"たれ"も香(か)も 知(し)る人ぞ知(し)る 鰻重(むなぢゆう)の 俟(まつ)も蒸(ふか)しの 時間(とき)ならあるに : 鰻禅

鰻禅

(うなぜん)
うなぎ百名店2022選出店

食べログ うなぎ 百名店 2022 選出店

予算:
定休日
月曜日、木曜日

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4.0

¥3,000~¥3,9991人
  • 料理・味4.0
  • サービス4.0
  • 雰囲気2.5
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
2016/06訪問1回目

4.0

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  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥3,000~¥3,9991人

"たれ"も香(か)も 知(し)る人ぞ知(し)る 鰻重(むなぢゆう)の 俟(まつ)も蒸(ふか)しの 時間(とき)ならあるに

【2016-06-14追記】:
六年(むとせ)ぶりの『鰻禪』。
東道(あるじ)説明(と)きて云ふやう:
「不本意(こゝろならず)も強制退去(たちのき)を喰(く)らひ、
近傍(ちかく)に移轉(うつ)りて、はや二年(ふたとせ)」。

不變(かはらざる)もの:
鹹口(からくち)の"たれ"、粒(つぶ)の立(た)ちたる米飯(こめのいひ)、
瓦斯(がす)による熱源(ひ)、壓力鍋(あつりよくなべ)による(む)し、
東道(あるじ)と御内儀(おかみ)の、爲人(ひとゝなり)・仕事(しごと)ぶり。

變化(かはり)たるもの:
(むなぎ)の大(おほ)きさ價格(ねだん)、重箱(いれもの)。
前囘(まへ)は蕩(とろ)けんばかりの蒲燒(かばやき)なりしかど、
此度(こだみ)は適度(ほどよき)柔(やは)らかさ

"(じやう)"の對價(あたひ):
二千二百圓(にせんにひやくゑん)が三千圓(さんぜんゑん)に、、。
價格(ね)こそ昂騰(あが)れど、
口味(あぢ)もまた、往古(そのかみ)より僕(やつかれ)が趣向(このみ)にあふ

倩(つらつら)、東道(あるじ)の技藝(わざ)を窺(うかゞ)ふに、
(さ)きと串打(くしう)ちに大約(およそ)三分(さんぷん)、
白燒(しらやき)六分(ろつぷん)、(むし)十分(じつぷん)、
附燒(つけやき)五分(つけやきごふん)、都合(あはせて)小半晌(こはんとき)。

同(おな)じく"(さ)き"より手順(て)をかくる『尾花』より廉價(やす)く、
あれほどに俟(ま)たされるゝこともなし
備長炭(ひ)や(うつは)こそ『尾花』に見劣(みおと)りするも、
口味(あぢ)は『尾花に肉薄(せまる)

「おのれ、親(おや)の讐敵(あだかたき)」とばかりに貪(むさぼ)り啖(くら)ひ、
瞬(またゝ)く中(うち)にこれを平(たひ)らぐ。
何(なに)より、米飯(めし)と鹹口(からくち)の"たれ"が好(この)み。
諾(うべ)なるかな!

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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :高千穗光學(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-Macro 2/50 @F2.0~2.8

【2010-08-04記】:
前日(まへのひ)の曇(くも)りとはうッて變(か)はり、この日は霽(はれ)。
拔けるがごとき蒼穹(あをぞら)に、一際(ひときは)映ゆる電波櫓(でんぱやぐら)。
愈々(いよいよ)増す高(たか)みに、敢へて目を逸(そ)らす者(もの)なし。
吾妻橋(あづま者゛し)より、飽かで、この櫓(やぐら)と行き交ふ船を眺(なが)む。

扉(とびら)開くや、先客(せんきやく)は一組(ひとくみ)の兩個(ふたり)連(づ)れ。
女將(おかみ)云ふやう、「後(あと)より來たる客を先に拵(こしら)へまする」。
主人(あるじ)も、「だいぶ御待ちいたゞきますれば、なにとぞ御料簡(ごれうけん)を」。
僕(やつがれ)、聊(すこ)しも怯(ひる)まで、應答(いら)へて「待ち申(まう)す」。

上鰻重(じやうゝなぢゆう)」に麥酒(びいる)、合(あ)はせて二千七百圓也。
啤酒(びいる)は近傍(ちかく)の●●●大樓(びる)の朝日牌(あさひじるし)。
突き出しとして、「鰻肝臟(むなぎきも)時雨煮(しぐれに)」に、「鰭燒(ひれやき)]」。
口惜(くちを)しきかな、僕(やつがれ)の好(この)む兜(かぶと)は品切(しなぎ)れ。

熟々(つらつら)主人(あるじ)の仕事(しごと)ぶりを窺(うかゞ)ふに、
鰻(むなぎ)をへばらせまじと、ぐるりと循環(まは)す攝氏(せッし)十五度の水
割きたる鰻(むなぎ)を秤(はかり)にかけ、一つ一つ目方(めかた)を量(はか)る。
彫琢(てうたく)を加(くは)へ悉(ことごと)く均(ひと)しき重量(おもさ)に。

