最終日に有り勝ちな湿った雰囲気は一切なく笑顔 : 岩佐寿し

【2018/10/06】　　 岩佐寿し

　10月6日朝4時過ぎ。
築地場内を訪れる。
本当だったら一週間前の9月29日に訪れるつもりだったのが、台風24号が沖縄まで来ていると言う事で断念した経緯がある。この日は築地市場最後の日。大混雑になる事は誰もが予想出来たが、もっと事態を悪化させたのは、有名店である6号館や8号館にあった寿司屋さんやが前日の10月5日に既に閉店していたからだ。新聞を読んでいる人や築地をWatchしていた人達はご存知だったのかと思うが私などは拍子抜けだったのは否めない。4時の段階で店を開けそうな所は1号館の幾つかと6号、8号の喫茶店位。既に30人を越える列が出来ていた「岩佐寿し」の列に並ぶ事にした。この時には同じ一号館にある「吉野屋　創業店」の前にも列が出来ていた。

　「岩佐寿し」は最近良く訪れるお店の一つ。
何故なら列に並ばなくても、美味しい寿しが食べられたから。
一方の6号館の「寿司大」とか「大和寿司」は開店前から並ばないと入れない状態がここ何年も続いていた。両方共、豊洲にもお店を出すようなのでまぁいいかと言う感じ。

　5時開店で入れたのは6時過ぎ。2時間待ちなら許せる範囲だと思う。
列に並んでいる間に場内を一通り廻ったり、同じ列の団子屋さんで団子を買ったりして結構並ぶ事を楽しんだりしていた。気付いた事は大陸のお客が少ない代わりに旅行客でないヨーロッパ人の人数の多さ。旅行者でないと言う事は東京で務めているヨーロッパ系の人達と言う事だ。みなさん築地にも何度も訪れた事があるなしく、長い列に並ぶ事も厭わない体だった。

　席に付いて頼んだのは、

　　　　　おまかせ　　　　3,900円
　　　　　特上にぎり　　　3,400円

　最初に「岩佐寿し」を訪れた時はまだ2,000円台だった記憶があり、長い間3,000円台の前半の価格だったのが今や4,000円近くになっている。6号館のお店などはとっくに4000円になっている。とは言え、CPについては既に連日の人の列が証明しているような物だ。「岩佐寿し」では貝づくしを良く頂いたが今は季節が違うのでおまかせにしてみた。

　寿しは美味しい。当然かな。
店の人達は最終日に有り勝ちな湿った雰囲気は一切なく笑顔で接客してくれた。
　ネタは子供の頼んだ特上にぎりの方が美味しそうだったし、光物の鯵を私から貰って行ったので、子供は本当に満足そうだった。

　これだと豊洲のお店にも連れて行かされそうだと思う。

　今回場外でいろいろ良さげなお店を見つけた。
市場がなくなってからの場外がどうなって行くかは判らないが、これからは場外のお店にも訪れる事にする事にしよう。

【2015/06/06】　　 岩佐寿し

　築地市場場内。
　実に久しぶりといってもいったい何年来ていないのだろう。
　場内の飲食店にはかつては良く訪れていた。
　たまたま仕事で徹夜した時などはチャンスとばかり朝5時、6時にタクシーで築地まで来て寿司と食べたり、和食を食べたり、洋食を食べたり、揚げ物を食べたり、帰り際に珈琲を飲んだりしていたものだ。
　いつから来なくなったのだろうと考えるとやっぱり徹夜の仕事をしなくなってからだと思う。後はバブルが弾けたからというのもあるかも知れない。だから最近の場内でうろうろしている外国人とかに遭遇した事はなかったし、2時間待ち普通で時に寄って4時間待ちをして寿司を食べると言うのも理解できない事の一つだ。但し夜に厚生会館の1階にある「魚四季」に魚を食べに行くのはその際除く。

　場内にはいつも晴海通りの築地6丁目の方から入って行く。築地4丁目交差点当たりの新大橋通り沿いの場外市場は帰りに行く位で行きは通らない事にしている。波除稲荷神社の鳥居の横を通って1号館かもう少し進んで6号館、8号館に行っていた。今回真っ先に気が付いた事はタ－レが静かで煙を吐いていなくて今では知らぬ間に電動で動いていた事だ。
　どこで食べようと何時ものように1号館の前を抜けて6号館、8号館を廻って見たが、人気の「寿司大」、「八千代」、「大和寿司」、「鮨文」なんかはもうお昼の12時近くなのに凄い列が出来ているではないか。こんな感じだと閉店時間までに入れるのかと思うぐらい混んでいた。だったらと1号館に戻って25年続いていて‘貝づくし’で有名な「岩佐寿し」の前に並ぶ事にした。5，6人しか待っていないから30分も並べば入れるだろうという予想だった。店頭に写真入りのメニュー板が置かれていたが明朗会計でしかも全て英語の解説が付いている物だった。

　20分待ちで席に付く事が出来た。女性一人の訪米人と20歳ぐらいなのにセット食べ終わったのかネタを1種類づつ頼んでいるカウンターに座り込んでいる若者とか東洋人が2組位だったが殆どが二人連れなので席は2人隣り合わせの席が空いて行く。

　席に付いて頼んだのは「おまかせ」。
　メニューにはOMAKASE－SET（chef's recommendations）とある。

　　おまかせ　　　3,900円

　よく来てた時はどの店もおまかせは3,000円位だったので消費税も合せて2,3割高くなっているようだ。
　目の前にバランが1枚置かれ、その上に順に２，３種類づつ寿司が置かれていく。本日は、
　　にぎり
　　　　　赤身、トロ、鮃、鯵、コハダ、
　　　　　イカ、蛍イカ、イクラ軍艦巻き、雲丹軍艦巻き、穴子、
　　　　　海老、赤貝
　　巻物
　　　　　中落ち鉄火巻、胡瓜・紐巻

　以上でにぎり12貫と巻物1本分、それに味噌汁が付く。この内蛍イカが貝が売り切れになったので代りのネタだと言って出された。メニューの写真と較べるとミル貝がなくなったようだ。

　イカは何と言うイカなのかを聞きするのを忘れていたし巻物のネタはちょっと不確かだ。
　何故かと言うと女将さんから築地の移転の話を聞いていたからだ。一応来年の10月まではここで営業してそれからほとんどの場内の店は豊洲に移るのだそうだ。豊洲では場内のお店はビルの中に入るのだそうだがどうなるかの詳細は東京都がまだ教えてくれないと言う事らしい。

　という事なので、来年の春にもう一度‘貝づくし’を食べに来ることが出来そうだ。