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蕎麦の出来は悪く無い
連休初日の土曜日に都心に出掛けた帰り、今にも降り出しそうな天気の中、比較的便の良いこちらに立ち寄る。
時刻は13時半を過ぎたころだが、1階はほぼ満席。
'お2階へどうぞ'の声に久々に右手の階段で上るが、こちらには客は疎らで、かえってゆっくり出来そうなのは有り難い。
2階は若い女性スタッフが、一人で仕切っている。
手前の方のテーブル席の一角を選ぶ。
まずは生ビール(サントリープレミアムモルツ)をもらい、一息つく。
肴には季節ものから次の2品を注文。
「揚げ茄子ポン酢」:4つ割にした水茄子とオクラ・しし唐を素揚げしたものに、ポン酢醤油を回し掛け、糸がき鰹と紅葉おろしが添えられている。
水茄子ならではの食感と味が楽しめて、量もたっぷり。
「干鱧」:物珍しさから頼んでみたが、こちらはちょっと残念な代物。
自家製ではなく築地で仕入れてきたと思われる一尾分をカットして、炙ったように見受ける。
鱧にしては身が薄いうえに、'一夜干し'と付されている割にはふっくら感は無く、縁も焦げていてかなり硬い。
塩気も強めで、酢橘を絞ってみても鱧の良さや旨味はほとんど感じられない。
酒に追加した「澤屋まつもと」を少量たらして、柔らかくしようと試みたがはかばかしくは無かった。
800円という値段から、期待した方が悪かったのかも知れないが、この店にしては珍しくハズレの肴であった。
蕎麦はどうしようかと思い壁の掲示を見ると、今月の変わり蕎麦は「青柚子」とのこと。
少し心は動いたが、珍しいものでは無くあまりそそられない。
そこで方向を変えて、江戸前伝統の種物で蕎麦屋の技が表れる、温蕎麦の「おかめ」にしてみる。
運ばれた丼鉢の光景は「おかめ」にしては特異なスタイル。
まず目に入るのは大きな輪切りのレンコンで、それに鴨つくねと思われるつみれも入っている。
以前の写真を見るとレンコンの代わりにタケノコが入っており、新蓮根が出回るこの時期ならではの仕様のようだ。
実際に食べてみると歯触りが心地良く、案外違和感は無かった。
他の具材は定法通りの2枚の蒲鉾や、自家製の玉子焼きに結び湯葉など。
さらに定番の冬菇椎茸の煮加減に、老舗の仕事が感じられた。
台となっている`二八'の蕎麦は、適度な茹で加減が好ましい。
つゆも藪や砂場系ほどの奥行は無いが適度なコクはあり、余さず飲み干せる加減は嬉しい。
今回は肴の出来や「おかめ」の具材で予想外の部分も見られたが、基本の蕎麦の安定感は相変わらず。
帰り際にご主人に色々と話を伺おうと思ったが、忙しそうだったので断念。
築地には同じ更科系の「布恒の支店」が在るが、蕎麦やつゆの出来については、こちらのほうがオーソドックス。
他にもこの近辺には「文化人」「成富」「流石」「湯津上屋」「naru」といった、実に個性的な処がそろっているが、こちらも決して存在感は失っていないと見る。
こちらは店名から、何やら「信州そば」の店のように思われがちだが、その昔は神楽坂に在り、れっきとした江戸3大流派の更科系の歴史ある店。
戦後復活に際して屋号をこのように変えたが、かつての「布善更科」('布'が付くことが格の高い証)と名乗った方が良いような気がする。
季節の種物で、江戸前伝統の粋を楽しむ
昼に都心に出向く用事が有り、その帰りに遅めの昼食に久しぶりに立ち寄る。
こちらは中休みなしの通し営業なので、ゆっくり出来る。
時刻は2時過ぎで、さすがに混んではいなかったが、ポツリポツリと客足に途切れが無い。
まずは「菊正の樽酒」を枡でもらう。
肴には「鳥わさ」を注文。
さっと湯引きした笹身のそぎ切りと三つ葉を山葵醤油で合え、刻み海苔を散らした小粋な仕事。
出来はなかなか良く、暫し寛いだ時間が流れる。
さて蕎麦は何にしよう。
実は密かに「変わり蕎麦」に「桜切り」が始まっているのではないかと期待していたのだが、この日はまだ「よもぎ切り」とのこと。
こちらも決して悪くは無いが、今回はこの時期ならではの種物に心が動く。
