伝説の居酒屋 : 豊田屋

人生初、平井なる駅で降車。

お目当てはこちら。豊田屋さん。
言わずと知れた、あるいは知る人ぞ知る伝説の居酒屋であります。

何大、、、かはわかりませんが、東京予約困難店の1つに数えられる豊田屋さん。
9月21日に思い立って電話してみたら、1ヶ月先にも満たない10月17日、この日の予約ができました。
ほぼ間違いなくコロナの影響と思われます。

噂では電話でのやり取りが、なかなか乱暴気味と聞いていましたが、ものすごく優しい年配の男性の声でした。

サクッと予約がとれてしまったので結構店内スカスカかな？と思って行ったのですが、コロナ騒動以降に見る光景としては異例のブン混み状態。コロナって終わったんだっけ？と思うくらいの光景が広がっていました。

店内はカウンター12席、4人がけテーブル席が4つ、奥に座敷席がありました。
ソーシャルなんちゃらは多分一切なく、超絶ギュウギュウに人が入っていました。
（写真は退店時のため少し余裕あります）

一応窓は少しだけ空いていました。あと一応入店時に検温もあります（自分で申告する式ですが）。

それと一応席にはアルコール消毒スプレーがあります。

店員さんは男性2名、女性5名体制。昭和感炸裂のある意味昔懐かしい豪快な接客となります。
お店の雰囲気には最高にあってます。

ボスと思しき年配の男性が最も優しく最も丁寧に接してくださいますので、せかせかした感じに疲れたらボスに話しかけるとよかろうと思います。
なお、この雰囲気ですが店内禁煙です。

2時間制で16時オープンのため、18時前になると店内は空き始めます。
ただ恐らく19時近辺になるとまた混み始めるのではないかと予想されます。

なおこの建物は2021年3月で一旦営業を終え、その後建て替えて新品物件に生まれ変わるようです。
「むしろこの雰囲気のこの建物時代に食べておきたい」という方々が、この後殺到するものと思われます。

4人で訪問したのでテーブル席に通されます。
ものすごく狭い。後ろの人が太っていたりするとなかなか大変なことになります。

入店するとゴミ袋が渡され、持ち物やコートはこちらに入れるよう言われます。大木屋スタイル。

17時に予約していたのですが、席にこれが置いてありました。
実際には16時30分に着いてしまったのですが、すんなり中に入れて頂けました。

カウンターにもテーブル席にもガスコンロ配備。
鍋が有名なお店で、よほどの常連でなければ鍋は注文すると思われます。

卓上配備。

メニューはカウンターの向こうの上に掲載してあります。手元ではありません。

上述の御主人によりますと「オススメはない。ただ、他のお店にない料理を頼むのがいいんじゃないか」ということでした。
確かに時折見たことがないメニューが見受けられます。

鍋が有名ですが、鍋以外のメニューも豊富。鍋を食べなくても十分成立します。
が、12種類ある鍋は初見で外す人はいないと思われます。

頂いたものを紹介します。

■ビール大瓶（530円）

瓶ビールは大瓶です。大瓶530円は相当破格といえます。
銘柄は黒ラベルでしたが、選択の余地があるのか否かはわかりませんでした。

■梅酒ハイボール（330円）

ドリンクは全体的にお値段低め。
焼酎ハイボールなどは200円台で飲めてしまいます。甲類系かな。。。

■アンコウ鍋キモ入り2人前（5,000円）

運ばれてきた順番は異なりますが、先に真髄の鍋を紹介します。アンコウ鍋。
9月に予約電話した際に「アンコウはあるけど牡蠣はないかも」と言われましたが、この日はどちらもありました。多分。

この見栄えが最大の特徴です。鍋が小さいからという理由もかなり大きいですが、溢れんばかりにアンコウが乗っています。
こちらで二人前。値段は5,000円となるので、激安という感じではありません。

とにかく映えます。Instagramのためにあるかのような鍋。

ちなみに肝は二人前だと2個入となります。

点火。

鍋は完成まで一切手を触れないことが命ぜられます。

ある程度煮立ったら、大御所が混ぜ混ぜしてくださいました。

もう少しで出来上がり。
大御所によると「先にスープを飲んで欲しい。後でにする人が多いけど、煮詰まって味が濃くなるのでスープは最初に飲むのがベスト」とアドバイスを頂きました。

完成。

ベースは醤油、出汁、砂糖、酒といった感じ。甘めの仕上がり。味の方向性としては異彩は放っていないです。
アンコウのホクホクプリプリブルブルとした食感がたまりません。確かに美味しいわ！と思った。

ただ、「こんなに美味しい鍋は食べたことがない」という感じではないと思いました。
見て美味しい、食べて美味しい鍋、しかもこの店内でというストーリー込みの味かなと思いました。

■白子鍋2人前（5,800円）

鍋をもう1つ。白子鍋を2人前。
ちなみに似た名前の「白子ちり」というメニューがあるのですが、そちらは味が付いておらずポン酢で頂くスタイルだそうです。

アンコウ鍋同様ビジュアルがすごい。外国人が見たらどう思うのだろうか。
美味しそうに見えるのだろうか。

こんなにたくさん白子が入った鍋は生涯初ですし、以降も出会うことはなさそう。
これまた非常に映えます。

白子が乗りすぎていて他の具があまり見ません。
鍋が運ばれていく度に、鍋の種類によらず歓声が上がります。これはもうアトラクションである。

同じく火を入れ触らない。

大御所がまたやってくださいます。

アンコウ鍋とベースのスープは一緒のため味の方向性は似てるというか同じになります。そういう意味では白子ちりの方が変化があってよかったかも。
白子がねっとり濃厚クリーミーで、何よりそのボリュームに圧倒されます。

4人であれば鍋は2人前を2つ食べるのがオススメです。
白子鍋もアンコウ同様魅せるものがありました。

鍋以外を紹介します。

■牛にこみ（450円）

量がすごく少ないです。4人だと2つは頼まないと食べた気がしなさそう。
軟骨がコリコリしているのと、味付けがあっさりしていて薄味なのが特徴です。

■つぶ貝塩焼1本（380円）

プリプリ肉厚。塩加減が絶妙。

■カモチクワブいため（750円）

鴨肉とちくわぶの炒めもの。大御所の仰る「他ではないメニュー」をオーダーしてみました。
味が劇的に濃そうなのですが、全然濃くないという不思議。
強そうで強くない、しかしビシッと決まった味が染み込んだちくわぶと、鴨肉にもしっかり味が染み込んでおり、得も言われぬ炒めものになってます。

味だけの驚きという意味では、こちらの方が鍋より上でした。

■生揚げ玉子とじ（400円）

生揚げってなんだろうと思ったら厚揚げのことなんですね。あとで知りました。厚揚げと知っていたらオーダーしなかった可能性高いです。
鍋も先ほどの炒めもこちらも、醤油＋砂糖＋酒、、、的なコラボレーションで味の方向性が一緒のため、何でも同じ味に感じて来ないでもないです。

何食べても味の方向性が似ていて変化を感じなくなってくるという意味でいうと第一亭＠日ノ出町を思い出しました。

味の方向性が違うものを上手に織り交ぜてオーダーすると、また違う世界が見えてきそうです。

人気の理由はよくわかりました。

できれば昭和ノスタルジー全開の、今の建物の間に行きたいお店です。

===
【オーダー】
上記の通り　1人4,150円