ふっくらクーリ : クーリ

この日は銀座の外れで講習会。
半年に一度ある講習なのだが、ふだんデスクワークだもので外出はとても嬉しい。

どこでランチをいただこうか悩み、目が喜ぶ前菜が嬉しいクーリさんに決定。
講習はほとんど上の空である。


11時半の開店時間にはもう何人もの方が並んでいて、どんどん店内に。
カウンターに席をいただき、チビキのミキュイ牡蠣ネギ醤油ソースをお願いする。

まずはすぐに前菜のサラダが運ばれてきた。

この色とりどりの野菜たち、心が躍る。

最近野菜が高いったらない。
私は青虫のようにふだん野菜を食べているので、家計にひびく。
だったらその分立ち飲みや晩酌を控えろという話だが、それはストレスがたまるので出来ない。


さて、サラダは軽い酸味のドレッシングで、何種類もの葉ものや根菜がふんだんである。
ここで私は「白菜」が使われていることを発見する。

白菜が今葉ものでは一番安いと言っても過言ではない。
レタスやベビーリーフばかりでこの分量だと大変だろう。
お店も色々と仕入れを工夫されているわけなのだ。

野菜の下には五穀米とチキンのソテーも隠れていた。

温かいパンが2切れ運ばれてくる。
そしてメインのチビキ。

多分、初めていただくお魚。
皮目はパリっと中はふっくら。
付け合せのポテトや、グリルされた玉ねぎ、牡蠣を細かく刻んだソースが葱や醤油で少々和の雰囲気である。

美味しいなあ、と思いながらいただいた。

ふと気づくとお隣はかなり大きなお腹を抱えた妊婦さん。
思わず、もうすぐですか？と声をかけてしまう。

はい、二人目なんです。

もう性別はわかっているのですか？

いえ、上は女の子なんですが、今回は先生に聞くのをよしました。

そう、では楽しみですね、よい子を産んでくださいね。

ありがとうございます。

ほんのちょっとの会話があたたかく、ふくらんだお腹を久しぶりに間近に拝見し楽しい時間を過ごすことができた。
お隣のお客様にも、お店にも感謝をしてごちそうさま。

区役所に仕事で納税証明書を発行してもらいに行く。
昨年は、お受け取りまでに30分ほどお時間いただきます、とのことだったので、
きっと今年も同じだろうと思い、その時間にランチをクーリさんでとろうと思いついた。

申請書を提出しマイナンバーカードだの名刺だのを提示し、1時間後に取りに参りますとご担当者に告げてウキウキとクーリさんへ。
11時25分ほどに到着。
既に2名が並んで待っている。
3番目に並ぶことしばし。

ぽかぽかとした陽気の日で、青空にはふわふわの雲が浮かんでいた。

定刻に扉が開き、急な階段を上って店内へ。

先のお二人客にならって、厨房に向かって「8周年おめでとうございます」とお祝いの言葉を述べる。
つい先日クーリさんは8周年をむかえたところなのをお店のＨＰで拝見していた。

外で待っている間にも店内にはお花屋さんから、お祝いの花が運ばれていたのだった。

カウンターに席をいただく。

パスタランチはホンビノスと蕗、お魚のランチはスズキ、どちらかで悩んだが、スズキを選択。

ほどなく届けられる前菜の盛りだくさんのサラダ。
今日は野菜の下に隠されているものは「わらさ」のお造りだそう。

野菜はみずみずしく、薄味のさわやかなドレッシングをまとっている。
その彩りといい、食感がバラエティに富んでいることも嬉しい。
このサラダは毎日でもいただきたいと思うくらいだ。

底のライスサラダの上のわらさは、周囲が炙られた「たたき」のようなスタイル。
いただいてみるとわらさの生臭みが残っており、これは少々残念。

パンはフォカッチャと、アールグレイ。
ほかほかのフォカッチャはとても美味だ。

メインのスズキは少々ボリュームに欠けたが、ふわりと焼きあがっている。
ソースはタルタルで、茄子のローストが隠れていた。
ローストしたたまねぎも、添えられるポテトチップスのカリカリした歯ごたえもいつも楽しい。

厨房は狭いながらも3名ほどで連携して仕事がなされている。
帰り際、厨房内で一番お若いとみえる方が怒鳴られたりする声があがっているのにはドキドキしたが、
きっと食の業界の厨房には大いにありうることなのだろうと想像した。

その方がここで修行される中で、腕を上げていかれるのを心の中で祈りつつ、お会計をすませ急な階段を下りる。

空は青く高くどこまでも美しい。

雨の日、銀座でちょうどお昼前にその朝の仕事が終わったので、前々から伺いたいと思っていたこちらへ。
例のごとく少し迷ってたどりつく。
やはりレストランである一階のお店にも心惹かれつつ、階段を上がって二階へ。
入り口すぐの待合の席で2名待っておられたが、一人の私は先にカウンターに案内していただいた。

たくさんのワインのボトルに彩られたカウンターには先客3名。
その日のメニューから「京都府さごちのポワレ香タケキノコクリームソース」を選択。
ちょっと見回すとたまたまカウンターの3名とも、さごちを選んでいらした。

奥のテーブル席では、女性のグループがワインと一緒にコースを楽しんでいらっしゃる模様。

しばらくしてまずは前菜のお皿。
色とりどりの野菜に少しずつ鮮やかな色合いのソースがあしらわれ、上にはたっぷり揚げ牛蒡。
まず目が喜ぶお皿である。
揚げ牛蒡がサクサク食感で楽しい。
葉野菜の下にはポテトサラダやチーズをのせローストしたかぼちゃも隠れていた。
ベビーリーフなどはしっかりと水が切られているため、揚げ牛蒡が水気でしんなりすることもない。
お皿の中央のくぼみには、さらに茄子、キノコ、豚肉に五穀米も！
それぞれの素材に味があるため、ドレッシングは淡い味で、お皿を彩るソースを少しまとわせていただくだけでいろいろな味わいを楽しめる。

ただこのお皿のくぼみは小さいめのためか、底が不安定でゴトゴトするのが少し気になった。

メインのさごちは、皮はぱりっと身はふっくらと。
皮ごと焼いたたまねぎも添えられていて、それが甘くとっても美味しい。
付け合わせのかりっとしたポテトチップスとやわらかく蒸し焼きにされたポテトも食感の差が面白い。

ポワレの下にも五穀米が。
これは前菜と重複してしまうため、別の物の方がいい気もするが、
ごはんとお魚と考えればある意味日本的で良いのかもしれなかった。

添えられるパンはバゲットと黒ゴマの丸パン。
きちんとあたためられているのが嬉しい。

ホールの担当さんもきびきびされており感じがよい。
店内のあたたかな雰囲気もよかった。
場所柄、1300円とはお得なランチと言えると思う。

お店の前の雨に濡れた柑橘の木にちょっと見とれて、今度は夜にも伺ってみたいなあと思った。