その中でも「蛤そば」「鯛そば」も気になるが、ここは「白魚そば」を選択。
春の到来を告げる「白魚」のその儚げな味わいは、昔から江戸っ子に珍重され、それを温蕎麦に仕立てる手法は江戸前蕎麦屋の技のひとつ。
運ばれた丼の景色は、定法通りに海苔が一枚敷かれた上に、さっと火を通した10尾ほどの白魚が整然と横たわり、添え物は三つ葉。
こちらは店名から、一番粉で打った真っ白い「さらしな」だけを出している蕎麦屋だと思われる向きもあるようだが、基本の蕎麦は全て品書きに'手打そば'と記された「二八」。
「天もり」始め、温蕎麦などの種物には、当然ながら「二八」が台となっており、今回の蕎麦も熱い掛けつゆの中で、適度な食感は保たれていた。
つゆの加減は、やや甘めの「更科系」の特色を出しているが、しつこい甘さでは無く、出汁が上品に香る。
濃さは「藪系」や「砂場系」ほど濃くないので、「湯桶」は添えられないが、そのまま余さず飲み干した。
今回もなかなかの満足感である。
改めてこちらの仕事には、江戸前の伝統がきちんと受け継がれていることを確認した。
(新規に5枚の写真を追加掲載)
≪2013年2月のレビュー≫
私にとっての「鴨南ばん」の基本は「並木藪」なのだが、江戸前の老舗系の蕎麦屋ではどこでも冬場は、この伝統の種物に力を入れていることは言うまでも無い。
こちらで「鴨南ばん」を味わったのは、30年近く前のこと。
「並木」ほどの濃密さは無いものの、たっぷりとした美味さが舌の記憶に残っている。
久しぶりにあの味を試したくて、新富町での用事を早めに済ませ、昼の口開け直後に暖簾をくぐる。
まだ閑散としている店内の一番奥の席を選ぶ。
ゆっくりするつもりは無いので、肴は頼まず熱燗を1本だけ。銘柄は新潟の「鶴の友」。
注文は‘今月の変わり蕎麦’の「金柑切り」の文字も気になったが、初志貫徹で「鴨南ばん」。
すぐに奥から鴨肉を油で炒める、じゅうじゅうと言う音が聞こえて来る。
運ばれてきた丼は、厚めの抱き身4切れ、つくね1個、短冊切りの白葱、あしらいに三つ葉と柚子という景色。
まず蓮華で「つゆ」を一口。
脂は強くないが旨味は十分。
鴨肉もつくねも適度な歯応えで、実に美味い。
蕎麦はやや太めに打たれているため、熱いかけつゆの中でも食感は失われていない。
燗酒との相性も良く、具を摘まんでは一口、蕎麦を啜っては一口と、猪口を運ぶ。
口福感に満たされ、一気に平らげてしまった。
具と蕎麦とつゆが一体となった、変わらぬ仕事振りを確認。
やや値は張るが、それだけのことはある。
≪2011年7月のレビュー≫
昼にこの近くで用事があるので、早めの食事を摂ろうと久しぶりに立ち寄った。
開店直後ならゆっくり出来るだろうと11時半前に入店。
品書きに目を通すと、相変わらず一杯やるには好適な肴が数多く並んでいる。
江戸前の蕎麦屋の中でも、更科系は殊のほか肴の品揃えが充実しているのが特徴。
‘昼でも何でもご用意出来ますよ’という花番の言葉に、瓶ビールと「あさりのぬた」を注文。
浅蜊とわけ葱、わかめを濃いめの「ぬたみそ」で和えた、江戸前ならではの味付けが心地良い。
蕎麦は季節ものから「冷やし水茄子のそば」を選ぶ。
素揚げの泉州水茄子が乗った「冷やかけ」とのことで、てっきり茄子は外は香ばしくとも中はとろりと思っていたが、出て来たものは意外。
揚げ具合はさっと油をくぐらせた程度で歯応えがしっかり残っており、水茄子の特性と旨味を生かした調理法に感心する。
蓴菜も散らされており、蕎麦の食感も薄めの「つゆ」の加減も丁度良い。
この夏は何処の蕎麦屋でも独自のスタイルの「冷やかけ」の開発に余念がないようだが、こちらの創意もなかなか面白く、出来栄えも印象に残る一品となった。
≪2010年5月のレビュー≫
現在の店構えは普通の蕎麦屋だが、「更科」系としては出自のはっきりとしている一軒。
「麻布永坂更科」(現在の「総本家堀井」)より、明治の末に暖簾分けした老舗で、当初の屋号は「布屋善次郎」。
