カウンターで ’お一人様’ 会席もできますが・・ : 分とく山 ホテルインターコンチネンタル東京ベイ店

何かと評判の分とく山〜☆ インターコンチネンタル東京ベイ
の３Fにあるお店に初めておじゃま致しました。ここは昔〜
なだ万で、よく来た隣のアジアン・テーブルは〜なんといつ
のまにか ’焼き肉トラジ’ になっていました。（浦島太郎です）

先週月曜日の７pm・・店内は私達２名のみ。一度お泊り客
の外国人ご夫婦が廊下までいらっしゃいましたが、メニュー
を確認された後すぐに出て行かれ〜その後 ’おひとり様’ が
カウンターへ。高級和食店にカウンターがあると〜こういう
使い勝手があるのネッ！と感心していましたら・・３０分後
にお連れ様到着、カップルでのカウンター席ご利用でござい
ました。先程帰られた外国人ご夫婦は１Fのラ・プロヴァン
ス（ファイン・ダイニング）か、カジュアルなブルーベラン
ダに行かれたのでしょうか？

私達は山茶花の頃の御献立から小会席の伴月と会席御山を
いただくことに致しました。

☆伴月の御献立☆
先附　　錦秋寄せ（雲丹・木耳・豆腐・人参のゼリー寄せ）
椀　　　かます菊花椀
お造り　旬の寒鰤
祝肴　　銀杏新引揚・鱧子寄せ・穴子絹田巻き・筋子もみじ・
　　　　赤芽田楽・白ばい吹田揚げ
強肴　　桜海老と栗麩
食事　　津軽御飯（生ハム・林檎）香の物・留椀
甘味　　胡桃羹（柚子のジュレ載せ）

☆会席御山の御献立☆
先附　　蓮根茶巾（着せ錦金時）
凌ぎ　　寒鰤味噌漬
椀　　　栗摺流し（胡桃豆腐・栗毬揚）
お造り　旬の鯛　　　
中皿　　聖護院大根がなくて柿に入った山かけ
進肴　　鮑磯焼き（岩海苔載せ）
組肴　　貝菊花揚げ・鱧子寄せ・穴子田巻き・筋子もみじ・
　　　　赤芽田楽・白ばい吹田揚げ
強肴　　亥の子蒸（羽田・赤座・海胆・海老芋・栗麩・銀杏・
　　　　雑穀あん・本山葵）
食事　　津軽御飯（生ハム・林檎）香の物・留椀
甘味　　栗大福（巨峰うすみつジュレ掛け）

伴月のコースが￥８４００、御山コースは￥１２６００です。

特筆すべきは御山の寒鰤味噌漬け！！これは絶品でした〜♬
寒鰤がお餅の中に包まれているのです！！お餅が焦げた感じ、
柔らかいお餅がなんとも優しく寒鰤を包み、お米の美味しさ
と薫りが際立っていて〜♬ これぞ ’一品’ でございました。

先附けの蓮根茶巾は甘過ぎ。お酢がキンキンしていて完成度
はイマイチでしたし、中皿の聖護院大根がとっても楽しみで
したのに出てきたのは柿に入った山かけ・・どうして聖護院
大根でないのかしら、と質問するまで本日はお品書きと違う
お献立になっております、という説明はありませんでした。

若いお嬢さんでしたので〜それ以上質問も致しませんでした
が、本来はお献立を選んだ時点で説明がなされるべきではな
いかと思いました。またお飲物に関しても説明が不十分であ
ったと思います。たまたま獺祭のスパークリングがあって〜
９月に横浜の宵山むらさきでいただいた獺祭が素晴らしかっ
たので！いただいてみたかったのですが、スパークリングと
いうところに一抹の不安があり、お食事のコースのお供でも
大丈夫かしら？と伺ってみましたら・・大丈夫だと思います、
というお返事でした。

ワインであればソムリエ不在でも選べますが、私は日本酒は
不勉強でして〜大丈夫だと思います、ではなくて、どなたか
然るべき方に ’どのように大丈夫なのか’ 教えていただきたか
ったと思いました。そして、やはり・・獺祭のスパークリン
グは（私にとって）あくまでもアペリティフで愉しむお酒で
〜繊細な和食のコースには重くて甘過ぎました。

また驚いたことに！コースの最後まで！！チェックの時もマ
ネージャーのような方は一度も出ていらっしゃいませんでし
た。お味の方はいかがでございましたでしょうか？という当
たり前とも思えるご挨拶も一切なし・・最初から最後まで！
私達が会話をしたのは〜お料理を運んでくる若いウエイトレ
スのお嬢さんだけでした。分とく山ほどのお店であれば〜も
う少し！きちんとしたサービスがあって当然ではないか、と
感じましたので〜 ’接待’ にはチェックを入れませんでした。

寒鰤味噌漬け以外で印象に残ったものとして〜☆ お醤油では
なく、鯛の皮を醤油漬けにしたものでいただく鯛のお造りと
鮑の磯焼きが挙げられます。鯛の皮というアイディア〜♬　
磯焼きの岩海苔はふわふわで、斬新なビジュアル〜♬ 鮑の
肝を出汁で延ばしたソースは〜肝の苦みが出過ぎず、味わい
深く、非常になめらかで完成度の高い、とても素敵な一品に
仕上がっていたと思います。

穴子の絹田巻きというのは大根の桂剥きで穴子を巻いたもの
でこれも素晴らしかった・・ただ、津軽御飯が・・生ハムと
リンゴという組み合わせ〜ローストポークとアップルソース
のように〜♬ 豚と林檎は相性抜群ですが、和のコースの後
でインパクトのない生ハムの油っぽさとリンゴの甘い汁気が
残る土鍋ご飯はいかがなものか・・・少なくとも、私達は違
和感を覚えました。お焦げは美味しかった！！でも、お焦げ
の部分は〜ほんの少しですから！土鍋には半分以上ご飯が残
ってしまい・・ごめんなさい。でも、残ったご飯は大きなお
にぎりになって〜☆ チェックの時に厨房から出て来ました。

和食の命でもある器、彩り、紅葉や稲穂を揚げたものをあし
らうなど・・プレゼンは最高で、和食は丸の美学でもあると
感じた今日の夕食でしたが、厳選されていないヒーリング・
ミュージックも中途半端で・・やはり総合点で行くと低めに
ならざるを得ませんでした。６名用と１４名用の個室がある
とのお話でしたが、晴れの席でのお会席ではなく、今日の私
達のように近くにいたからお寄りしてみようか、というお食
事の仕方には向かなかったのかもしれません。窓からの眺め
も上の階にあるバンケット・ルームから見えるレインボーブ
リッジのある夜景が余りにも素晴らしいので窓際のオーシャ
ンビュー・テーブルも今ひとつ、樹脂で出来た氷のオブジェ
も〜何か唐突な感じでございました。


でも、今日は私達の他はカウンターひと組だけの静かな夜で
したので〜数々の季節感溢れる手の込んだお料理をいただき
ながら〜料理長と静かに季節の会話をしているような気分に
なれました。カウンターでは板前さんがひとり〜カップルに
お料理を出していらして〜そうね！今日は忙しくなかったし、
カウンターであれば〜いろいろ質問もできて、分とく山の和
食の世界をよりディープに愉しむことができたのかもしれな
い・・こういうお店に鮨でですけの親爺さんと来たら和食の
職人が和食の凝ったお店で食事をしたら〜どんなコメントが
聞かれるのでしょうか・・ぜひ一度！伺ってみたいものです。