が
鮮やかに映える蒸し寿司です。

錦糸の絨毯に小さなプリッとした車海老様が
赤く身を染めてお料理に映える彩色です。

舎利は赤酢で酸味を程よく施されてて
お米の甘味と酸味を施した
舎利の美味しさが格別です。

③焼き河豚

❇︎身をお醤油で焼いて
❇︎あら焼き

もう、仰天ものの味覚漂う焼き河豚でした!
焼き河豚の味比べと言う感じで
身とあらの両方を焼いて頂けます。

厨房の囲炉裏越しに漂う香り
んん、何だろうこのいい香りィ。
この香りだけでお腹がキュゥ〜ッと鳴ってしまいます。
囲炉裏の網掛けの上に
乗せられた河豚の身から漂う芳しい匂ひ
店内に耽美な香りの舞が訪れてます。

その身が焼き焦がれていく様を
ジーっと見つめる星野氏の眼差しが真剣です。
炭火の火加減をパタパタと手団扇で扇ぎます。
囲炉裏の空気孔へ平の手で空気を送って
火加減を調節!チョツトびっくり。
頃合い良しと見るや否や
河豚の身をサッとお皿に盛り付け
一人前ずつお運び頂きます。

この、焼き河豚のお醤油味の滋味深いこと
お味といい身の引き締まり具合と言い
半生の火入れ加減が絶妙に妙味を引き出して
プリプリ度と言い絶句しちまいます。
此れはマジ、ヤバイ!

澤屋まつもとさん、もう一合所望。

お醤油と味醂とお酒で和えてるのかと推察ですが、
醤油ベースのたれの味がとても
奥行きを見せる品の良い醬油味で
どういう塩梅で施してるのだろうか、
不思議な甘味と仄かな鹹味が寄り添い合う
コクのある旨味を作り出してるのです。

更にふっくらと焼かれた身の締まり具合の
活きの良さがプリプリに歯に反発して
素晴らしい食感を楽しめます。

次にあら焼きがお手元に届きます。
骨付きを手で鷲掴み
焼き加減が凄く香味高く舞い上がります。
河豚のあらを此処まで昇華させたお料理に
仕上げてしまうとは、
とんでもない才能です。
単純にあらを焼いただけとは思えない旨味
少し振り塩してるかなと淡くお味を忍ばせてますが、
河豚のあらの美味さを巧みな焼き加減で
前面に引っ張り出してます。
ガブっと骨に食らいつく
齧って骨に付き纏う身を歯で削ぎ落とす
削がれた身の部分が舌に落ちる

プリプリな身でありながらも
チョツト焦がされた苦味が河豚の淡白な
甘味とともに訪れる
焼き加減の塩梅が見事な技もの故に
生まれる淡いお焦げの味が忍ぶ甘味
もう、
美味しすぎて骨の髄までしゃぶり続けたいと
思ってしまいます。

④吉野煮

❇︎根芋
❇︎生姜
❇︎葛でといて

前日から浸水させてゆっくり根っこの繊維質を
柔らかくほぐしてます。
元来、味の無い無味乾燥な根っこなので
食感が命の出し物
茹で加減とお出汁の張り方
そして
葛の引き具合で味覚を整えてます。
この味気ない味覚の素材を生姜の施しと葛と出汁だけで
これだけの旨味に変えてしまっている所が
凄いと思います。

⑤揚物

❇︎蕗の薹
❇︎ぐじ松笠揚げ
❇︎酢橘

蕗の薹は塩気を付けてあります。
ぐじは酢橘を滴らして

揚げたて蕗の薹の衣から零れ落ちる品の良い苦味
噛んでると甘味に変化してほんのりと
香ばしく苦味を舌に残していく
その名残の苦味にぐじのホクホクの白身を
絡ませますと絶品なる味覚が舌を襲います。
更にぐじの揚げ鱗のサクサク感の素晴らしい事!
フワッと舞うように口の中で鱗のサクサク感が
舞い散るのです。
この食感と一緒にぐじの肉感的な旨味が
訪れてチョツト興奮してしまいました。
ぐじの官能的な甘さとまったりな白身の食感が
後を引いて暫くボ〜ッとしちゃいます。