戦時中に途絶えていた暖簾を、昭和42年に復活した際に現在の店名になったが、今でも朱塗りの「蒸篭」の側面に「布善」を記しているところに、格の高さが窺える。
「里会」という、ここで修業して独立した10軒ほどのグループの総帥でもある。
7年前、現在の新大橋通りに面した場所に移転した。以前はここから程近い、キャピタルホテル本館の裏手の殺風景な地下店舗だった。
私がこの店に通い始めたのは25年ほど前で、当時の数寄屋風の佇まいは、実に趣があった。そのころを知っている者には、今の店舗はややせせこましい。
2年ぶりに訪問した。
かねてより酒を楽しませる料理の品揃えはなかなかで、味にも盛り付けにも江戸前の粋を感じさせるもの。「鳥わさ」「穴子の白焼き」などが印象に残る。
各種の「天種」も固めの揚げ切りで、「塩」よりも「天つゆ」で食するに適した、蕎麦屋伝統の手法で美味い。
今回「蕎麦」は「三色せいろ」を選んだが、これはやや残念な出来。
「本陣房」系のように、小さめの蒸篭で3種の蕎麦が時間差を置いて供され、「せいろ、さらしな、茶そば」がこの順番で出てきた。
しかし、いずれも香りやコシに乏しく、水切りも不十分。太さや食感にも差異が無いため、せっかくの趣向が楽しめない。
やはり「三色」には「生粉打ち」系の太打ちが1種類入らないと、味に抑揚が無い。
「つゆ」は中庸な出来。
「堀井」のように甘口、辛口の2種類を出すことはしないので、数種類の蕎麦に適合させるには、丁度良い塩梅だ。この点はつゆの個性が際立つ「布恒」に勝るとも言える。
江戸前のさらっとした「蕎麦湯」に合わせると、豊かに味が広がる。
薬味は丁寧な仕事。
若き四代目は、「有楽町更科」や「銀座更科」といった一門の老舗がここ20年程の間に次々と店を閉じて、一時衰退気味であった「更科」系を牽引する、旗頭の一人であるようだ。
新しい「種物」などへの、前向きな姿勢は好感。
冬場に食した「鴨なん」の見事な出来栄えや、月替わりの「変わりそば」の中には、感心したものもあった。
今後の期待を込めて、今回の「蕎麦」の出来には、少々注文を付けさせていただいた。
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蓼喰人
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蓼喰人さんの他のお店の口コミ
店名 |
築地さらしなの里(つきじさらしなのさと)
|
---|---|
ジャンル | そば、カレーうどん |
予約・ お問い合わせ |
050-5590-7309 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
地下鉄日比谷線築地駅 徒歩1分 築地駅から152m |
営業時間 |
|
予算 |
¥6,000~¥7,999 ¥2,000~¥2,999 |
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー可 (交通系電子マネー(Suicaなど)、楽天Edy、nanaco、WAON、iD、QUICPay) QRコード決済可 (PayPay、d払い) |
領収書(適格簡易請求書) |
適格請求書(インボイス)対応の領収書発行が可能 登録番号:T8010001118618 ※最新の登録状況は国税庁インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトをご確認いただくか、店舗にお問い合わせください。 |
席数 |
55席 |
---|---|
個室 |
有 (8人可) 個室は5名様以上にて承ります。(4人掛け×2テーブルのお席です) |
貸切 |
可 (20人~50人可) |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 近隣の駐車場をご利用ください |
空間・設備 | 落ち着いた空間、座敷あり、掘りごたつあり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり、ワインあり、日本酒にこだわる、焼酎にこだわる、ワインにこだわる |