竹串(たけぐし)を打ち、瓦斯火(がすび)に炙(あぶ)ること暫(しば)し。
つぶさにそのさまを檢(あらた)むれば、互ひの間隔(へだゝり)およそ二寸半。
近火(ちかび)の備長炭(びんちやうたん)を巧(たく)みに操(あやつ)り、
一氣呵成(ひといき)に炙(や)き上ぐる、「色川」とは著(いちじる)しき違(たが)ひ。

遠火(とほび)で焦(こ)げ目の附(つ)かぬやう叮嚀(ねんごろ)に炙(や)く、
小塚原「尾花」、飯倉「野田岩」とも「挑燈(ちやうちん)に鐘(つりがね)」。
鰻(むなぎ)の身を焦がすさま、鈴箇森(しおきば)の八百屋お七に髣髴(さもにたり)。
さるによつて、身の其處彼處(そこかしこ)に目立つ微(かす)かなる焦(こ)げ目。

しかる後(のち)、壓力鍋(あつりよくなべ)にてこれを蒸(む)す。
およそ名のある鰻屋(むなぎや)にして壓力鍋(あつりよくなべ)使ひこなすは稀(まれ)。
何處(いづく)も蒸籠(せいらう)にて氣長(きなが)に蒸すが通例(ならひ)。
野田岩」は、五十分(「定本日本料理」)、二時間(「和風總本家」)と云ふ。

待つこと半晌(はんとき) 近く、西洋土圭(せいやうどけい)にして五十五分
後(あと)から來(き)たりし豫約客(よやくきやく)は既に食(た)べ了(おは)りて、
暇(いとま)乞(こ)ひたる後(のち)。
上鰻重(じやうゝなぢゆう)」には、肝吸(きもす)ひ・香(かう)の物(もの)附き。

蓋(ふた)を去(さ)るや、そのあまりの輕(かろ)さに眼精(まなこ)白黒(しろくろ)。
紛(まが)ふ方(かた)なき塗(ぬ)り物(もの)にて、
特上」なれば「宮川」屋號(やがう)入(い)りの輪島塗(わじまぬり)とか。
主人(あるじ)、嘗(かつ)て十二社(じふにさう)に在りし「宮川」の出身(で)とか。

昭和二十二年丁亥(ひのとゐ)年生まれの數(かぞ)へで六十四(むそぢあまりよつ)。
如何(いか)にも職人(しよくにん)らしき赤(あか)ら顏(がほ)。
周邊(あたり)に氣さくに聲(こゑ)をかけ、己(おの)が手法(やりかた)を説(と)く。
注文(ちゆうもん)を受けて捌(さば)くが何(なに)よりの誇(ほこ)りか、、。

「さて、その鰻(むなぎ)は?」と問(と)はるれば、
身は薄(うす)く小(ちひ)さめながら、脂(あぶら)乘りは十分(じふゞん)。
蒸し強くかゝりて、「尾花」、「野田岩」をも凌(しの)ぐ柔(やは)らかさ。
實(げ)に恐(おそ)るべきは「壓力鍋(あつりよくなべ)」の威力(そこぢから)。

たれは鹹口(からくち)、米は粒が立ち、瞬(またゝ)く間(ま)にこれを平(たひ)らぐ。
鋪(みせ)の設(しつら)へは汚穢(うすぎたな)き燒鳥屋(やきとりや)竝(なみ)。
換氣扇(くわんきせん)は油塗れ、鍋も薄汚(うすよご)れが顯著(いちじるし)く、
到底(とて)もまともな料理屋(れうりや)とは思(おも)はれず。

近邊(あたり)の勤(つと)め人(にん)も多(おほ)き晝(ひる)になほ、
注文(ちゆうもん)を受けてより捌(さば)く手法(やりかた)を貫(つらぬ)くは、
愕(おどろ)きのあまり詞(ことば)を失(うしな)ふ。
價(ね)も廉(やす)く、足の便(べん)もまた惡しからざるは更なる驚異(おどろき)。

手間暇(てまひま)と、(ね)、(ま)ち時間(じかん)と云ふ、
相反(あひはん)する要求(もとめ)を三(みッ)つながらに滿(み)たすは、
宛然(あたかも)蟻の肢體(からだ)に獅子(しゝ)の力を添ふるに似(に)たり。
八面六臂(はちめんろつぴ)、聖徳太子(しやうとくたいし)がごとき神業(かみわざ)。

三方(さんぱう)一分(いちぶ)の損もなく丸(まろ)く收むる無理難題(むりなんだい)。
これを解決(と)く鍵こそ「壓力鍋(あつりよくなべ)」に「豫約制(よやくせい)」。
忙(いそが)しき勤(つと)め人には豫(あらかじ)め注文(ちゆうもん)あらば、
店(みせ)に着くやいなや、頼(たの)みし品(しな)運ばれ來(く)る仕組(しくみ)。

