素朴ながら食材本来の美味しさを最大限に引き出し提供するお店なんですねぇ＾＾ : うを徳

【2016年10月　訪問】

東向島駅と言えば、2年程前に甥っ子を連れて東武博物館に行った以来、
自分にとってはあまり馴染みの無い駅だ。
今回この地に下り立ったのは、なんてったって気になるお店、うを徳さんに行く為だ。
東武博物館の敷地に沿って道沿いに進み住宅街に入ると
ひっそりとしたいで立ちでコチラのお店がお見受けできる。

自宅の玄関のような引き戸を開けると
やはり自宅の玄関のような高めのたたきがお出迎えする。
靴を脱いで店内へ。
掘りごたつ仕様のカウンターに着席し、シャイだと思われる柔和な店主とご対面。
今回は本日のつまみとにぎりのコースから『福おまかせ』11500円を。


[茨城産落花生の茹でと焼いた菱]
とても大粒な落花生のコックリとした甘み、
人生で初めて食べた菱は栗と筍を掛け合わせたような風味で
シンプルに滋味深い美味しさでした。


[南紀産アワビの蒸しと釧路産牡蠣の燻製]
店主が奥の厨房から蒸したてのドデカイ鮑を持ってきた。
目の前で切り分け、牡蠣の燻製と共にご提供。
牡蠣も燻製にしていながらジューシーなんだけど、それ以上に
なんだろこの鮑、メタくそジューシーで瑞々しく美味しさも閉じ込めていて感動レベル。


[明石産タコ]
これまた前出の鮑同様、湯気がフワフワ出たドデカイ蛸を目の前で切り分ける。
大根とおろしたての山葵が添えられたコチラは、やはり蛸が柔らかくジューシー。
この水分を上手にまとうような仕立ては如何にして出来上がるのか？？


[神奈川産太刀魚の塩焼き]
塩の塩梅がとってもとってもとーーーっても丁度良い！
パサつきが一切無く、シットリとした食感ですわ～。


[渡り蟹の真丈]
ふわふわタイプでは無く、蒲鉾のようなシッカリした食感の真丈でした。
見た目ミルフィーユのように惜しげも無く混ぜ込まれた渡り蟹が思いの外風味良く、
このタイプの真丈も良いものだなぁ～と。
何気に松茸もあしらわれていて香りでも楽しめる一品でした。


[大分産カレイと利尻産雲丹]
目の前でカボスをギュっと絞って醤油を足してポン酢を作り刺身と共にご提供。
爽やかな風味のポン酢は白身にも濃厚な雲丹にも似合い飽きが来ない美味しさでした＾＾


[信州産松茸の炊き込みご飯]
〆に寿司が出るはずなのに、ここでまさかの松茸ご飯Σ(･ω･ﾉ)ﾉ！
どうやら新米で寿司には適さないとの事で松茸ご飯にしたようだ。
松茸が惜しげも無く入っている、この店に来て人生で一番松茸を摂取したと感じる。


[信州産松茸と淡路産鱧のしゃぶしゃぶ]
また松茸ー！！嬉しい嬉しい嬉しい(≧▽≦)♪
シャキシャキ食感の松茸に目の前で捌き立ての鱧。
サッと出汁にくぐらせて、シンプルながら身体の奥に染み渡る美味しさ＾＾


[にぎり・富山産白エビ]
まったりと濃厚な甘さの白エビでした＾＾
酢飯は赤酢、酸味は控えめなタイプのシャリで
この手の甘みがあるネタには合うかな～と。


[天草産海鰻のミニ丼]
肉厚な海鰻、関西風に皮目をパリッと強めの食感に焼き上げてありました。
タレは僅かに醤油の味が強めに感じ、個人的にはもう少しアッサリした味付けでも良いかもな。


[にぎり・大間産大トロ]
まるでサシの入った牛肉のような見た目。
口に入れるとサラリと溶ける脂、ホロリとほどけるシャリの妙が良きものでした。


[にぎり・式根産たかべ]
コレ、予想以上に好きな感じでした～＾＾
巧く表現できないけど、シンプルなのに存在感が凄い♪
美味しさがギューっと凝縮されていました。


[にぎり・鳥取産白いか]
柔らかく、儚げで、でも風味はシッカリと＾＾


[にぎり・大間産中トロ]
コチラは美味しさよりも少し香りと酸味が気になった。


[にぎり・ミル貝]
シャキシャキ＆コリコリ、甘みも旨味も詰まった充実の食感。
好き！貝好きの私にゃ、たまらん旨味だ♪


[にぎり・大間産赤身の漬け]
コチラも中トロ同様、香りと酸味が少し気になったなぁ・・・。


[にぎり・大阪産小肌]
大振りだし〆具合も好きなタイプ。美味しい＾＾


[巻物・帆立貝柱]
最後の巻物は帆立貝柱。
甘みのある風味高い貝柱で美味しく頂きました。


[デザート]
大粒で爽やかな甘さの天山と、香りが高い黒無花果。
食事のフィニッシュとして、個人的には締まりが出て綺麗に着地出来る印象＾＾


いや～、訪問前にいくつかのレビューで拝見していたものの
実食してみてその品数の豊富さ、内容の充実さに改めて感動しました＾＾
特に出されるお料理が、シンプルに素材の味を活かしつつ
そこには一切のマイナス要素が無く、どちらかと言えばプラスに作用し
食材本来の水分を綺麗に保っている点が凄いなぁと。

店主は「人が好きだけど恥ずかしがり屋」、たぶんそう、きっとそう。
そんな店主の一挙手一投足が微笑ましく、でも料理の腕は確かなので安心出来ます。
BGMも無く店主の口数も(シャイが故に)少な目、でも流れる空気が心地良く、
このコースを頂き終えてあっという間に3時間。
「待たせられた」、「料理が遅い」なんて思いは一切感じず、
「気付いたら充実の3時間が得られた」って気持ちは
何だか貴重で素敵だと思うんだ。

また来たい。
ごちそうさまでした。