---|---|
料理 | 英語メニューあり |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 一軒家レストラン |
サービス | 2時間半以上の宴会可 |
お子様連れ |
子供可(乳児可、未就学児可、小学生可) お子様のご来店を歓迎いたします。ミルク等のお手伝いあればお気軽にお声掛けください。 |
ホームページ | |
公式アカウント | |
オープン日 |
1899年 |
電話番号 |
03-3541-7343 |
備考 |
【2003年5月中央区築地2より移転】 |
初投稿者 |
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この日は夜に「浜離宮朝日ホール」での、新進若手演奏家のピアノリサイタルに出掛ける。
その前の食事処として選んだのは、最近マイフォロアーさんがレビューされていた築地の老舗蕎麦屋。
開演前に訪れるとなると時間的にまだ開いていない処も多く、気軽に寄れてしかも通し営業のこちらを選択。
17時頃に入店したので、先客は疎らの状況。
1階中ほどの4人掛けのテーブルに通される。
まずはビール小瓶(キリンラガー)をもらう。
肴には'定番'から「とりわさ」を選択。
鶏ささみを湯引きして三つ葉と共にわさび醤油で和え、上に刻み海苔をあしらった江戸前蕎麦屋ならではの仕事で、味の面でも期待通り。
酒にはこちらでお馴染みの「鶴の友」をぬる燗で1合。
暫しゆるりとした時間が流れる。
後客もちらほら入店してきて、そろそろ蕎麦を考える。
品書きをにらみ、今回は江戸前伝統の「あられそば」を注文。
生の小柱(青柳の貝柱)をかけ蕎麦に乗せた江戸っ子好みの種物で、粒々感が「霰」に似ているため何時しかこのネーミングとなった。
その昔は安価だったが、小柱が品薄となった昨今では老舗以外で見かけることは少ない。
青柳に限ったことでは無いが、二枚貝には柱が2つ付いており大きな方を「大星」小さな方を「小星」と呼び、大星の上質なものは値が張るため高級鮨屋や天ぷら屋に行ってしまい、蕎麦屋に廻って来るのは専ら小星である。
「室町砂場」ではかき揚げには小星だが、冬場限定の「あられ」には贅沢に大星が使われ、値段は'時価'の表記で3,000円ほどで提供されている。
こちらは一杯1,500円の値付けから小星と思われる。
運ばれた丼の景色は、定法通りにかけ蕎麦の上に四角い海苔が敷かれ、その上に「小星」ながら結構の量の小柱が盛られており、三つ葉と柚子が色と香りを添えている。
かけつゆで小柱には適度に熱が入り味が凝縮すると同時に、つゆの方にも貝の旨味が溶け込むのがこの種物の美味さの所以である。
まず蕎麦を啜るが、温蕎麦ながらきちんと食感を残している。
小星なので小柱にはすぐに熱が入るが、蓮華で掬い取るとまさに「あられ」であり、ほど良い食感と味わいが好ましい。
さらに貝のうま味成分が出て、少し白濁したつゆも実に美味い。
やや濃い目だが飲み干すことには何のためらいもなく、全てを平らげて満足感に浸る。
短時間ながらなかなか楽しい「蕎麦屋酒」となった。
「あられ」の出来に、老舗ならではの仕事が守られていることを喜ばしく思う。
お勘定は4,000円弱で、内容からすれば相当。
30年前の数寄屋風の佇まいを覚えている者には現在の店はやや風情に欠けるが、気安く寄れるのは良いこと。
一つ残念なのは接客について。
花番はアルバイトの若い女の子2人が担当しているが、応対ぶりが心許ない。
こちらは通し営業のためシフトの関係で、何人ものスタッフが入れ替わっているようだ。
「木鉢會」に属する他の老舗の多くが、半端な時間帯にもベテランの花番が居り接客での波は見られないが、こちらでも蕎麦のことを良く知ったスタッフの一人は常駐して欲しい。
近くの「布恒」で女将さんが常に客席に気を配っているのに比べて、その点の見劣りは否めない。