翼をひろげ鎌倉へ : 東京チャイニーズ 一凛

半年振りに夜三名で訪問しました。ぐうたらなおっさんには人気が出過ぎてハードルの高いお店になってしまいましたが、週初めだった為かこの日は当日予約が可能でありました。頂いたのは「おまかせ7000円コース」（外税）であります。以前よりコースの種類が増えて少ーし値上がりしたようですが、それでも十分納得のCPであります。内容は以下の通りです。

「ボタン海老の紹興酒漬け」　○・・・プリッとした子持ちボタン海老に、山椒が効いたようなキリッとした紹興酒ダレが絡まる。蕩けるような味わいだが、冬場の上海蟹だったら尚更美味であろう事は想像に難くない。
「よだれ鶏」　◎・・・相変わらず安定というか都会的な美味である。ナッツ類の香ばしさがそう感じさせる所以かもしれない。そして上の白レバーパテがふくよかさを演出する重要な脇役と言える。
「やりいかと中国セロリの炒め　青ネギと青山椒のソース」　○・・・歯切れの良いヤリイカの甘味を引き出す香味野菜達、そしてソースは塩加減が絶妙で上品な一皿。
「牛タンのソテー　黒胡椒ソース」　◎・・・これが今回の白眉である。表面はサクサク仕上がり中はホロホロと口の中で崩れ落ちる食感。黒胡椒が強過ぎないソースは牛の脂の旨みを存分に引き出す。
「黒酢のカツサンド / 大根餅」　○△/○・・・大根餅の中身はトロトロで、干し海老の香りや金華ハムの旨みが加わり単なる大根餅を別次元のステージへ昇華させている。
「台湾A菜の腐乳炒め」 ○・・・野菜の苦味が腐乳によりまろやかに仕上がる。
～追加～「白い麻婆豆腐」（1700円）○・・・豆腐の塩煮込みの上から麻辣ソースを注いだ様な二層構造の料理。これはなるほどというか「ふーん」と感じる。他の料理の洗練度合いに比べると普通に美味しいという一品である。
「白子入り麻婆豆腐 / 御飯」　◎/○・・・よだれ鶏と並ぶ看板商品。白子と麻婆、考えてみればなるほど相性は悪いはずがありませんね。こちらの刺激軽やかな味わいだからこそ白子が生きる傑作といえる。
「杏仁豆腐」 ○・・・フルフルで牛乳が勝ったタイプ。
これに「生ビール（プレモル）」（750円×3）「紹興酒利き酒セット」（1100円×3）「ボトル紹興酒（コンイージー）」（4200円）「グラス紹興酒」（800円×3）を3名で嗜み、ひとり1.2万円ちょい。

今までで一番奥深い料理群でありました。コースのメリハリ、洗練さ、食感と香り、出過ぎない調味料、軽やかな油、どれをとっても洗練というキーワードが想起されます。という事で評価を上方修正致します。

接客も素晴らしく、皆さんがよどみない料理説明や笑顔の応対、それでいてサクサクした身のこなしと目配りの良さ。CPを考慮すれば本場の味とは言えないものの最強の四川料理店という印象であります。後半はシェフがテーブルに来て下さりしばしの歓談。近いうちに（4月13日予定）鎌倉に二号店として”イチリン ハナレ”をオープンさせるとの旨のアナウンスも頂戴しました。シェフは4月以降しばらく鎌倉に軸足を置くそうです。

ぐうたら親父には遠くておいそれとは伺えませんので、マイレビュアー様に鎌倉レビューを託します。どうぞよろしく御贔屓に（笑）
ごちそうさまでした♪

GW後半の土曜夜に表から覗くと少し空きがあるようでしたのでフリーのおひとりさま突入です（写真は最初の3枚）。2人用テーブル席に案内され、アラカルトメニューから以下を注文しました。

「よだれ鶏　ハーフ」（800円 税抜）◎・・・鉄板を通り越してチタン板（笑）。前回同様で素晴らしく美味。恐らく後味の酸味が後引きの要因なのかもしれない。
「台湾産 水蓮菜の炒め　ハーフ」（950円）〇・・・なが～い野菜。ニラのような浅葱のような・・・。しかし味や香りに癖がなく、麺のような食感を楽しむ料理である。甘さを控えたソースがまた軽やかで旨いのである。メニューにはビタミン豊富と謳ってありヘルシーな一皿でもある。
「三陸産 牡蠣の炒め　ハーフ」（900円）◎・・・外がカリッと揚がった様な強火で一気に炒めた牡蠣は醤油と砂糖と紹興酒（かな？）のバランスが素晴らしい味の落としどころ。時期的に微妙な牡蠣ではあるが調理の勝負の一品である。付け合せの万願寺唐辛子が良い箸休めになる。
「焼き飯」（1100円）〇△・・・蟹を多く使用しており高級感のある味わい。パラパラに仕上がった飯は良いが単体では物足りないと感じるのは舌がケミカル仕様になっているからかも（笑）
これに「白州ハイボール」（750円×2）「紹興酒（女児紅5年）」（630円）「グラス赤ワイン（ローヌ）」（880円）を合わせ7300円なり。味と満腹度と接客と活気を堪能でき、とてもリーズナブルに感じる。パートナーの居ない寂しさはこの際”気楽♪”と考える事に（笑）