壓力鍋(あつりよくなべ)に(はかり)と云ふ文明の利器を操(あやつ)り、
手間のかゝらぬ瓦斯火(がすび)を用(つか)ふに聊かの躊躇(ためらひ)もなし。
賢明(かしこ)くも、急ぐ相知(なじみ)の客には「豫約制(よやくせい)」。
かくて、汚穢(うすぎたな)くも、この値で商(あきな)ふは見上(みあ)げたもの。

※富士電視臺の節目(ぷろぐらむ)の一企劃(きかく)「きたなしュらん」に相應(ふさは)しき賈(みせ)。

  • 鰻禅 - 山椒(さんせう)

    山椒(さんせう)

  • 鰻禅 - 七味蕃椒(なゝいろたうがらし)

    七味蕃椒(なゝいろたうがらし)

  • 鰻禅 - 茶(ちや)

    茶(ちや)

  • 鰻禅 - 香(かう)の物(もの)

    香(かう)の物(もの)

  • 鰻禅 - 香(かう)の物(もの)

    香(かう)の物(もの)

  • 鰻禅 - 鰻重(むなぢゆう)上(じやう)

    鰻重(むなぢゆう)上(じやう)

  • 鰻禅 - 鰻重(むなぢゆう)上(じやう)、皮側(かはがは)

    鰻重(むなぢゆう)上(じやう)、皮側(かはがは)

  • 鰻禅 - 鰻重(むなぢゆう)上(じやう)

    鰻重(むなぢゆう)上(じやう)

  • 鰻禅 - 鰻重(むなぢゆう)上(じやう)、皮側(かはがは)

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  • 鰻禅 - 肝吸(きもす)ひ

    肝吸(きもす)ひ

  • 鰻禅 - 竹串(たけぐし)

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  • 鰻禅 - 赤ら顏(がほ)の主人(あるじ) 【撮影許可濟み】

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  • 鰻禅 - 近傍(ちかく)の摩天大樓(びる)

    近傍(ちかく)の摩天大樓(びる)

  • 鰻禅 -
  • 鰻禅 -
  • 鰻禅 - 吾妻橋(あづまばし)より普請(ふしん)の電波櫓を望む

    吾妻橋(あづまばし)より普請(ふしん)の電波櫓を望む

  • 鰻禅 - 普請(ふしん)の電波櫓、百三十四丈六尺(408m)

    普請(ふしん)の電波櫓、百三十四丈六尺(408m)

  • 鰻禅 - 業平橋停車場より見上ぐる人

    業平橋停車場より見上ぐる人

  • 鰻禅 - ●●●大樓(びる)近傍(ちかく)より電波櫓(でんぱやぐら)を望む

    ●●●大樓(びる)近傍(ちかく)より電波櫓(でんぱやぐら)を望む

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店舗基本情報

店名
鰻禅(うなぜん)
受賞・選出歴
2019年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2019 Bronze 受賞店

うなぎ 百名店 2022 選出店

食べログ うなぎ 百名店 2022 選出店

うなぎ 百名店 2019 選出店

食べログ うなぎ 百名店 2019 選出店

うなぎ 百名店 2018 選出店

食べログ うなぎ 百名店 2018 選出店

ジャンル うなぎ
お問い合わせ

03-3624-0475

予約可否

予約不可

住所

東京都墨田区吾妻橋3-6-18

交通手段

・東武伊勢崎線・東京メトロ銀座線「浅草駅」から徒歩7分
・都営浅草線「本所吾妻橋駅」A4出口から徒歩1分、A5出口も可

本所吾妻橋駅から122m

営業時間
  • 火・水・金

    • 11:00 - 16:00
  • 土・日

    • 11:00 - 15:00
  • 月・木

    • 定休日
  • ■ 営業時間
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    ■ 定休日
    月曜日・木曜日
    (月曜に限り、祝祭日の場合営業)

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予算

¥5,000~¥5,999

予算(口コミ集計)
¥5,000~¥5,999 ¥5,000~¥5,999

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支払い方法

カード不可

電子マネー不可

QRコード決済不可

席・設備

席数

22席

(カウンター 6席、テーブル 4x2席、座敷 4x2席)

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

空間・設備

カウンター席あり、座敷あり

メニュー

ドリンク

日本酒あり

料理

魚料理にこだわる、英語メニューあり

特徴・関連情報

利用シーン

家族・子供と 一人で入りやすい 知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

一軒家レストラン

サービス

テイクアウト

お子様連れ

子供可

公式アカウント
オープン日

1980年7月7日

備考

【墨田区吾妻橋1-19-12より移転】
平日は予約可能
土日は予約不可

初投稿者

©Loro©Loro(5652)

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