やしま　飲ましや : やしま

西葛西住民の数名が誇るメトロセンターに古くからある「やしま」さん。
西葛西唯一の立ち蕎麦屋さんだ。

給料前である。
とても疲れていてオーケーまで買い物に行くのが大儀。

でも私にはとっておきの奥の手があるのさ。
やしまさんの春菊天とかき揚げを買って行こう。
どちらも140円。
10年の間に100円から40円値上がりしたが、仕方ないことだろう。

私は春菊天、夫はかき揚げが好き。
これでビンボー丼にする。

冷蔵庫にあったお豆腐で奴。
蕪と葱のお味噌汁。
糠漬け。
野菜の煮物など作り置きの数品で、さあ飲もう。
そう、給料前でもアルコールは飲むのである。

ご飯をうんと少なく盛って春菊天をのせ、自宅の蕎麦汁をたっぷりとかける。
夫にはご飯をたっぷりのかき揚げ天丼。

いいぞ、「やしまさんの春菊天」のビンボー丼。
毎月給料前には非常に助かっている我が家であった。

この街に住んで以来、いったいどれくらいお世話になっているだろう。
立ち蕎麦で、そしてかき揚げだけを買って帰って、家のごはんで作る給料日前の貧乏丼。

こちらのかき揚げもよいが、春菊天が大好きだ。
器から大きくはみだす春菊天をくずし、お汁に沈めながら頂く時の小さな幸せ。

コロナ禍で3月半ばくらいからしばらくの間閉店していたが、今は元気に営業中。
忙しい通勤途中のお客や、地元の人に愛されているお店、やしまさん。
いつまでも頑張って営業してほしいものである。

一方、近くに出来たさぬきうどんのお店が最近ずっと閉めたまま。
コロナが落とし続ける陰は、まだまだ続く。

西葛西住民の数名が誇るメトロセンターの一角。
古くからある西葛西唯一の立ち蕎麦やしま。

お店の横を通るたび、桜もりそばのポスターが気になっていた。
休日のお昼、伺ってみる。

ゆであがりまで2分かかりますと説明があった。

届いたお蕎麦は写真ではわかりにくいが、透明感のあるほんのり桜色。
お蕎麦には桜の葉が入れられているようだ。

ふわりと桜餅のような香り、しっかりした歯ごたえがあるお蕎麦はほんのり甘い。

この時季だけという桜もりそば。
ご興味のある近隣の方はチャンスが作れたらぜひ。

…まだこの週末も花はもちそうな寒さである。

アド街でまた西葛西がとりあげられると仮定して、上位になることが間違いないだろうと思えるお店はなんと言っても「やしま」だろう。
西葛西住民が誇る「メトロセンター」にある立ち食いそばのお店だ。

西葛西駅周辺には立ち食い蕎麦のお店はこちらのみ。
チェーン店ではない、地元の唯一無二の立ち食い蕎麦のお店なのである。

ここのかき揚げや春菊天（130円）はかなり大きめでしっかり嵩がある。
単品で持ち帰りもできるので、何度も書いているが給料前の我が家ではごはんにのせて貧乏天丼になる。

朝早くから20時半くらいの閉店まで1日中、お客で立ち席はいつも一杯だ。

この日はランチタイムだけのサービスという「あさり丼」350円をいただいてみることにした。
丼に盛られたごはんに甘辛く煮たあさりがたっぷり、しば漬けが少々乗っていわゆる深川丼のようなものだ。
蕎麦汁に葱とわかめの入った椀がつく。

さてひとくちいただいてみると、あさり丼は、ごはんと浅利の間にキャベツの千切りが少々入っており、これがなんとも不思議なのだがいい塩梅だった。
浅利はそこそこ大ぶりでご飯のすすむ味付けである。

椀はもう少し蕎麦汁を薄めてくれるといいのだが、まんま蕎麦汁なので若干しょっぱいめ。

それでも350円だとするととてもお得で満足感のある丼だ。

あさりを使ったお蕎麦もあるがそれは少々お高め。
ランチにはこのお得な「あさり丼」おすすめである。

って言ってもほかの四軒がどこのお店かと思い浮かぶわけでないのだが、
自分の中ではこの21年、食べ続けてきた味であり、かなりよいレベルの立ち食い蕎麦だと思っている。

21時ちょうど、お店の前を通ったら券売機に、
かけそばだけ買ってください、天ぷらサービスですと、紙に書いて貼ってある。

もう閉店時間、天ぷらを余らすことなく終了するためのサービスで、たまたまその時間に前を通った人のみが受けられる恩恵であった。

このタイミングに出くわしたのは二度目。
ありがたく券売機でかけそば270円をポチ。

こちらのかき揚げはとても分厚くて食べ応えがある。

すぐに渡されるかき揚げ蕎麦。
七味をかけていただきます。
熱々の出汁。
葱もしゃっきりしている。
お蕎麦だって悪くない、回転がよいからほぼいつも茹でたてをいただける。
あー、美味しい。


はい。
飲んだ後の〆蕎麦やってしまったわけでした…
まだ早い時間だからいいよね？
それに蕎麦だしね？
ラーメンじゃないんだしね？
しかし、かけそばじゃなくてボリュームたっぷりのかき揚げ蕎麦だったんだ。

でも美味しいから後悔しないよ、と公開しておこう。

2013年4月


しばらく高架下の補強工事のため閉まってしまうと聞いて、やってきた。

寂しいな…
とても便利な立ち蕎麦「やしま」

券売機で、いつもの春菊天蕎麦のボタンを押し、おじさんに券を渡す。
分厚いのだが、からっと揚がった丸い春菊天、
立ちのぼる、やしまの汁の香り。
少しざらっとした感じの蕎麦。

汁多めね、とか、ねぎ多めでとか、わかめ抜いてとか、
お客のいろんな注文にこたえてくれる。


私がこの街に越してきた十数年前には、
やしまはすでにここにあった。

分厚いかき揚げも春菊天も100円。
お金がないとき、急いでいるとき、
かき揚げをそのままビニール袋に入れてくださいとお願いして、
何度も買って帰ったものだ。

しばらくの間、それも出来ない。

この駅を利用する多くの人、
そしてこの街の人たちに愛されているやしま。


新しくなって戻ってくるのを、
街の人たちと一緒に、心から待っている…


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2012年4月


券売機で買った券を渡すのが先か、
私の顔を認めるのが先か、
おじさんが「まいどっ！」と言ってくれる。

カウンターの客の間に身体をねじ込んで立席をつくらせてもらう。
すぐに毎度の春菊天蕎麦が渡される。
器から盛り上がった厚くて大きな春菊天。

たくさん七味を振り入れる。
啜ると油を含んだ汁がはねるから、
春菊をひたしながらがしがしと食べる。

毎度まいどの毎度味。
もうすでに自分の中になじんだ味。
美味しいとか、まずいを超越した何かを脳に感じさせる味。

少ししょっぱいかもしれない。
天ぷら物はもう私、控えたほうがいいかもしれない。

・・・そんなことはおいといて、一気に食べ終える。


おかずを作るのが面倒な時は、
券売機でかき揚げ（１００円）を買って帰り、
家でごはんの上に温めてのっけて市販の濃縮蕎麦汁を掛け、
かき揚げ丼にしてみたり。
チープだけど、簡単だしそこそこ美味しい。

ホント、まいどお世話になってます・・・