⑥お造り

❇︎明石の鯛
❇︎赤貝

春らしい雅な盛り付け
朝〆たばかりのものをの空輸でお届け
身がブリブリなのです。

赤貝のシコシコ感が半端なく
嚙み応え感がいっぱい歯を反発させます。
鯛の白身の鮮度の品が良く
淡白に純粋な甘味が単純に生山葵のお醤油に
ピッタリ嵌ります。

⑦お椀

❇︎蛤の真薯
❇︎小かぶ
❇︎人参
❇︎ゆず

菱餅をイメージした色合いを魅せて
緑 赤 黄色が鮮やかに真っ白な蛤真薯から
浮かび上がります。

蛤の出汁だけで生地を伸ばしているので
真薯が溶け出して吸い地がどんどん変わりゆくのです。
擂り身を崩すと蛤がプックリと身を露わにして
蛤のエキスが吸い地に及んで
潮の風味と蛤のうま味が重なり合い
コクのある妙味に昇華しているのです。
ジワっと舌に忍び寄っては
余韻を残して去っていく蛤の吸い地の味わい
このまま浸り続けたいと思わせる蛤汁です。

⑧焼物

❇︎赤鯥は対馬の紅瞳
❇︎はじかみ

流石は紅瞳
身から滴る脂が尋常じゃない
たらたらと迸ってるのです。
ふっくらと焼きあがったアカムツの皮目を
箸先でチョコンと崩してやると
露わな白身からダクダクと渓流の如く
流れる旨味たっぷりの脂
その脂に浸された皮目がまた、
お焦げの苦甘さが佇んでて美味い!

〆張の純様が舌を清めます。

ジューシーな脂の乗った白身をほぐすと
塩味が淡く効いてて舌に忍び寄って来て
しっとりと芳醇に濃厚な甘みが広がり
一口食べる度にうっとり来ちゃいます。
どうしたらこんな美味が作り出せるのか不思議です。

兎に角ふっくら加減が途轍もなくお優しい
こんもりと膨らんだアカムツの
無垢なる白身からは
想像し難い程の脂の乗った旨味が発散し
舌をよじらす位に白身の肉質から湧き出る脂が
舌を蕩けさせるのです。
その官能的な脂の甘みと旨味が
お互いを融け合わせて一体化し
旨味自身がずっと昇華し続けて行って
甘味が何段階にも表情を変えちゃう、
その余韻がず〜ッと愛おしく
美味しさを引っ張るのです。

最後の一切れを食べ切る瞬間に儚さを感じて
憂いを含んだ紅瞳星野仕立てなのです。

⑨炊き合わせ

❇︎蒲生の筍
❇︎飯蛸
❇︎蕨

お出汁で優しく炊いて
筍がシャキッと舌に抱きついてくる
大振りな筍はガッツリお箸でグサッと
突き刺して、突き刺した穴からじゅわッと
染み込んだ出汁のうま味が弾き飛んで
お口の中で暴れん坊です。
チョツト獰猛さを見せる筍で
繊維質の芯がはっきりしてて
噛んだ時に心地良く響く食感が楽しいです。
此の響き渡る食感を舌に覚えさせておいて
出汁のうま味を纏った飯蛸を舌に追加すると
筍の名残の甘味と飯蛸の甘味が合わさって
愉快な甘さに成長しちゃうのです。
この炊き合わせの妙味は嬉しくなります。

⑩進肴

❇︎春小(かすご)
❇︎菜花
❇︎山葵添え

小さくても鯛と良く言われます。
そのかすご鯛を山葵で和えて
ピリッと背筋を伸ばした食感に
山葵のツーンとする味覚
春小の爽快な甘味が潔い味わいを
見せてくれます。

⑪お食事

❇︎山形こしひかり
❇︎山椒雑魚
❇︎牛の時雨煮
❇︎赤出汁
❇︎白菜

キラキラ輝く艶々のコシヒカリ
米粒がきちんと整列してるみたいに立ってて
ホクホクのままを噛み締めると
ご飯の甘味で舌が抱きしめられて来ます。
この甘味たっぷりの魅惑的白米に
山椒雑魚を乗せてご飯にピリリと
刺激を加えて甘味を膨らませて頂きます。
赤だしが濃度の高い赤味噌の風味を漂わせて
ご飯と一緒に手を繋いで来ます。