メニューとにらめっこしていると「色々食べたい感じですか？でしたらメニューには書いてないですがハーフもできますからどうぞ♪」と有難いアナウンス。しかもレギュラー価格の半分というのも良心的でありますね。この他でもホールの店員さんは皆目配りがきっちりできており、素晴らしいと感じた次第であります。

味に関して今回感じたことは、油が軽やかな事と火入れが上手な事と調味料の控えめな使い方で、トータルとして丁度良い塩分と素材を引き立たせる仕上がりに思えました。まだ若い御主人（40代前半か）は赤坂四川飯店出身と漏れ聞いておりますが、味付けの違いはあれど、日本人に受け入れられやすいという意味では近いものがあるかもしれません。やはり好きですここ。
ごちそうさまでした♪
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（2015年10月)
築地警察署並びにある四川料理店に当日予約をし夜三名で訪問しました。ガラス張りの路面店は入口左手にオープンキッチンとカウンター、右側と奥にテーブル席で、奥の右側は6人まで入れる半個室タイプの造りであります。カジュアルでモダンなヌーベルシノア、或いは看板に謳ってある様に”東京チャイニーズ”というのが料理やワインの品揃え、そして一人前ずつ取り分けて供されるスタイルにも見て取れます。無論紹興酒も多数あり六角形グラフで好みの物が見つけ易い工夫にもぬかりありません。
初めてでしたので先ずは「本日のおまかせコース」（5000円 外税）を注文しました。御主人らしき方に好みを伝えアラカルトから食べたい物を取り入れてカスタマイズできるというのは有難い限りであります。料理内容は以下の通り。

「宇和島産真鯛”たいちろう君”のカルパッチョ」　〇・・・玉ねぎの黒酢ソースで淡白な鯛の味が広がる如し。
「よだれ鶏 白レバーパテのせ」　◎・・・兵庫の高級地鶏を使用との事。油は多めだが辛さよりも香りの一品。予めパクチーが苦手と申し出た事で代わりに浅葱を振りかけて頂いた様だ。少量なら大丈夫、いや寧ろあった方が良い。上に添えられたレバーパテが一切の臭みなく、肉と合せて頂くと爽やかでマッタリとした旨みが口中を闊歩する。思い出す度よだれ山羊登場（笑）
「ほうれん草の上湯スープ」　△・・・ほうれん草をすりつぶし片栗粉を混ぜた様な状態で上湯スープに投入したのかとろみがある不思議な食感。スープ自体は金華ハムの滋味なコクで美味しい。
「スルメイカの肝ソース炒め イカ墨おじや添え」　△〇
「回鍋肉」　〇・・・3時間煮込んで脂を落としたバラ肉は蕩ける如し。茹でキャベツと別に供する事でお互いの良さを感じさせるのが狙いだろう。
「カニクリーム春巻」　〇
「鱈白子入り麻婆豆腐」　◎・・・季節的にふっくらとまでは言えないが上品な濃厚さがある白子と香るソース。こちらもよだれ鶏と同様に刺激的ではないが奥行きのある上品でスタイリッシュとも言える味わい。葉ニンニク使用で本格派、挽肉も上質だし豆腐の下処理もきっちりされており感服の一皿。
「牛蒡練り込みそば」　△〇・・・きんぴら牛蒡が別添え。上湯スープは上記したが、こちらは塩を強めにしておりまた違った風味に生まれ変わる。
～追加～「黄ニラ入り焼きそば」（1200円）　△
「杏仁豆腐」　〇・・・超ミルキー。

これに「生ビール（プレモル）」（750円×3）「紹興酒利き酒セット」（980円×3）「台湾老酒 10年」（750円×3）「女児紅 10年 ボトル」（4300円）「赤（コートデュローヌ）ボトル」（5000円）を三名で頂き、サービス料無しの一人11000円ちょい。散々飲み食いしてこの価格、CPとしてはかなり高く満足至極であります。

なるほど四川系料理は相当美味であります。全体的にガツンとくる仕上がりではありませんが飽きの来ない、後を引く料理群でコースのメリハリも完璧であります。量的に食いしん坊男性には物足りないとは思いますが、このクオリティと価格とのバランスを鑑みると賞賛に値します。
予約時の電話応対からも期待できましたが、接客は極めて丁寧で素材の産地や料理の説明も分かり易く素晴らしいひと時を享受できました。おひとりさまでも気の置けない仲間とでもカップルでも使い易く、散歩途中の誘惑がひとつ増えた事だけが痛し（笑）
ごちそうさまでした♪