区民じゃないけどありがとうさようなら : 江東下町食堂

区民の憩いの地、区役所食堂が閉まるってよ。そんな噂を聞いたとある日の朝。しかもそれがまさかの閉店当日だったっていうんですから、これも何かのご縁と最終訪問を決意いたします。

幸いにも11時半前に諸事情で区役所周辺に出没できました故、そのままの流れで寄らせていただきませう。
あら、最終日の割には存外空いているような。でも入り口に閉店のお知らせが。残念ながら昨今トレンドのガセネタではなかったんですね。

しんみりした気持ちを抱きつつも、同時に未だ巡り会えていなかったカレーライス氏との最初で最後な逢瀬への喜びと切なみも入り混じり。折角ですからちょっぴり奮発して食券機のカツカレーライス［450円］のボタンをポチッとな。

食券提出時に厨房のマダム達から「長い間お世話になりました」とお声がけいただき、ますます感きわまる気持ちが込み上げ上げ。いや、逆に二回しか利用してなくてすいませんでした。

しておよそ1〜2分でコールされたカツカレーライス。ノーマルなカレーライス［350円］に即ち100円分のカツがトッピングされているだけあって、大変に豪華。薄型成型肉のカツなんて久々に食べれたぜ！
何だかちょっぴりくさすような言い方になってしまって恐縮ですが、実のところの本心としてはこのカツでいい、むしろこのカツだからいい的な変な充足感に満ちていまして。それにほんのりあたたかみの残ったカツは、カリカリの衣が心地良く。

カレー部分についてもオーソドックスな食堂カレーかと思いきや、存外辛味成分もありーの、具材の旨味や甘味も感じられーので正直十分以上のクオリティ。ライスはやや少なめではあれど、450円でこれだけのカツカレーが食べられるのであれば文句などございません。

ラストの福神漬けをポリポリ感傷に浸っていましたら、いつのまにか後から後からお客さんの入店ラッシュ。そりゃそうか。12時にもなれば、役所の職員さんも周辺の方々もどんどん昼休みに入られるわけで。皆さん思い思いに当食堂最後の日を味わっていらっしゃるご様子でした。

ちなみにこの後の空き時間に、元々持って来ていたお弁当におきましてもしっかり完食した当方。それでも後悔など微塵もなし。
これで今際の瞬間に「あの時区役所食堂のカレーを食べるべきだった…」なんて悔やまずにも済みます。

心よりありがとう、ありがとう。そしてさようなら。

江東区ランチ徘徊物語 その3

江東区と縁近い生活を送るようになってからぼちぼち一年が経過しようとしています。

その間江東区役所に出向く機会も割と多かったのですが、役所内にある当食堂を利用するのは地味に今回が初めてだったり。

にしても官公庁等々に併設された飲食店って何とも言えない魅力があるような。勿論価格設定も良心的ですし、存外ユニークなメニューもありますし、多様な客層にヒューマンウォッチングも捗りますししし。その筋の某著名なお方を倣って、今後当方も訪店記を付けていこうかしら。

閑話休題。

すし詰め状態のエレベーターを上がっていきますと、8Fのナイスビューを楽しめる江東下町食堂が。入り口手前には売店も設けられておりまして、休憩スペースも充実。正に区民の憩いの場であります。
んでもって何よりありがたいのは8時半〜17時迄の通し営業である点。朝食にもカフェ利用にも対応したオールラウンダーとはお見それいたしました。

この日は15時過ぎと遅めの訪店であったためか食堂内はガラガラ。でも残念ながら食券機の残りの商品はスカスカなんだなあ。日中の人気の程がうかがえます。当方が狙っていたカレーも敢え無く売り切れの残念無念。（なのにカツカレーの欄には×が付いていないモヤモヤポイント。試しに押してみましたが、やはり無反応でした。

しゃーない、そしたらラーメン［330円］にいたしましょう。ぶっちゃけ吉左右からの連食になるので避けたかった選択肢ではありますけども。

ということで何故か発券時刻と現在時刻が10分以上ズレている食券を麺コーナーのマダム（優しい）に提出いたします。

しっかり生麺を茹でているご様子でして、約4分程でのコール。
小さめ焼豚にナルト、ワカメ、ネギの布陣。メンマがないのは寂しけれど、いわゆる正しき食堂ラーメンと呼べるビジュアルでしょう。
麺は中細ちぢれのツルツルもっちり系で悪くなし。典型的な化調やや強めのスープとも良く合っています。昔ながらのパッサリ系焼豚も嫌いではありません。ネギが多めなのも嬉しく。
総じてのボリュームもお値段から考えれば十分過ぎるぐらい。いや、連食だからとかではなく。
ただ塩分がけっこう高めなのはご愛嬌。スープ半残しフィニッシュをおすすめいたします。

後はコショーが配膳場にしか設置されていないため、途中からの味変がちょい困難。物怖じせず取りに行く強い心を持ちませう。

そういえば他の方が発注されたお蕎麦も割と時間がかかってたので、きっと生麺を使用されているんじゃないかな。思った以上に意識の高い食堂なのやもしれません。濃厚魚介つけ麺なんて意外なお品もございましたよ。

全然関係ないけど諸事情で生活保護課を訪ねた折、「お酒を飲まれている方の相談はお受けできません」との貼り紙を発見。流石は江東区、意識が高いぜ。