更に牛の時雨煮の気怠い甘さが
このピカピカの白米にピッタリ寄り添って
ご飯の旨味を増幅します。
時雨煮自身の旨味がお口の中で弾けるだけで
幸せ気分満喫
ご飯のお供としてご一緒すると
ご飯が仲良く時雨煮をお迎えして
お互いに甘味を微笑見合って抱き合います。
このコンビは鉄板な美味さ
ご飯が美味しく過ぎてお代わり必至です。

⑫甘味

❇︎わらび餅
❇︎黒豆のきな粉

練り立てのわらび餅です。
黒豆をすり潰したきな粉で
点々と黒い粒子が見受けられます。
このきな粉には独特のコクみたいなものが
感じられ、純度が高くて美味しい。

本日も最後の甘味まで至れり尽くせりの
お料理を堪能させて頂きました。
次回、鮎の季節がとても楽しみです。

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  • 新ばし 星野 - まだ早めの筍と生ワカメが春を告げるお吸い物

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  • 新ばし 星野 - 錦糸玉子の色鮮やかな絨毯にプリプリの海老
      お雛様の晴れやかな装いをイメージしたとの事

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  • 新ばし 星野 - お醤油ベースのタレと半ナマに焼かれた河豚の身
      焼き加減が絶妙な慈の味わいを運んで来る

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      味わいに驚く
      骨までしゃぶり尽くしたい

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      お酒の無垢な甘味がとても穏やかに舞う

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      里芋の根っこを前日よりお水で浸して
      柔らか味を調えるのにコトコト煮込んで
      穏やかな丸みを葛で纏います。
      無味なものを昇華させて不思議な食感と味覚のお料理に

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  • 新ばし 星野 - 苦味を温和に包む衣の優しさが蕗の薹を纏う

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  • 新ばし 星野 - ブリブリに粋のいい赤貝と明石の鯛
      生命力を感じる活きの良さ
      鯛の弾力感が生き生きして歯を反発させる
      気持ちいィ鮮度の高い食感。

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  • 新ばし 星野 - 蛤の出汁から生まれるうま味が生地の慈を深めていく
      飲み干した時の儚さが虚ろに舌へ余韻を残す

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  • 新ばし 星野 - 紅瞳の脂のジューシーさ
      皮目が鰻みたいに甘くて美味しい
      お焦げのキツネ色の部分が脂のって甘味を膨らませる
      皮目とふっくらな白身の共演が舌を唸らせる

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  • 新ばし 星野 - 春の走りに寄り添う春の子
      春日神社に因んで由来とも
      春日和に相応しい鯛とも言われる春小
      かすごの身は小さくても鯛そのもの。

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      硬さ
      浸水度
      甘味
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      どれも素晴らしいが
      それらのエレメントが調和している所が凄い
      何という清々しい味覚

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miti4134

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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
新ばし 星野
受賞・選出歴
2024年Gold受賞店

The Tabelog Award 2024 Gold 受賞店

2023年Gold受賞店

The Tabelog Award 2023 Gold 受賞店

2022年Gold受賞店

The Tabelog Award 2022 Gold 受賞店

2021年Gold受賞店

The Tabelog Award 2021 Gold 受賞店

2020年Gold受賞店

The Tabelog Award 2020 Gold 受賞店

2018年Gold受賞店

The Tabelog Award 2018 Gold 受賞店

2017年Gold受賞店

The Tabelog Award 2017 Gold 受賞店

日本料理 百名店 2023 選出店

食べログ 日本料理 TOKYO 百名店 2023 選出店

日本料理 百名店 2021 選出店

食べログ 日本料理 TOKYO 百名店 2021 選出店

ジャンル 日本料理
予約・
お問い合わせ

03-6450-1818

予約可否

完全予約制

2023年分の予約から紹介制となります

住所

東京都港区新橋5-31-3

このお店は「港区西新橋1-18-8」から移転しています。
※移転前の情報は最新のものとは異なります。

移転前の店舗情報を見る

交通手段

御成門駅から415m

営業時間
  • 月・火・水・木・金・土

    • 18:00 - 23:00
  • 日・祝日

    • 定休日
予算(口コミ集計)
¥50,000~¥59,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(JCB、VISA、Master、AMEX、Diners)

席・設備

個室

禁煙・喫煙

全席禁煙

特徴・関連情報

利用シーン

知人・友人と

こんな時によく使われます。

オープン日

2012年2月2日

備考

アメックスが使えます(情報提供元:アメックス)

初投稿者

chika**chika**(1132)

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